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藍澤證券株式会社 2020/07/09 審査番号:200709-A2 - 1 - 外国企業レポート 上海 A600703/Z8449 三安光電 王 曦 Sanan Optoelectronics Co., Ltd. 業種:半導体 中国の大手LEDチップメーカー 三安光電(以下同社)は、中国の大手LEDチップメーカー。 同社は主にLED(発光ダイオード)の発光部に使われる半導 体チップを製造しており、中国で業界首位、世界でも有数の 生産能力(世界シェアは19.7%)を誇る。LEDチップ以外で は、子会社や合弁会社を通じてLED照明や自動車用LEDラン プ、通信用半導体などの事業も展開。2019年の売上構成は、 LEDチップや通信用半導体などの化合物半導体が76.7%、素 材などその他が23.3%。主な株主は、アモイ三安電子(持ち 株比率27.1%)、中国国家半導体ファンド(同10.3%)など。 2019年本決算はLEDチップ価格の低迷で減収減益 2019年本決算は、売上高が前年比10.8%減の74.6億元、 純利益が同54.1%減の13.0億元と減収減益。業績が低迷した 主な要因は、主要製品であるLEDチップの価格下落が考えら れる。2019年は供給過剰を背景にLEDチップの価格が約2~ 3割下落したため、これに伴って業界大手である同社の粗利 益率も前年同期の44.7%から29.4%に低下した。また、2020 年に入ってからもLEDチップ価格の低下基調が続き、同社の 1~3月期決算は前年同期比2.7%減収、同37.0%減益と軟調 に推移した。一方、成長事業として期待されている通信用半 導体事業は、昨年の売上高が前年比40.7%増の2.4億元に急 成長し、通信・電子部品メーカー向けに受注を伸ばしている。 「ミニLED」の普及に伴うLEDチップの需要拡大に期待 足元、同社の主要製品であるLEDチップの価格が低迷して いるものの、今年末から来年にかけて「ミニLED」という新 技術が普及することによって、LEDチップの需要が大きく増 加する可能性がある。「ミニLED」は従来のLEDチップのサイ ズを約5分の1(200マイクロメートル=0.2ミリ以下)に小 型化した光源技術で、従来の製品に比べて「明るさ」や「色 の鮮やかさ」、「コントラスト」などの点で有機ELに近い高画 質を実現でき、有機ELよりも劣化しにくいメリットがある。 現在、同社は既にサムスンの高機能テレビ向けにミニLEDの チップを供給しているが、ミニLEDの普及に伴ってPCのモニ ターやタブレット、スマートフォンにも採用が広がる見通し だ。今後、ミニLED普及の恩恵が期待できると見て、同社の 売上高と粗利益率の改善に期待したい。 株式データ 2020/7/3 現在 株価 25.28売買単位 100時価総額 11323770万元 予想 PER 57.59ROE 4.8652 週高値 31.6352 週安値 9.97業績推移 【連結】 決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当 '17/12 8,394 33.8% 3,164 46.0% 0.78 0.25 '18/12 8,364 -0.3% 2,830 -10.6% 0.69 0.20 '19/12 7,460 -10.8% 1,299 -54.1% 0.32 0.10 単位:百万元、ただし 1 株利益、1 株配当は元 1 株配当は株式分割・併合等調整済み 株価チャート(週足2019712日~202073日) [出所:株式データ、業績推移、株価チャートともにブルームバーグ 等、アイザワ証券作成] その他 5 10 15 20 25 30 35 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 株価 (元) 出来高 (百万株) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 0 20 40 60 80 100 120 三安光電の売上高と粗利益率の推移 売上高(左軸) 粗利益率 (億元) [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を本資料の 2 ページに記載させていただきました。

