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技 術 部 報 告 集 第 15 号 2008 Muroran Institute of Technology 国立大学法人 室蘭工業大学

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技 術 部 報 告 集 第 15 号

2008

Muroran Institute of Technology

国立大学法人 室蘭工業大学

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目 次

《巻 頭 言》

技術部報告集発刊に寄せて

技術部長 後藤 龍彦 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

技 術 報 告

空間認知力・創造力向上を目的とした教材開発

機械・建設系(建設システム工学科) 河合 哲郎 ・・・・・・・・・・ 2

水素混合気体の熱伝導率測定

建設・機械系(機械システム工学科) 小川 徳哉 ・・・・・・・・・・・ 7

対向アンビル高圧セルを用いた有機薄膜のせん断応力効果

電気・情報系(電気電子工学科) 林 純一 ・・・・・・・・・・・・・ 15

研 修 報 告

「PHP-PostgreSQL連携Webシステム構築実践」の研修

電気・情報系(情報工学科) 岡 和喜男 ・・・・・・・・・・・・・・20

JPNIC・JPCERT/CC セキュリティセミナー2007

【知っておくべき不正アクセス対策~総集編~】

センター系(情報メディア教育センター) 高木 稔・・・・・・・・・・22

「平成19年度北海道地区国立大学法人等技術職員研修」研修報告

材料・化学系(材料物性工学科) 湯口 実

材料・化学系(応用化学科) 島崎 剛 ・・・・・・・・・・・・・24

有機溶剤作業主任者技能講習受講報告

建設・機械系(建設システム工学科) 島田 正夫 ・・・・・・・・・・・27

「スタイルシートによるホームページの作成」研修報告

センター系(情報メディア教育センター) 佐藤 之紀 ・・・・・・・・29

Internet Week 2007 参加報告

センター系(情報メディア教育センター) 高木 稔 ・・・・・・・・・32

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職業訓練指導員講習(48 時間講習)研修報告書

建設・機械系(機械システム工学科) 塩崎 修 ・・・・・・・・・・・34

そ の 他 報 告

南極展報告

センター系(情報メディア教育センター) 佐藤 之紀 ・・・・・・・・36

第42回地盤工学研究発表会優秀論文発表者賞受賞報告

建設・機械系(建設システム工学科) 島田 正夫 ・・・・・・・・・・・42

定年を迎えて

材料・化学系(材料物性工学科) 藤原 幹男 ・・・・・・・・・・・・44

平成19年度技術部活動

平成19年度室蘭工業大学技術部職員技術研修実施要項及び日程表 ・・・・・・・46

平成19年度室蘭工業大学技術部職員技術研修受講者名簿 ・・・・・・・・・・・48

平成19年度第15回技術部発表会プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・49

平成19年度技術部各委員会名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50

平成19年度技術部日誌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51

編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59

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《巻 頭 言》

技術部報告集発刊に寄せて

技術部長 後藤 龍彦

平成 18 年度からは全学的な組織であった技術部運営委員会が廃止され、技術部としての運

営能力を問われる重要な年となりました。そのため技術部内の組織を変更し、技術長を中心

とした企画調整室を設置し、技術職員の協力のもと業務依頼や技術研修等に積極的に対処し

てまいりました。しかしながら今年度 4 月に「技術部の在り方検討報告書」が教育研究評議

会で承認され、業務依頼に対しては、全学的組織として「技術部業務依頼審査会」が設置さ

れ、教育研究評議会での承認が必要となりました。そのため技術部の企画調整室が益々重要

な役割となりました。「技術部の在り方検討報告書」では業務依頼決定の基準が定められてお

り、全学的な業務依頼の優先、特定の教員への研究補助業務の廃止等の内容となっておりま

す。今後これらを考慮し、技術部内で十分対応していかなければならない重要な課題も多い

ことと考えられます。

また今年 10 月には平成 16 年度から 18 年度の技術部自己評価報告書の提出がもとめられ、

その結果、改善要求も多々あり、これに対し、技術部の皆様の知恵を借りながら対処して参

りたいと思います。

一方、数年前から準備してきた、作業環境測定に携わる国家試験有資格者も揃い、本学独

自で作業環境計測をスタートできたことは、僅かずつではありますが、技術部の姿が全学的

に見えつつあることは、喜ばしい限りで御座います。

8 月に実施された技術研修は、技術職員のさらなる技術力向上のため、従来とは異なり研

修を一般と専門に分離した、新しいスタイルを実施し、今年で 2 年目を迎えました。一般研

修では室蘭消防署救護隊員の指導のもと、「AEDを使用した普通救命」についての講習と北

海道大学の大島弘光先生による「有珠火山の現状と防災対策」に関する、講義と実習を行っ

て頂きました。技術部職員の多くが、常日頃防災意識を持ち、救命技術を身につけておくこ

とは、本学にとっても意義のあることと考えております。さらに専門研修では各系毎に 4 つ

の研修テーマを企画し、それぞれの系の特徴を活かした研修が行われ、価値のある研修であ

ったと思われます。これら研修に際し、ご協力を頂いた講師の先生の方々に対し、この場を

かりてお礼申し上げます。

このように今年は「技術部の在り方検討報告書」や「技術部自己評価」等技術部の組織や

運営に関する重要な課題が提示された年でもあります。これを基に技術部も年々変わってい

かざるをえませんが、今後とも技術部職員のご協力をお願いしますと共に、全学的に姿のみ

える技術部を目指し、努力して参りたいと考えております。

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技 術 報 告

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空間認知力・創造力向上を目的とした教材開発

機械・建設系(建設システム工学科) 河合 哲郎

1.はじめに

エンジニアやデザイナーはものづくりの数々の局面において、三次元空間をイメージしたり、

イメージしたものをスケッチする段階を経てものづくりを完成させてゆく。三次元空間の認知

力が高いほど創造性に富むものづくりができ、発明・発見にもつながるものづくりが可能とな

ると考える。

この報告では、空間認知力・創造力を高めることを目的とした教材開発について、その開発

手順の概略を述べる。

2.方眼紙で描く三次元画法(図1) 方眼紙を「立体格子」に見立てて図 1 の一番左のように立体図を描く。直線(X・Z 方向)

は方眼紙の線に沿って描き、斜線(Y方向)は方眼紙の交点を結んで描く。最初は定規を使用

して描き、慣れてくるとフリーハンドでも、きれいに描くことができる。フリーハンドだと定

規を用いるよりも、手早く立体図を描くことができるため、短時間でたくさんの立体を描くこ

とができる。 立体図に見えやすい斜軸測投象図(カバリエ投象)のうち、図1の一番左のように描くもの

が、最も手早く、立体的に見えると考える。 このように書けば μ(斜投象の比率)=0.7070 、σ(斜投象の傾角)=45度

として描くことができる。 また、斜軸測投象図(ミリタリ投象)もZ方向は方眼紙の線に沿っており、X・Y方向も方

眼紙の交点を通っているが、前記の斜軸測投象図(カバリエ投象)よりも描きにくいので、斜

軸測投象図(ミリタリ投象)を使用した方が立体に見えやすいもののみに使用する。 図1の一番左の斜軸測投象図(カバリエ投象)を用いた方法を報告していく。

図1 方眼紙に描かれる立体図

透視図

実形

(相似形)

実形

(相似形)

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2.1 四角ブロック、四角+三角ブロックの積み木

最初は立体に慣れる

ために正面図や上面図

を使用せずに青色に塗

った部分のある立体

(積み木くずし図)与

えて、青色ブロックを

取り除いた積み木を作

成する。

図2-1は四角ブロッ

クを取るという条件を

つけて、積み木くずし

図を与える。図2-1の右側のように積み木くずし図から四角ブロックを取り除いた積み木を作

成する作業を頭の中で行い、その形を実際に方眼紙で積み木を描くことにより、3次元感覚の

初歩を覚えていく。慣れることが出来れば意識せずに積み木くずし図を見ただけで、青色部分

を取り除いた積み木を頭に思い浮かべることができる。

図2-2のように三角ブロックを取り除く演習も行う。四角ブロックに比べ立体に見えにくく

描きにくい。そのため、より積み木を頭の中で立体的に考えなければならなくなる。2次元的

な紙によってそのまま考えるのではなく、頭の中で3次元的にとらえるようになることを目的

としている。

2.2 四角、四角+斜めキューブカットの見下げ図

立方体(2×2×2)から小立方体(1×1×1)+小三角柱(1×1×√2)を切削した「凸凹キ

ューブ」をつくる。ここでは作成した立体と上面図・正面図を組み合わせることによって、立

図2-1 四角ブロックの 積み木

図2-2 四角+三角ブロックの 積み木

図3-2 四角+斜めキューブ カットの見下げ図

図3-1 キューブカット図から四角キューブカットの立体図A と四角+斜めキューブカットの立体図Bを描いた図

立体図A 立体図Bキューブ・カット図

正面図(正面から見た図) 正面図

上面図(真上から見た図) 上面図

キューブカット図(青色)

B

正面図

上面図

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体と上面図と正面図についても学習していく。

このときキューブカット図のみ(図3-1)だと別解が多数

できるので、頭の中でキューブカット図から青色部分を取り

除いた立体を多数考えて、そのあとに正面図・上面図を見な

がら選択することになる。(図3-2)

このように幾つもの別解を作成する作業を頭の中で行うと

いうことは、一つの立体から頭の中で小立方体や小三角柱を

増やしたり減らしたりする作業を行なうことになる。別解を

多数考えることにより一つのキューブカットから様々な形を

創造するので、空間認知力・創造力向上ができるのではない

かと考える。

2.3 四角+斜めキューブカットの見上げ図

2.2で作成した凹凸キューブを図4-1のようにさまざまな

方向から見ることによって、立体の印象が異なってくる。

プレゼンテーションをしないといけなくなった時に一つの

立体を頭の中で回転させたり、見る位置を変えて、考えるこ

とが出来れば、より自分がイメージしているものに近い図を

描いて、相手に見せることができる。

たとえば、実際の立体も高い位置に取り付ける照明などは、

使用しているときに見上げる位置に取り付けることが多いの

で、立体を作る際に様々な方向からみて立体を描くことは、

有効と考える。正面図や上面図が与えられた際に、下面図、

左側面図、右側面図などがわかるようになることは、立体を

3次元としてとらえることに役立つのではないかと考える。

2.4 さまざまなキューブカットと集積体

2.4.1 超斜めカット(図5)

一方向の斜面ではなく、斜面で切る。これまでの演習は正

面図・上面図が垂直水平に描いていたがここでは上面図・正面

図でも斜めの線が出てくる。ここでは、上面図・正面図になれ

て来たところなので、すこし難しくした演習となっている。

2.4.2 エンゲージ・キューブ・リング(図6)

立方体(2×2×2)から小立方体(1×1×1)を取り除いた

立体をいくつも組み合わせてリング状の集積体を作成する。

立体をつなぎ合わせるときは斜めにつなぐので、どの立体が

図4-1 立体図の種類とカ ットキューブを正 面・上下左右から 見た図

図4-2 四角+斜めキュー

ブカットの見上げ

正面図 右側面図左側面図

上面図

下面図

右-見下げ図左-見下げ図

左-見上げ図 右-見上げ図

から見た図

カット・キューブの三次元画法

(2) カット・キューブを正面・上下左右

(1) 立体図の種類

キューブカット図(青色)

下面図

正面図

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前に来ていて、どの立体が後ろにあり、どの立体が上にあり、どの立体が下になっているかが

わかりにくく、三次元空間として考えながら作成しないとうまく描くことができないので、よ

り三次元立体の位置の感覚をつかむ演習となっている。

2.4.3 楔形切削キューブとその集積体(図7)

小立方体(1×1×1)の頂点を複数通ってカットすることによって、楔の形に削り取ること

ができる。この楔型切削キューブを集積させて立体を作成する。

4 つの楔形切削キューブを用いてその集積体をつくる。楔型の選択や積み方によってくっつ

けることと切り欠くことの両方を演習する。同じ正面図でも違う立体になるので楔カット図を

与えたものと与えないもので考える演習である。

2.4.4 超楔カット(図8) 立方体(2×2×2)の頂点、辺の中点、面の中心を複数選び、その各点を通る面で切る。こ

のように切ることで、様々な立体を切り取ることができる(図8-1)。今までの演習では一つの

立方体から、小立方体や三角柱や楔型の立体を取り除く演習を行ってきたが、この演習ではき

まった形を切り取るのではなく、いろいろな異なる形を切り取ることで、より自由な立体を作

成する演習を行う。

図5 超斜めカットの見下げ図

図7 楔形切削キュー

ブとその集積体 図6 エンゲージ・キューブ

・リング 図8 超楔カットの

見下げ図

キューブカット図(青色)

A

正面図

上面図

A

B C D

楔カット図くさび

(青色)

A

楔カット部分を取るくさび

正面図

上面図

(青色)

くさび

カット図超楔

1.青色カット部分を取る。

つくり方

正面図

上面図

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3.応用演習

応用として方眼紙ではなく、あら

かじめ図9-1、図9-3のような3点

透視のシートを作成しておき、この

シートを使用することによって方眼

紙と似たような手順で、簡便に三点

透視図を作成する演習を行うことが

できる。(図9-2、図9-4)

