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材料科学B(亀川 厚則)講義資料17 再結晶の進行 (結晶)粒成長に伴う組織変化 再結晶の進行には、次の2つの機構がある。 核生成・成長(nucleation & growth) 新しい結晶粒が生成し成長する。 ひずみ誘起粒界移動(strain induced boundary migration: SIBM) (バルジング機構:bulging) 既存の粒界が移動することにより転位密度を減らす。 バルジング機構は、核生成が生じにくい低加工度の場合によく観察される。 大傾角粒界 大傾角粒界 再結晶の駆動力は転位密度に比例するすなわち転位密度を下げる方向に働く。 このため、転位密度が増加するよう再 結晶粒が縮小・消滅することは起こり にくい。従って、相変態・析出の核生 成のように原子の熱ゆらぎによって生 じる物ではなく、再結晶の「核」にな るべき領域が加工組織の中に潜在的に 存在していると考えられている。 析出物分散粒子は粒界移動 の妨げとなる異常粒成長 (abnormal grain growth) 特定の大きな再結晶粒が、小さな 再結晶粒を食って異常に成長する。 2次再結晶 (secondary recrystallization) 正常粒成長 (normal grain growth) 結晶粒の大きさが均一で、平均粒 径が徐々に粗大化する。 (一次)再結晶組織 再結晶の段階 成長の駆動力 駆動力の 大きさ 1次再結晶 転位によるひずみエネルギー 2次再結晶 1次再結晶粒間の粒界エネルギー 3次再結晶(薄板) 自由表面エネルギー 再結晶の成長の駆動力 結晶粒成長 材料中に不純物原子(溶質原子)が存在すると、しばしば不純物原子は 粒界に偏折する。このような場合、再結晶組織の粒成長において粒界が 移動するためには不純物原子も一緒に移動する必要があり、粒成長速度 は遅くなる。これを固溶原子によるドラッグ効果という。 Zener drag 粒成長する母相中に半径rの第2相粒子(析出物)が分散している場合、 寄り強い拘束力で粒界移動を妨げようとするピン止め力が働く。 第2相粒子の体積率をfとすると、母相の粒成長の最終粒径R f は以下の ように予測される。 R f = —— 4r 3f 第2相粒子 2次再結晶粒を起こさせる目的で用いられる正常結晶粒成長の抑制相を インヒビター(inhibitor)という 集合組織 変形集合組織 集合組織(texture): 金属材料の多くは多結晶体であり、結晶粒がそれぞれの結晶方位を持 つ。しばしば金属材料はその製造工程で、凝固、塑性変形、再結晶、変 態などの現象を経過する際に、多かれ少なかれ特定の結晶方位が特定の 方位に優先して配向する傾向がある。このように材料を構成する結晶粒 が特定の方向に優先的に配向した状態を集合組織とよぶ。 生成する機構から集合組織を大別すると次のようになる。 (1)変形集合組織 (2)再結晶集合組織 (3)変態集合組織 (4)成長集合組織 すべり面 すべり方向 すべり面法線 単結晶の引張変形とすべり面 すべり面 すべり面(すべり方向)が引張方向と 平行に近づくよう方位回転する。 一軸引張の場合 ! " # # 変形集合組織(deformed texture) 強加工した多結晶体において、変形により格子回転が生じ、結晶方位は ある特定方向に配向する。 すべり方向に働くせん断応力! $ =# cos " sin ! シュミット因子 が最大となるすべり系が最初に 活動する。 軸の拘束(引張方向) のため格子回転 結晶構造 金属 すべり面 すべり 方向 fcc Al, Cu, Ni,・・・ {111} <110> bcc αFe, Mo, Ni・・・ {110} {112} {123} <111> hcp Mg, Ti, ・・・ (0001) {1011} {1010} <1120> 集合組織の表記法 線材のように1つの軸に沿って優先方位が発達する1軸集合組織では、 例えば、その長手方向の結晶方位を<u v w>のように表す。 圧延材のように2つの軸に沿って優先方位が発達するような2軸集合組 織では、例えば、圧延面と圧延方向の結晶方位をそれぞれミラー指数 {h k l} <u v w> のように表す。 粒成長 再結晶完了(580°C, 8s) 粒成長(700°C、10min) 粒成長(580°C、15min) 黄銅の粒成長 再結晶後の多結晶を高温に保持    ひずみのない結晶粒が成長(粗大化) ・ 金属、セラミックスを問わずすべての多結晶材で起こる ・ 粒界エネルギーの減少が粒成長の駆動力 粒成長は粒界移動によって起こる 原子が粒界を越えて短範囲拡散 粒界の移動方向と原子の運動方向は逆 小さい結晶粒は縮小化大きな結晶粒はより粗大化

