Graduate School of Health ScienceGraduate School …教授 渡邉 健治...

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教授 渡邉 健治 国際的にインクルーシブ教育をどのように進めるかが大きな課題になっています。 そのため、日本における小・中学校の発達障害児の個別の支援及び一斉指導に おける教授技法の検討、スクールクラスター、特別支援学校のセンター的機能の 検 討などインクルーシブ教 育システムの研 究を行っています。日本の教 育と比 較 研究するためにロシアを中心に、アメリカ、イギリスのインクルーシブ教育の研究も 進めています。知的障害教育における学力問題は論外にされてますが、この研究 も新しい研究課題として取り組み始めました。院生と共同で研究を進めていくスタ イルを研究手法としています。若く新しい学問を一緒に究めていくこと期待してお ります。 ●取り組むテーマ例 ○小・中学校における特別支援教育体制の比較研究 ○地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する研究 ○知的障害教育における学力問題の研究 筑波大学博士(教育学) 東京学芸大学専任講師、助教授、教授を経て平成16年 より20年まで東京学芸大学理事・副学長。その間日本教 育大学協会全国特別支援教育研究部門代表、日本特 殊教育学会で免許問題等検討委員会委員長を務め、特 別支援教育について文部科学省にも提言。現在も障害 児教育実践研究会会長を務めるなど日本における障害 児教育の理論と実践のリーダー役として活躍。 教授 岡本 啓子 学校における子どもたちの健康課題が多種・多様に形を示し、その課題解決が難 しい状況にあります。私は教育(養護)実践者として、学校内外にかかわらず、その 時 必 要とされる専 門 的な支 援を強く感じています。子どもたちの健 康 課 題へと有 効に働くその専門性とは何か、どうしたらその専門性(専門職)につなぐことができ るのか、連携・協働・コーディネーションをキーワードに研究を進めています。目の前 の子どもたちを捉えるニーズ判 断は、実 践 者自身の子ども観 、健 康 観 、教 育( 養 護 )観により導き出されるといわれます。皆さん、共に学び、考え、自らのニーズ判 断を確かなものとしませんか。そこから教育実践の力を高めていきましょう。 ●取り組むテーマ例 ○学校保健・学校看護における他職種や地域との連携・協働に関す る研究 ○学校保健・学校看護におけるフィジカルアセスメントに関する研究 ○養護教諭のコーディネーション能力育成に関する研究 川崎医療福祉大学博士(保健看護学) 高等学校養護教諭を経て奈良県立医科大学看護短期 大学部助手、奈良県立医科大学医学部看護学科講師 を経て、畿央大学教育学部准教授、教授。養護教諭のあ り方を軸として学校保健と地域看護との連携を実践的に も追求し、地域障害児サークルにおけるサポート活動にも 取り組んでいる。 教授 杉峰 英憲 私は、人間のさまざまな能力を発達させることを目的とした学校教育の現実を、能 力といわれているものの実体と合わせて、社会全体の意識やスタンスや秩序の問 題から解明しようと考えています。そのため、私は、従来の学力調査には収まりきら ない能力であるところの「PISAリテラシー」、「キー・コンピテンシー」、「生きる力」、 「 人間力」、「 就業能力」、「 社会人基礎力」、「 就職基礎能力」といった多様な用 語で表される能力を、社会的価値観と学校教育改革の葛藤の歴史として繙いた り、能力の社会的通念に関する質問紙調査を行ったりしています。「 学校教育は これでいいの?」とクエスチョンマークを付けている人たち、一緒に研究してみませ んか。 ●取り組むテーマ例 ○学力概念の歴史的展開 ○学校教育の国際比較研究 ○学校教育への期待度調査 京都大学修士(教育学)、奈良女子大学名誉教授 日本デューイ学会元理事、関西教育学会元理事 京都大学助手、甲南女子大学講師を経て奈良女子大学 専任講師、助教授、教授、大学院博士課程担当。奈良女 子大学文学部附属中学校校長・高等学校校長を併任。平 成15年より17年まで奈良女子大学人間文化研究科博士 後期課程社会生活環境学専攻長。ケンブリッジ大と提携し て学生達と共に国際的調査研究を行い、「グローバル・クラ スルーム」や「ラーニング・スクール」の成果をまとめた。 准教授 西端 律子 教育の情報化、教科でのICT利活用、情報モラル教育などの今日的課題を、学校 の実践現場とともに解決しようとしています。技術ありきにならないよう、子どもたち や先生方のニーズ、理論的基盤とともに実践研究を行います。情報に関する知識 や技術は、入学時になくても問題ありませんが、他者に自らの研究の背景や仕組 みを説明できる程度には、在学中に学んでください。なお、研究室内ではSNSによ るオンラインコミュニケーションも多 用します。教 育に唯 一 無 二の正 解はありませ ん。実際に授業を拝見させていただき、先生方と一緒に授業をつくりあげ、子ども たちの様子を分析しながら、少しでも解決の糸口を見つけ、新しい教育の形を探っ ていきましょう。 ●取り組むテーマ例 ○タブレット PC を利用した授業実践の開発と蓄積 ○特別支援教育におけるデジタルコンテンツの開発と共有 ○家庭や地域と連携する情報モラル教育のカリキュラム開発 大阪大学博士(人間科学) 大阪府立工業高等専門学校助手、専任講師、大阪大学 人間科学部助手、大阪大学大学院助教を経て畿央大 学教育学部准教授、教授。教育システム情報学会評議 員、日本情報科教育学会理事、情報コミュニケーション学 会理事を兼任。高等学校共通教科「社会と情報」「情報 の科学」教科書やメディアリテラシーに関する執筆多数。 ソーシャルメディアの問題にも取り組んでいる。 講師 石川 裕之 専門は比較教育学で韓国の教育全般を研究対象としていますが、中でも才能教 育を主たるテーマとしています。韓 国も日本と同じく中 央 集 権 的で画 一 性の強い 教育制度を有していますが、そうした中で特定分野に飛び抜けた才能を持つ子ど もの能力と適性に応じた教育をどのように実現させているのかに興味があります。 自ら研究テーマを定め自律的に研究を進めていくのが大学院の醍醐味ですので、 私から研究テーマを指定することはありません。また、研究指導についても「あなた の関心のあることについて一緒に考えましょう」というスタンスをとっています。海外 の教育事情や国境を越える教育事象に関心のある方、ともに研究に取り組んで みませんか。 ●取り組むテーマ例 ○東アジア諸国における早期英語教育の現状と課題 ○開発途上国における教育援助の実態と NGO の役割 ○日本における外国人児童・生徒のアイデンティティと学校教育 京都大学博士(教育学) 京都大学高等教育研究開発推進センター特定助教を 経て畿央大学教育学部助教、准教授。その間、国立教 育政策研究所研究協力委員、国際日本文化研究セン ター共同研究員などを兼任。平成24年日本比較教育学 会平塚賞受賞。韓国をフィールドに、才能教育や高等教 育に関する研究、子育て支援制度に関する研究など幅 広く取り組んでいる。 教授 冬木 正彦 授業と学習を統合的に支援するeラーニングシステムや、日本の学習環境に適合 したユーザインタフェース、個別学習を支援するアプリケーションなど、情報システ ム開発に関する実践的研究を行ってきました。これらの経験をもとに、初等中等教 育における教育の情報化を対象とし、教材、情報システム、授業方法に関する研 究を行います。情報システムが関係する研究では、それが使われる現場での利用 者のニーズの把握やふるまいの分析が重要です。最先端の情報通信技術とその 応用を検討し、現場で役に立つ研究を一緒に進めたいと思います。