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藍澤證券株式会社

2020/07/09

審査番号:200709-A2

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外国企業レポート 上海 A:600703/Z8449

三安光電 王 曦

Sanan Optoelectronics Co., Ltd. 業種:半導体

● 中国の大手LEDチップメーカー

三安光電(以下同社)は、中国の大手LEDチップメーカー。

同社は主にLED(発光ダイオード)の発光部に使われる半導

体チップを製造しており、中国で業界首位、世界でも有数の

生産能力(世界シェアは19.7%)を誇る。LEDチップ以外で

は、子会社や合弁会社を通じてLED照明や自動車用LEDラン

プ、通信用半導体などの事業も展開。2019年の売上構成は、

LEDチップや通信用半導体などの化合物半導体が76.7%、素

材などその他が23.3%。主な株主は、アモイ三安電子(持ち

株比率27.1%)、中国国家半導体ファンド(同10.3%)など。

● 2019年本決算はLEDチップ価格の低迷で減収減益

2019年本決算は、売上高が前年比10.8%減の74.6億元、

純利益が同54.1%減の13.0億元と減収減益。業績が低迷した

主な要因は、主要製品であるLEDチップの価格下落が考えら

れる。2019年は供給過剰を背景にLEDチップの価格が約2~

3割下落したため、これに伴って業界大手である同社の粗利

益率も前年同期の44.7%から29.4%に低下した。また、2020

年に入ってからもLEDチップ価格の低下基調が続き、同社の

1~3月期決算は前年同期比2.7%減収、同37.0%減益と軟調

に推移した。一方、成長事業として期待されている通信用半

導体事業は、昨年の売上高が前年比40.7%増の2.4億元に急

成長し、通信・電子部品メーカー向けに受注を伸ばしている。

● 「ミニLED」の普及に伴うLEDチップの需要拡大に期待

足元、同社の主要製品であるLEDチップの価格が低迷して

いるものの、今年末から来年にかけて「ミニLED」という新

技術が普及することによって、LEDチップの需要が大きく増

加する可能性がある。「ミニLED」は従来のLEDチップのサイ

ズを約5分の1(200マイクロメートル=0.2ミリ以下)に小

型化した光源技術で、従来の製品に比べて「明るさ」や「色

の鮮やかさ」、「コントラスト」などの点で有機ELに近い高画

質を実現でき、有機ELよりも劣化しにくいメリットがある。

現在、同社は既にサムスンの高機能テレビ向けにミニLEDの

チップを供給しているが、ミニLEDの普及に伴ってPCのモニ

ターやタブレット、スマートフォンにも採用が広がる見通し

だ。今後、ミニLED普及の恩恵が期待できると見て、同社の

売上高と粗利益率の改善に期待したい。

株式データ

2020/7/3 現在

株価 25.28元

売買単位 100株

時価総額 1132億3770万元

予想 PER 57.59倍

ROE 4.86%

52週高値 31.63元

52週安値 9.97元

業績推移 【連結】

決算期 売上高 前年比 純利益 前年比 1株利益 1株配当

'17/12 8,394 33.8% 3,164 46.0% 0.78 0.25 '18/12 8,364 -0.3% 2,830 -10.6% 0.69 0.20 '19/12 7,460 -10.8% 1,299 -54.1% 0.32 0.10

単位:百万元、ただし 1株利益、1株配当は元

※1株配当は株式分割・併合等調整済み

株価チャート(週足2019年7月12日~2020年7月3日)

[出所:株式データ、業績推移、株価チャートともにブルームバーグ

等、アイザワ証券作成]

その他

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2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

株価(元)

出来高(百万株)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

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40

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80

100

120

三安光電の売上高と粗利益率の推移

売上高(左軸) 粗利益率

(億元)

[出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]

本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を本資料の 2 ページに記載させていただきました。

Page 2: 王 曦 (百万株) (元) Sanan Optoelectronics Co., Ltd. LED ......LEDチップや通信用半導体などの化合物半導体が76.7%、素 材などその他が23.3%。主な株主は、アモイ三安電子(持ち

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