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料17

再再結結晶晶のの進進行行

((結結晶晶))粒粒成成長長にに伴伴うう組組織織変変化化

再結晶の進行には、次の2つの機構がある。 核生成・成長(nucleation & growth) 新しい結晶粒が生成し成長する。 ひずみ誘起粒界移動(strain induced boundary migration: SIBM) (バルジング機構:bulging) 既存の粒界が移動することにより転位密度を減らす。 バルジング機構は、核生成が生じにくい低加工度の場合によく観察される。

大傾角粒界

大傾角粒界

再結晶の駆動力は転位密度に比例する。すなわち転位密度を下げる方向に働く。 このため、転位密度が増加するよう再結晶粒が縮小・消滅することは起こりにくい。従って、相変態・析出の核生成のように原子の熱ゆらぎによって生じる物ではなく、再結晶の「核」になるべき領域が加工組織の中に潜在的に存在していると考えられている。

析出物、分散粒子は粒界移動の妨げとなる。

異常粒成長 (abnormal grain growth) 特定の大きな再結晶粒が、小さな再結晶粒を食って異常に成長する。 →2次再結晶 (secondary recrystallization)

正常粒成長 (normal grain growth) 結晶粒の大きさが均一で、平均粒径が徐々に粗大化する。

(一次)再結晶組織

再結晶の段階 成長の駆動力 駆動力の 大きさ

1次再結晶 転位によるひずみエネルギー 大

2次再結晶 1次再結晶粒間の粒界エネルギー

3次再結晶(薄板) 自由表面エネルギー 小

再結晶の成長の駆動力

結結晶晶粒粒成成長長 材料中に不純物原子(溶質原子)が存在すると、しばしば不純物原子は粒界に偏折する。このような場合、再結晶組織の粒成長において粒界が移動するためには不純物原子も一緒に移動する必要があり、粒成長速度は遅くなる。これを固溶原子によるドラッグ効果という。 Zener drag 粒成長する母相中に半径rの第2相粒子(析出物)が分散している場合、寄り強い拘束力で粒界移動を妨げようとするピン止め力が働く。 第2相粒子の体積率をfとすると、母相の粒成長の最終粒径Rfは以下のように予測される。

Rf = ——4r 3f

第2相粒子

2次再結晶粒を起こさせる目的で用いられる正常結晶粒成長の抑制相をインヒビター(inhibitor)という

集集合合組組織織

変変形形集集合合組組織織

集合組織(texture):  金属材料の多くは多結晶体であり、結晶粒がそれぞれの結晶方位を持つ。しばしば金属材料はその製造工程で、凝固、塑性変形、再結晶、変態などの現象を経過する際に、多かれ少なかれ特定の結晶方位が特定の方位に優先して配向する傾向がある。このように材料を構成する結晶粒が特定の方向に優先的に配向した状態を集合組織とよぶ。  生成する機構から集合組織を大別すると次のようになる。 (1)変形集合組織 (2)再結晶集合組織 (3)変態集合組織 (4)成長集合組織

すべり面 すべり方向

すべり面法線

単結晶の引張変形とすべり面

すべり面

すべり面(すべり方向)が引張方向と 平行に近づくよう方位回転する。

一軸引張の場合

! "

##

変形集合組織(deformed texture) 強加工した多結晶体において、変形により格子回転が生じ、結晶方位はある特定方向に配向する。

すべり方向に働くせん断応力!  $ =# cos " sin !

シュミット因子

が最大となるすべり系が最初に 活動する。  軸の拘束(引張方向)  のため格子回転

結結晶晶構構造造 金金属属 すすべべりり面面 すすべべりり 方方向向 fcc Al, Cu, Ni,・・・ {111} <110> bcc αFe, Mo, Ni・・・ {110}

{112} {123}

<111>

hcp Mg, Ti, ・・・ (0001) {1011} {1010}

<1120>

集合組織の表記法  線材のように1つの軸に沿って優先方位が発達する1軸集合組織では、例えば、その長手方向の結晶方位を<u v w>のように表す。 圧延材のように2つの軸に沿って優先方位が発達するような2軸集合組織では、例えば、圧延面と圧延方向の結晶方位をそれぞれミラー指数 で{h k l} <u v w> のように表す。

粒粒成成長長

再結晶完了(580°C, 8s) 粒成長(700°C、10min) 粒成長(580°C、15min) 黄銅の粒成長

再結晶後の多結晶を高温に保持    ひずみのない結晶粒が成長(粗大化)   ・ 金属、セラミックスを問わずすべての多結晶材で起こる   ・ 粒界エネルギーの減少が粒成長の駆動力

・ 粒成長は粒界移動によって起こる    原子が粒界を越えて短範囲拡散    粒界の移動方向と原子の運動方向は逆 ・ 小さい結晶粒は縮小化、大きな結晶粒はより粗大化

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料18

11方方向向性性電電磁磁鋼鋼板板((GGoossss鋼鋼板板))