新しく、独自性 があり、実用的に価値があるものを作り出す喜び、楽しさを実感して欲しいと願って います。 ●取り組むテーマ例 ○学習用アプリケーションの構造比較と試作 ○「反転授業」の実施方式と科目特性の関連 ○校務支援システムのあり方と有効性の検討 京都大学博士(理学)、関西大学名誉教授 関西大学工学部専任講師、助教授、教授を経て関西大 学大学院で研究指導を担当。授業と学修を統合的に支 援するソフトウェアCEAS(シーズ)の開発を行い平成16 年度に採択された文部科学省現代的教育ニーズ取組支 援事業の推進責任者を務めた。CEASは関西大学、畿央 大学等で全学的に利用されている。大学全体の教育支 援、専門英語教育の普及促進についても業績を上げてい る。平成25年より冬木学園副理事長、畿央大学副学長。 教授 島 恒生 道徳教育や特別活動、学級経営が、私の研究分野です。子どもの心に響く道徳 の時間の指導や道徳教材の開発、道徳教育と人権教育の関連、子どもの自主 的・実践的な態度を育てる特別活動の指導、子どもたちと創る学級経営の在り方 や進め方など、特に、学校現場の具体的な実践を大切にしながら、それらと理論を つなぐ研究をしています。道徳の時間の中で、子どもの考えや意見をうまく引き出 し、よりよい生き方の自覚や意欲を高める教員がいます。教員の指導力や授業力、 学級経営力は、経験や感性に基づくところが多くあります。それらを、より多くの教 員へと広げ、共有できるようにしたいと考えます。教育における実践力の向上を支 える、意義のある研究を一緒に進めましょう。 ●取り組むテーマ例 ○道徳教育や道徳の時間の指導の研究 ○道徳的実践としての特別活動の意義 ○道徳教育と生徒指導、人権教育等との関連 兵庫教育大学修士(教育学) 小学校教諭、奈良県立教育研究所教科指導副部長を 経て、畿央大学教育学部教授。文部科学省「小学校学 習指導要領解説道徳編作成協力者」「小学校道徳読み 物資料集作成協力者」、「中央教育審議会初等教育分 科会道徳教育専門部会委員」を務める。道徳教育、生徒 指導、学級経営等についての執筆多数。全国の教育委 員会や学校での研修会講師として活躍。 教育学研究科長 教授 白石 裕 私の専門は教育行財政学、教育政策論です。現在取り組んでいる研究テーマの 1つは、アメリカの学校財政制度に関する訴訟事例を素材にして、どの子どもにも 平等で質の高い教育を保障するための公正な教育資源の配分の在り方とはどの ようなものかを問うものです。もう1つは、アメリカと日本を事例にしながら、教育ガバ ナンスの在り方、とりわけ地方の教育ガバナンスの在り方について調査研究を交 えながら研 究を進めています。大学院の授業では、学校や児童生徒、そして教職 員に深く関わる教育委員会を中心とした地方の教育ガバナンスの在り方について 法 制 、行 財 政 、経 営 管 理の観 点から受 講 生とともに多角的 総 合 的に考 察し、課 題解決のための諸方策の構築を目指します。 ●取り組むテーマ例 ○学校の自立的経営管理を促す教育行政の支援方策と課題 ○教職員の創意工夫と士気を引き出し高める教育環境の構築 ○学校の諸課題を解決・改善するための教育委員会・学校・家庭・地 域の連携の在り方 京都大学博士(教育学) 日本教育行政学会元理事、関西教育行政学会元会長 京都大学大学院教育学研究科修士課程修了後フルブ ライト留学生として米国ミネソタ大学大学院で学ぶ。その 後京都大学教育学部教授、京都大学大学院教育学研 究科教授、早稲田大学教育・総合科学学術院特任教授 を経て平成22年より畿央大学教育学部学部長。日米の 教育行政について多くの研究業績で知られている。 教員からのメッセージ 教育実践学分野・発達支援教育実践学分野 16 17 教育学研究科 教育実践学専攻 Graduate School of Education 修士課程

