Penumbra 5MAX ACEの初期7例の使用経験5MAX...

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NKC Vol.1 No. 1 March 2016 14 緒 言 急性頭蓋内主幹動脈閉塞例に対する血栓回収デバイ スである Penumbra system Penumbra Inc. Alameda, CA, USA)は 2011 年に本邦に導入され,先端内径 0.054 ンチの 054 再灌流カテーテルが最大口径のカテーテ ルとして広く用いられた.2013 6 月に使用可能と なった 5MAX は,054 と先端内径は同様も追従性, 操作性の向上が図られていた.2014 10 月からは 5MAX ACE が使用可能となったが,先端内径が 0.060 インチに拡大され,血栓の吸引・吸着力の向上が報告 されている 1.また,カテーテル全体に 12 段階の硬 度変化が施され,支持性,追従性の向上と同時に先端 を柔軟にすることで安全性を向上させるような改良が 加えられた. Penumbra system は,従来は separator を用いながら 血栓を再灌流カテーテル内に吸引するデバイスである が,separator を用いずに血栓を吸引,あるいは再灌流 カテーテル先端で血栓を吸着してカテーテルごと抜去 する“a direct aspiration first pass techniqueADAPT)に より,再開通率の向上が報告されている 2当施設では Penumbra system を用いた ADAPT を血 栓回収療法の第一選択としており,5MAX ACE を導 入後,複数例に使用してきたため,その初期経験につ いて報告する. 連絡先:多喜純也 福井赤十字病院 脳神経外科(〒 918-8501 福井県福井市月見 2 丁目 4 1 号) E-mail: [email protected] Tel: 0776-36-3630 Fax: 0776-36-4133 2015 4 6 日受付  2015 11 24 日採択 要  旨 【目的】 Penumbra 5MAX ACEを用いて“a direct aspiration first pass technique(ADAPT)” を行った初期経験に基づき,有用性を報告する. 【方法】 2014 年 10 月から 2015 年 3 月の間に 血栓回収療法を行った連続 8 症例のうち,5MAX ACE を吸引カテーテルあるいは中間径カテー テルとして用い ADAPT を行った 7 例を後方視的に解析した. 【結果】 平均年齢 76.9 歳.閉塞部 位は中大脳動脈 M1 遠位 3 例,M2 2 例,脳底動脈 2 例.治療前平均 National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) 16.0,治療開始までの平均時間は 315 分.5 例(M1 遠位  2 例,M2 1 例,BA 2 例)で 5MAX ACE が閉塞部位に到達し,2 例は同軸に用いた 3MAX で ADAPT を施行.6 例で有効な再開通(Thrombolysis in Cerebral Infarction[TICI]3 5 例,TICI 2b 1 例)を得た.治療 24 時間後 NIHSS は平均 7.7 であった.手技に伴う頭蓋内出 血は認めなかった. 【結論】 5MAX ACE は口径が拡大したが,追従性にも優れており,より安全, 有効に血栓回収が行えるものと考えられた. Key words 5MAX ACE, Penumbra, ADAPT, mechanical thrombectomy NKC 1:14–23, 2016 NKC 1:14–23, 2016 Penumbra 5MAX ACE の初期 7 例の使用経験 多喜純也 早瀬 睦 宮腰明典 北原孝宏 服部悦子 中村威彦 波多野武人 福井赤十字病院 脳神経外科 原 著

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NKC Vol.1 No. 1 March 201614

¥ 緒 言

 急性頭蓋内主幹動脈閉塞例に対する血栓回収デバイスである Penumbra system(Penumbra Inc. Alameda, CA, USA)は 2011年に本邦に導入され,先端内径 0.054インチの 054再灌流カテーテルが最大口径のカテーテルとして広く用いられた.2013年 6月に使用可能となった 5MAXは,054と先端内径は同様も追従性,操作性の向上が図られていた.2014年 10月からは5MAX ACEが使用可能となったが,先端内径が 0.060インチに拡大され,血栓の吸引・吸着力の向上が報告されている1).また,カテーテル全体に 12段階の硬度変化が施され,支持性,追従性の向上と同時に先端