圧圧延延集集合合組組織織

再再結結晶晶集集合合組組織織

圧延集合組織  (rolling texture)  圧延による集合組織

TD

ND RD

再結晶集合組織(recrystallization texture) 変形集合組織をもつ材料を再結晶させると形成される。 2次再結晶集合組織と区別するため1次再結晶集合組織(primary recrystallization texture)と称されることもある。

2次再結晶集合組織

2次再結晶集合組織(secondary recrystallization texture) 2次再結晶で得られる集合組織。 (応用例) ・ケイ素鋼板 (110)[001]  →Goss方位、Goss鋼板 ・コンデンサー用アルミ箔  (110)[001] ・負荷絞り用鉄板 {111}

冷間圧延

焼鈍1

焼鈍2

1600

1200

800

400

06004002000

<001> <011>

<111>

磁化, M/G

磁界, H/Oe

Goss 方位 {110} <001>

RD 磁化

容易軸

鉄単結晶の結晶方位と磁化曲線

Goss方位と圧延鋼板

{110}

<001>

製 鋼

熱間圧延

焼 鈍

仕上げ工程

せん断変形帯の導入 (Goss粒の優先核生成場所)

1次再結晶:{110}<001>粒 (Goss2次再結晶核)

2次再結晶: {110}<001>粒の粒成長

電磁鋼板の2次再結晶 1次再結晶した結晶粒のうち「Goss方位粒」が他のの方位の結晶粒を“蚕食”しながら成長することにより、結晶方位が揃う。

再再結結晶晶集集合合組組織織  変形中に回復・再結晶が生じた場合、それらを動的回復 (dynamic recovery) および動的再結晶 (dynamic recrystallization) と呼び、加工後の静的な高温保持中に起こる静的再結晶 (static recrystallization) などと区別する。 動的回復または動的再結晶が生じる場合、高温変形中の応力-ひずみ曲線は、下のような特徴的な形状を示す。

応力 動的回復

応力

ひずみ

動的再結晶

軟化完了 動的再結晶開始

動的回復:  加工硬化と動的回復が釣り合っている定常状態 動的再結晶:  加工中の再結晶であるため、生じた再結晶粒がすぐにまた塑性変形を受け、粒内に加工組織(高い転位密度)を有することが特徴である。また、動的再結晶は、加工が継続している間、繰り返し生じ、定常状態に至る。

RD:圧延方向(rolling direction) ND:圧延面法線方向(normal direction) TD:板幅方向 (transverse direction)

10. 金属材料の強化機構 材材料料のの強強度度((ささままざざままなな尺尺度度))

降伏強度、降伏強さ(yield strength) 降伏応力(yield stress)ともいう。塑性変形を起こさずに、材料に生じさせることのできる最大応力のこと。ひずみが大きくなると、ひずみと応力との関係が比例しなくなり、応力を除去してもひずみが残る場合がある。この現象は降伏と呼ばれ、この現象が起き始める応力を降伏強さと呼ぶ。材料の種類によっては降伏現象が明確にみられないものもある。

強度を表す指標は様々であり、材料の変形挙動の種類によって以下のように用語を使い分ける。

降伏(yielding) ひずみが大きくなると、ひずみと応力との関係が比例しなくなり、応力を除去してもひずみが残る現象を降伏と呼ぶ。

引張強度、引張強さ(tensile strength) ひずみが大きくなると材料は破断するが、破断する前に材料に表れる最大の引張応力、あるいは材料が耐えうる最大の引張応力を引張強度(強さ)と呼ぶ。概念的には塑性変形強度、変形抵抗と概ね一致する。

延性(ductility) 材料が破断する直前における最大の変形量を破断ひずみ(fracture strain)と呼び、引張変形における延性の指標となる。延性の指標には伸びと絞りが代表的であるがその他の指標もある。

引張強度

, #TS

応力

, #n

ひずみ, %n

破断

破断ひずみ, "f

応力‒ひずみ曲線(引張試験)

降伏強度

, #y

降伏点

引張強さの大きい材料は「高強度 」、小さい材料は「低強度」と表現される。

靭性(toughness) 破壊するまでに材料に加えられる総エネルギーを破壊エネルギーと呼び、靭性という指標で表される。破壊エネルギーの大きい材料は「靭い (ねばい;tough) 」と表現される。 曲げ強度、曲げ強さ、抗折力(bending strength, flexural strength) 部材の破壊は引張りより曲げモードの負荷で破損することが多いことより多用される指標。靭性と傾向は大まかには一致する。

硬度(hardness) 傷の付きにくい材料は「硬い (hard) 」と表現され、おおむね塑性変形強度(変形抵抗)と一致する。  ◆ モース硬度:標準物質と擦り合わせた傷の有無で判定  ◆ ビッカース硬度:ダイヤモンド針を押し当てた傷の大きさで判定

繊繊維維集集合合組組織織 繊維集合組織(fiber texture)  線引きや押し出しによって生じる一方向集合組織

押出(extrusion) 引抜き(drawing) 線引き(wire-drawing)

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料19

弾弾性性変変形形とと塑塑性性変変形形

金金属属材材料料のの強強化化

b

!