1点透視・2点透視の際にも同様

シートを作成しておくと、簡便に作

制することができる。

3次元の感覚が掴めてきている

と、方眼紙を使用していなくても

立体を作成するのが手早くなり、

模型などを作成する際の展開図な

どを描くときにも役立つと考える。

4.結語

本報告では方眼紙を用いた簡便な立体図の作成方法について述べ、それを用いたいろ

いろな演習方法を述べた。方眼紙を用いてフリーハンドで描くことにより、頭に浮かん

だ図形を短時間できれいに描けるようになる。立体を大量に描くことにより空間認知

力・創造力向上に役立つのではないかと考える。また、積木ブロックをくずした形や、

キューブを切り欠いた形をイメージして描き、まだ見えない形をイメージする作業によ

って、ひらめき・直感・発想の転換などが向上することによっても、空間認知力・創造

力向上するのではないかと考える。

今回は基礎的な教材開発だが、次はこれらを応用したもっと複雑でありつつ、空間認

知力・創造力向上に役立つものを開発していきたい。最終的には文字や数字のように形

を身近なものにするような演習を行える教材の開発を行いたい。

図9-1 三点透視シート 図9-2 三点透視図

図9-4 三点透視図 図9 -3 三点透視シート

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水素混合気体の熱伝導率測定

建設・機械系(機械システム工学科) 小川 徳哉

1. 緒言

現在、石油や天然ガスなどの化石燃料枯渇問題および地球温暖化抑制の二つの面か

ら、いかに脱炭素化を行なうかという問題がクローズアップされている。この対策の

一つとして、石油などに替わる二酸化炭素排出量が少ないエネルギを用いることが必

要である。そのエネルギの一つに水素がある。自動車について言えば、近年の著しい

技術の進歩により、水素エンジンで駆動する自動車が開発されてきている。しかし、

ここで問題となるのが水素を取り扱う際の安全性の確保である。水素は火花が存在し

た場合、爆発するため密閉した空間に水素が漏洩すると非常に危険である。そのため、

漏洩を精度良く検出することができる水素センサが必要となる。本研究ではこのセン

サに注目した。 これまで種々の水素センサが開発され市販されている 1)。その種類を Table1 に示す。

Table1 水素センサの種類

方 式 原 理 接触燃焼式 白金系触媒表面での酸化反応による温度変化を計測

気体熱伝導式 ガスの熱伝導で熱を奪われる際の発熱体の温度変化を計測 半導体式 金属酸化物半導体表面での水素吸着による電気伝導度変化を計測

電気抵抗式 PdNi 合金に水素ガスが吸着した際の抵抗値変化を計測 光学式 Pd 薄膜の水素吸着による光透過反射率の変化を計測

このように各方式でその原理が異なっており、全般的には ppm オーダーの低濃度域と

Vol%オーダーの高濃度域に分けられ、広範囲の濃度において計測可能なセンサはあま

り存在しない。そこで、この点に着目し、広範囲に水素を検出することができるセン

サへの基礎実験を行なう。 本報告では、水素の熱伝導率が空気の値よりも約 7 倍大きい点に注目した(20に

おける空気、水素の熱伝導率はそれぞれ 25.7mW/mK、177.8mW/mK2))。空気中に水素が存在

すると、その混合気体の熱伝導率は、空気のみの熱伝導率よりも高くなることが予想

できる。このことより、混合気体の熱伝導率を測定することによって水素濃度検出が

可能になると考えられる。そこで、熱伝導率を測定するために、白金線を用いた非定

常細線加熱法を利用する。非定常細線加熱法は、気体中に金属細線を鉛直に張って電

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流を流し、その細線の温度変化を計測することで熱伝導率を算出するものである。装

置や計測方法が単純であるためこの方法を選択した。Table1 の中では気体熱伝導式に

該当する。 本報告では非定常細線加熱法を用いて、空気と水素の混合気体の熱伝導率を測定し、

熱伝導率の変化によって水素濃度の検出が可能であることを示すと共に、気体熱伝導

式のセンサの感度域を確認することを目的とする。

2. 測定理論 非定常細線加熱法は、金属細線への通電開始(加熱開始)後の時間 tにおける細線の

温度上昇 TΔ を測定する。Carslaw ら 3)によると t 時間後の細線の温度上昇 TΔ は、次

に示す仮定の下に式(2-1)で示される。 ① 無限の広がりをもつ試料(流体) ② 長さ無限の線状熱源(半径: 0r )

③ 試料と細線の物性値は一定 ④ 対流、輻射によるエネルギの輸送はない ⑤ 細線の発熱量は一定で、細線内部の温度分布は一様 ⑥ 細線と試料の間に熱抵抗はない

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛−=Δ γ

π 20

4ln4 r

atqTλ

(2-1)

ここで、 qは金属細線の発熱量、λは熱伝導率、 a は温度伝導率、γ はオイラー定数で

ある。式(2-1)を tln で微分すると、熱伝導率 λは、

tdTdq

ln4Δ

λ (2-2)

となる。これが非定常細線加熱法の基礎式となる。 3. 実験装置および実験方法 3.1 実験装置

実験装置の概略を Fig.1 に示す。実験装置は SUS316 製フランジ容器の測定セル、白

金線を組み込んだブリッジ回路、恒温水槽(LTB-250、アズワン)、真空ポンプ(G-20DA 、

アルバック機工)、水素ボンベなどから構成されている。測定セル上部フランジには、

セル内の圧力を測定するための圧力センサ(PHS-2KA、共和電業)が設置されている。

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さらに、測定セル内温度を測定するための熱電対(タイプ T、素線径φ1.0mm、カプト

ン被覆)と白金線信号用の導線(カプトン被覆)を測定セル内から取り出す際のシー

ル装置(シーリンググランド、PL-18(6T/4Cu)-A10-T、米国 Conax Buffalo 社)が設置

されている。熱電対は冷接点温度補償器((株)チノー)を介してデジタルマルチメータ

(R6451A 、(株)アドバンテスト)に接続されている。測定セルはワイヤを用いて水槽内

に吊り下げられている。測定セル内試料(気体)温度を一定に保つために、水槽の水

を恒温水槽のポンプによって循環させる。測定セルを入れる水槽は、ポリスチレンフ

ォームで挟み込み断熱を施した。測定セルの胴体側面にはステンレス製ワンタッチ継

手(日本ピスコ)が取り付けてあり、そこに気体の吸入・排出を行うためのフッ素

樹脂(PFA)チューブを接続した。測定セル内における気体の排出は、真空ポンプによ

りリークバルブを介して行なわれ、水素はボンベから圧力調整器(YBL-2503、住友精

化)を介して測定セル内に供給される。また、空気はニードルバルブを介して測定

セル内に吸入される。

Fig.1 Schematic diagram of experimental apparatus

H2

⑪ ⑩

⑨⑫

① Test cell ⑤ Leak valve ⑨ Bridge circuit box② Sealing gland ⑥ Needle valve ⑩ Power supply③ Pressure sensor ⑦ Constant temp. tank ⑪ Cold point compensator

④ Vacuum pump ⑧ DC amplifier ⑫ Digital multimeter

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10

ブリッジ回路の出力線は、ローパスフィルタを介して直流アンプ(6L02、NEC 三栄)

に接続されている。増幅されたブリッジ回路の不平衡電位差 VΔ は、パーソナルコンピ

ュータ内の AD 変換ボード(PCI-3166、12bit、インターフェイス)を介してパソコ

ンに集録される。同様に、圧力センサの信号も直流アンプ(AM32、ユニパルス)に

接続されており、増幅された信号は AD 変換ボードを介してパソコンに集録される。 3.2 白金線支持部

白金線支持部の概略を Fig.2 に示す。支持部は、測定セル上部フランジの内側にね

じで取り付けられている。材質はベークライト製で、白金線は銅板にはんだ付けをし

て固定を行なった。白金線は電極接続部(銅板)の熱損失の影響を考慮して 2 本の白

金線を用意し、長・短それぞれの長さは約 80mm、20mm で、直径は 10μm である。

8020

①Pt wire ② Copper plate ③Bakelite Fig.2 Support stand for platinum wire Fig.3 Wheatstone bridge circuit

SR

1R

2R

3R 4R

E5R

LR

ΔV Unbalanced voltageRS Short platinum wireRL Long platinum wire

R1,R3 ,R4 Fixed resistancesR2 ,R5 Variable resistances

E DC power supply

3.3 ブリッジ回路

つぎに測定回路図を Fig.3 に示す。2 本の白金線をブリッジ回路に組み込んでいる。

平衡なブリッジに電流を流したとき、ブリッジ内の白金線が加熱され温度が上昇し、

抵抗が大きくなる。その結果、ブリッジバランスが崩れる。このことによって生じる

不平衡電位差 VΔ を検出することで白金線の温度変化を電圧変化に置き換えることが

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11

できる。このことを考慮して式(2-2)を図の回路に当てはめると、白金線を 2 本用いた

実験において、熱伝導率の算出式は次のように表される。

tdVdI

LLRRRR

W

SL

SLSL

ln)(8))(( 30 Δ⋅⋅

−−−

= απ

λ (3-1)

実験で WI および VΔ の時間変化を測定すれば気体の熱伝導率を求めることができる。

白金線の温度上昇 TΔ は以下の式を用いて算出する。

ここで、白金線の抵抗 LR 、 SR [Ω]、白金線の長さ LL 、SL [m] である。白金線に流

れる電流 WI [A]、不平衡電位差 VΔ [V]の時間的変化率 tdVd lnΔ を測定することによ

り熱伝導率が求められる。

3.4 実験方法

① 恒温水槽内の水を設定温度にする。 ② 測定セルを水槽内の水に浸るように上から吊り下げる。 ③ 圧力センサ用、および VΔ 用の直流アンプ、圧力調整器の準備をする。 ④ 容器内の温度が設定条件になり安定したら、AD 変換器の各種設定を行い、大気

圧を測定する。 ⑤ 再度圧力計測を開始し、真空ポンプを用いて測定セル内を真空にする。その後、

ポンプ側のストップバルブを閉める。レギュレータの圧力調節バルブを操作し、

モニタ上の圧力波形を見ながら、水素を任意の圧力まで封入する。封入後、水

素ボンベ側のストップバルブを閉める。水素 100Vol%の条件以外は、ポンプ側

のチューブをニードルバルブに差し換え、ストップバルブを開け大気圧になる

まで空気を吸入し、大気圧になり次第ストップバルブを閉める。 ⑥ ブリッジ回路ボックスを操作して、白金線に流れる電流 WI を設定する。

⑦ データを集録する AD 変換器の各種設定を行ない、測定セル内の温度を計測して

から回路のスイッチを入れ VΔ の計測を開始する。その時に WI をデジタルマル

チメータにより計測する。 水素濃度の条件変更をする際は、測定セル内の混合気体を真空ポンプで排出し、④か

ら同様の操作を行なう。

本研究の実験条件を Table2 に示す。

WSL IRRVT

⋅−Δ

=Δα0)(

2 (3-2)

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12

Table2 実験条件

水素の体積濃度 0 , 20 , 40 , 60 , 80 , 100Vol%

試料温度(測定セル内気体温度) 10 , 15 , 20 , 25 , 30 , 35

白金線の温度上昇 TΔ 約 3

4. 実験結果と考察

Fig.4 は水素濃度による白金線温度上昇 TΔ の関係を表したグラフである。図から白

金線に電流を流すと短時間に白金線温度が上昇していくのが分かる。その後、平衡状

態になり一定になるのは試料気体中に自然対流が発生したためと考えられる。 一定発熱量で加熱した場合、水素濃度が高くなると平衡に達する温度が低くなり、

試料気体の対流発生開始時間が短くなる。これは、水素の熱伝導率が空気に比べ約 7倍と大きいため、より多くの熱量が気体に伝達するためである。

0

1

2

3

4

5

6

0.001 0.01 0.1 1 10

t [s]

ΔT

[K

]

0%

98%

80%60%

40%

20%

Fig.4 Wire temperature rise

TΔ が大きい場合、測定中に電気抵抗が増え電流値が小さくなるため、白金線の発熱

量は一定ではなくなる。よって気体の物性値変化も大きくなるため、どの温度におけ

る熱伝導率か特定できなくなる。そのため、実験では TΔ を小さくしなければならない

ので、それぞれの濃度における TΔ max が約 3になるように白金線の発熱量を調整し

た。 空気のみの熱伝導率λと試料温度の関係を Fig.5 に、水素のみの熱伝導率λと試料

温度の関係を Fig.6 に示した。Fig.5 と Fig.6 より、どちらの気体も試料気体温度が高

くなるにつれて熱伝導率λも増加傾向にある。これは文献値 2)と同じ傾向である。 Fig.7 に熱伝導率λと水素濃度の関係を示す。実験条件は、水素混合気体の濃度 0~

試料 :空気+水素 白金線 :2 本 試料温度:20 発熱量 :140mw/m

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約 100Vol%まで 20Vol%刻み、白金線は 1 本と 2 本、セル内気体温度は 20である。

図中の実線λ th は、R.Byron ら 4)による混合気体の熱伝導率の推算式から求めた熱伝

導率λの値である。グラフより、水素濃度 60Vol%まではλ th の値に実験値が近い値を

示しているのが分かる。また、水素濃度約 100Vol %では、実験値がλ th より大きい値

を示している。この理由は、 TΔ の上昇で本来直線である部分が若干曲線になり、予想

される tdVd lnΔ (式(3-1)の分母)よりもその値が小さくなる。その結果、熱伝導

率λが大きくなるためである。

Fig.5 Thermal conductivity of air Fig.6 Thermal conductivity of hydrogen

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

220

0 20 40 60 80 100

Volume fraction of hydrogen [Vol%]

λ [

mW

/m

K]

λex(Two wires)λex(One wire)λth

Fig.7 Thermal conductivity of hydrogen-air mixture at 20

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

0 10 20 30 40

Temperature of air []

λ[m

W/

mK

]

Two wires

One wire

Literature Values

160

170

180

190

200

210

220

0 5 10 15 20 25 30 35 40

Temperature of hydrogen []

λ [

mW

/m

K]

Two wires

One wire

Literature Values

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本研究では、水素と空気の混合気体の熱伝導率λを実験的に求めることができた。

すなわち、熱伝導率の値を求めることで、空気中の水素濃度をほぼ特定できる。

5. 結言

1) 空気中に水素が混入すると、水素濃度が高くなるほど熱伝導率の値が高くなるこ

とを確認できた。 2) 熱伝導率λを求めることにより、水素濃度をほぼ特定することができる。 参考文献 1) 水素エネルギー協会,水素エネルギー読本,オーム社,(2007), p.34. 2) 熱物性ハンドブック編集委員会,熱物性ハンドブック,養賢堂,(1990),p49,p58. 3) H.S.Carslaw and J.C.Jaeger,Conduction of Heat in Solids,Oxford University

press, (1959), pp.261-262. 4) R.Byron Bird,Warren E.Stewart,Edwin N.Lightfoot,Transport phenomena,

NewYork Wily,(2002),p.27,p.276.