を柔軟にすることで安全性を向上させるような改良が加えられた. Penumbra systemは,従来は separatorを用いながら血栓を再灌流カテーテル内に吸引するデバイスであるが,separatorを用いずに血栓を吸引,あるいは再灌流カテーテル先端で血栓を吸着してカテーテルごと抜去する“a direct aspiration first pass technique”(ADAPT)により,再開通率の向上が報告されている2). 当施設では Penumbra systemを用いた ADAPTを血栓回収療法の第一選択としており,5MAX ACEを導入後,複数例に使用してきたため,その初期経験について報告する.

連絡先:多喜純也 福井赤十字病院 脳神経外科(〒 918-8501 福井県福井市月見 2丁目 4番 1号) E-mail: [email protected]: 0776-36-3630 Fax: 0776-36-41332015年 4月 6日受付  2015年 11月 24日採択

要  旨

【目的】Penumbra 5MAX ACE を用いて“a direct aspiration first pass technique(ADAPT)”を行った初期経験に基づき,有用性を報告する.【方法】2014 年 10 月から 2015 年 3 月の間に血栓回収療法を行った連続 8 症例のうち,5MAX ACE を吸引カテーテルあるいは中間径カテーテルとして用い ADAPT を行った 7 例を後方視的に解析した.【結果】平均年齢 76.9 歳.閉塞部位は中大脳動脈 M1 遠位 3 例,M2 2 例,脳底動脈 2 例.治療前平均 National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) 16.0,治療開始までの平均時間は 315 分.5 例(M1 遠位 2 例,M2 1 例,BA 2 例)で 5MAX ACE が閉塞部位に到達し,2 例は同軸に用いた 3MAXで ADAPT を施行.6 例で有効な再開通(Thrombolysis in Cerebral Infarction[TICI] 3 5例,TICI 2b 1 例)を得た.治療 24 時間後 NIHSS は平均 7.7 であった.手技に伴う頭蓋内出血は認めなかった.【結論】5MAX ACE は口径が拡大したが,追従性にも優れており,より安全,有効に血栓回収が行えるものと考えられた.

Key words  5MAX ACE, Penumbra, ADAPT, mechanical thrombectomyNKC 1:14–23, 2016

NKC 1:14–23, 2016

Penumbra 5MAX ACE の初期 7 例の使用経験

多喜純也 早瀬 睦 宮腰明典 北原孝宏 服部悦子 中村威彦 波多野武人

福井赤十字病院 脳神経外科

原 著

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¥ 対象と方法

対 象 5MAX ACEが使用可能となった 2014年 10月から 2015年 3月までの血栓回収療法連続 8例のうち,5MAX ACEを使用した症例を後方視的に検討した. 急性の神経脱落症状を呈する症例は,単純 CTで頭蓋内出血を否定の後,直ちにMRI(diffusion-weighted image: DWI,MRA)を撮影し,前方循環は内頚動脈(internal carotid artery: ICA), 中 大 脳 動 脈(middle cerebral artery: MCA)M1,M2部,前大脳動脈 A1,A2部閉塞例で Alberta Stroke Program Early CT Score(ASPECTS)+W(ASPECTS原法3)に深部白質領域 1点を加えた計 11点から梗塞巣領域数を減算するスコア4))6以上,後方循環では椎骨動脈(vertebral artery: VA),脳底動脈(basilar artery: BA)および後大脳動脈P1,P2部 閉 塞 例 で posterior circulation-Acute Stroke Prognosis Early CT Score(pc-ASPECTS: 橋, 中 脳 に各 2点,左右小脳半球,視床,後大脳動脈領域に各1点を付した計 10点から梗塞巣領域の点数を減算するスコア5))6以上で,DWI高信号域が閉塞血管の灌流域全域ではない,あるいは神経症状が DWI高信号域から想定される症状より重症であるなど,虚血性ペナンブラの存在が示唆された症例を血栓回収療法の適応とした.MRIが撮影できない場合は,単純 CTで ASPECTS 6以上の場合に血管造影で閉塞血管を評価し,適応の有無を検討した.発症(最終未発症確認時刻)からの時間や National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)による適応基準は設けていない.Tissue plasminogen activator(tPA)静注療法適応例は同治療を先行し,t PA投与終了を待たず直ちに血管造影を開始した.治療に先立ち患者家族から書面にて治療の同意を得た.