!

!

!

$

$

応力

加工硬化

降伏点

ひずみ

塑性変形域 弾性 変形域 破断

応力‒ひずみ曲線(引張試験)

弾性変形(elastic deformation)

塑性変形(plastic deformation)

可逆的な変形

転位のすべり運動

(室温における)金属の変形機構は転位のすべり運動によるもの。  金属材料の強化指針→すべり変形を起こしにくくする           →いかに転位の移動を抑えるか? ◆ 転位をまったく含まない結晶  ウイスカー(whisker)→理論値に近い強さ。

微細粒のため母材と複合化して使用 ◆ 転位の移動を抑制する。  1)固溶強化 →置換型または侵入型固溶原子の導入  2)析出強化 →主に時効熱処理により微細な第2相析出物を分散  3)分散強化 →酸化物などの粒子を分散  4)加工硬化 →塑性変形によって転位密度を高める  5)結晶粒微細化 →強化結晶粒の大きさを小さくする  6)複合強化 →異なる材料を複合化する 固固溶溶強強化化 固溶強化(solid solution strengthening) 固溶する溶質原子と転位との相互作用を利用して材料を強化する方法。 固溶体の降伏応力は溶質原子濃度増加するにつれて増大する。 転位の移動にあたって溶質原子は弱い障害物となる。

置換型固溶体 (substitutional solid solution)

侵入型固溶体 (interstitial solid solution)

400

300

200

100

06543210

P Be

Sn Ti

W

Mo Pt

V

Si

Cr

Al Co

Ni

固溶原子濃度 (at%)

引張降伏応力の増加量 /MPa

種々の溶質原子による鉄の降伏応力の変化

(1)溶質原子は転位に移動を妨げるような力を及ぼす。

(2)溶媒原子と溶質原子の大きさの差が大であるほど転位移動は妨げられる。

溶質原子周辺の格子のゆがみは 転位移動に対する抵抗となる。

↓ 塑性変形を生じさせるために、 より大きな応力が必要となる。

↓ 固溶強化

鉄に異種金属を固溶させると大きさの異なる原子ほど降伏応力を上昇の効果は大きい。

固固溶溶強強化化((つつづづきき))

軟軟鋼鋼ににおおけけるるひひずずみみ時時効効

析析出出強強化化

コットレル効果(Cottrell effect) 結晶内の転位の周辺の格子のひずみにより溶質原子(不純物原子)の大きさが適当であれば、転位周辺に溶質原子が集まり格子ひずみを緩和しようとする。これをコットレル効果という。 また、転位の周りの高濃度の溶質原子の雰囲気が形成され、これをコットレル雰囲気(Cottrell atmosphere)という。この雰囲気のため、溶質原子(不純物原子)による転位運動が固着(ピン止め; pinning)される。

コットレル雰囲気により 安定位置となった 侵入型不純物原子

コットレル雰囲気 応力

ひずみ

除荷

再荷重

再荷重

除荷

リューダース伸び ① リューダース伸びが降伏現象により現れる。転位がコットレル雰囲気により固着され、その運動が困難になることに起因する。 リューダース帯(Lüders band) →ストレッチャーストレインができ、しわがよる。製品価値低下 ② 除荷後、単時間後に応力を加えると、上降伏点が消失する。 →侵入型原子(C, N)が転位からはずれており、転位が動ける。 ③ 除化後、しばらく放置した後に再荷重すると上降伏点が現れる。 →C, Nで転位が固着される。

軟鋼における降伏現象

① ② ③

析出強化(precipitation strengthening) 微細な析出物を母相に密に分散させ、転位の障害物として強化する方法。 溶体化処理後に比較的低温で時効によって母相中に微細な析出物を分散させ強化させる。後述の分散強化との違いは、析出物が微細であるため障害物として弱い点にある。障害物としての弱さは、析出物の多さでカバーされる。

i. e. )Al-4%Cu 合金の時効析出 過飽和固溶体→GP(I) →GP(II) →(θ” →) θ’→θ 時効析出の強化機構 ・GPゾーン、整合析出物:転位が析出粒子をせん断 →整合ひずみによる粒子近傍の内部応力によって転位運動の障害となる。 ・非整合析出物 →転位がオロワン機構で通り抜ける。(オロワンのバイパス機構)