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Page 1: Graduate School of Health ScienceGraduate School …教授 渡邉 健治 国際的にインクルーシブ教育をどのように進めるかが大きな課題になっています。そのため、日本における小・中学校の発達障害児の個別の支援及び一斉指導に

教授渡邉 健治

国際的にインクルーシブ教育をどのように進めるかが大きな課題になっています。

そのため、日本における小・中学校の発達障害児の個別の支援及び一斉指導に

おける教授技法の検討、スクールクラスター、特別支援学校のセンター的機能の

検討などインクルーシブ教育システムの研究を行っています。日本の教育と比較

研究するためにロシアを中心に、アメリカ、イギリスのインクルーシブ教育の研究も

進めています。知的障害教育における学力問題は論外にされてますが、この研究

も新しい研究課題として取り組み始めました。院生と共同で研究を進めていくスタ

イルを研究手法としています。若く新しい学問を一緒に究めていくこと期待してお

ります。

●取り組むテーマ例○小・中学校における特別支援教育体制の比較研究○地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する研究○知的障害教育における学力問題の研究

筑波大学博士(教育学)東京学芸大学専任講師、助教授、教授を経て平成16年より20年まで東京学芸大学理事・副学長。その間日本教育大学協会全国特別支援教育研究部門代表、日本特殊教育学会で免許問題等検討委員会委員長を務め、特別支援教育について文部科学省にも提言。現在も障害児教育実践研究会会長を務めるなど日本における障害児教育の理論と実践のリーダー役として活躍。

教授岡本 啓子

学校における子どもたちの健康課題が多種・多様に形を示し、その課題解決が難

しい状況にあります。私は教育(養護)実践者として、学校内外にかかわらず、その

時必要とされる専門的な支援を強く感じています。子どもたちの健康課題へと有

効に働くその専門性とは何か、どうしたらその専門性(専門職)につなぐことができ

るのか、連携・協働・コーディネーションをキーワードに研究を進めています。目の前

の子どもたちを捉えるニーズ判断は、実践者自身の子ども観、健康観、教育(養

護)観により導き出されるといわれます。皆さん、共に学び、考え、自らのニーズ判

断を確かなものとしませんか。そこから教育実践の力を高めていきましょう。

●取り組むテーマ例○学校保健・学校看護における他職種や地域との連携・協働に関す る研究○学校保健・学校看護におけるフィジカルアセスメントに関する研究○養護教諭のコーディネーション能力育成に関する研究

川崎医療福祉大学博士(保健看護学)高等学校養護教諭を経て奈良県立医科大学看護短期大学部助手、奈良県立医科大学医学部看護学科講師を経て、畿央大学教育学部准教授、教授。養護教諭のあり方を軸として学校保健と地域看護との連携を実践的にも追求し、地域障害児サークルにおけるサポート活動にも取り組んでいる。

教授杉峰 英憲

私は、人間のさまざまな能力を発達させることを目的とした学校教育の現実を、能

力といわれているものの実体と合わせて、社会全体の意識やスタンスや秩序の問

題から解明しようと考えています。そのため、私は、従来の学力調査には収まりきら

ない能力であるところの「PISAリテラシー」、「キー・コンピテンシー」、「生きる力」、

「人間力」、「就業能力」、「社会人基礎力」、「就職基礎能力」といった多様な用

語で表される能力を、社会的価値観と学校教育改革の葛藤の歴史として繙いた

り、能力の社会的通念に関する質問紙調査を行ったりしています。「学校教育は

これでいいの?」とクエスチョンマークを付けている人たち、一緒に研究してみませ

んか。

●取り組むテーマ例○学力概念の歴史的展開○学校教育の国際比較研究○学校教育への期待度調査

京都大学修士(教育学)、奈良女子大学名誉教授日本デューイ学会元理事、関西教育学会元理事京都大学助手、甲南女子大学講師を経て奈良女子大学専任講師、助教授、教授、大学院博士課程担当。奈良女子大学文学部附属中学校校長・高等学校校長を併任。平成15年より17年まで奈良女子大学人間文化研究科博士後期課程社会生活環境学専攻長。ケンブリッジ大と提携して学生達と共に国際的調査研究を行い、「グローバル・クラスルーム」や「ラーニング・スクール」の成果をまとめた。

