球面マイクロレンズ・アレイ...1 100% Fill-Factor 球面マイクロレンズ・アレイ...

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1 100% Fill-Factor 球面マイクロレンズ・アレイ 香川大学 工学部 知能機械システム工学科 教授 髙本 喜一

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1

100% Fill-Factor球面マイクロレンズ・アレイ

香川大学 工学部

知能機械システム工学科

教授 髙本 喜一

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マクロレンズ・アレイの用途

A. 光通信;ファイバーへの導光、ファイバー間の光接続

ファイバー:外径 125 μm, NA 0.28(MM) 0.15(SM)VCSEL(面発光レーザ)との組合せ

B. 光接続;LSI間,パッケージ間の入出力光学系

C. 平面ディスプレイ; 光利用効率の改善

液晶,有機EL,CCD

D. 立体視(眼鏡不要)

E.適応光学;波面収差の検出

マイクロレンズ;口径数mm以下のレンズ

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従来の屈折形マイクロレンズ製造法

表面張力

場所ごとの露光量制御

等方性エッチング

局所的な変形

・レジスト・リフロー法;Popovic et al., 1988.・疎水・親水領域形成;Hartmann et al., 2000.・インクジェット法;Ishii et al., 2000.

・電子ビーム露光法;Fujita et al., 1981.(回折形)

・レーザービーム描画法;Gale et al., 1991.・グレイスケール・マスク;Däschner et al., 1996.

・化学エッチング;Hashimoto et al., 1993.・プラズマエッチング;Larsen, 2005.

・感光性ガラスの感光部膨張;Borrelli et al., 1985.

製造原理

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マイクロレンズ・アレイに要求される性能

A. 屈折形 回折形;特定の波長に対して設計

B. 全レンズ面が球面

C. 光学特性(焦点距離、口径等)の制御性

D. Fill-Factor 100%(平面部が存在しない)

E.各レンズ性能の一様性

F.製造の容易性

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本技術によるマイクロレンズ製造工程

基板;(100)Siウエハ

結晶異方性エッチング;(111)面がエッチストップ

イオンエッチング;物理的加工

初期形状の形成・逆ピラミッド・V溝

球面状凹部の形成 ・球面・円柱面

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(100)Siに形成される形状;(111)面で構成

逆ピラミッド

V溝

・R0= 0 の初期形状

平面図

平面図

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7

球面成長のモデル図加工量

V0t曲率半径

R (= BV0t)

0

20

50

100

0

20

50

100

初期形状

※各凹部の基板表面からの深さは一定

球面成長

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8

240μm間隔・ 正六角形アレイ用初期形状の形成

ホトマスク・パターン

Φ40[μm]

240

240120

208

416

416

初期形状間隔:240μm 一辺:40μm

NA0.46の対物レンズで撮影

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イオンエッチングの条件

装置の概略

e

Ar Ar

ArAr

e

Ar Ar

ArAr

e

Ar Ar

ArAr

試料台試料

ガス導入

マグネット

真空室

加速電極

ファラデーカップ兼シャッター

5×10-6 Pa 圧力

1.3 mA/cm2イオン電流密度

2.0 kV加速電圧

Arイオン種

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10

イオンエッチングによる形状変化過程 Ⅰ

100μm 100μm100μm100μm

初期形状

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

0 50 100 150 200 250 300

x(μm)

z(μ

m)

Si(100)-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

0 50 100 150 200 250 300

x(μm)

z(μ

m)

Si(100)

t = 2 h

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11

イオンエッチングによる形状変化過程 Ⅱ

100μm100μm

t = 4 h t = 10 h

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

0 50 100 150 200 250 300

x(μm)

z(μ

m)

Si(100)-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

0 50 100 150 200 250 300

x(μm)

z(μ

m)

Si(100)

円 円

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240μm間隔・ 正六角形アレイの成長過程 Ⅰ

t = 10 h t = 16 h

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13

240μm間隔・ 正六角形アレイの成長過程 Ⅱ

t = 19 h

断面形状

赤線;円弧

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

0 200 400 600 800

x (μm)

z (

μm

)

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イオン照射による表面形状変化のモデル化

z = f (x, y, t+⊿ t )