血管内治療 血栓回収療法では,Penumbra systemによる ADAPTを第一選択とした.局所麻酔(安静が保てない場合はミダゾラムの間欠的静注を併用)下に 4Frラジフォーカスイントロデューサー(テルモ,東京)を総大腿動脈に挿入し,4Fr OK2カテーテル(カテックス,大阪)にて血管造影を行った.責任血管の閉塞が確認されれば,前方循環の場合はシースを 9Frラジフォーカスイントロデューサー(テルモ,東京)に入れ替え,

9Fr Optimo(東海メディカルプロダクツ,愛知)を 6Fr JB2(メディキット,東京)と同軸に頚部 ICAに留置した.後方循環の場合はシースを 6Fr Fubukiガイディングシース(朝日インテック,愛知)に入れ替え,6Fr JB2と同軸に優位側 VAに留置した.ヘパリンは,tPA投与例では 2000~3000単位,非投与例では 5000単位を静注した.5MAX ACEは,3MAXと同軸にCHIKAI14 200 cm(朝日インテック,愛知)を用いて閉塞部位に到達させた.60 mL吸引用シリンジ,或はPenumbra吸引ポンプを 5MAX ACEに接続し陰圧をかけ,逆血が消失することで血栓把持と判断した.この際,血管壁の吸引による疼痛を示唆する症状がないか注意した.20~30秒待機し逆血がなければ,前方循環では Optimoの balloonを拡張して血流遮断を行い,陰圧を維持したまま 5MAX ACEをゆっくり引き戻した.血栓回収後は Optimo内も吸引し残存血栓がないことを確認後に造影した.再開通が得られない場合は同様の手技を 3~4回まで繰り返した.閉塞血管が遠位または細径で 5MAX ACEを使用できない場合は,同軸に誘導した 3MAXで ADAPTを行った.ADAPTで再開通が得られず,閉塞血管がM1または BAの場合,あるいはより末梢血管であってもマイクロガイドワイヤーの走行や 3MAXの挙動,造影所見から安全に使用可能と判断された場合は,stent retriever(SR)を使用する方針とした.閉塞部近位に高度狭窄がある場合は,同部に血管形成術を行なったのち血栓回収を行い,必要に応じてステントを留置した.

評価項目 発症(最終未発症確認時刻)から穿刺までの時間(onset-to-puncture time: OPT),5MAX ACEの 到 達 部位, 有 効 再 開 通(Thrombolysis in Cerebral Infarction[TICI]グレード≥ 2b)の有無,穿刺から有効再開通までの時間(puncture-to-reperfusion time: PRT),転帰,入院中の死亡,手技合併症,入院中の頭蓋内出血(intracranial hemorrhage: ICH)の有無を評価した.非再開通例は PRTの検討から除外した.転帰は,発症 24時間後の NIHSS,24時間後の dramatic recovery(DR: NIHSSが発症時より 10以上改善,または 0,16)),退院時 modified Rankin Scale(mRS)で評価した.手技合併症は解離,血管攣縮,非閉塞血管領域の新たな塞栓症(embolization to new territory: ENT),治療直後の CTにおけるくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)

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または ICHとした.CTは治療直後,24時間後,その後は必要に応じて撮影した.ICHにより NIHSSが4以上増悪したものを症候性頭蓋内出血(symptomatic ICH: sICH)とした.

代表症例

症例 1:76歳,女性.現病歴:不調を自覚し近隣の家族に自ら電話した.呂律が回っていないため家族により救急要請され,搬送された.既往歴:高血圧,糖尿病,膵癌(多発肝転移があり末期の状態).入院時所見:Japan Coma Scale I-3.発症直後は不明瞭な発語があったが,来院時は失語症,構音障害,顔面を含む重度の右不全片麻痺(manual muscle testing: 2/5)を認めた.NIHSSは 16であった.心電図は洞調律であった.

