COMSOL Multiphysics Ver.5.3 専門分野「非線形構造材料モデ...

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COMSOL Multiphysics Ver.5.4

チュートリアル

「非線形構造材料モデリング」

計測エンジニアリングシステム株式会社

2019 11.28

http://www.kesco.co.jp/

COMSOL Multiphysicsは COMSOL社(スウェーデン)の開発製品です。

本書の内容の無断複製・掲載はご遠慮ください。

例題 1 超弾性(Hyperelastic material)

超弾性材料はひずみ密度エネルギー関数によって定義できる。

ここでは多項式定義による一般化Mooney-Rivlin超弾性材料を扱う。

ひずみ密度エネルギー関数は次の形をとる。

図1 モデル形状と境界条件

材料はほぼ非圧縮性であり、ひずみエネルギー密度は等容過程のひずみエネルギー密度と

体積ひずみエネルギー密度とに分解して取り扱われる。

超弾性材を使うときは、すべてのスタディでは自動的に幾何非線形が選択される。

例題1-1 超弾性材料(ムーニー・リブリン)の手動設定の方法

手順

空間次元 3D、フィジックス選択:構造力学:固体力学(solid)、追加、スタディ:定常、完

パラメタ

1)グローバル定義 パラメタ

2)以下を設定を入力

ジオメトリ

1)ジオメトリ1 右クリック ブロック

2)幅 0.1, 奥行 0.05, 高さ 0.02

3)回転角に、回転-90

4)全オブジェクト作成をクリック

定義

1)コンポーネント1:定義 右クリック 変数

2)設定ウィンドウで以下を設定を入力

本例題では、第1行のWsiso_MR2に関するもののみを利用することになる。

注:

Ws ひずみエネルギ密度

Wsiso_MRS 等容ひずみエネルギ密度、Mooney-Rivlin 2パラメタ

Wsico_MR5 等容ひずみエネルギ密度、Mooney-Rivlin 5パラメタ

Wsvol 体積ひずみエネルギ密度

固体力学

固定拘束

1)固体力学(solid) 右クリック 固定拘束

2)境界5のみを選択

注: 選択リストでの選択方法は

(1)グラフィックス画面の該当境界を直接クリックする

(2)番号がわかっている場合、選択をペーストボタンをクリックし、番号を入力

(3)リボンメニュー:ホームタブ:Windowsを開き、選択リストを選び、番号をクリッ

ク後、+ボタンで追加。その後、モデルビルダボタンをクリックしてモデルビルダに戻

る。

の 3種類がある。

対称

1)固体力学(solid) 右クリック その他の拘束: 対称性

2)境界1,3のみを選択

境界荷重

1)固体力学(solid) 右クリック 境界荷重

2)境界2のみを選択

3)境界荷重の力セクションで荷重タイプを単位面積あたりの力として、FAに以下を設

2パラメタ多項式超弾性材料モデル

超弾性材料1

1)固体力学(solid) 右クリック 材料モデル:超弾性材料

2)ドメイン1のみを選択

3)設定ウィンドウで、超弾性材料1セクションへ

4)材料モデルリストで、ユーザー定義を選択

方程式セクションで以下を確認する。

5)圧縮性 ほぼ非圧縮材料を選択。

6)定積歪エネルギー密度Wsisoに、Wsiso_MR2

注:変数で以下を定義している。

C10*(solid.I1CIel-3)+C01*(solid.I2CIel-3)

7)体積歪エネルギー密度Wsvolに、Wsvol

注:変数で以下を定義している。

0.5*kappa*(solid.Jel-1)^2

注:定常計算のため、密度は計算に使っていない。

材料には×がついているが問題ない。

メッシュ

マップト1

1)メッシュ1 右クリック その他の操作:マップトを選択

2)境界5のみを選択

分布1

1)メッシュ1:マップト1 右クリック 分布

2)エッジ 6,12のみを選択

3)分布セクションに行く

4)既定へ

5)要素数を4

6)要素比 5

7)方向反転にチェックを入れ、選択対象作成をクリックする。

分布2

1)マップト1 右クリック 分布

2)エッジ 7,8のみを選択

3)分布セクションへ

4)既定へ

5)要素数を6

6)要素比を5

7)選択対象を作成

スイープ

1)メッシュ1 右クリック スイープ

分布1

1)スイープ1 右クリック 分布

2)分布セクションへ

3)既定を選択

4)要素数を 15

5)要素比を5

6)全作成

スタディ1

1)スタディ1 右クリック 計算

計算終了後、以下の手順に移る。

結果

デフォルト表示:応力(solid)

1D表示グループ2

1)結果 右クリック 1Dプロットグループ

2)1Dプロットグループ2 右クリック ライングラフ

3)設定ウィンドウで、選択セクションへいく。

4)エッジ2のみを選択

5)y軸データの式置換で、固体力学:応力:第2種ピオラ・キルヒホッフ等積応力(物

質およびジオメトリ座標系):第2種ピオラ・キルヒホッフ等積応力、YY 成分

(solid.SYY)を選択し、ダブルクリックする。

6)プロット

このファイルを例題1-1超弾性材料_手動設定の方法_V54.mphとして保存する。

例題1-2 超弾性材料モデル(ムーニー・リブリン)の設定方法

手順

1)既述の例題1-1のファイルを利用する。

2)固体力学(solid)を右クリックし、材料モデル:超弾性材料を追加する。

3)超弾性材料2の設定ウィンドウに行く。

4)ドメイン1を選択する。

5)超弾性材料セクションで、材料モデルを Mooney-Rivlin 2 パラメーター にする。

方程式セクションで内容を確認する。

注:先ほど、例題1-1でマニュアル設定した内容と比較してみるとよい。

内容はWsiso_MR2とWsvolの中身と同じであることがわかる。

5)モデルパラメーターで C10, C01を共にユーザー定義にし、各々に、

C10, C01を入力する。

6)初期体積弾性係数κに、kappa を入力する。

7)root を右クリックし、スタディ追加、定常、+スタディ追加をクリック

8)スタディ2を右クリックし、計算を行う。

9)計算を終了後、すでにある 1Dプロットグループ2の下のライングラフ1を右クリッ

クし、複製を選択。

10)ライングラフ2の設定ウィンドウで、データセットを スタディ2/解2(sol2)とす

る。

11)カラーリングおよびスタイルで、ライン:なし、ラインマーカー:マーカー:円と

し、プロットをクリックする。

このように、ムーニー・リブリンの2パラメータモデルは、ユーザー定義で行った結果と

一致する。

このモデルは、例題 1-2 超弾性材料_Mooney__Rivlin_V53.mph に保存している。

発展

Mooney-Rivlin 5パラメータモデルとの比較を行ってみよう。

手順

1)例題1-1のファイルで、超弾性材料1を右クリックし、複製

2)超弾性材料3でWsiso_MR2をWsiso_MR5に変更する。

3)rootを右クリックし、スタディ追加、定常、+スタディ追加をクリック

4)スタディ3を計算

5)1Dプロットグループ2のライングラフ2を右クリックし、複製。

データセットをスタディ3/解3(sol3)に変更。ラインを実線、マーカー:ダイアモンド

変更して、プロット。

このように大きな差を生じる理由は、5パラメータモデルでは変形量が少ないので同じ境

界荷重に対してそれを断面積で割った応力値は小さい数値になるためである。

このファイルは、例題 1-2超弾性材料_Mooney__Rivlin_5パラメタ_V54.mphに保存し

た。