総合テスト」を活用して -...

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 1.はじめに

子どもたちが満足感や達成感を得るため

に、私たち教師は日々試行錯誤しています。

子どもたちが新しい知識を得て、理解した時

の楽しみ、そして、その知識を生かして問題

を解いていくことの楽しみを見出すために、

様々な授業が展開されています。

ただ、授業の中では知識が獲得されても、

なかなか定着することが難しく、中には応用

問題に発展していけない子どももみられま

す。また、問題を解けないことの辛さから、

授業が苦手になったり、嫌いになったりして

しまうこともあります。

そういった子どもたちをなくすためにも、

授業での発問から習熟するまでの過程を大切

にしていかなくてはならないと感じます。そ

して、子どもたちがその単元に自信をもてる

ようになるためには、自分自身の力で問題を

解ける力が備わっていくべきではないでしょ

うか。

子どもたちが自信をもつためには、教科書

だけでなく、「くりかえしドリル」や単元テ

ストで、基礎的な問題や応用問題に取り組む

ことも大切であると感じます。

ドリルでは、あまり悩むことのないような

基礎的な問題を多く取り入れているものを個

人的に好んでいます。どうしても、ドリル学

習となると、空いた時間や家庭学習にするこ

とが多く、ひとりでする場合が多くなってし

まいます。だからこそ、ひとりでできる達成

感や満足感を味わうためにも、基礎的な問題

が出題されているものがよいと考えます。

また、ドリル学習は、学んだことを定着さ

せるために欠かせないものです。子どもたち

が正しい知識を獲得するためにも大切である

と感じます。さらに、テストで生まれる自信

につなげるためのドリルの活用方法も探りな

がら、取り組んでいきます。 

テストでは、単元ごとのまとめテストだけ

でなく、「総合テスト」といったテストも使

用しています。こちらのテストを使用するま

でに至る取り組みも、後に述べたいと思いま

す。

※新学社単元テスト付録・冊子型テストです。27年度では「学力調査型テスト」という名称で発刊されます。

2.4年生の実態

算数では、4年生になると二段階思考・三

段階思考で、見通しをもって問題解決をする

ことが必要になります。計算問題でも文章題

でも、「たし算だけ・かけ算だけ」という思

考から、「たし算をしてからかけ算」「ひき算

をしてわり算、さらにたし算」というように、

段階的に問題解決を進める力が必要になって

きます。

このように問題を解くためには、まず、問

題で何をきかれているのかを把握し、解決の

ための見通しをもつ力が必要になります。

私のクラスには、問題で何をきかれている

のかを把握できずに、かけ算をするべきなの

か、わり算をするべきなのか理解できず、行

き詰まってしまう子どもが多くいます。また、

基礎的な計算をすることすら難しい子どもも

います。そうした子どもたちのためにも、「く

りかえしドリル」の学習で基礎的な力をつけ

たり、反復で問題をこなしたりしてきました。

また、問題数が少なく、基礎的な問題を多く

取り入れたワークも利用しました。学習した

直後に取り入れたことで、復習としての効果

を発揮したように感じます。その結果、算数

の基礎的な力もついていきました。

その力を、最終的に「総合テスト」で生か

すことができるように、たくさんのスモール

ステップを踏みながら実践してきました。

「※

総合テスト」を活用して

三重県津市立高野尾小学校教諭 岩脇 真輔

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日々の授業で使う教材や教具。隣のクラスや隣の学校のあの先生は、一体どんな使い方をしているのでしょうか?このコーナーでは、気になる教材活用術を紹介します。