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対向アンビル高圧セルを用いた有機薄膜のせん断応力効果

電気・情報系(電気電子工学科) 林 純一

1.はじめに 物質に応力を加えた時、法線方向の力が圧力や張力で、水平方向の力はせん断応力

やづり応力(shear stress)と言われる。せん断応力は物質の相転移、転位、非晶質化、

固相反応などに大きな影響を与えることがわかってきた。図1にせん断応力の概略図

を示す。2 つのアンビルの先端に薄膜や金属箔試料を挟んでせん断応力を発生させる。

圧力効果の研究は装置の改良とともに活発な研究が行われている一方、せん断応力効

果の研究は定量的な評価が難しく、現在のところ研究例は少ない。我々は高圧力を発

生させることができるサファイアアンビルセルを改良したせん断応力用サファイアア

ンビルセルを用いてペンタセン薄膜とテトラセン薄膜の可視領域における吸収スペク

トルのせん断応力効果について研究した。 2.実験方法 高圧下の物性測定用などで普及しているダイヤモンドアンビルセルはダイヤモンド

製のアンビル先端の間にステンレス板等のガスケットを挟んで、アンビル両端から加

重を加える方法である。本研究の静水圧下の実験においてもダイヤモンドアンビルセ

ルを用いて、フロリナート混合液を圧力媒体に使用して、圧力はルビー蛍光法により

決定した。図 2 にせん断応力用サファイアアンビルセル(清水製作所製)の断面図を示す。

せん断応力の発生にはガスケットは使用せずにアンビル同士で直接サンプルを挟んで

せん断応力を加える。そのためアンビルの破壊が起こりやすいので高価なダイヤモン

圧力(荷重)

Shear Stress

(剪断応力)

回転力

図 1 圧力とせん断応力の概略図 図 2 せん断応力用サファイアアンビル

セル断面図

1.アンビル台座 2.サファイアアンビル 3.ピストン 4.グランドナット 5.回転棒

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ドアンビルではなく、サファイアアンビルを用いたサファイアアンビルセルに回転棒

でピストンとアンビルを直接回転させてアンビル間のサンプルにせん断応力を発生す

る。実験はグランドナットをギヤ比 50:1 のウォームギヤ式の加圧装置(清水製作所製)で回転してピストンを押し上げ、アンビルに荷重をかける。次にせん断応力の発生に

はピストンの下部に回転棒を差し込み、加圧装置でピストン及び下側アンビルに回転

を加えギヤの回転角度より回転角を見積もった。 せん断応力発生の実験ではルビーの結晶を挟むことは出来ないのでルビー蛍光法に

よる圧力決定は出来ない。そこで試料自体の吸収スペクトルの圧力効果を予め静水圧

での加圧実験により見積もり、せん断応力の効果を評価する方法を採っている。試料

はテトラセン(C18H12)、ペンタセン(C22H14)粉末を真空蒸着装置(ULVAC、EBH-6)を用いて真空度 3×10-4Pa で、膜厚は 200nm 程度サファイアアンビルの先端に直接蒸

着した。本実験に用いたサファイアアンビルは中住結晶ラボラトリー製の先端が

1.5mmφ、高さ 6mm である。 吸収スペクトル測定は顕微測光システムを用いて光源に Xe ランプを使用した。顕微

鏡内の焦点位置に 4D 型スリット絞りを用いることにより、アンビル面内の位置分解測

光を行った。アンビル半径を r とし、吸収スペクトル測定位置はアンビル中心(0r)と0.45r から 0.05r ステップで 0.85r まで測定を行った。0.85r より外側はアンビルのエ

ッジに近く評価に適さないので除外した。 3.実験結果 3.1 静水圧下の吸収スペクトルの圧力依存性

蒸着したテトラセンとペンタセン薄膜は配向性があり、吸収スペクトルには

davydov 分裂と呼ばれる 4 本の吸収帯が観測される。図 3 にダイヤモンドアンビルを

用いた静水圧下でのテトラセン薄膜の吸収スペクトルの圧力依存性を示す。加圧によ

り各ピークは長波長側にシフトして、

440nm 付近の 1 本目の吸収帯は吸光度が

増加し、3 本目の吸収帯は吸光度が減少

する。4 本目の吸収帯は圧力によるシフ

ト量が一番大きく、圧力に敏感なことが

わかる。1.1GPa までは 4 本の吸収帯が明

瞭に観測されているが、3.0GPa では 3本目の 540nm 付近の吸収帯は小さくな

って、その後の圧力では波形分離が困難

になった。顕微鏡での色の変化は橙色が

やや赤みを帯びる程度である。さらに加

圧したテトラセン薄膜の吸収スペクトル

図 3 テトラセン薄膜の吸収スペクトル

の圧力依存性

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の圧力依存性を図 4 に示す。4.3GPa で 1本目と 2 本目の吸収帯の吸光度はほぼ等

しくなり、2 つの吸収帯の区別はその後

の圧力では難しくなった。4 本目の吸収

帯はブロードになりながら 9.7GPa まで

観測することができた。10.9GPa まで加

圧したときの色は朱色まで変化した。測

定後に大気圧まで減圧すると 4 本の吸収

帯が再度観測されたことから 10.9GPaま

での吸収スペクトルの圧力効果は可逆で

あり、テトラセンは分子解離などは起き

ていないことがわかった。図 5 に各吸

収帯のピーク位置と圧力の関係を示す。

吸収スペクトルの図に合わせて横軸に

波長、縦軸に発生圧力を表示する。図

5 から明らかな通り、各吸収帯は線形

にピーク位置が長波長側にシフトして

いない事がわかった。ピーク位置を 2次関数でカーブフィットして、各吸収

帯の圧力に対するシフト式を算出し、

せん断応力効果の評価に用いた。 3.2 せん断応力下の吸収スペクトル

の圧力依存性 実験は 0.3GPa まで加圧して 7.2°ア

ンビルを回転した時点と、0.8GPa まで加圧して 7.2°回転してせん断応力を発生させ

た時点で中心から外周方向に位置分解顕微測光を行った。図 6 に高圧下とせん断応力

後のテトラセン薄膜の吸収スペクトルを示す。(a)は 0.3GPa まで加圧した後アンビル

を回転し、せん断応力を発生したときの吸収スペクトルを示す。せん断応力後の中心

と 0.45~0.65r の吸収スペクトルは特に変化が見られない。これはせん断応力効果が

半径に依存するので、0~0.65r の領域でせん断応力は発生していないことがわかった。

0.75r と 0.85r の吸収スペクトルはややブロードになっているのが確認できる。しかし

長波長側の吸収帯でも 20nm 程度しかシフトしていない。このことから荷重が小さい

場合、せん断応力効果が現れにくいと考えられる。せん断応力発生前の 0.8GPa の吸

収スペクトルはブロードになっており、(a)の 0.85r のスペクトルに類似している。せ

ん断応力後の中心から 0.75r までは吸収帯が 4 本観測された。0.85r の吸収スペクトル

図 4 テトラセン薄膜の吸収スペクトルの

圧力依存性(高圧側)

図 5 テトラセン薄膜の吸収帯の圧力依存性

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は 470nm と 600nm 付近にブロードな吸収帯しか観測されなかったことから大きなせ

ん断応力が発生しているのが確認された。図 7 にテトラセン薄膜のせん断応力による

ピークシフトを示す。静水圧の実験から見積もった 0.85r でのせん断応力効果は

0.3GPa、0.8GPa のデータ共に圧力換算で 2 倍強程度の応力が発生したことになる。

せん断応力が発生する領域は荷重が増加しても 0.5r より中心側には広がらないことも

ピークシフト量から確認できた。写真 1 にテトラセン薄膜とペンタセン薄膜のせん断

応力後の顕微鏡写真を示す。テトラセン薄膜は 0.8GPa に加圧してせん断応力後の写

真で、ペンタセン薄膜は 0.3GPa のせん断応力後の写真である。両方の薄膜において

最外周部の色が黄色になっている。これは分子解離によるものと考えられ、減圧して

も元の色には戻らない。 4.まとめ 本研究ではせん断応力効果についてテトラセン薄膜を用いて評価した。ペンタセン

薄膜についても同様な実験を行った結果、せん断応力発生後の外周部でテトラセン同

様の分子解離による不可逆な効果が観測されている。本研究で用いたサファイアアン

ビルは放射光単色 X 線は殆ど透過しないので、ダイヤモンドアンビルセルを使用した

せん断応力効果の実験を行ったことがある。アンビル上に真空蒸着した KBr 薄膜を

(a) 0.3GPa で 7.2°回転 (b) 0.8GPa で 7.2°回転 図 6 テトラセン薄膜の高圧下とせん断応力後の各位置の吸収スペクトル

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1.2GPa まで加圧後にせん断応力を加えた結果、結晶構造が NaCl 型構造から外周部の

み CsCl 型構造に構造相転移することを観測することが出来た。KBrが圧力誘起相転

移するのは 1.8GPa なのでそれ以上のせん断応力効果が無機物にも発生したことがわ

かった。このことからせん断応力は物

質の状態を圧力よりも変化させること

ができ、さらに二つの出発物質からせ

ん断応力により合成する研究も報告さ

れている。せん断応力効果は物理量と

してはまだまだ課題が多いが大変興味

深い現象が観測できる手法である。 謝辞 本研究の指導をしてくださいました

室蘭工大工・城谷一民特任教授並びに

吸収スペクトル測定装置を使用させてくださいました分子科学研究所・薬師久弥教授

に深く感謝致します。本研究の一部の結果は平成 19 年度文部科学省科学研究費補助金

(奨励研究)による支援を頂いており、ここに感謝の辞を述べさせて頂きます。 参考文献 [1] I. Shirotani, Y. Kamura, H. Inokuchi, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 28, 345 (1974).

[2] I. Shirotani, J. Hayashi, K. Takeda, H. Kawamura M. Inokuchi, K. Yakushi, H. Inokuchi,

Mol. Cryst. Liq. Cryst., 461. 111 (2007).

(a) テトラセン薄膜 (b) ペンタセン薄膜

写真 1 テトラセン薄膜とペンタセン薄

膜のせん断応力後の顕微鏡写真

(a) 0.3GPa で 7.2°回転 (b) 0.8GPa で 7.2°回転 図 7 テトラセン薄膜のせん断応力によるピークシフト

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研 修 報 告

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「PHP-PostgreSQL連携Webシステム構築実践」の研修 電気・情報系(情報工学科) 岡 和喜男

1.研修期間・場所 期 間:2007年2月28日~3月1日(2日間)

場 所:株式会社 富士通ラーニングメディア (東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟12階) 2.研修目的 Linux 上でデータベース PostgreSQL と PHP 連携 Web アプリケーションを作成する方

法を実習中心に学習する。

3.研修内容 下記の事項ができる事を目標にする。 (1)DB と連携する Web アプリケーションの概要について説明できる。 (2)環境設定の方法を説明できる。 (3)PostgreSQL のデータを利用した Web アプリケーションが作成できる。 (4)PostgreSQL のデータを更新する Web アプリケーションが作成できる。 3.1 研修テキストの概略

配布された研修テキストは、下記の第1章から第5章からなり、目標に沿い必要な

箇所を2日間で学習する。

第1日目は、「第1章 概要」、「第2章 環境設定」、「第3章 PHP の基礎」

第2日目は、「第4章 照会系アプリケーションの作成および実習問題」、

「第5章 更新系アプリケーションの作成および実習問題」

4.所感 サーバサイドの Web アプリケーションを構築する PHP の本コースは、前提知識として

HTML の基礎知識、Linix の基礎知識、PHP のプログラミング操作、データベースなどの

基礎知識があるものとして受講を行なう「応用・実践」型の研修です。講義用のスクリー

ンを見ながら細かい記述テキストと見比べ、プログラミングしながら実践し、その結果を

基に次のステップへと進行します。普段は気にしていなかった視力や即断の思考は、迅速

な対応ができず、打ち込み誤り、速度の遅さが目立ち、後追い状態で本受講を終了したこ

とに悔を残します。しかし、講師陣の授業の教え方、ポイントのおさえ方、考え方、進行

の順序、充実した資料、丁重なサポートなど研修を受講して充分納得することができた。

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最新の Web アプリケーションの構築に関わる専門的知識、技術等を習得できたことは大

変有意義で、今後、機会があればご紹介したいと思う。本研修に参加するにあたり、色々

ご配慮頂いた関係各位に感謝申し上げる。

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JPNIC・JPCERT/CC セキュリティセミナー2007 【知っておくべき不正アクセス対策~総集編~】

センター系(情報メディア教育センター) 高木 稔

1.研修日時・場所 開催日:2007年3月13日(火)

場 所:ベルサール九段(東京) 2.研修目的

システム・ネットワークの運用・保守に不可欠な、不正アクセス対策の一連の流

れを、網羅的かつ体系的に知ることを目的とする。 3.研修内容 3.1 基調講演「情報セキュリティ事故にどう立ち向かうのか~Windows Vista の例を

交えて」 2007年1月に発売が開始されたばかりのWindows Vistaのセキュリティ対策につい

て、その概略が、マイクロソフト社の講師により説明された。まず情報セキュリティ上の

事故が「CIA」(機密性、完全性、可用性の英語の頭文字)の侵害になって現れるが、

各個別の予防策では対応できないこと。その対策には「不正アクセスの象限として、正規

アカウントを使用しているかどうか、公開サーバなど正規ルートからのアクセスかどうか

により4通りの対策が必要」として、「マルウエアおよび不正アクセス対策」、「データ・

情報の保護」、「認証・権限・ネットワーク接続の制限」、「基本的な部分でのセキュリテ

ィ強化」についてWindows Vistaで実現しているセキュリティ機能の概略が紹介された。

個々の狙いは概ね理解しつつも、それを実現する個々の内容を直ぐには理解できなかっ

た。しかし、Windows Vistaが相当セキュリティに力点を置いた設計であることはある程度

理解ができた。また、セキュリティ対策についても「ヒヤリ・ハット」の分析が必要との

指摘は納得のいくものだった。

3.2 セミナー「インシデントからの復旧」

組織に何らかのリスクが起きることに対処するタイミングとして、「予防」「緊急対応」

「復旧・回復」の3つのフェーズがあり、このセミナーでは「復旧フェーズ」について詳

細に解説がされた。解説は「1.体制の確立」「2.残存被害がないかどうかの調査」「3.