構構造造敏敏感感・・構構造造鈍鈍感感 合金の性質 構造敏感な性質(structure sensitive) 微視的構造に依存する材料の性質のこと。熱処理などによって制御される。 転位密度や配列などミクロな構造の不均一が性質を左右する。 i.e.) 加工硬化、異種原子の固溶、微細粒子の析出、結晶粒径の減少など 構造鈍感な性質(structure insensitive), 構造敏感でない性質 存在する原子の種別に依存する材料固有の性質のこと。原子の種類や結晶形に依存するが、構造には依存しない。熱処理により制御できない。 →相が荒く(1μm以上)分散する場合には、混合則(複合則)が成り立ち易い。  しかし、第2相が微細かつ高密度に分散している場合には、混合則より大きな値になることがある。

構構造造敏敏感感 構構造造鈍鈍感感

力力学学的的性性質質 塑性的性質

(降伏応力、引張強さ、延性など)

弾性的性質 (ヤング率、ポアソン比など)

ココッットトレレルル効効果果

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料20

析析出出強強化化((つつづづきき))

結結晶晶粒粒微微細細化化強強化化 結晶粒微細化強化(grain refinement strengthening) 微細な結晶粒からなる多結晶体ほど降伏応力が高くなる。 結晶粒界(grain boundary)は異なる結晶方位を持つ隣接粒間の境界である。したがって一般にある結晶粒中のすべり面は粒界を挟んで連続してはおらず、通常転位は粒界を通り越えて運動することはできない。 結晶粒の微細化方法 (1) 温間,もしくは熱間で大ひずみ(真ひずみで2 程度)をあたえつつ、再結晶または相変態を起こして、粒径 d = 1 μm 程度の微細粒を生成する方法。

(2) 形状不変加工(冷間)によって、真ひずみで5程度の大ひずみをあたえ、転位密度を大きく上げ、 転位セル組織を発達させて、大傾角な転位セル境界によって結晶粒を微細化する方法。

ホール・ペッチの式(Hall-Petch relationship) 一般に、材料の降伏強度#yと平均結晶粒径dの間には、

  #y =#0+k ––––

となる関係が経験的に成り立つことが知られている。ホール・ペッチの関係は、降伏応力だけではなく、引張強度やあるひずみの時の変形応力、あるいは劈開破壊応力などについても成り立つことが多い。また、材料の靭性もd-1/2 に比例して向上する場合がある。

1 &d

分散強化(dispersion strengthening) 材料内に母相よりも硬く塑性変形しにくい粒子を分散させ、転位運動の障害物として強化する方法。この場合、強い障害物として粒子は転位に切られることのない硬化な障害、絶対的なピン止め点であると考える。

オロワンループ

転位 分散粒子

オロワン機構(Orowan mechanism)

11. 金属材料の熱処理と組織 熱熱処処理理のの基基本本概概念念

鉄鉄--炭炭素素系系((FFee--FFee33CC系系))状状態態図図

熱処理(heat treatment) 材料を加熱し、その後冷却する熱操作のこと。 熱処理の要素:温度、時間、雰囲気

加熱 冷却

時間

温度 雰囲気

金金属属材材料料のの熱熱処処理理のの分分類類

種種々々のの熱熱処処理理::焼焼入入れれ

全体熱処理(バルク熱処理) バルク(材料内)全体の構造・組織を変えて、必要とする特性を得る。  ◆ 焼入れ、焼戻し ◆ 焼なまし ◆ 焼ならし  ◆ 均質化処理 ◆ 溶体化処理 ◆ 時効処理(析出強化処理)  ◆ サブゼロ処理 ◆ オーステンパ 表面熱処理 材料の表面の構造・組織などを変えて、必要とする特性を得る。  ◆ 浸炭 ◆ 窒化、軟窒化 ◆ 高周波焼き入れ、焼き戻し  ◆ 拡散浸透処理 ◆ 蒸着、乾式めっき 

00

L

Fe3C→ γFe

α+Fe3C

L+γ

(δFe)→

(αFe)→

γ+Fe3C AA22

11 22 33 44 55 66

220000

11660000

11440000

11220000

11000000

880000

660000

440000

CC量量 ((wwtt%%))

AAccmm AA33

AA11 772277℃℃

AA44 11339944℃℃

66..77%%

記記号号 相相のの名名称称 結結晶晶構構造造 L 液相 ‒ α フェライト bcc γ オーステナイト fcc δ δ-鉄 bcc Fe3C セメンタイト 斜方晶