准教授西端 律子

教育の情報化、教科でのICT利活用、情報モラル教育などの今日的課題を、学校

の実践現場とともに解決しようとしています。技術ありきにならないよう、子どもたち

や先生方のニーズ、理論的基盤とともに実践研究を行います。情報に関する知識

や技術は、入学時になくても問題ありませんが、他者に自らの研究の背景や仕組

みを説明できる程度には、在学中に学んでください。なお、研究室内ではSNSによ

るオンラインコミュニケーションも多用します。教育に唯一無二の正解はありませ

ん。実際に授業を拝見させていただき、先生方と一緒に授業をつくりあげ、子ども

たちの様子を分析しながら、少しでも解決の糸口を見つけ、新しい教育の形を探っ

ていきましょう。

●取り組むテーマ例○タブレットPCを利用した授業実践の開発と蓄積○特別支援教育におけるデジタルコンテンツの開発と共有○家庭や地域と連携する情報モラル教育のカリキュラム開発

大阪大学博士(人間科学)大阪府立工業高等専門学校助手、専任講師、大阪大学人間科学部助手、大阪大学大学院助教を経て畿央大学教育学部准教授、教授。教育システム情報学会評議員、日本情報科教育学会理事、情報コミュニケーション学会理事を兼任。高等学校共通教科「社会と情報」「情報の科学」教科書やメディアリテラシーに関する執筆多数。ソーシャルメディアの問題にも取り組んでいる。

講師石川 裕之

専門は比較教育学で韓国の教育全般を研究対象としていますが、中でも才能教

育を主たるテーマとしています。韓国も日本と同じく中央集権的で画一性の強い

教育制度を有していますが、そうした中で特定分野に飛び抜けた才能を持つ子ど

もの能力と適性に応じた教育をどのように実現させているのかに興味があります。

自ら研究テーマを定め自律的に研究を進めていくのが大学院の醍醐味ですので、

私から研究テーマを指定することはありません。また、研究指導についても「あなた

の関心のあることについて一緒に考えましょう」というスタンスをとっています。海外

の教育事情や国境を越える教育事象に関心のある方、ともに研究に取り組んで

みませんか。

●取り組むテーマ例○東アジア諸国における早期英語教育の現状と課題○開発途上国における教育援助の実態とNGO の役割○日本における外国人児童・生徒のアイデンティティと学校教育

京都大学博士(教育学)京都大学高等教育研究開発推進センター特定助教を経て畿央大学教育学部助教、准教授。その間、国立教育政策研究所研究協力委員、国際日本文化研究センター共同研究員などを兼任。平成24年日本比較教育学会平塚賞受賞。韓国をフィールドに、才能教育や高等教育に関する研究、子育て支援制度に関する研究など幅広く取り組んでいる。