)(θVtf

−=∂∂

形状変化を表す式

ions

surface

z

x, y

−V(θ)⊿ t

V(θ); angular dependence of etch rate

z = f (x, y, t)

O

θ

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15

エッチ速度のイオン入射角依存性

0

1

2

3

4

5

0 30 60 90

Angle of incidence (deg)

Nor

mal

ized

etc

h ra

te V

(θ)/

V(0

)

θ

ion+

( ) ( ) γθθ cos1=V

( ) θθ 2sin1 aV +=

( ) ( ) θθθ cossin1 2aV +=

( ) 21 θθ aV +=

V(θ)を表す従来の式( V(0) = 1とする )

( )( )1

cos=+

+=BABAV θθ

球面形成を可能とする式

①,②:P. Sigmund, 1969.③:H. Oechsner,1973. ④:松尾他, 1975.

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イオンエッチングによる球面形成の理論

0)( =+∂∂ θV

tf 22

tan ⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛∂∂

+⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛∂∂

=yf

xfθ

0cos)( VBAV ⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛+=

θθ

tAVtyxftyxg 0),,(),,( +=

0cos

0 =+∂∂

θVB

tg

const.ng =−= 0VBV

表面形状変化を支配する方程式

ただし

形状変化を速度 AV0で遠ざかる座標系で観測

を上式に代入

z = g(x,y,t)で表される表面の法線方向のエッチ速度; ( ) θcosng tgV ∂∂=

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形成可能な表面形状),,( tyxgz = tzyxG =),,(

( )20

2221

VBzG

yG

xG

=⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛∂∂

+⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛∂∂

+⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛∂∂

より、t = t における表面形状を表す式;

が満たす方程式; eikonal equation

( )2222),,( zyxkzyxG ++=

( ) ( )222222),,( zykorzxkzyxG ++=

zcybxazyxG ++=),,(上式を満足する G(x,y,z)

平面

球面

円柱面

以上より、 ( ) 0cos)( VBAV θθ += ( ).constng =Vor であれば

イオンエッチングにより球面、円柱面の形成が可能

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V(θ)の測定結果とV=(A+B/cosθ)V0によるフィッテング

0

10

20

30

40

0 30 60 90

イオン入射角θ (deg.)

エッ

チ速

(μm

/h)

測定値

<100> Si

加速電圧: 2 kV

イオン電流密度: 1.3 mA/cm2

θcos70.470.30 +−=VV

Ar+

θ

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エッチ速度入射角依存性(実験値)

0

10

20

30

40

0 30 60 90

Angle of incident (deg.)

Etc

h ra

te (μ

m/h

)

Vexp

Vn

Vgn

BVo

<100> Si

加速電圧: 2 kV

イオン電流密度: 1.3 mA/cm2

( )0]cos))([( 0 ngexpng VVAVV θθ +−=測定値

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加工量と曲率半径の関係

R ∝ 4.84V0t

試料:(100)Siイオン:Arイオン

ビーム加速電圧:2.0kV電流密度:1.3mA/cm2

0

100

200

300

400

500

0 20 40 60 80 100 120

加工量V0t (μm)

曲率

半径

R (μ

m)

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原理的に製造可能なマイクロレンズ

一つのマイクロレンズ

1. エッジ角θC: 40°以下

2. 曲率半径 R: 0~∞

3. 口径 D: 0~∞

4. サグ h: ウエハの厚さ以下

マイクロレンズ・アレイ

5. Fill Factor: 100%

6. レンズ平面形状:正六角形、正方形、長方形など

θCR

D

h

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企業への期待

• 金型の形状を転写する技術は既存であると考えている。本発明による金型からマイクロレンズを製造する技術の確立を企業に期待している。

• マイクロレンズを製品の一つにしている企業、マイクロレンズ・アレイを利用した部品・製品の開発を考えている企業などには、本技術の導入が有効と思われる。

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :マイクロレンズ用金型の製法

• 出願番号 :特願2005-238596• 出願人 :香川大学

• 発明者 :高本 喜一

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お問い合わせ先

(株)テクノネットワーク四国(通称:四国TLO)

技術移転部 課長 田村 英樹

TEL: 087-811-5039FAX: 087-811-5040E-mail: [email protected]: http://www.s-tlo.co.jp/