Fe-Fe3C系

焼入れ(quenching,鋼の焼き入れの場合はhardeningも用いられる)  金属を所定の高温状態から急冷させる熱処理

 高温相を凍結し、過飽和固溶体などを得ることを目的とする場合は、溶体化処理(solution treatment)と呼ぶ。

 冷却には水、油、熱浴、空気などを用い、それらの中で保持したり、 撹拌したりして冷却速度を調節する。例えば水を使う場合、「水焼入れ」ということもある。 

鋼鋼のの場場合合  鋼を硬化させるために、変態点(A3線) 以上の温度に保持した後(オーステナイト領域まで加熱した後)に「急冷」する操作

 高炭素を含有する鋼を変態点以上に加熱してオーステナイト組織の状態のものが、急冷されるとマルテンサイト組織に変化する。

スピノーダル分解による強化 析出強化とよく似ているが、スピノーダル分解によって結晶中の溶質原子の濃度が場所の関数として周期的に変動する場合は、格子定数も周期的に変わるので、すべり面上に周期的な内部応力場が発生する。転位はこれと相互作用を起こす。 広義には析出強化の一つとされているが、析出物ではなく濃度変調が与える格子定数の変化が転位運動の障害となるため、強化機構が異なる。 スピノーダル分解による強化は、微細組織における濃度変調の振幅 Aに比例し、波長λには無関係となることが分かっている。

分分散散強強化化

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料21

鋼鋼ののママルルテテンンササイイトト

鋼鋼ののママルルテテンンササイイトトのの硬硬ささ

種種々々のの熱熱処処理理::焼焼戻戻しし

Ms点: マルテンサイト変態開始温度 (時間に依存しない)

マルテンサイトは 鋼で最も硬い組織

焼戻し(tempering)  焼入れまたは溶体化処理されて不安定な組織を持つ金属を適切な温度に加熱・保持することで、組織の変態または析出を進行させて安定な組織に近づけ、所要の性質及び状態を与える熱処理。

 アルミニウム合金などの溶体化処理後の熱処理も焼戻し処理と呼ばれ、時効処理の一種とされるが、しばしば「焼戻し」は鋼を対象に用いられることが多い。

鋼鋼のの場場合合  焼入れした時のマルテンサイトを微細化させ、靱性を持たせる。 (オーステナイトから焼入れたマルテンサイトは硬くて脆い)

 マルテンサイトを焼戻し(一般には160°C~250°C程度)すると、マルテンサイト(αマルテンサイト)が焼戻しマルテンサイト(βマルテンサイト)になることで硬さが若干低下し、靭性が増加する。 250℃以上:Fe3Cが析出し、共析反応が進行。硬さが緩やかに低下する。 500℃以上:残留オーステナイトの消失。硬さが急激に低下する。

時間

温度 P :パーライト A :オーステナイト M :マルテンサイト

P組織

A組織

M組織

焼入れ 焼戻し

焼戻し組織

マルテンサイトの焼戻しに伴う種々の機械的性質の変化

焼焼戻戻ししにによよるる靭靭性性のの変変化化

残残留留オオーースステテナナイイトト

低温焼き戻し脆性

種種々々のの熱熱処処理理::焼焼ななまましし

残留オーステナイト(retained austenite)  鋼を焼入れする際に、完全にマルテンサイトにならず、一部未変態のオーステナイトとして残ったもの。

 残留オーステナイトは熱力学的的に不安定な組織であるため、長い時間をかけて他の組織に変化するが、このときに焼入れ時の硬さの低下や、製品の寸法変化などの問題が生じることがある。

 適度な残留オーステナイトは、靭性を向上させるメリットがあり、使用中の割れや焼き割れなどの現象を防ぐことが期待される。

 残留オーステナイト量は指定の焼入れ温度範囲を超えると急激に増加する。冷却速度が遅い場合にも増加する。

 残留オーステナイトは、C・Mn・Ni・Crなどの合金成分が多いほど多く残留するために、刃物や工具に多用される鋼種ではかなりの量が残留している。 しかし、焼戻しをすると残留オーステナイトが安定になって、その後は分解や変化することが少なくなる。

焼なまし、焼鈍(annealing)  加工硬化による内部の残留ひずみ(残留応力)の除去、格子欠陥の減少、再結晶を行わせるために、金属材料を適当な温度に加熱、十分に保持した後に(しばしば徐冷にて)冷却する方法。 鋼鋼のの場場合合  加工硬化した材料を軟化させる目的で行われる。一般に加熱後は炉冷(炉中で徐冷)することで成される。 完全焼なまし(full annealing)  材料を再結晶温度以上に保った後、徐冷することによって、内部応力の無い、組織とすることであり、これによって材料は軟化する。鋼の場合は、オーステナイト領域まで加熱し、炉例することによって軟らかい層状パーライト組織などが得られる。 歪み取り焼鈍、応力除去焼なまし(stress relief annealing)  鍛造、鋳造、冷間加工、機械加工などで生じる残留応力を除去するために行われる。比較的低温で行われることから低温焼き鈍しとも呼ばれる。鋼の場合は、再結晶温度(約450℃)からA1線以下の温度領域で行われる。

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料22

種種々々のの熱熱処処理理::焼焼ななまましし((つつづづきき))