MRI 所見:DWIにて左島皮質と後部側頭葉皮質に高信号域を,左放線冠にも淡い高信号域を認め,ASPECTS+Wは 8であった(Fig. 1A,1B).MRAではMCA M2後方枝の信号が途絶していた.血管内治療:tPA静注開始 5分後より血管造影を開始し,左M2後方枝の閉塞を確認した(Fig. 1C,1D).9Frシースに入れ替えヘパリン静注の後,9Fr OptimoをICAに留置した.5MAX ACEを 3MAXと同軸に誘導し,容易にM2の閉塞部位に到達した(Fig. 1E).ICA遮断下に ADAPTを施行し,やや白色の血栓を回収し(Fig. 1H),再開通(TICI 3)を確認した(Fig. 1F,1G).術後経過:術直後から右片麻痺は改善し(NIHSS 12),翌日には失語もほぼ消失し,歩行可能となった(NIHSS 1).3日後には神経脱落症状は完全に消失した.経過中も心房細動は認めず,入院時採血で血小板低値や線溶系の亢進を認めたため,癌末期の凝固異常が関連した塞栓症と考えられた.出血リスクや内服抗

Fig. 1In Case 1, preoperative diffusion-weighted image (DWI) shows hyperintense areas in the left insular cortex, left posterior temporal cortex (A), and subcortical white matter of the corona radiata (B, arrow). Left internal carotid angiography (ICAG) shows occlusion at the M2 segment of the middle cerebral artery (C, D, arrows). The 5MAX ACE is advanced to the occlusion site (E, arrow) and thrombus is removed by a direct aspiration first pass technique (F). Post-procedural left ICAG reveals thrombolysis in cerebral infarction (TICI) 3 recanalization (G, H).

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癌剤との相互作用を考慮して抗凝固療法は導入しなかった.

¥ 結 果

 当初から 4MAXを使用した 1例を除く 7例で5MAX ACEが用いられた.対象症例の背景および治療結果を Table 1,2に示す.平均年齢は 76.9±10.8歳,女性は 3例で,平均 OPTは 315±309分,平均NIHSSは 16.0±6.6であった.全例MRI撮像可能で,ASPECTS+W中央値は 8(四分位範囲 8-9)であった.臨床病型は心原性脳塞栓症が 4例(57%)と最多で,閉塞血管はM1遠位部(M1起始部より 5 mm以上遠位7))3例,M2 2例,BA 2例であった.tPA静注療法は 4例(57%)に行われた. 5例で 5MAX ACEを閉塞部位に誘導可能であった.1例は頚部 ICA高度狭窄を合併するM1遠位部閉塞であり,頚部 ICAへの血管形成術およびステント留置を要した(症例 7).症例 7はM1遠位部閉塞への ADAPT後にM2に閉塞が残存し(Fig. 2A),3 pass目の ADAPTで再開通を得た(Fig. 2B,2C).代表症例として提示した症例 1,症例 5と合わせ,計 3例でM2における血栓回収を要したが,うち 2例で 5MAX ACEによるADAPTを施行し得た. M1遠位部閉塞であった症例 4は頚部 ICAが高度に蛇行し,閉塞部が細径であった(Fig. 2D)ため 5MAX

ACEは ICA C4までの誘導に留め(Fig. 2E),3MAXでADAPTを施行し完全再開通を得た(Fig. 2F).5MAX ACEがM2閉塞部に到達しなかった症例 5(Fig. 2G)では,M1遠位に誘導した 5MAX ACEを通して 3MAXによりADAPTを 3 pass,その後 4MAXによる ADAPTを行なったものの(Fig. 2H,2I),TICI 1で終了した. 症例 5を除く 6例で有効再開通(5例は TICI 3)を得,平均 PRTは 76±48分であった.5MAX ACEが閉塞部に到達した 5例(症例 1-3,6,7)は全例有効再開通に至った.SRを使用した症例はなかった.24時間後NIHSS(平均)は 7.7±8.1であり,24時間後 DRは 4例で得られ,その 4例は PRT 33~54分と短時間で再開通していた.非再開通例または PRTが 138~147分と長かった症例(症例 4:総頚動脈の分岐が急峻でガイディングカテーテル(GC)誘導に時間を要した,症例 7:頚部 ICAの狭窄に対する血管形成術等で時間を要した)は 24時間後 DRを得られなかった.退院時 mRS 0-2は 14.3%であり,死亡例はなかった. 全例で ICHは認めなかった.M1遠位部閉塞の 1例(症例 3)で,5MAX ACEによるADAPT後にM1近位部に血管攣縮を認めたが,3日後のMRAで正常に復していた.それ以外の 6例では手技合併症を認めなかった.