通常オペレーションへの復帰」「4.原因分析」「5.再発防止策の検討及び実施」「6.ユ

ーザへの対応」「7.その他社外への対応」と時分割的に分けてそれぞれ解説がなされた後、

ケーススタディとして「自社 Web サイトが改ざんされ、ウィルスを配布してしまった」「社

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内でワームが蔓延してしまった」などを想定して具体的な対応についての解説が行われた。 いざインシデントが起こった場合の対応は、非常に難しいことはこれまでの経験からも

よく理解ができたし、その対応を日頃から検討・準備しておくことの重要さも十分理解で

きた。しかし、やはりどこかで「その場にならないと…」という切迫感の欠如も依然として

あるように感じている。今後の戒めとしたい。 3.3 セミナー「脆弱性対策情報の上手な活用方法」

JPCERT では、「JPCERT/CC Alert」や「JPCERT/CC REPORT」などのメーリングリ

ストを利用して、Windows や UNIX などの OS やアプリケーションの脆弱性に関するセ

キュリティ情報を発信している。そもそも脆弱性とは何かや、その情報の活用の仕方につ

いて解説が行われた。

3.4 セミナー「ファイアウォールの基礎から応用」 ファイアウォールについての基礎的な概念や導入方法、その運用と管理・監視方法につい

て解説が行われた。ファイアウォールの基本としての「ゲートウェイ機能」「アクセス盛業

機能」「アラーム機能」「ログ機能」、ファイアウォールの導入設計としての「ネットワーク

設計」「ファイアウォールポリシー設計」「トラフィック予測と性能設計」「障害対策」「ロ

グに関する設計」、及び運用・管理・監視について順次解説が行われた。 本学には、2001 年の秋から本格的にファイアウォールの運用が開始された。それは、

2000 年 1 月のインシデントの苦い経験から導かれたものだった。今回学んだような手続

きを踏まずに大雑把に導入したように思われる部分が、「ログに関する設計」などに現れて

いるが、当初の環境としてはそれも仕方の無いことのように思われる。今後は、情報セキ

ュリティポリシーの確立と合わせて、学内の合意の上に、より良く練られた設計に基づい

て構築されるべきだと感じた。

4.感 想 この研修は、2003 年度から開催されている「知っておくべき不正アクセス対策」の総集

編として、「特に人気の高かったプログラムをアレンジした」ものである。それだけにこれ

まで日程等の都合により受けられなかった内容を含んでおり、大変意義のある内容であっ

た。今後より深く学習し、本学の情報セキュリティの向上のための糧としたい。

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「平成19年度北海道地区国立大学法人等技術職員研修」研修報告

材料・化学系(材料物性工学科) 湯口 実 材料・化学系(応用化学科) 島崎 剛

1.研修期間・場所・受講者数 期 間:2007年7月18日(水)~20日(金) 場 所:国立大学法人北海道大学百年記念会館大会議室 他 受講者:生物・生命科学分野 22名 物理・化学分野 19名 2.研修目的 この研修は、北海道地区国立大学法人等の技術職員に対し、その職務遂行に必要とな

る基本的かつ一般的な知識並びに最新の専門的な知識及び技術等を習得し、国立大学法

人等の技術系業務の資質向上を目的とした。 今回、本学より、生物・生命科学分野を湯口が、物理・化学分野を島崎が受講した。 3.研修内容 3.1 1日目 午前:オリエンテーション、開講式、講義 オリエンテーションとして、三日間研修の内容についての概説後、開校式、講義が行

われた。 講義 「海洋生命統御による食糧生産の革新」

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 山羽 悦郎 教授 21世紀 COE プログラム「海洋生命統御プロジェクト」の推進者でもある先生の講

義で、魚類の借腹養殖など、食糧生産の革新に関する説明。 午後:自己紹介、技術報告、懇親会 自己紹介 2分野ごとに分かれ、受講者全員による自己紹介を含めた技術紹介、研究教育支

援の状況、安全衛生への取組み状況などを口頭発表。 技術報告1

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 小宮 圭示 技術専門職員 北大演習林における地理情報システム(GIS)に関する技術報告。

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技術報告2 旭川医科大学 阿久津 弘明 技術専門職員

質量分析装置に関する技術報告。

懇親会 立食形式の懇親会で、主催側のスピーチ、各所属の代表者によるスピーチなどが行

われ、ほぼ全員の参加があり盛況であった。 3.2 2日目 【生物・生命科学分野】 午前:施設見学 北海道大学北方圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園

一般市民にも開放されている北大の研究・教育施設である植物園の見学が行われ、

植物園の技術職員の方々による、園内に展示されている植物、バックヤード、博物

館などの説明。

午後:体験実習 「危険評価木の取扱い(樹木診断)」

(有)樹木コンサルタント代表取締役 樹木医 吉田 憲一 氏 危険評価木の取扱いについての講義があり、その後、実際に北大構内の樹木を観

察し、危険木の判定の説明、老木内部の空洞を調査する機器の取扱いなどの実習。 【物理・化学分野】 午前:施設見学 北海道立工業試験場 研究開発や技術支援、人材育成等の業務についての説明の後、担当研究員の方に

よる研究開発成果や技術支援の事例について、5件の発表があった。 午後:体験実習 「アイソトープの医学への応用」(講義)

北海道大学アイソトープ総合センター 関 興一 教授 核反応と放射能、放射能の平和利用について。核医学画像診断、PET診断法、

医療被曝に関する講義。 「放射線が目で見える霧箱製作」(体験実習)

北海道大学大学院工学研究科 松本 裕 助教 霧箱の原理の説明の後、自分で製作した霧箱で、α線やβ線の飛跡を観察した。

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3.3 3日目 午前:講義 「健康に働ける職場環境づくり」

北海道大学保健管理センター所長 武蔵 学 教授 職場のストレス、うつ病、ハラスメントに関する講義。 午前、午後:講義、ポスターセッション、閉講式 講義 「労働安全衛生教育(安全衛生対策)」

中央労働災害防止協会 北海道安全衛生サービスセンター 安全管理士 木村 敏宏 氏

大学の安全衛生の視点から、最近の労働災害の動向、学生に対する安全配慮義務、安

全衛生対策、化学物質の表示・文章交付制度、リスクアセスメント、化学物質による危

険性に関する指針などの講義。 ポスターセッション

発表者10名の各3分間のプレゼンテーションおよびポスターによる説明、質疑応答。

ポスターセッション後、閉講式が行われた。 4.所感 湯口 実(生物・生命科学分野受講) 業務内容に沿った技術研修であり、大変興味深く、受講することができた。

特に、危険木の診断に関する講義・実習は、樹木医である吉田先生の樹木に対する情

熱がひしひしと伝わり、樹木の高さ、幹周、葉張、容姿診断からのデータを整理しグラ

フ化すると、危険木であるかないかの判定が明らかであるとした内容は、漠然として見

ていた樹木の見方がかわり、大変有意義であった。 労働安全衛生に関する講義も大学の研究室に沿った内容の説明で、最新の動向を知る

機会となり、非常に有益であった。 最後に、本研修に参加するにあたり、ご尽力いただいた関係者各位に感謝いたします。

島崎 剛(物理・化学分野受講) 1日目に分野ごとに分かれて自己紹介が行われたとき、私は班長ということで、進行係

を務めることとなった。かなり緊張したが、よい経験になったと思う。今回参加した分野

の技術職員の中で、私のように日常の業務を研究室で行っている教室系技術職員は少数派

で、センター等の業務に従事している方達が多いと感じた。他大学や高専の技術職員が多

様な分野で教育、研究に携わっていることや、衛生管理の実態を知ることができ、自分自

身、今後の職務において参考となることもあり、有意義であった。 最後に、研修を受講する機会を与えてくださった、関係者各位に深くお礼申し上げます。

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有機溶剤作業主任者技能講習受講報告

建設・機械系(建設システム工学科) 島田 正夫

1.研修期間・場所

期 間:2007年12月5日(水)~12月6日(木)

主 催:社団法人 北海道労働基準協会連合会

場 所:北海道トラックセンター(札幌市)

2.研修目的

著者が業務する研究室では,建築基礎構造に関する各種の模型実験を実施している。

これらの実験では、主に模型杭などの試験体の製作や試験装置の一部を洗浄する工程に

おいて、少量ではあるがアセトンを使用する。このアセトンは労働安全衛生法施工令別表

第6の2に記載された有機溶剤であり、危険物および有害物に該当する物質である。

アセトンを使用した業務を行うに当たり、本業務に従事する者(自らを含む)が身体へ

の悪影響を受けないためには、有機溶剤の危険性を理解した上で適切な使用方法を習得し、

さらに使用場の環境整備に関する知識を得る必要がある。また、関係する法令についても

当然の事ながら知る必要がある。

そこでこれらの情報を効率的に得るため、「有機溶剤作業主任者技能講習」に参加した。

本報告では、講習会において受講した内容について、概要を述べる事とする。

3.研修内容

有機溶剤作業主任者講習は次の4つの科目からなっており、全科目を受講した後に実施

される試験の合格者は、有機溶剤作業主任者に選任されるための資格を得る。

① 有機溶剤による健康被害およびその予防措置に関する知識

② 作業環境の改善方法に関する知識

③ 保護具に関する知識

④ 関係法令

各科目の内容について以下に述べる。

3.1 有機溶剤による健康被害およびその予防措置に関する知識

本科目は各種有機溶剤の化学的性質と、有機溶剤による健康被害の病理、症状、予防方

法および応急処置についての講義である。

有機溶剤による健康被害には、皮膚や粘膜への付着による炎症や、吸入による呼吸器障

害などがあり、さらに体内へ吸収された有機溶剤による神経障害や造血障害および肝障害

などがある。有機溶剤の種類によってこれらの障害や影響を受ける臓器が異なるため、取

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り扱う有機溶剤ごとの危険性を詳細に把握する必要がある。なお、アセトンが属するケト

ン類有機溶剤の身体への主な作用は、軽度の皮膚粘膜の刺激および麻酔作用である。

有機溶剤による障害被害の予防に関して、最も基本となる措置は作業者をいかに有機溶

剤に接触させないかである。そのためには業務の実態に応じた作業方法の改善や、排気装

置および呼吸用保護具などの衛生工学的な対策を講じる必要がある事がわかった。

3.2 作業環境の改善方法に関する知識

本科目は有機溶剤の性質、有機溶剤の製造および取扱いに係る器具その他の設備の管理、

作業環境の評価および改善の方法についての講義である。

有機溶剤を取り扱う設備について、その全部または一部を密封する事が可能な場合とそ

うでない場合がある。著者が業務する環境は、設備を密封できない状況にあるため、空気

中に発散した有機溶剤が作業者の呼吸域まで拡散しないための対策が必要である。この為

の装備として局所排気装置やプッシュプル型換気装置などがあり、その他にも全体換気に

よる有害物質の希釈排出を行って健康被害を防止する方法がある。これらの装置の性能お

よび換気法の特徴を理解し、作業場の状況に応じた改善を行う必要がある事がわかった。

3.3 保護具に関する知識

本科目は有機溶剤の製造または取扱いに係る保護具の種類、性能、使用方法および管理

方法についての講義である。有機溶剤に係る業務で使用する保護具には、防毒マスクや送

気マスクなどの呼吸用保護具と、皮膚による吸収を防ぐ不浸透性の保護服や保護手袋など

の化学防護衣類がある。これらの保護具は国家検定の義務づけや、日本工業規格による構

造・性能の規定がなされている。作業内容や作業場の環境などに応じて、これらの用具を

適切に使用する事の重要性がわかった。

3.4 関係法令

本科目は労働安全衛生法、労働安全衛生法施工令、労働安全衛生規則にある条文のうち、

有機溶剤作業主任者として知る必要がある項目についての講義である。

各条文に関する説明を受けることで、主に安全衛生管理体制、有害物管理、従事者への

教育、健康管理などの関係事項および有機溶剤中毒予防規則について知ることができた。

4.所感

本講習を受講したことにより、有機溶剤を使用する業務における安全の確保や、作業環

境の改善と管理、および作業者への安全教育を行うために必要な知識を得ることができた。

今回の研修によって得た知識を有効に利用し、今後も有機溶剤を適正に使用して、自ら

を含む作業者全員の安全確保と実験業務の円滑な遂行に努めたい。

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「スタイルシートによるホームページの作成」研修報告

センター系(情報メディア教育センター) 佐藤 之紀

1.研修期間・場所 開催日:2007年12月12日(水) 場 所:株式会社 富士通ラーニングメディア(品川ラーニングセンター) 2.研修目的 スタイルシート (Style Sheet)とは、HTML や XML、SGML といったマークアッ

プ文書の表示形式を制御する概念で、一般的にW3C(World Wide Web Consortium)

による勧告の一つである CSS(Cascading Style Sheets) が利用される。 本報告は、HTML 形式で作成されたホームページの修飾を柔軟に、一括して指定で

きるスタイルシートの書き方を習得することを目的とする。 3.研修内容 3.1 スタイルシートの実装 HTML(Hyper Text Markup Language)で作成されたホームページを構成、修飾

する場合、基本的には「タグ」による編集を行う。しかし、すでにタグの中には使用

を推奨されないものがあり、また繰り返し指定するような場合には無駄にファイル容

量を大きくしてしまうだけであり、そのような場合にはスタイルシートの利用を必要

とする。 3.2 インラインスタイルシート スタイルシートを実装する場合、3つの実装方法がある。それはインラインスタイ

ルシートと、埋め込みスタイルシート、そしてリンキングスタイルシートである。 インラインスタイルシートとは、タグの中に「style=”***”」としてスタイルシート

属性を直接記述するものを言う。例えば<p>タグ内で記述する場合は次の通りである。 <p style=”font-size:10px”>~~</p> =文字サイズ(この場合 10px の絶対値) <p style=”color:#ff0000”>~~</p> =文字色(この場合赤色) <p style=”text-align:center”>~~</p> =行揃え(この場合中央揃え) また、幾つかの属性を同時に指定することも可能であり、その場合は次のように「;」

で区切ることによって行う。

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<p style=”font-size:10px; color:#ff0000; text-align:center; ”> 3.3 埋め込みスタイルシート これはヘッダー区間(<head>~~</head>)でスタイルシート属性を定義するもので

ある。ページ全体を通して共通した属性を定義することが可能であるため、すべての

箇所で一つ一つ記述する必要がない。実装にあたっては、ヘッダー内でスタイルシー

トを定義しておき、例えば次のように記述する。 <style type="text/css"> <!-- body font-size:10px; color:#ff0000;

text-align:center; --> </style> 3.4 リンキングスタイルシート 外部スタイルシートとも呼ばれ、その名の通りスタイルシートと定義した別ファイ

ルを用意し、そのファイルを参照する方法である。 サイト全体を通して共通した修飾を施す場合などに用いると効果的であり、またソ

ースを見た第三者に容易に属性を知られることもない。 まず、外部ファイルについては、埋め込みスタイルシートと同じようにタグに対す

る属性を記述しておく。例えば次の通りである。 body font-size : 12px; color:#0000ff; =ページ全体の設定 A:link text-decoration : none; A:visited text-decoration : none; A:active text-decoration : none; A:hover text-decoration : underline overline div.left text-align : left; =<div>タグに対する属性。「left」はクラス定義。 そして、この外部ファイルを読み込むための宣言を、次のようにヘッダー内部に記

述する。この宣言を行わなければ、外部ファイルは読み込まれないので要注意である。 <link rel="stylesheet" href="外部ファイル名 " type="text/css">

リンクについての文字設定

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(さらにタイトル、メディアタイプを記述するとなお良い。) なお、前述の外部ファイル中に「クラス定義」と記述したが、これは一つのタグに