教授冬木 正彦

授業と学習を統合的に支援するeラーニングシステムや、日本の学習環境に適合

したユーザインタフェース、個別学習を支援するアプリケーションなど、情報システ

ム開発に関する実践的研究を行ってきました。これらの経験をもとに、初等中等教

育における教育の情報化を対象とし、教材、情報システム、授業方法に関する研

究を行います。情報システムが関係する研究では、それが使われる現場での利用

者のニーズの把握やふるまいの分析が重要です。最先端の情報通信技術とその

応用を検討し、現場で役に立つ研究を一緒に進めたいと思います。新しく、独自性

があり、実用的に価値があるものを作り出す喜び、楽しさを実感して欲しいと願って

います。

●取り組むテーマ例○学習用アプリケーションの構造比較と試作○「反転授業」の実施方式と科目特性の関連○校務支援システムのあり方と有効性の検討

京都大学博士(理学)、関西大学名誉教授関西大学工学部専任講師、助教授、教授を経て関西大学大学院で研究指導を担当。授業と学修を統合的に支援するソフトウェアCEAS(シーズ)の開発を行い平成16年度に採択された文部科学省現代的教育ニーズ取組支援事業の推進責任者を務めた。CEASは関西大学、畿央大学等で全学的に利用されている。大学全体の教育支援、専門英語教育の普及促進についても業績を上げている。平成25年より冬木学園副理事長、畿央大学副学長。

教授島 恒生

道徳教育や特別活動、学級経営が、私の研究分野です。子どもの心に響く道徳

の時間の指導や道徳教材の開発、道徳教育と人権教育の関連、子どもの自主

的・実践的な態度を育てる特別活動の指導、子どもたちと創る学級経営の在り方

や進め方など、特に、学校現場の具体的な実践を大切にしながら、それらと理論を

つなぐ研究をしています。道徳の時間の中で、子どもの考えや意見をうまく引き出

し、よりよい生き方の自覚や意欲を高める教員がいます。教員の指導力や授業力、

学級経営力は、経験や感性に基づくところが多くあります。それらを、より多くの教

員へと広げ、共有できるようにしたいと考えます。教育における実践力の向上を支

える、意義のある研究を一緒に進めましょう。

●取り組むテーマ例○道徳教育や道徳の時間の指導の研究○道徳的実践としての特別活動の意義○道徳教育と生徒指導、人権教育等との関連

兵庫教育大学修士(教育学)小学校教諭、奈良県立教育研究所教科指導副部長を経て、畿央大学教育学部教授。文部科学省「小学校学習指導要領解説道徳編作成協力者」「小学校道徳読み物資料集作成協力者」、「中央教育審議会初等教育分科会道徳教育専門部会委員」を務める。道徳教育、生徒指導、学級経営等についての執筆多数。全国の教育委員会や学校での研修会講師として活躍。

教育学研究科長 教授白石 裕

私の専門は教育行財政学、教育政策論です。現在取り組んでいる研究テーマの

1つは、アメリカの学校財政制度に関する訴訟事例を素材にして、どの子どもにも

平等で質の高い教育を保障するための公正な教育資源の配分の在り方とはどの

ようなものかを問うものです。もう1つは、アメリカと日本を事例にしながら、教育ガバ

ナンスの在り方、とりわけ地方の教育ガバナンスの在り方について調査研究を交

えながら研究を進めています。大学院の授業では、学校や児童生徒、そして教職

員に深く関わる教育委員会を中心とした地方の教育ガバナンスの在り方について

法制、行財政、経営管理の観点から受講生とともに多角的総合的に考察し、課

題解決のための諸方策の構築を目指します。

●取り組むテーマ例○学校の自立的経営管理を促す教育行政の支援方策と課題○教職員の創意工夫と士気を引き出し高める教育環境の構築○学校の諸課題を解決・改善するための教育委員会・学校・家庭・地 域の連携の在り方

京都大学博士(教育学)日本教育行政学会元理事、関西教育行政学会元会長京都大学大学院教育学研究科修士課程修了後フルブライト留学生として米国ミネソタ大学大学院で学ぶ。その後京都大学教育学部教授、京都大学大学院教育学研究科教授、早稲田大学教育・総合科学学術院特任教授を経て平成22年より畿央大学教育学部学部長。日米の教育行政について多くの研究業績で知られている。

教員からのメッセージ

教育実践学分野・発達支援教育実践学分野

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Graduate School of Health Science教育学研究科 教育実践学専攻 Graduate School of Education修士課程