種種々々のの熱熱処処理理::焼焼ななららしし

冷冷却却速速度度とと各各種種熱熱処処理理

熱熱処処理理のの目目的的とと熱熱処処理理方方法法

アニーリング(annealing)  材料を所定の温度以上に保つ熱処理を、一般にアニールまたはアニーリングと呼ぶ。一般的に、冷却速度についての定義はない。annealingには焼なましと、アニーリングのいずれにも用いられるので、注意する。  鋼の場合のannealingは、通常は焼なましの意味で用いられる。  およそ0.8TM程度の高温に保持し、成分の拡散による組成の均質化を図り、比較的速い速度で冷却する処理を特に均質化(熱)処理(homogenization)と呼ぶ。

焼ならし(normalizing)  主に加工や鋳造された鋼を所定の高温まで加熱した後、一般にはオーステナイト領域で十分に保持した後、空冷で冷却して、金属組織の結晶を均一微細化させて、機械的性質の改善や切削性の向上を行う熱処理。微細なパーライト組織が得られる。鋼にある程度の硬さと粘り強さを与える。 目的:  ・組織の均一微細化  ・機械的性質(強度、延性など)の改善  ・残留応力の除去  ・機械加工性(被削性)の向上 →低炭素鋼  ・焼き入れの前処理

加熱

水冷

A3 オーステナイト組織

恒温 冷却

油冷 空冷 炉冷

急冷

P組織 M組織 M+PF 組織

PF組織 PC組織 B組織

P :パーライト A :オーステナイト M :マルテンサイト B :ベイナイト PF :微細パーライト PC :粗粒パーライト 徐冷

焼入れ 焼ならし 焼なまし

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12. 組織と機械的性質・物理的性質 材材料料のの性性質質、、特特性性

材材料料のの機機能能((効効果果))

機機能能性性材材料料::FFuunnccttiioonnaall MMaatteerriiaall

構造的要因:  機械的強度(延性、展性、靭性、硬度など)、密度など 機能的要因:  熱伝導率、電気伝導性、半導性、磁性・超伝導、  誘電性・光学特性、その他エネルギー変換能など

functional: ①機能の、職務上の、②機能を果たせる、 ③実用的な、便利な、④関数の

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x

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入力 材料・デバイス 出力

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金金属属のの導導電電性性 熱伝導率との関係

$$

Wiedeman-Franzの法則 #/$=LT

 #:熱伝導率  $:電気伝導率  L:ローレンツ数  T:絶対温度

60

40

20

0

電気伝導率 ×106 / Ω-1cm-1

543210熱伝導率 /W・cm-1K-1

[注] 熱伝導がよいからといって電気伝導率が高いとは限らない。   例) ダイヤモンド     (導電率10-10 Ω-1cm-1、熱伝導率10~20 W・cm-1K-1)

Ag

Au

Cu

Al

電気抵抗増加の原因: 結晶中の自由電子の散乱要因 = 結晶の不完全性 ・不純物原子、固溶原子 ・格子欠陥(点欠陥、転位、結晶粒界など) ・析出物

一般的に、 工業的な金属材料の強化と導電率はトレードオフの関係

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料23

高高強強度度銅銅合合金金のの強強度度とと導導電電率率

誘誘電電分分極極

誘誘電電材材料料のの応応用用例例

1400

1200

1000

800

600

400

200

0

引張強度, ! / MPa

100806040200電気伝導率(IACS%)

固溶強化型

Cu-Be

高導電率合金

純銅

Cu-Ti

Cu-Zn

Cu-Ni-Si

Cu-Sn Cu-Cr Cu-Zr

スピノーダル強化型

IACS% : International Annealed Copper Standard (国際焼きなまし銅線標準): 工業的に導体の電気抵抗率は IACSという “標準焼きなまし銅線” を 100% とした場合の導線が何%の導電性をもつかという比較値で表される。   100 IACS%=1.7241×10-8 [Ωm] @20℃

!"

D=!0 E

真 空 D+!

+!+!+!+!+!+!+!

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E+!+!+!+!+!+!+!+!

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+!

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-!

-! D

P

D=!0 E +P

分極'$#$

P=!0"E強誘電体のように!線形関係にない場合!は成立しない

電気感受率: "