対していくつかのスタイルシート属性を定義させるためである。 例えば、ある行では文字を左揃えにし、ある行では中央揃えにする場合、次のよう

に記述する。 div.left text-align : left ; =文字を左揃え div.center text-align : center ; =文字を中央揃え そして、HTML 中では次のように宣言する。 <div class=”left”>*****</div> <div class=”center”>*****</div> 以上の3つの実装方法を述べたが、これらを目的により適宜選択して実装する。ま

た、リンキングスタイルシートとインラインスタイルシートの併用なども可能である

が、スタイルシートにはいくつもの要素による優先順位があるので注意を要する。 4.所感 スタイルシートは、ページ体裁の統一化、ページファイル容量の節約、そしてより

ブラウザに依存しないホームページ作成のために大変有効な手段であり、特に大きな

サイトになればなるほど必須となる技術である。 この技術の導入と、アクセシビリティ(閲覧のしやすさ)を考慮した WEB サイト

作りは、学生・教職員のみならず、受験生や公開講座受講生など広く閲覧者がいるこ

とが前提である「大学の WEB サイト」には必須の条件である。 併せて、ソースチェックプログラム(lint)によるソースチェックを行い、タグやス

タイルシートに誤りがないか確認することが大切であり、多数のブラウザによる実際

の表示チェックなども重要である。

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Internet Week 2007 参加報告

センター系(情報メディア教育センター) 高木 稔

1.研修日時・場所 期 間:2007年11月19日(月)~20日(火) 場 所:秋葉原コンベンションホール(東京) 2.研修目的

インターネットに関する技術の研究・開発、構築・運用・サービスに関わる人々

が一堂に会し、主にインターネットの基盤技術の基礎知識や最新動向を学び、議論

し、理解と交流を深めることを目的とする。 3.研修内容 3.1 カンファレンス「PKI Today!」 PKI(Public Key Infrastructure)とは、公開鍵基盤であり、『利用者の身元について「信

頼できる第三者」が審査を行い、保証を実現する仕組みのこと』である(ウィキペディア

より)。実用的に利用されるようになったとはいえ、この技術はまだ開発の段階でもあり、

その最前線で開発に携わっている関係者の話を聞いて、最新の実装や問題点を取り上げ議

論して行こうという目的のカンファレンスである。講演は以下の4つ。

講演:1.VistaのPKI

2.EV SSL(Extended Validation SSL 証明書)とは

3.NGNにおけるPKIと認証技術

4.「リソース証明書」とは?

3.2 カンファレンス「DNS DAY~運用管理のあり方~」

最新の DNS 運用状況や関連動向についての情報を共有するとともに、DNS 運用管理に

ついて意見交換を行うことを目的のカンファレンスである。講演は以下の3つ。

講演:1.DNS関連動向Update

2.Managed DNS Services

3.事例紹介・パネルディスカッション

3.3 カンファレンス「インターネットと著作権~みんなのための著作権制度~」

映画、音楽に代表されるデジタルコンテンツの配信機構はますます多様化する傾向にあ

るが、現在の著作権などの法制度はこのような状況に十分に対応できていないと言われて

いる。また、全てのユーザーが著作権保護に対する十分な理解があるとは言えない。ここ

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では現状の把握と問題の整理を行い、みんなのためになる著作権制度と戦略を考察するこ

とを目的とするカンファレンスである。講演等は以下の6つ。

講演:1.著作権の基礎知識

2.著作権をめぐる技術の基礎知識

3.メディア融合、コンテンツ流通、そして著作権政策

4.ソフトウェアと著作権法の最新問題

5.著作権法改正をめぐる現状

6.パネルディスカッション: みんなのための著作権制度

4. 感 想 SSL(Secure Socket Layer)はインターネット上で情報を暗号化して送受信するプロト

コルとして主に Web ページに欠かせないものである。しかし、その Web サーバを運営し

ている団体が実在していることを証明する身元確認という SSL のもう一つの側面が現在

問題となっているという。第三者機関に申請して得られた SSL 証明書(一般的に高額)を

悪用し、鍵マークへの信頼を逆手に取り、フィッシングに悪用されるケースが起きている。

そこで現在注目されているのが「EV SSL」というしくみだ。これは証明書の発行をより

厳密(法的実在、物理的実在、運用実在の証明)に行い閲覧者からの信用を高め、フィッ

シングの被害に遭う可能性を激減させようというのがねらいだ。本学でも基本的には SSL証明書のない Web サーバを学外に開放しない流れにある。しかし、必要な証明書の取得に

は少なくない維持費が必要であり、国立情報学研究所の大学間のサービスをセキュアに連

携するための全国共同電子認証基盤(UPKI)構築事業への参加が必要となろう。 DNS はネットワークを運用する場合には最も重要な要素と言える。ただし、利用者から

見れば「正しい電話番号を押せば正しい相手に確実に繋がる」という意味“程度”の働き

にしか感じないだろう。その意味でこうした研修でディープに語られる内容は面白くもあ

り難しくもあった。 著作権カンファレンスでは「著作権の基礎知識」の講演者はあの Winny 弁護団事務局長

である。これまでの実際の事件も紹介しながらの著作権問題の紹介は大変興味深かった。

また、「著作権をめぐる技術の基礎知識」も「コピーワンス」問題に初めて触れて(我が

家に環境がなかった)勉強になった。著作権問題は大変複雑で、こうした専門家の議論を

聞いても全体が見えるという感じがしなかった。しかし、大学で、特にネットワークに携

わる上では大変重要な問題である以上、今、準備が進んでいる本学の情報セキュリティポ

リシー構築とも絡みながら、より実際的な勉強をすすめていく必要性を感じた。

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職業訓練指導員講習(48 時間講習)研修報告書

建設・機械系(機械システム工学科) 塩崎 修

1.研修名称・期間・場所等

名 称 職業訓練指導員講習(48 時間講習)

期 間 2008 年1月 21 日(月)~25 日(金)08 時 50 分~16 時 50 分

1月 28 日(月)~29 日(火)08 時 50 分~15 時 50 分

場 所 苫小牧地域職業訓練センター

苫小牧市新開町4丁目6番 12 号

主 催 北海道職業能力開発協会

担当団体 苫小牧地域職業訓練センター運営協議会

2.研修目的

職業訓練指導員とは、「公共職業訓練施設」(全国的には:職業能力開発校、北海道では:

高等技術専門学院)や、事業主等が設置し都道府県知事から認定を受けた「認定職業訓練

施設」において職業訓練を指導する場合に必要な免許です。

この講習を受講する事によって、現在行っている機械工作法実習(昼間コース)、工作法

実習(夜間主コース)の指導方法の改善および向上を目指す事にある。併せて、職業訓練

指導員の免許を取得する事を目指した。

3.研修内容

現在、職業訓練指導員の免許職種は 123 あり、免許は都道県知事が発行する。

職業訓練指導員講習(48時間)の受講資格は、職業能力開発促進法、職業能力開発促

進法施行規則によって詳細に規定されている。

講習では、全48時間の 80%以上を受講しなければ、最終の確認試験を受験する事が出

来ない。

確認試験は一定基準の 60%以上の正解が求められている。

確認試験に合格し、修了証書が交付され職業訓練指導員免許を申請する事によって交付

される。

講習は、全て座学であり一日7時間(50 分を1時間に算定している)行なわれ、7日間

であった。

下記に、教科・講習時間数・内容を示す。

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教科・講習時間数・内容

教 科 講習時間 内 容

・職業訓練原理 4時間 職業訓練の沿革、意義、目的、職業訓練の担当者等

・教科指導法 16時間 訓練実施計画、指導の準備、指導の進め方、

教材の活用、訓練評価等

・労働安全衛生 3時間 安全管理、安全の確保、労働と健康、労働衛生管理等

・訓練生の心理 7時間 訓練生の選抜、訓練生の特質の理解、技能の習得等

・生活指導 6時間 生活指導の目的、生活指導の範囲、生活指導の方法等

・職業能力開発関係法規 4時間 職業能力開発促進法、職業安定関係法、

労働基準関係法等

・事例研究 6時間 作業分解、指導案、訓練実施計画、指導記録等の実習

・確認試験 2時間 一定基準の 60%以上に達した者に修了証書を交付

合 計 48時間

4.所感および謝辞

今回の職業訓練指導員講習(48 時間)に参加し、今後の実習等を指導する上で、多くの知識

を得ることが出来た。

特に、教科指導法、訓練生の心理等は実習等を指導する上において、実際に役立つ教科であ

った。

今後は、各技術職員個人の技術のレベルアップと研究室、講座、大学に大きく寄与して行く

ためには個々の機器・装置または技術にこだわらず、多面的な研修が必要であろうと思われる。

最後に、この様な有益な機会を与えて下さった技術部及び関係者各位に感謝を申し上げる。

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そ の 他 報 告

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図1 生物/岩石標本

南極展報告

センター系(情報メディア教育センター) 佐藤 之紀

1.緒言 本展は、本学技術部および室蘭市青少年科学館(以後、「科学館」とする)との共催、

国立極地研究所(以後、「極地研」とする)後援による南極展で、第 45 次日本南極地

域観測隊(以後、「45 次隊」とする)越冬隊員の佐藤之紀および極地研が資料提供な

らびにプラネタリウム講演を行い、第 38 次日本南極地域観測隊 (以後、「38 次隊」と

する)越冬隊員の塩崎修(機械システム工学科)、第 29 次日本南極地域観測隊(以後、

「29 次隊」とする)夏隊員の佐藤哲夫(施設課)、45 次隊越冬隊員数名(無償支援)

らが会場にて資料解説および南極の紹介を行う企画であり、本報告はその準備から閉

会までの様子を報告するものである。 2.開催要項 日時:平成 19 年 8 月 1 日~6 日(両日 10 時~17 時) 会場/主催:室蘭市青少年科学館 共催:室蘭工業大学技術部 後援:国立極地研究所 会場解説員:佐藤哲夫、塩崎修、中山由美、清水淳、藤田建、佐藤之紀 展示資料:写真(約 160 点)、南極氷山氷、隊員装備品、生物標本、岩石標本、観測衛

星「だいち」・PALSAR によるオングル海峡画像、写真パネル、砕氷艦「しらせ」模

型、極地研究所制作映画、昭和基地ライブカメラ 特別企画:観測隊員による南極解説、プラネタリウム講演、氷山氷の体験とお話、隊

員装備品の試着、しらせ後継船の名前募集(南極本部公認)、クイズ大会 3.準備 3.1 技術部と科学館との調整 科学館にとっては、本展は 2 回目の企

画であった。1 回目は、佐藤と科学館と

の間での開催であった。本展は技術部と

科学館との共同開催を目指したため、最

初に佐藤から黒島利一技術長に打診、続

いて科学館・小川征一館長より本学宛に

開催にあたり職員派遣の依頼を提出いた

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図2 観測隊員装備品

だいた。 3.2 国立極地研究所との調整 本展開催にあたり、極地研からの資料提供(借用)は無くてはならないものであっ

た。南極氷山氷、各種パネル、生物標本、岩石標本、人工衛星画像(観測衛星「だい

ち」PALSAR 画像)、隊員装備の提供をいただいた。 3.3 会場解説員の依頼 本展開催内容の特徴の一つとして、南極観測隊員による会場での解説を企画した。

無償にて支援を募るものであり、本学施設課長・佐藤哲夫氏(29 次隊)と機械システ

ム工学科・塩崎修氏(38 次隊)に協力を依頼した。次いで 45 次隊員に対して募集を

行ったところ、中山由美氏(朝日新聞)、清水淳氏(北海道大学附属病院)、藤田建氏

(気象庁)からの公式・非公式協力をいただいた(所属はいずれも当時のもの)。 3.4 資料準備 主資料となる写真は、前回開催時に用

意したものを再利用した。佐藤が南極等

にて撮影した写真、45 次隊員から借用し

た写真を A4 版用紙に印刷したものを、

科学館が用意した台紙に貼り付けたもの

である。これを約 160 点用意。併せて解

説用のパネルを製作。これはパソコンで

印字したものをスチレンボードに貼り付

けたものである。これもほとんどは前回

のものの再利用で済んだ。ただし、会場入口に展示を希望した昭和基地・19 広場の特

大写真(図2)は、黒島技術長に依頼し、地域共同研究開発センターのプリンターに

より作製していただいた。 他に、前述のとおり極地研から多数の資料を提供いただいた。時期的に、日本全国

で「南極観測 50 周年」に関係する企画が目白押しであったが、本展開催の主旨に賛同

いただき多数の資料を提供いただいた。また、極地研の伊村 智氏(45 次越冬・生物)、

土井浩一郎氏(45 次越冬・地学)から特別に生物資料と岩石資料を提供いただいた。 3.5 南極本部との調整 南極本部(南極地域観測統合推進本部)との調整により、次期南極観測船の命名募

集を準備した。募集方法から集約、送付までの手順について綿密に協議、南極本部指

定の様式の用紙と投票箱を作成した(図3)。

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図3 次期観測船名応募コーナー

図4 写真解説を行う塩崎氏

図5 氷山氷披露

応募内容については、公正を保つため

本展主催者側は関与せず、そのまま封印

して南極本部へ送付した。 3.6 報道依頼 報道依頼は科学館から室蘭市役所を通

じて行っていただいた。室蘭民報、北海

道新聞、読売新聞より取材を受けた。 4.開催中の様子 会場は科学館 2 階の多目的室を全面利用して実施。数箇所に観測隊員(解説員)を

配置し、入場者からの質問に応答したり、氷山氷の個別展示および解説を行った。ま

た、科学館プラネタリウム室にて映画上映を行った。 4.1 写真展示 本展の主資料であり会場の大半を占め

た写真展示は、南極の自然、生物、昭和

基地の設備、野外観測の様子、越冬生活

の様子、しらせ航海の様子、観測隊の紹

介に分けて展示。出発から帰国までを時

系列に並べた。来場者からの質問は多岐

に渡ったが、やはり南極の寒さやそのた

めの自然現象、越冬生活の様子などの質

問が多かった。子ども達からはオーロラ

や生物に関する質問が多かったように感

じた。 質問に対する解説員からの回答である

が、それぞれ専門分野の知識を活かすこ

とができた(図4)。それは複数の観測隊

員が会場にいるからこそ成し得た事であ

り、本展規模の南極展では全国的にも珍

しい試みであろう。 4.2 氷山氷展示 極地研から提供を受けた南極氷山氷の展示は、クーラーボックスに保存する形で行

った。来場者に披露する時のみ、クーラーから出した。

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南極の氷は、水が凍ったものではなく、内陸に降り積もった雪が氷になったもので