Table 1 Patient characteristics and results of endovascular procedure

Case Age (year) Sex Etiology Occlusion

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1 76 F unknown Left M2 8 + 162 M2 1 pass TICI 3 33 16 1

2 87 F CE BA 9* + 106 BA 4 pass TICI 3 54 21 3

3 55 M CE Left M1 distal 8 + 133 M1 distal 1 pass TICI 3 36 15 2

4 82 F CE Right M1 distal 10 – 643 IC C4 1 pass TICI 3 147 6 10

5 86 M CE Left M2 7 + 179 M1 distal N/A TICI 1 N/A 12 24

6 78 M ATBI BA 9* – 118 BA 1 pass TICI 2b 46 27 4

7 74 M ATBI Left M1 distal 8 – 870 M2 3 pass TICI 3 138 15 10

CE, cardiac embolism; ATBI, atherothrombotic brain infarction; DWI, diffusion-weighted image; ASPECTS, Alberta Stroke Program Early CT Score; tPA, tissue plasminogen activator; IC, internal carotid artery; BA, basilar artery; OPT, onset to puncture time; PRT, puncture to reperfusion time; TICI, thrombolysis in cerebral infarction; NIHSS, National Institutes of Health Stroke Scale.*pc-ASPECTS

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考 察

 わが国では現在,急性頭蓋内主幹動脈閉塞に対する血栓回収機器として,主に SRと Penumbra systemが使用されている. Table 2に,Penumbra systemによる血栓回収療法の研究結果の概要を示す. 再開通率に関して,米国での承認取得のための前向き研究である Penumbra Pivotal Stroke Trial,および

欧米の市販後調査である POST trialは,026~041再灌流カテーテルを従来の手技である separator,吸引ポンプとともに使用した研究であるが,各 125例,157例が登録され,Thrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)2以上の再開通は各 81.6%,87%と高率に得られていた8,9).SPEED studyは 054再灌流カテーテルを separatorとともに用い,TIMI 2以上の再開通率は90.8%であった10).ADAPTの研究としては,ADAPT FAST(A Direct Aspiration first Pass Technique For Acute

Fig. 2In Case 7, the left common carotid angiography (CCAG) shows thrombus remaining in the M2 segment of the middle cerebral artery (MCA) after two passes of a direct aspiration first pass technique (ADAPT) (A, arrow). The 5MAX ACE is advanced to M2 (B, arrow) and thrombolysis in cerebral infarction (TICI) 3 is achieved by the third aspiration (C).In Case 4, right internal carotid angiography (ICAG) shows occlusion in the distal part of M1 segment of the MCA (D, arrow). The cervical portion of the internal carotid artery (ICA) is tortuous (D). The 5MAX ACE is advanced at the C4 (cavernous) segment of the ICA (E, arrow), and 3MAX reaches the occlusion site (E, arrowhead). TICI 3 recanalization is achieved by ADAPT through 3MAX (F).In Case 5, left ICAG shows occlusion at the M2 segment of the MCA (G, arrow). The 5MAX ACE is advanced to the distal portion of the M1 segment of the MCA (H, I, arrows). We tried ADAPT by coaxially advancing the 3MAX to the occlusion site (H, I, arrowheads), but recanalization was not achieved.