3.活用例 

⑴「総合テスト」の良さ

このテストは、子どもたちが普段行ってい

るテストとは様々なことが違います。

まずは、単純に見た目です。子どもたちは

それだけで身構えてしまうところもあります

が、それと同時に「ようし!」と、やる気に

なる子もたくさんいます。

次に、問題の内容です。国語のテストでは、

「三字で書きましょう」または、「十五字以内

で書きましょう」といった、字数制限がされ

ている問題もあり、子どもたちにとってはな

かなか触れることのないような問題も問われ

ることがあります。前に述べたように、何を

きかれているかをきちんと把握しないと解け

ない問題もあるので、しっかりと問題文を読

む習慣がつきます。

最後に、問題用紙と解答用紙が分かれてい

ることです。子どもたちが慣れ親しんでいる

単元テストは、問題と解答欄が同時に並んで

いるため、視線を他に移すことなく問題に取

り組めます。しかし、この「総合テスト」は、

問題用紙と解答用紙が離れているため、どう

してもあっちやこっちを見なければなりませ

ん。そういった作業が、新鮮でやる気になる

と同時に、子どもたちに必要な力として備わ

っていくべきだと思います。

テストを進めるにあたって 

学期の終わりに実施を試みました。子ども

たちも、「今学期努力してきた成果を出そう」

と、やる気になっているように感じました。

なお、テストを進めるにあたっては、問題

用紙と解答用紙が分かれているため、問題用

紙には書き込みを行う活動をさせています。

テストでは、問題できかれている箇所にサ

イドラインを引く子どもや、物語の要旨を簡

単にまとめ、自分にとってわかりやすくする

▲解答用紙 ▲新学社の26年版「総合テスト(国語4年)」・問題用紙

▲解答・採点基準

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考・三段階思考で問題を解決していく力をつ

けていきたいと考えています。その中で、「も

っと速く、もっと正確に、もっと簡単に」と

いう目標に向かって思考を練り上げるものだ

と考えています。

最後に、子どもたちは、自分がわかる問

題は自信をもって発表したり、問題を解いた

りしていきます。自信というものは、授業の

中で発表したり友達に教えたりすること、そ

してテストで達成感を得ることなど、様々な

ところでついていくものです。だからこそ、

教師の声かけはとても大きなものがあると感

じています。子どもが失敗してしまった時、

成功した時の励ましや、ほめる言葉。これこ

そが、子どもたちに自信をつける大きな手立

てであるとも思います。

そういった子どもたちの姿を見落とすこと

なく授業をしていくことが、子どもたちが自

信をもって、どんな問題にも意欲的に取り組

めるようになることにつながるのではないで

しょうか。

そんな思いで、子どもたちの国語や算数の

力が向上することを願って、日々指導を続け

ています。

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おわりに

学習を進めるにあたり、授業をする教師と

して大切なことは、「たくさんの内容にふれ、

経験をさせる場面」と、「ひとつのことにじ

っくり取り組む場面」を使い分けることだと

考えます。もちろん両方ともが大切なことは

言うまでもありません。

ただし、どんなに魅力的な授業内容で、子

どもたちがたくさん発表し、活動のある授業

になったとしても、ドリルの問題がわからな

かったり、テストで思うような点数が取れな

かったりすると、子どもの中には、苦手な単

元という印象だけが残ってしまうこともあり

ます。

だからこそ、基礎的な知識を習得するこ

とはもちろん、発展的な問題に意欲的に取り

組み、そのような問題が解けたときの達成感

や満足感を味わわせることを目標に取り組ん

でいくべきだと感じます。今回の「総合テス

ト」を実施したことで、子どもの表情からは、

「いつもと違うテストで、難しい問題を解く

ことができた」といった達成感も感じ取れま

した。

私は、国語科では、学年ごとの新出漢字を

習得すること、そして、文章を読み味わうこ

とができるように、内容をつかむ力を養って

いくべきであると考えています。

また算数科では、4年生までに既習した学

習に新たな知識を上乗せしていき、二段階思

子どももいます。

また、普段の授業で、答えを説明するため

に子どもたち自身が用いる図や計算式など

を、テストでも生かしていくことを伝えまし

た。こ

のように、解答用紙には最終的な答えを

書くようにし、問題用紙を自分なりにわかり

やすく整理するために使えることも、問題用

紙と解答用紙が分かれている利点ではないで

しょうか。

採点と直しの活動

私自身は、教師側で採点してしまうので、

試したことはないですが、解答用紙には答え

しか書いてないので、子どもたち自身が採点

をしてもほとんど間違えることなくできると

思います。

その後の授業でも、間違った問題に対して、

問題用紙にサイドラインやメモがたくさんし

てあるので、どの段階で間違ったのか、また

は、きかれていること自体を読み間違えてい

たのかを追究することができます。

子どもたち自身が自分の考えを見返す活動

の必要性というものを、この「総合テスト」

を通じて知ることができました。

さらに、いろいろな出題の形態が用意され

ているこのテストには、子どもたちの習熟度

が測れるという利便性もあります。