ある。雪の結晶同士の間にある隙間に空気が閉じ込められており、水に漬けると表面

が溶ける際に独特な弾ける音が聞こえる。この独特な音を体験してもらうために、よ

り激しく融解する熱湯をビーカーに入れ、そこに氷を放り込んで披露した(図5)。 氷山の氷はその内陸で作られた氷が長い年月をかけて海に落ち込んだものであり、

およそ100万年前のものとも言われる。その人類が生まれる以前の空気が弾けだす

音と、その空気を吸うことによって年月を感じてもらった。 4.3 生物・岩石標本展示 極地研の伊村准教授より生物圏研究グループが所蔵するコケや地衣類、貝殻の標本

を、土井准教授より地圏研究グル-プが所蔵する岩石標本をそれぞれ提供(貸与)い

ただいた。南極の生物と岩石は、研究のために特別な許可を得た場合以外は、南極地

域から持ち出すことが南極条約により禁じられている。そのため、これらの資料は非

常に貴重なものである。写真や話ではなく、現物を目の前にして観察できるため、来

場者からも関心を寄せられた。 4.4 人工衛星画像展示 極地研の土井准教授からは、岩石標本のほかに人工衛星画像も提供いただいた。観

測衛星「だいち」が捉えた PALSAR(フェーズドアレイ方式 L バンド合成開口レーダ)

データを画像処理したものである。リモートセンシングによる南極観測は今後更に期

待が予想されるため、一コーナーを設けて展示した。 4.5 パネル展示 極地研から提供を受けたパネルを展示した。極地研では非常に貴重な数々の写真を

パネル化し、解説文をつけて用意している。またイラストによる詳細な説明などもあ

るため、南極展においては常に重要な位置付けとなる。 4.6 昭和基地ライブカメラと極地研究所制作映画上映 科学館のノートパソコン2台により、インターネット網で公開されている昭和基地

のライブカメラ映像を常時展示した。1分ごとに更新される画像で、現在の昭和基地

の様子が見られる。 また、極地研が制作した南極観測に関する映画(DVD)を常時上映した。 4.7 プラネタリウム講演 科学館が定時に行うプラネタリウムプログラムとリンクした内容で、南極観測を紹

介する講演を行った。私が南極で撮影してきたビデオ映像を 30 分の映画に編集し、そ

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図6 クイズ大会

図7 越冬隊装備品の試着

図8 新観測船名応募コーナー

れにコメントを付け加える形で行った。科学館側では南半球の星空についてのプラネ

タリウムを上映し、そのまま南極講演に遷移する方法で、合計1時間の上映とした。

これを4日に2回行った。 4.8 クイズ大会 来場した子ども達を対象に、クイズ大

会を両日それぞれ1回行った(図6)。回

答者には極地研・土井氏提供の「南極の

石」を贈呈した。この石は、南極条約締

結以前に採取されたもので、すでに研究

等を済ませたものであり、贈呈しても問

題のないものである。いずれも研究資料

とするため直径2cm ほどの円筒形に整

形されたもので、35mm のフィルムケー

スに入れて1人1個進呈した。この企画

の主旨は、子ども達が参加することによ

って南極や自然科学に興味を抱いてもら

うことである。賞品が一人に集中しない

よう、司会者が調整して参加者全員に配

分されるように行った。 4.9 装備品試着 越冬隊員が実際に身に着けた、羽毛服、

ヤッケ、D 靴(雪靴)、防寒手袋、ヘルメ

ット、防寒帽、ゴーグルを展示し、実際

に希望者に試着してもらった(図7)。 4.10 次期観測船名募集 平成19年 11 月に出発する南極観測

船・砕氷艦「しらせ」(海上自衛隊)は、

49 次航海を最後に現役を引退する。当時、

南極本部により時期観測船の命名を募集

してが、本展でもその受付窓口を行うこ

とになった。特設コーナーを設置し、多

数の応募をいただいた(図3、図8)。

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41

5.結言 本展は南極展としては2回目であったため、展示方法やその準備は前回の方法を踏

襲した。そのため科学館との調整を含めて問題は起きなかった。しかし、主資料の展

示や、全体の進行に目新しさがなく、今回特別企画として挙げた企画が目立たなかっ

たようにも見られる。 南極観測事業は我が国の国家事業であり、そのために派遣される南極観測隊員は、

南極での業務遂行だけに終わらず、広く国民に本事業について理解してもらうために

知らせることも大切であるように思う。本展を企画するに至った動機は、特に未来を

担う子ども達に「科学技術」や「地球環境」などというものを知ってもらうきっかけ

となることを目指したものであったが、大変有意義であったし今後も機会があれば同

様の企画を実施したい。

6.謝辞 本展開催にあたり、室蘭市青少年科学館および本学技術部のご理解とご協力に心よ

り感謝する。特に、実際に実施のためにご尽力いただいた、科学館館長の小川征一氏、

事務管理部長の三上慎晶氏はじめ事務管理部の皆様、事業部長の花和勇氏はじめ事業

部の皆様、本学技術部長で材料物性工学科教授の後藤龍彦氏、技術長の黒島利一氏に

心より感謝する。

また、資料提供をいただいた国立極地研究所・生物圏研究グループ准教授の伊村 智

氏、地圏研究グループ准教授の土井浩一郎氏、そして広報室の諸氏に心より感謝する。

本展は南極観測と同じく決して一人の力では成し得ることができず、その他多数の

方々からのご支援をいただいた。一人一人の詳しいご紹介をさせていただきたいが、

誌面の都合から割愛し、以下に御芳名のみ紹介し、謝辞にかえさせていただきたい(順

不同・敬称略)。

南極地域観測統合推進本部(南極本部) 国立極地研究所・広報室、同地圏研究グループ、同生物圏研究グループ 第 29 次日本南極地域観測隊 佐藤哲夫 第 32 次日本南極地域観測隊 河村俊行、長谷川 裕 第 38 次日本南極地域観測隊 塩崎 修 第 45 次日本南極地域観測隊 神田啓史、山岸久雄、土井浩一郎、伊村 智、阿保敏広、藤田 建、

伊藤一雄、長田和雄、笹山智仁、佐々木正史、松澤 清、大市 聡、清水 淳、 桑原新二、安彦誠一、井上高志、増田 誠、武田 剛、中山由美

室蘭工業大学技術部、地域共同研究開発センター、情報メディア教育センター NPO 法人科学とものづくり教育研究会かもけん(室蘭市青少年科学館)

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42

第42回地盤工学研究発表会優秀論文発表者賞受賞報告

建設・機械系(建設システム工学科) 島田 正夫

1.はじめに

この度、2007年度技術部研修旅費により参加した第42回地盤工学研究発表会において、

優秀論文発表者賞を授与されたので、受賞の内容および論文の概要について報告する。

学会に発表した論文の題名および著者名は次のとおりである。

論文名 : 回転貫入杭の貫入・支持力に関する二層地盤での模型実験

著者名 : 島田 正夫,土屋 勉,中沢 楓太,大杉富美一

2.優秀論文発表者賞について

本賞は下記の細則により規定された賞であり、35 歳以下の発表者の中から、各セッショ

ンの座長による推薦に基いて、セッションごとに授与者が決定される。

「地盤工学研究発表会優秀論文発表者賞表彰に関する細則」規定抜粋

第 1 条 本表彰は、社団法人地盤工学会表彰規定第 35 条に基づき、地盤工学研究

発表会において地盤工学の発展に貢献しうる優秀な論文を発表した若手

会員(第 2 条で規定)に対して、その功績を称え、研究意欲を高めること

を目的に授与するものである。

第 2 条 表彰対象は、地盤工学研究発表会において優秀な一般講演論文(ポスター

セッション論文を含む)を発表し、かつ以下の 3 項目を満たす者とする。

1 申込み時点での発表者であり、かつ地盤工学研究発表会において実際に

発表したもの。

2 論文発表申込時点で、満 35 歳以下の者。

3 前年度に表彰されていない者。

3.発表論文の概要について

本論文は、螺旋羽根を杭体先端に取り付けた形式の鋼管杭(回転貫入杭)について、支

持層への根入れ長を変化させた場合の貫入・鉛直支持力特性を明らかにする事を目的とし、

直径 2,000mm、高さ 2,500mm の加圧土槽を用いて実施した大規模模型実験の結果および所

見を述べている。

模型実験において、検討の対象とする実験因子は、支持層への根入長および地盤の構成

であり、杭形状および地盤上載圧は全ての実験モデルで同一である。これらの実験条件お

よび模型杭諸元の一覧を表 1 に示し、各モデルの根入長を図 1 に表す。

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43

実験モデル名は、地盤の密度(L:低密度、D:高密度)を表層と支持層の順に表わし、根

入長を翼径で除した値(+:支持層内で打ち止め、-:支持層の上部で打ち止め)で示した。

実験は、杭を所定の深度まで回転貫入させて打止めた後、鉛直載荷試験を実施した。

図 2 は鉛直載荷時の杭頭荷重-杭頭沈下量関係である。支持層に根入れしたモデルは、

いずれもほぼ同様の結果を示しており、根入長による杭頭支持力への影響がほとんど無い

事がわかる。さらに、図 3 は杭の沈下量が羽根径寸法と同じ量に達した時点の杭体各部負

担荷重を示しており、この結果から、根入長が深いモデルほど羽根面が負担する荷重が増

加するが、杭先端面の負担荷重は減少することがわかる。

本論文では以上の結果から、羽根面が支持層に完全に埋め込まれる羽根径程度まで杭を

根入れすることで、羽根面の支持力が有効に発揮できるが、杭先端面の支持力はむしろ低

下する事がわかった。なお、論文中では回転貫入中の杭体軸力推移についても述べている

が、本報告ではその説明を省略した。

4.結語

この度の受賞にあたり、論文の作成をご指導下さった本学建設システム工学科の土屋勉

教授をはじめ、学会への参加にご理解とご支援を頂いた技術部の皆様に、心より感謝申し

上げます。

今後も技術支援業務に必須の専門技術を習得するため、学会や技術講習会へ積極的に参

加し、より難易度の高い業務を担えるよう努めたいと思います。

0

50

100

150

200

250

300

低密度 -1.0 -0.5 +0.0 +0.5 +1.0 高密度

支持層への根入れ(dw)

負担荷

重(

kN)

杭周面

杭先端面

杭頭部

羽根面

図3 1.0dw 沈下時の杭各部負担荷重

上部 下部 上部 下部

DD -

LL -

LD-1.0 -1.0LD-0.5 -0.5LD+0.0 +0.0LD+0.5 +0.5LD+1.0 +1.0

換算N値 根入長

H(×d w)

100 4

100374

上載圧

σ 0(kPa)

37

実験名

軸径

d 0(mm)

地盤

構成

相対密度

D r(%)杭長

l(mm)

羽根径

d w(mm)

羽根

ピッチ

p w(mm)

98

32 98

32均質

二層

136276.3 152.6 41

表1 実験条件および模型杭諸元

+0.0dw

高密度地盤

(支持層)

低密度地盤 -1.0dw

-0.5dw

+1.0dw +0.5dw

1.0dw

1.0dw 0.5dw

0.5dw

dw

図 1 根入長

0

50

100

150

200

250

300

0 50 100 150 200 250

杭頭沈下量(mm)

杭頭荷

重(

kN)

LL

LD-1.0 LD-0.5

DD LD+0.5

LD+1.0 LD+0.0

図2 杭頭荷重-杭頭沈下量関係

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44

定年を迎えて

材料・化学系(材料物性工学科) 藤原 幹男 40年余りの大学勤務も定年退職が目前になってきました。昨年まではまだ定年を

実感していませんでしたが、年金請求書類の提出等、退職に向けた手続きが始まり、

定年退職という言葉が頭の中に大きな位置を占めるようになりました。 これまでのことを振り返ってみますと、大学構内、街並みも大きく変わっておりま

す。平成19年度大学概要に昭和45年と平成18年の大学周辺の航空写真が掲載さ

れています。昭和45年頃は大学紛争が激化しだした頃と記憶していますが、木造の明徳

寮や当時建替えられた体育館(私が勤務した頃は現応化棟の西側半分に木造のボロ体育館

があったと記憶しております)、2階建ての教養棟、平屋の職員宿舎(官舎)、旧グラウン

ド等当時の大学構内の様子が思出されます。大学北側(水元町の奥)は民家が疎らに建ち、

空き地が目立っております。平成18年の写真を見ますと専門校舎(A~F棟)と応化

棟が当時のままで、旧グラウンド上には材料物性棟、情報工学科棟、総合研究棟、機

器分析センター等の校舎が建ち、他の校舎も新築・改築など大学キャンパスも大変充

実したと感じております。大学北側も奥には明徳寮、高速道路が通り、マンション、

民家が空き地を埋めつくしております。 さて、金属工学科に採用されてから、平成2年の学科改組による材料物性工学科勤

務の間に携わった仕事は鉄鋼材料(鉄、鋼、鋳鉄)に関することが90%以上だった

と思います。私は理数系は苦手で、工学的素養が無く、金属加工学講座とは何を研究

しているのか見当もつかず、「加工」ということで鉄板を切ったり曲げたりして、何か

形のある物を作っているでは?と思ったりしておりました。その後、いろいろ実験手

法、実験器具取り扱い等の指導を受け、少しずつ研究・実験内容を理解していくので

すが、 初の仕事は熱電対(これも初めて見たもの)による電気炉の温度分布の測定

だったように記憶しております。このころは特別なものを除き電気炉もほとんどが手

作りであり、当時の助教授(昭和45年論文提出直前に急逝)は学位取得に向け精力

的に実験・研究を進めており、実験内容は材料の熱処理が多く、炉の抵抗線がよく切

れて作り直しがしばしばありました。試験片の研磨、顕微鏡観察(電子顕微鏡を含む)、

写真技術、実験装置組み立てにおける溶接、水道配管、その他実験を進めていく上で

必要な実験技術・手法をある程度身につけることが出来た、この3~4年間の経験は

その後の仕事を遂行する上で大きな財産になったものと思っております。 次に、技術職員の仕事の中で、一つの柱である学部3年次の学生実験は、組織観察

(試験片の研磨も含む)、材料試験(引張試験、衝撃試験、硬さ試験等)、塑性加工、

溶接(アーク溶接、ガス溶接・溶断)、溶解・鋳造凝固などの実験を担当してきました。

初めは当然のことですが、金属工学に関する知識が有りませんので、指導する先生の

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下で一緒に実験をしながら勉強していたのではないかと思いますが、あまり記憶が定