B

F

A

D E

H I

C

G

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Stroke Thrombectomy)2),Kowollらの報告11)が挙げられるが,前者では 5MAXでの TICI 2b以上が 75%,5MAX ACEでは 82%と 5MAX ACEで再開通率が上昇している2).後者では,54例で 5MAX ACEを用いた ADAPTにより治療が行われ,非再開通例に SRを追加したものを含め,TICI 2b以上 93.6%,TICI 3 64.8%と非常に良好な成績を報告している11).患者背景,適応基準や閉塞血管,評価方法(TIMI分類,TICI分類)の違いがあるが,吸引デバイスの発達,ADAPTの導入により Penumbra systemを用いた血栓回収療法の再開通率は向上している. SRに関して,Merciリトリーバーとのランダム化比較試験(RCT)である TREVO2(Trevo versus Merci retrievers for thrombectomy revascularization of large vessel occlusions in acute ischaemic stroke),SWIFT(Solitaire flow restoration device versus the Merci Retriever in patients with acute ischaemic stroke)では,SR単独での再開通率が TREVO2では TICI 2以上が 86.4%,SWIFTでは TIMI2以上が 68.5%であった12,13).血管内治療の有効性を証明した最近の RCTでは主に SRが使用され,TICI 2b以上の再開通率は 58.7~88%と報告されている14–18)).これらのデータは,ADAPT,SR両者の高い再開通効果を示しているが,両者を直接比較した研究はなく,その優劣や症例毎の適切な選択基準に関する見解は定まっていない. Turkらは,Penumbra systemを Separatorと用いた方法(Penumbra+Separator: PS),SRを閉塞部位で展開し,同時に閉塞近位に置いた大口径カテーテルから吸引をかけながら血栓を回収する方法(SR+Local Aspiration: SRLA),ADAPTの成績を比較した.手技単独の TICI 2b以上の再開通率は PS 42%,SRLA 80%,ADAPT 78%であった.ADAPTは SRLAとともに PSに比し手技単独での再開通率が高かった.ADAPTと SRLAとの間に有意差は認められず,同等と考えられた.症例数が少ないものの,本研究でも5MAX ACEを用いて,TICI 2b以上が 85.7%,TICI 3は 71.4%と有効再開通率は高く,特に TICI 3の割合が高かった. 転帰改善のためには,再開通率の向上とともに,より迅速に再開通を得ることが重要である19).PRTに関しては,Jankowitzらの Distal Access Catheter(DAC: Concentric Medical, MountainView, CA, USA)お よ びPenumbra 054,041再灌流カテーテルを用いた manual

aspirationの報告,ADAPT FAST,Kowollらの報告のADAPT治療群では,各中央値 90分,平均 36.6分,中央値 30分であった2,11,20).SRを用いた TREVO2,SWIFTでは GC留置からの再開通時間が,各 47.8分,36分であった12,13).SRを用い血栓回収療法の有効性を示した RCTでは,PRT中央値 30分17),43分16)

と報告されている.報告により相違はあるものの,ADAPTと SRで明らかな差はないと考えられる.Turkら の 報 告 で は,PRTは PS 87.7分,SRLA 46.8分,ADAPT 37.1分(p<0.0001)であった21).SRLAは大口径カテーテル併用のため SR単独より時間を要する可能性があるが,ADAPTと SRLAの両者は PSより有意に短時間で再開通していた.本研究では,PRT平均 75.7分であった.少ない症例数に GC誘導困難例や頚動脈分岐部に血管形成術を要した 2症例を含んだためと推測されるが,更に迅速な再開通を目指す必要がある. 臨床転帰に関して,本研究では 4例(57.1%)で24時間後 DRが得られた.ADAPTを用いていないPenumbra Pivotal Stroke Trial,POST trialで は, 退 院時 DRは各 32%,36.3%と報告されており8,9),これらの成績より良好であった.ADAPTを用いた ADAPT FAST,Kowollらの報告では,DRの頻度の記載はないが,入院時 NIHSS各 17.0,15が,退院時 4.0,6と著明な改善が得られていた2,11). Penumbra systemおよび ADAPTを用いた先行研究では 90日後 mRS 0-2が 25-54%2,8–10,20)(Kowollらは退院時 mRS 0-2を報告し 46.3%11)),SRが主に用いられた RCTでは 90日後 mRS 0-2は 32-72%14–18)であったのに対して,本研究では退院時 mRS 14.3%と低かった(Table 2).この理由として,本研究の mRS評価が退院時のものであり,主に 90日後に評価された先行研究に比べてまだ改善が得られていない可能性や,平均年齢が既報に比べて明らかに高かったことなどが考えられる.退院時 mRS 0-2の割合は低いものの,24時間後 DRが高率に認められており,ADAPTの既報と同様高い治療効果が得られていると考えられる. 5MAX ACEに関しては,特に ICAなどの大径血管の閉塞血栓を吸引する際に有用性が高いと考えられている22).本研究では,良好な追従性から,M1遠位部(症例 3,5)或は,ある程度の径があればM2(症例1,7)でも 5MAX ACEが到達した.症例の蓄積が必要であるが,遠位部での血栓回収療法にも有用である可