D=!0 (1+") E=!r !0 E 比誘電率: !r

誘電体

$$$

積層セラミックスコンデンサー

()*+*,$$$$$$)-*+*,$.$/$

0$12-$ 小型化による誘電体の厚みが 減少し、誘電体の粒径制御が重要

誘誘電電体体のの特特殊殊なな性性質質

圧圧電電性性

磁磁石石材材料料・・磁磁心心材材料料

圧電性

焦電性

強誘電性

圧電性(Piezoelectricity) :応力を加えることにより分極(および電圧)が生じる。逆に電圧を印加することで応力および変形が生じる。

焦電性(Pyoelectricity):自発分極を有しており、(微小な)温度変化に応じて分極(およびそれによる電圧)が生じる。

強誘電性:外部からの電界によって自発分極の方向を反転させることのできるもの分極が外部電場に対するヒステリシス特性を示す。

圧圧電電性性((PPiieezzooeelleeccttrriicciittyy)) :圧力(力)を加えると、圧力に比例した分極(表面電荷)が現れる現象

!"(3,,4-

5

応力

ガス圧センサ , 加速メータ

圧電アクチュエータ・超音波モータ

応力 → 電気信号

電界 → 応力(変形) Mass

加速度

加速センサの概略図

磁石材料の応用例: ◆ モーター ◆ センサー ◆ 文具など、、

磁心材料の応用例: ◆ モーター ◆ 電磁石のコア(磁心) ◆ 磁気ヘッド

磁磁性性のの起起源源

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材料科学B(亀川 厚則)講義資料24

強強磁磁性性をを発発現現すするる原原子子のの電電子子構構造造はは??

磁磁性性体体のの種種類類

磁磁区区構構造造ととヒヒスステテレレシシスス

K殻

L殻

M殻

N殻

1s

2s

2p

3s

3p

3d

4s 不対電子が4つ

強磁性 (マクロな磁化あり)

反強磁性 (マクロな磁化なし)

フェリ磁性 (マクロな磁化あり)

常磁性 (マクロな磁化なし)

秩序状態

無秩序状態

例えば、高温になると

室温で常磁性を示すものは多数ある

鉄原子には原子の向きがそろうように並ぶという性質がある。

物質中では磁区をつくり、磁区同士のN極とS極が隣り合うように並ぼうとする性質が ある。 磁気双極子相互作用

$

磁磁石石のの歴歴史史とと高高保保磁磁力力化化

水水素素吸吸蔵蔵合合金金

11リリッットトルル中中のの水水素素体体積積密密度度

代代表表的的なな水水素素吸吸蔵蔵合合金金

高飽和磁化 高保磁力

高い結晶磁気異方性

永久磁石材料の高性能化:高い(BH)max

高保磁力化の方法 ・残留ひずみで磁壁移動をピン止め →KS鋼 ・スピノーダル分解で、微細粒化と磁壁ピン止め →Al-Ni-Co, Fe-Cr-Co ・第2相で、磁壁ピン止め →Sm2Co17系 ・結晶粒微細化で、磁壁の数を減らす →Nd-Fe-B

��������������吸蔵

放出 水素吸蔵合金 水素 金属水素化物 熱

��� ��� ��

水素貯蔵媒体 Ni-MH電池負極

コンプレッサー ヒートポンプ

高い圧力を必要とせず、水素を貯蔵可能

0.084g

172g (総含有量)

118g (可逆分) 70g

40g 24g 1気圧, 25℃ の水素ガス

35MPa, 25℃ の水素ガス

70MPa, 25℃ の水素ガス

液化水素 -253℃

水素吸蔵合金 VH2中の水素 (室温)

ガソリンの1/3000の 体積エネルギー密度

元素の組み合わせに特徴が、、、

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 1 H

2 He

3 Li

4 Be

5 B

6 C

7 N

8 O

9 F

10 Ne

11 Na

12 Mg

13 Al

14 Si

15 P

16 S

17 Cl

18 Ar

19 K

20 Ca

21 Sc

22 Ti

23 V

24 Cr

25 Mn

26 Fe

27 Co

28 Ni

29 Cu

30 Zn

31 Ga

32 Ge

33 As

34 Se

35 Br

36 Kr

37 Rb

38 Sr

39 Y

40 Zr

41 Nb

42 Mo

43 Tc

44 Ru

45 Rh

46 Pd

47 Ag

48 Cd

49 In

50 Sn

51 Sb

52 Te

53 I

54 Xe

55 Cs

56 Ba Ln

72 Hf

73 Ta

74 W

75 Re

76 Os

77 Ir

78 Pt

79 Au

80 Hg

81 Tl

82 Pb

83 Bi

84 Po

85 At

86 Rn

87 Fr

88 Ra An 57

La 58 Ce

59 Pr

60 Nd

61 Pm

62 Sm

63 Eu

64 Gd

65 Tb

66 Dy

67 Ho

68 Er

69 Tm

70 Yb

71 Lu

89 Ac

90 Th

91 Pa

92 U

93 Np

94 Pu

95 Am

96 Cm

97 Bk

98 Cf

99 Es

100 Fm

101 Md

102 No

103 Lr

水素との親和力が大きな元素 と小さな元素の組み合わせ

水水素素のの拡拡散散とと組組織織制制御御

体拡散 (格子拡散)

粒界拡散 転位拡散

結晶粒界

66

66

6

6

表面拡散

解離

吸着

吸蔵

結晶粒微細化によって、 水素の反応速度向上