かではありません。7~8年経ったころから、いくつかの実験テーマを担当出来るよ

うになってきたかと思います。溶接実験、溶解・鋳造実験は準備から実験後の試験片

採取、加工など、けっこう重労働だったことを思い出します。 次に、日常の仕事の大部分である卒論、修論の実験指導があります。これも若い頃

は学生と一緒に実験をしながら勉強し、少しずつ研究活動にも関わっていくようにな

ったと思います。初めての研究発表は昭和47年に北大で行われた学会の北海道支部

大会で、溶接のテーマでした。大変緊張して発表したことが思い出されます。 その後も先生や学生の支援により研究発表、数編の論文発表をさせていただきました。

また、昭和62年(社)日本鋳物協会(現・日本鋳造工学会)北海道支部、平成11

年(社)日本鉄鋼協会からそれぞれ表彰を受けたことも大変光栄なことでありました。

技術職員として恵まれた環境で過ごすことが出来たと思います。 印象に残る仕事の一つに、金属組織写真集・鉄鋼材料編(1979 年 日本金属学会発

行)に鋳鉄の組織写真14葉を提供したことがあげられます。当時の教授(鋳造工学

の権威)が写真集の編著者から依頼を受け、私に試料の溶製から写真まで、すべてを

まかされたことで大きな責任を感じたものです。写真集の寄贈を受け、そのページを

開いたときは大変嬉しい思いを味わいました(約30年も前の話ですが)。 材料物性工学科では平成2年に所属研究室が金属材料学分野に変わり、ここでも鉄

鋼に関わる仕事で、主に鉄さびや日本刀の性状調査についての研究支援を行ってきま

した。その後は、材料強度物理学分野において、核融合炉関連の構造材料、高温・高

圧などの過酷な環境中で使用される鉄鋼材料(特殊鋼)の材質評価についての研究・

実験支援及び材料製造プロセス学分野における高周波誘導溶解炉を用いた球状黒鉛鋳

鉄の溶解・鋳造実験の支援を主として行って今日に至っております。 何かとりとめのない事を書き連ねてきましたが、技術職員としていろいろな経験を

させていただきました。実験を進めて行くなかで考え工夫し、自分なりの技能・技術

を身につけられたと思っております。また、仕事上で楽しさを感じることができたこ

ともここまで続けてこられたものと感じております。 平成5年、技術部が発足し、多くの技術職員の方々と交流させていただきました。

また、力及ばず技術部に関してあまり貢献できなかったことをお詫びいたします。 平成20年3月31日で定年退職となりますが、4月より再雇用職員として引続き

勤務する予定でおります。これまでご指導、ご支援いただきました教職員の皆様には

心よりお礼申し上げます。 2月も中旬となり、陽射しにも少し力強さを感じるこの頃、年度末に向けお忙しい

日々をお過ごしのことと思います。 後に、技術部の益々の充実と技術職員の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げ ます。 ∞ありがとうございました∞ 2008.2. fm

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平成19年度技術部活動

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平成19年度室蘭工業大学技術部職員技術研修実施要項 1.名 称 平成19 年度室蘭工業大学技術部職員技術研修 2.目 的 室蘭工業大学技術部技術職員に対して、職務に関する必要な専

門知識・技術等を研修し、職務遂行に必要な知識等を広く修得さ せるとともに、今年度は地域的課題として潜在する防災に関する

認識を深めることによって本学職員としての資質の向上を図るこ

とを目的とする。 3.実 施 機 関 室蘭工業大学 4.期 間 一般研修:平成19年8月20日(月)~8月21日(火) 専門研修:平成19年8月27日(月)~9月6日(木) 5.場 所 一般研修:大学会館、伊達市防災センター等 専門研修:別紙研修日程の各センター及び実験室 6.受講対象者 技術部技術職員34名(ただし、専門研修は、主管する各系ご

とに5~15名の定員を設ける。) 7.研 修 内 容 別紙日程のとおり 8.講 師 一般研修:室蘭消防署 救急隊員 大島弘光准教授

(北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究 観測センター)

専門研修:本学教員及び技術職員 9.修 了 証 書 本研修の所定の課程を修了した者(工場見学を除く一般研修の

全時間と各職員が受講すべき専門研修の全時間の合計時間の8

割以上を受講した者)には、修了証書を授与する。 10.事 務 本研修に関する事務は、地域連携推進課の協力を得て技術部

企画調整室で処理する。

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45 9:00

 

【講習・実技】「大学会館」 【工場見学】

第一日 開 AEDを使用した普通救命講習講

8月20日 式 講師(月) 室蘭消防署 救急隊員

【講義・実習】 【講義・実習】 【コース】第二日 「火山の現状と防火対策」 館山観測点見学

昭和新山三松館見学8月21日 旧三恵病院見学(火) 2000年新山北駐車場発

「生体高分子の分析たんぱく質とDNAの電気泳動」

生物化学実験室[H210]応用化学科 准教授 安居 光國 先生

8月28日 「TEM利用講習会」第三日 機器分析センター[W104]

技術部 技術専門職員 川村 悟史 8月27日 9月 3日 「PICの応用~USB接続できる温度ロガー作成実習~」

(月) 電気電子工学科[ED実習室A326]~ 電気電子工学科 助教 秋山 龍一 先生

9月6日 9月 6日 「CADソフトと3次元造型機の講習」

(木) ものづくり基盤センター機械システム工学科 教授 風間 俊治 先生情報メディアセンター 助教 石坂 徹 先生技術部 技術専門職員 山森 英明技術部 技術専門職員 小西 敏幸技術部 技術専門職員 村本  充 技術部 技術専門職員 佐藤 考志

13:30

 北海道大学大学院理学研究所

9:30

 大島 弘光 准教授

  噴火活動 有珠山と桜島」

「1910年代に起こった2つの

講師 

地震火山研究センター15:30

15:00

14:30大島 弘光 准教授

昼 食

昼 食 講師 

新日本石油

場所:講師:

※都合により日程の一部及び会場を変更することがあります。

場所:専門研修

講師:

場所:講師:

平成19年度室蘭工業大学技術部職員技術研修日程

【工場見学】

16:00 17:0010:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00

永澤工作機械

講師:

8月27日

場所:

 北海道大学大学院理学研究所

 地震火山研究センター

時間

期日

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材・化 建・機 電・情 センター生態高分子

TEM講習 PICの応用 CADソフト

武者一宏 技術専門官 建設・機械系 浅野克彦 技術専門職員 建設・機械系 塩崎 修 技術専門職員 建設・機械系 小川德哉 技術専門職員 建設・機械系 山森英明 技術専門職員 建設・機械系

新井田要一 技術専門職員 建設・機械系 太田典幸 技術専門職員 建設・機械系 菅原久紀 技術職員 建設・機械系 河合哲郎 技術職員 建設・機械系 島田正夫 技術職員 建設・機械系

野崎久司 技術専門官 電気・情報系 岡和喜男 技術専門職員 電気・情報系 松本浩明 技術専門職員 電気・情報系 山根康一 技術専門職員 電気・情報系 矢野大作 技術専門職員 電気・情報系 小師 隆 技術専門職員 電気・情報系 三林 光 技術職員 電気・情報系 林 純一 技術職員 電気・情報系

藤原幹男 技術専門官 材料・化学系 小林隆夫 技術専門職員 材料・化学系 高橋敏則 技術専門職員 材料・化学系 湯口 実 技術専門職員 材料・化学系 川村悟史 技術専門職員 材料・化学系 島崎 剛 技術専門職員 材料・化学系

黒島利一 技術専門官 センター系 沓澤幸成 技術専門職員 センター系 宮本政明 技術専門職員 センター系 松田 悟 技術専門職員 センター系 高木 稔 技術専門職員 センター系 佐藤之紀 技術専門職員 センター系 佐藤孝志 技術専門職員 センター系 小西敏幸 技術専門職員 センター系 村本 充 技術専門職員 センター系 若杉清仁 技術専門職員 センター系

平成19年度室蘭工業大学技術部職員技術研修参加者名簿

専門研修

氏名 職名 所属普通救命講習

工場見学

大島先生講演

48

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49

平成19年度 第15回技術部発表会プログラム

開催日:2008年3月19日(水)

場 所:技術部室(A311)

司 会:藤原 幹男

15:30~15:40 挨拶

技術部長 後藤 龍彦

15:40~16:05 空間認知力・創造力向上を目的とした教材開発

機械・建設系(建設システム工学科) 河合 哲郎

16:05~16:30 水素混合気体の熱伝導率測定

建設・機械系(機械システム工学科) 小川 徳哉

16:30~16:55 対向アンビル高圧セルを用いた有機薄膜のせん断応力効果

電気・情報系(電気電子工学科) 林 純一

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50

平成19年度技術部各種委員会名簿

〇技術部企画調整室

責任者 センター系 技術長 黒島 利一

室 員 建設・機械系 技術長 武者 一宏

室 員 材料・化学系 技術長 藤原 幹男

室 員 電気・情報系 技術長 野崎 久司

室 員 電気・情報系 技術班長 岡 和喜男

室 員 建設・機械系 技術班長 塩崎 修

〇技術部会議

委員長 技術部長(材料物性工学科) 教授 後藤 龍彦

チーフ委員 センター系 技術長 黒島 利一

委 員 建設・機械系 技術長 武者 一宏

委 員 建設・機械系 技術班長 浅野 克彦

委 員 建設・機械系 技術班長 塩崎 修

委 員 電気・情報系 技術長 野崎 久司

委 員 電気・情報系 技術班長 岡 和喜男

委 員 電気・情報系 技術班長 松本 浩明

委 員 材料・化学系 技術長 藤原 幹男

委 員 材料・化学系 技術班長 小林 隆夫

委 員 材料・化学系 技術班長 高橋 敏則

委 員 センター系 先任専門技術職員 松田 悟

委 員 センター系 技術班長 沓澤 幸成

委 員 センター系 技術班長 高木 稔

委 員 地域連携推進課 課長 木村 政和

〇技術部ホームページ委員(暫定)

チーフ委員 センター系 技術長 黒島 利一

委 員 建設・機械系 技術長 武者 一宏

委 員 材料・化学系 技術長 藤原 幹男

委 員 電気・情報系 技術長 野崎 久司

委 員 電気・情報系 技術班長 岡 和喜男

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51

平成 19 年度第 1 回技術部会議議事録

日 時:2007 年 4 月 18 日(水)10:00~

場 所:技術部室 (A311)

出席者:後藤(技術部部長)、木村(地連課長)、黒島、藤原、武者、野崎、塩崎、岡、

浅野、松本、高橋、髙木、沓澤、髙木、

報告事項 1.平成 18 年度業務報告、平成 19 年度業務依頼について

平成 18 年度業務報告、平成 19 年度業務依頼(命令)について、すべての手続きが完

了したことの報告があった。

報告事項 2.技術専門官及び技術専門職員について

野崎技術専門職員(電気・情報系技術長)が技術専門官に昇任。

島崎技術職員(材料・化学系)、若杉技術職員(センター系)が技術専門職員に昇任

したことが報告された。

報告事項 3.技術部職員組織の変更について(資料添付)

太田技術専門職員(建設・機械系)が建設技術班技術主任、矢野技術専門職員(電気・

情報系)がシステム開発班技術主任、川村技術専門職員(材料・化学系)が材料技術班

技術主任、佐藤(之)技術専門職員(センター系)がシステム運用班技術主任にそれぞ

れ命じられたことから、組織の変更(資料)について報告された。

報告事項 4.その他

技術部長より技術部企画調整室の機能を充実したいとのことから、室員の増員が提案

され、人選については技術部長に一任することで了承された。

平成 19 年度第 2 回技術部会議議事録

日 時:2007 年 7 月 30 日(月)10:30 から

場 所:技術部室(A311)

出席者:後藤部長、川岸(地連係長)、黒島、藤原、野崎、塩崎、岡、浅野、松本

高橋、松田、沓澤、高木、

議題に入る前に、議事項目の報告事項に関して、内規の確認要請および意見があげら

れ、議論の結果、内規に従い、報告事項 1.2.3.を議題 1.2.3.に変更した。報告

事項 4.5.6.7.については、それぞれ報告事項 1.2.3.4.に修正することになっ

た。

今後、技術部会議の運営に関わり、より円滑に進めるため、企画調整室の運営や内規

との調整について検討をする予定であるとの報告がなされ、修正した項目内容で進行す

る事になった。

「第 2回技術部会議」

議題 1.平成 19 年度技術部予算額の決定について

議題 2.平成 19 年度学内研修の実施について

議題 3.平成 19 年度予算の計画(研修等)及び実施状況について

報告事項 1.企画調整室について

報告事項 2.環境分析装置室について

報告事項 3.室蘭青少年科学館と技術部が行うイベントについて

報告事項 4.その他

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52

議題 1.平成 19 年度技術部予算額の決定について

担当技術長、技術部長より説明がなされた。

(1)各人からの要求および技術部の事業計画にそって、昨年実績をふまえた内容で要求

を提出した。

(2)結果として、4 月 24 日に予算ヒアリングがもたれ、厳しい状況での前年度の1%の

削減は妥当と判断し承諾した(技術部長)。

(3)前年度の1%減の配分額が配分された。

以上のことが報告され、了解された。

議題 2.平成 19 年度学内研修の実施について

担当技術長、技術部長より説明がなされた。

(1)技術部内部の研修WGによって計画検討された内容。

(2)既に連絡している内容および日程で実施を予定する。(8 月 20 日~9 月 6日)

(3)計画書の提出の際に地連課長より工場見学やバス見学の時間が多く、研修として成

り立っているのかとの質問を受けたが、「今回のコースがたまたまこのようなケースに

なった一例」と言う事で理解して頂いた。(技術部長)

(4)参加者の人数制限について報告がされた。

1 日目の工場見学については、人数制限があり、昨年受講した人は受講しないで欲し

い。AEDは全員参加をお願いしたい。2 日目は、全員が参加して欲しい。

(5)参加については、それぞれの現場で臨機応変に対応して欲しい。

以上のことが報告され、意見として、間口に関する質問、AED講習への質問があった。

AED講習等の要望があれば検討する事として、了解された。

議題 3.平成 19 年度予算の計画(研修等)及び実施状況について

担当技術長より予算の執行状況および今後の計画の説明がなされた。

(1)第 42 回地盤工学研究発表会における研究発表

(2)学内研修(バス代、入館料、講師手当て等)は執行中である。

(3)作業環境測定士養成の費用(継続分)