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能性が示唆された. また,血栓回収療法において,multiple coaxial systemの有用性が示されており23),症例 4,5のように 5MAX ACEが閉塞部位に到達しなかった場合でも,口径の大きさ,サポート力から中間径カテーテルとして用い,3MAX或は SRを用い治療を継続することが可能である24).これまで,SRと大口径吸引カテーテルを併用する手技の有用性が報告されている21,24).M2閉塞の症例 5では 5MAX ACEが閉塞部には到達せず,3MAX等による複数回の ADAPTで再開通が得られなかったが,5MAX ACEから SRを誘導して SRLAを施行した方が有効であった可能性がある.どのような状況で ADAPTから他手技へ切り替えるべきかについては,今後の検討課題である. 症例 2,7では再開通に 4,3 passを要した.症例 2のように BA閉塞例では,反対側 VAの血流遮断が困難である.症例 7では頚動脈にステントを留置し,ICA径も細かったため総頚動脈で血流遮断を行った.いずれの場合もフローコントロールが不十分となったことが 1 passで再開通しなかった一因と推測した.SRを 用 い た NASA registry(North American Solitaire Stent Retriever Acute Stroke registry)のサブ解析では,バルーン付き GCの使用が TICI 3の割合上昇,手技時間短縮,予後の改善に関連したと報告されているが25),Turkらの原法を含め,ADAPT時のフローコントロールの必要性を示した報告はない26).ADAPTの際にも近位遮断によるフローコントロールが重要な可能性があり,今後の多数例による検討が待たれる. 合併症に関して,口径の大きなカテーテルを頭蓋内血管に誘導し,吸引をかけることで,血管解離や,吸引による血管損傷で ICHが増加することが危惧される.ICHの合併に関しては,報告によってすべての頭蓋内出血を含むもの,脳内出血のみなど相違がある(Table 2).Penumbra 054再灌流カテーテル+separatorを用いた SPEED studyの ICH,sICHが各20.9%,14.0%10),DACおよび Penumbra 054,041再灌流カテーテルを用いた Jankowitzらの報告では脳内出血が 13.6%であったのに対して20),5MAXおよび5MAX ACEを用いた ADAPT FASTでは症候性脳内出血が 0%2),5MAX ACEを用いた Kowollらの報告では sICHが 3.7%11)であった.5MAX,5MAX ACEとなり口径が拡大したが,ICHの合併はむしろ減少している.本研究では,無症候性のものを含めて頭蓋内出

血の合併症はなかった. クモ膜下腔内を走行する動脈へのカテーテルの誘導,血栓の吸引あるいは SRの場合は血栓の捕捉や回収に直接関連する手技合併症としては SAHの発生が危惧される.ADAPTを用いた既報では,SAH発生率に関しての記載はない2,11,20).SRを用いた TREVO2ではデバイスに直接関連する SAHは 8%,すべてのSAHは 12%と報告されており12),SWIFTでは症候性 SAHが 1.7%,すべての SAHが 3.4%となっている13).SRを用いた症例でも SAHの発生は多くない.本研究では SAHの発生は見られず,5MAX ACEを用いた ADAPTでも SAHの危険性は低いと推測される. 本研究で唯一の手技合併症は,無症候性の血管攣縮のみであった.血管攣縮については Penumbra Pivotal Stroke trialで 3.2%9),SPEED studyで 1.2%10)と報告されている9,10).SWIFTでは 19.0%と高い発生率であった13).SRを拡張しながら牽引することでより強いストレスが血管壁にかかり血管攣縮が発生すると推測され,この点では ADAPTの方が血管攣縮の発生率が低く,安全性に優れている可能性がある. 解離,ENTに関しては,症例数は少ないものの本研究では見られなかった.解離に関して,ADAPTを用いた Turkらの報告では 2.0%2)であった.SRを用 い た TREVO2,SWIFTで は 各 0%12),3.4%13),SRが主に用いられた RCTでは 0.6-3.9%14,15,18)であり,ADAPTと SRの手技間で差はないようである.ENTに関して,Kowollらの報告では 6%11)であったが,ADAPT FASTでは 0%2)であり,ADAPTでの発生率は高くない.一方,SRに関しては SWIFTでは1.7%13)と低かったものの,TREVO2では 7%12),最近の RCTでは 4.9-8.6%14,16,18)と ENT発生率は決して低くないようである.Humphriesらは,SRLA 105例において遠位塞栓や ENTが低率(各 3.8%,1.9%)であったと報告しており,局所吸引を組み合わせることで,血栓の断片化,ひいては遠位塞栓や ENTのリスクを低減できる可能性を示唆している24).5MAX ACEを用いた ADAPTを第一選択とすることで,ADAPTが奏功しない場合でも,ENTや遠位塞栓のリスクが低い SRLAにすぐに切り替えが可能であり,有用な方法であると考えられる.

結 論

 5MAX ACEを用いた初期 7症例の経験を報告し

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た.海外からの報告と同等の結果が得られており,高い再開通率,安全性が示された.5MAX ACEは口径が拡大したのみでなく,操作性,追従性に優れており,少数例での検討であるが,より遠位の血栓除去にも有用な可能性がある.今後のさらなる症例の蓄積,研究が必要である.

利益相反の開示

 筆頭著者および共著者全員が利益相反はない.

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Initial Experience of Penumbra 5MAX ACE in 7 Cases with Acute Occlusion of Cerebral Arteries

Junya TAKI Makoto HAYASE Akinori MIYAKOSHI Takahiro KITAHARA Etsuko HATTORI Takehiko NAKAMURA Taketo HATANODepartment of Neurosurgery, Fukui Red Cross Hospital

Objective: We report our initial experience with 5MAX ACE and discuss its utility for mechanical thrombectomy.Methods: Among eight consecutive patients who underwent mechanical thrombectomy from October 2014 to March 2015, we retrospectively reviewed the seven patients treated using a direct aspiration first pass technique (ADAPT) with the Penumbra 5MAX ACE as either the aspiration catheter or the intermediate catheter.Results: The mean age was 76.9 years. Mean National Institutes of Health Stroke Scale (NIHSS) score was 16.0. The mean time from symptom onset to endovascular treatment was 315 minutes. Occlusion sites were the distal part of the M1 segment of the middle cerebral artery (MCA) in 3 cases, the M2 segment of the MCA in 2 cases, and the basilar artery in 2 cases. In 5 cases (distal M1, 2 cases; M2, 1 case; BA, 2 cases), the 5MAX ACE reached the occlusion site. In the other 2 cases (distal M1 and M2), a 3MAX was advanced coaxially through the 5MAX ACE to the occlusion site. Successful recanalization (≥thrombolysis in cerebral infarction [TICI] 2b) was achieved by ADAPT in 6 cases (TICI 3, 5 cases; TICI 2b, 1 case). The mean NIHSS score at 24 hours after procedure was 7.7. No procedure-related intracranial hemorrhages were observed.Conclusion: The 5MAX ACE in combination with ADAPT is useful for mechanical thrombectomy because of the large-bore catheter and good trackability.

NKC 1:14–23, 2016