ヒアリングにおいて資格人数に対しての検討を要求されているので、実際に 1回目の

作業環境測定を実施後に状況を見て再検討することとしている。

(4)各自の事業計画(報告事項 3.と関連を含む)

室蘭青少年科学館と技術部が共催で行うイベントについて、予算要求書作成の際、各

自の計画について再募集したが件数は多くはなく、提出のあった件数以外に、自分たち

の思う事業計画を提出しても良いとの事で、1件の要望例を基に提出への説明があった。

(5)予算執行計画

昨年実績をふまえた事業計画の内容で要求することに対して、前年と同額程度の配分

が予想される。予算執行に際しては現在、ある程度の余裕があるので、追加の要求計画

があれば技術長に相談して頂きたい。その件で会議が必要であれば開催する。

(6)作業環境測定士の経費について

今年度の作業環境測定士養成(放射線を除く)の経費については、事業計画で 1 免許

項目に 2 名の免許資格者体制にする方向で行う。基本的には技術部として以前と同様に

学長裁量経費として、予算要求をすべきであると考えているが、今年度は要求項目が少

ないので技術部で賄う事業計画となっている。

以上の議題の報告に対して、4 件の質問や意見があった。

(1)予算執行計画の内訳を確実な項目に分ける事ができないか。

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(2)予算の使い方で、特定の人に偏ることがないように対処してもらいたい。

(3)要件が出ない状況をどうするのか、会議すべきではないか。

(4)環境分析装置室と技術部の関係はどうなっているのか。

作業環境測定士免許の経費については、要件が少ない状況なので、基本的には学長

裁量経費として扱うべきだが技術部員の技術向上という意味を配慮して、このような予

算計画になった事をご理解していただき、次年度の予算編成の時は、内訳を確実な項目

にするよう企画調整室で検討するという見解で、了解された。

報告事項 1.企画調整室について

技術部長から報告があった。

4 人体制から来年の退職者のこともふまえて塩崎、松田、高橋、岡(議事録担当)技

術職員を企画調整室に新たに加えた。役割分担については検討中である。

報告事項 2.環境分析装置室について

担当技術長から報告があった。

(1)環境分析装置室という最終名称である。

(2)機器分析センター3Fに設置した。

(3)学長裁量経費で物品を購入し、9月からの環境測定に向け技術職員が準備中である。

(4)環境分析装置室の所属は機器分析センターで、保守管理者は技術部長である。

(5)事務手続きなどの業務については、今後の検討課題である。

(6)まだ動き出していないが、導入機器についての説明会は行なわれている。

(7)作業環境測定士の責任のもとで行なわれる。

予算などの企画は技術部が学長裁量経費で行うが、購入する機器の所属に関しては、

機器分析センターの予算枠にする。(教育研究重点経費の学長裁量経費)現状では作業

に従事するのが技術部職員で機器の所属は機器分析センターとなるようなグレーな位

置付けである。

報告事項 3.室蘭青少年科学館と技術部とが行うイベントについて

担当技術長から報告があった。

(1)技術部として参加する初めてのイベントで総務課等の調整協力が必要で、技術部へ

の報告が遅れている。

(2)8 月 1 日~8月 6 日 塩崎、佐藤を派遣参加させる。

(3)科学館との派遣要請手続きは終了している。

(4)技術部の社会貢献の一つとして「第 2回南極展~科学館で南極ツアー」を行う。

全体に知らせることを考え検討することとなった。〔ポスター内容など〕

報告事項 4.その他

技術部の自己評価について

(1)内規に書かれてあるように、技術部に「自己評価」の書類がきている。

(2)本来なら技術部会議で検討すべきだが、たたき題案を技術部長が作成し、その結果

を技術部会議で検討することになった。

(3)今年度技術専門職員になった方の役職を再検討し、技術部長が総務に申し出ること

になった。

平成 19 年度第 3 回技術部会議議事録

日 時: 2007 年 10 月 17 日(水)10:30~

場 所:技術部室(A311)

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出席者:後藤(技術部部長)、木村(地連課長)、黒島、藤原、武者、野崎、塩崎、岡

浅野、松本、松田、沓澤、

資 料:参考資料(業務依頼の流れ図、作業環境測定の流れ図、予算状況)

議題 1.技術部の自己評価について

技術部の自己評価の作成案を 9 月 28 日に全員に配布し、意見として 2 件頂いた。訂

正箇所として、技術部職員総数の 43 名を 34 名に訂正した。

自己評価については、平成 16.17.18 年度の評価内容であるが、平成 19 年度につい

ても一部触れた報告がなされた。訂正箇所および一部の修正を行い、添付書類を付け加

えて提出することが了承された。

議題 2.技術部研修について

今までのスタイル(一般研修、専門研修)については良とし、今後の研修についての方

針や意見については、研修グループをつくり、研修グループで行えないかの提案がなさ

れ了承された。

・ 研修グループは、各系から 1名程度、企画調整室から1名程度とする。

・ 人選に関しては、後日改めて各系の技術長の下で進めていきたい。

議題 3.その他

特になし。

報告事項 1.業務依頼等について

第 6回教育研究評議会(9月 3日)の場で技術部業務審査会が設置されたことは、す

でに報告している(第 6 回教育研究評議会報告の添付ファイル)、その内容に沿って 10

月 10 日に「第 1 回の技術部業務審査委員会」が開かれた。審査会には、技術部の委員

として企画調整室責任者を指名した。

技術部業務依頼に対して教育研究評議会へ付議する案である下記の 4 件について報

告がなされた。

(1)技術部業務依頼の取り扱いについて

教育研究評議会(4 月 19 日)の「技術部業務検討会の設置について」が審議・了承

され、その決定に基づいて、依頼決定の基準の審議がおこなわれた。基準は、全学的業

務を優先する(例えば、安全衛生巡視、作業環境測定に関する業務、共通の化学実験、

物理実験や情報メディア教育、図学などを優先)。学科に対しては、従来通りとする(学

科共通の演習、実験)。特定の教員が範囲を超え拘束する様な事がないようにする。方

針が決められた。

短期業務の扱いは、依頼された本人の内諾を得た上で技術部長と 4名の技術長で協議

をして可否を決定し、本審査会および教育研修評議会に報告する。

(2)業務依頼に関して

「室蘭工業大学技術部の業務依頼等に関する要綱」に業務依頼の工程が決められてい

る。業務依頼の方式には、審査会をおこない教育研究評議会に付議する項目が加わった

ために、前年度までの実施・報告・確認の流れでは時間的に無理が生じるために、依頼

時期については早めた内容になった(配布資料「流れ図」参照)。業務報告に関しては、

期限が年度末までの業務は年度終了後直ちに、その他の短期業務については業務終了後

2 週間以内に提出する内容となった。これに伴い、各要綱の文章を「流れ図」に沿って

修正した。

(3)平成 19 年度の後期業務依頼について

後期の追加分として、材料物性工学科から1件の依頼があった。

(ものつくり基盤センターで行う学生実験の業務)

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た 1名の登録講習費を今年度提出したと報告があった。また、このことについて意見が

交わされた。

(会計課よりの通達)

今年度の技術部予算の使用状況について会計課への文書での報告の要請があった。文

書の作成担当を挙手で選出したが該当者がなく、担当技術長に一任された。尚、上記の

報告事項 5.に沿って提出する旨の報告がなされた。

報告事項 6.被面談者について

「大学評価・学位授与機構による認証評価(訪問調査)」の、技術部からの被面談者

を、電気・情報系 岡技術班長に依頼し承諾を得た。22、23 日に予定されている。

報告事項 7.その他

特になし。

平成 19 年度第 4 回技術部会議議事録

日 時: 2008 年 1 月 30 日(水)10:30 から

場 所:技術部室(A311)

出席者:後藤(技術部部長)、木村(地連)、黒島、藤原、野崎、塩崎、岡、浅野、松本

高橋、松田、高木

資 料:資料1(H20 事業計画(案)、H19 年度技術部報告集(案))

議題 1.平成 20 度事業計画について

H20 年度事業計画(予算要求案)について担当技術長が説明および提案をした。

事業計画の項目(資料1からの抜粋)

(1) 平成 20 年度室蘭工業大学技術部職員技術研修(3 日間研修)

(2) スキルアップのための技術研修

(3) 技術職員によるイベント、講演会等

(4) 施設、設備等に必要な資格取得

通年業務に関わる事業計画が盛り込まれていない点、H19年度の決算(見込み)とH20

年度との比較検討し考慮した事業計画にすべきではないかとの意見が述べられた。

3日間研修に関して、技術部職員技術研修グループでは、結論がでていないとの報告

がされた。また、H20年度事業計画の3日間研修のあり方についての意見が延べられ、3

日間研修の人事記録についても議論がなされた。

協議の結果、(1)から(4)の項目については了承された。ただし、3日間研修の文言に

関しては、削除するか別のわかりやすい表現に変更することで承認された。

議題 2.技術部報告集について

担当技術長より、締め切りは 2月 15 日であること。現在までの提出状況については、

研修報告が 2 件(岡・高木)であることが報告された。H19 年度技術部報告集(案)で

は「イベントを終えて」「退職を迎えて」「受賞報告」を差し込んだ資料に沿ってまとめ

たいとの提案がなされた。

この提案について下記の意見が挙げられた。

(1)前回の技術部会議で決定した各系持ちより 2 名程度の技術報告の要請を行ったにも

関わらず報告数が 3 件であり、問題ではないだろうかとの意見があった。それを受けて、

次年度以後は技術部報告集の委員会で検討をしてはどうかとの意見が挙げられた。

(2)議長の「今年度はこのスタイルで行い次年度以降は小委員会(検討グループ)を作

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り検討する」との意見に対しては、小委員会では決められる性質ではなく、技術部の中

で議論を徹底することや系での細かな議論の場が必要だと思うとの意見が挙げられた。

協議の結果、意見を参考に今後の報告集については、検討することで了承された。

議題 3.技術部発表会について

資料に沿って日程案の報告がされ、担当技術長から報告集との関係等があり、3月 17

日(月)以降との再提案がされた。

(1)学内のスケジュールとの兼ね合を考慮し議論がなされた。

(2)発表場所は A331 を優先に考えることとし、具体的な案は、担当技術長にまかせると

いうことで了承された。

議題 4.予算状況について

担当技術長から予算使用状況について別紙(資料 1)の説明がなされ、議長から残額に

ついて、是非必要なものや使途についての意見が求められた。

(1) 担当技術長から残額の使途について、契約会社より、技術部の複写機の保守部品が

なくなり保守ができなくなるとの警告を受けて、複写機の換わりに複写機能付きの新規

プリンターを購入の方向で検討していきたいとの提案がなされた。また、今年度で作業

環境測定士養成については、免状を取得したので終了したとの報告がなされた。

残額の使途については、資料に記した提案内容で了承された。

報告事項 1.業務依頼について

既に案内が周知されており、締め切り 1月 31 日となっている旨の報告がなされた。

報告事項 2.研修に関する研修検討グループについて

担当の野崎委員が報告された。1月 16 日に 7名の委員(野崎、新井田、菅原、松本、

川村、島崎、宮本)で発足した。15 年間の学内研修を踏まえ、問題となった点は、研

修のあり方や見学のあり方などで、これらに関して話し合いを持ち、検討していくこと

が報告された。

報告事項 3.他大学からの見学の要請について

北見工業大学技術部職員 2名の視察要請があり、技術部として受理したと報告された。

「ものづくり基盤センター」の視察が希望であり、ものづくり基盤センター長と調整を

行い、2 月 8 日に決まった。

報告事項 4.認証評価(訪問調査)の被面談者について

「大学評価・学位授与機構による認証評価(訪問調査)が 10 月 22 日に行われた。技

術部を代表して、被面談者として岡技術班長が応じた。

(1)技術部に対して「教育・研究の割合はどうなっているか」、「研究費はどうされて

いるか」の質問にたいしては、前者は業務依頼から判断、後者は奨励 Bで対応すること

ができる旨の返事をしたとの報告がされた。

報告事項 5.その他

(1)今年度、退職者(2 名)があり、その後の補充状況に関して質問があった。議長よ

り「技術部のあり方検討委員会」での結果として人事(欠員補充)は凍結となっている。

いつ解除になるか結論はでていないが、現在退職者 2 名については再雇用が決定されて

いるとの返答があった。

(2)連絡事項として、業務報告については、業務終了後 2 週間以内に、提出するよう連

絡があった。

昨年とは違い業務報告書は、技術職員が技術部長または企画調整室に報告する流れに

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なっているのでホームページで確認すること、との連絡があった。

(3)木村委員(地連)から、技術職員の意見の吸い上げ方と伝達の方法、指揮命令系統

の伝達方法など円滑に働く組織作りを進めるよう助言があった。

(4)欠員の不補充に関しては「総人件費の抑制」WG からの答申も踏まえて「技術部のあ

り方検討委員会」よりの答申を念頭に置き、技術部会議での意見を掌握・運営して欲し

いとの意見があった。

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編 集 後 記

春まだ早い季節ですが、本輪西の土手の南斜面には、ふきのとうが芽を出す今日この頃です。

今年度から技術部職員の業務依頼に関しても技術部業務審査会で、審査し教育研究評議会に附

議し教育研究評議会で承認されることになり、変革の時期を迎えております。技術職員には、更

なるご無理をお願いする事になると思います。

残念ですが今年の春には、技術部もお二人の技術長が退職される事になります。長年にわたり、

技術職員として後輩職員にご指導やご助言をいただき誠にありがとうございました。これか

らも、ご健康に充分留意されて、ご尽力されることを願っております。 また、お二人が技術部定員枠から外れることにより、技術部職員の現員が32名になりま

す。4系に配属されている技術職員の配属バランスがくずれ新たな組織改革が必要になるこ

とと思います。 また、お二人の後任として、企画調整室にも新人のメンバーを追加しなければならない状

況となっています。新しいメンバーにはリーダシップを発揮して技術部を活性化してほしい

と願っております。皆様には、これまで以上にご協力をお願いしなければならない事になる

と思いますのでよろしくお願いします。 技術部報告集第15号は、技術報告3編、研修報告7編、その他報告3編の内容で発行す

ることが出来ました。御執筆をいただいた方々、何かと御助言、御協力いただいた皆様に心

より感謝申し上げます。

技術部報告集 No.15

http://www.muroran-it.ac.jp/tech/pdf/2008.pdf

発行日 2008 年 3 月

発 行 国立大学法人室蘭工業大学技術部

編 集 技術部企画調整室

050-8585 室蘭市水元町 27 - 1

電 話 0143 – 46 – 5013