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©ocean+α ウェブマガジンの二次配付および画像・文章の複製、二次使用を禁じます 2016 Spring [Maldives Gaafu Atoll] http://www.wtp.co.jp 関連情報HPへ 01 Information Link タア環礁ナイトジンベエスイムにてジンベエザメと人の一体感が美しい Maldives 〠Ұ〣すがやԼぜがどધट〠〖⿶ぇఆ〶ぇಡ〴ւ〣ײޒ、ݚ〳【ゑぶくゅ〣ւ〜ੜ ׆「〛⿶るがぷぜが〜《⿺〈〣ւ〣〈〝〤〤〽。い〾〟⿶〒え〟すがやԼぜがど〤すぐへ〣த〜〷〠 せをアゅはぐもアそݺ〝〥ぁউ〙〣〤ւ――、1 365〣ઓ⿶〠え〕Photo=Takaji Ochi Text & Model=Kaoruko Inou Special Thanks= ワールドツアープランナーズ Design=tomato ガーフ環礁南下クルーズ モルディブ・アイランドサファリロイヤル乗船記 赤道直下の神秘 ジンベエザメと夢の Night Dancing!

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Information Linkタア環礁ナイトジンベエスイムにて。ジンベエザメと人の一体感が美しい

Maldives

年に一度のガーフ環礁南下クルーズ。

船首に立ち、狙いを定め、潮を読み、海への五感を研ぎ澄ませる。

モルディブの海上で生活しているボートクルーでさえ、

この海のことは実はよくわからない。

そんなガーフ環礁南下クルーズは、

ガイドの中でも時に“ギャンブルダイビング”と呼ばれる。

勝つのは海か、人か――、1/ 365の戦いに挑んだ。

Photo=Takaji OchiText & Model=Kaoruko InouSpecial Thanks=ワールドツアープランナーズDesign=tomato

ガーフ環礁南下クルーズモルディブ・アイランドサファリロイヤル乗船記

赤道直下の神秘ジンベエザメと夢のNight Dancing!

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アドレナリンが夜の海へ大放出!

 クルーズ2日目の20時、船尾にて集光ライトでプランクトンを集め、海の見張り役をしていたローカルスタッフが「ジンベエ!ジンベエ!ジンベエ!」と連呼した。 この日停泊していたのは、ガーフ環礁より北に位置する、タア環礁内のグライドゥ島付近。夜間にジンベエザメが来る可能性が、おおいにあるポイントだ。 「きっと夜中に来ますから、ゆっくりと夕飯

でも食べていましょう」と団らんが始まった矢先のことだった。 中華風に味付けられた肉を口に頬張ったまま、カメラをひっかけ、走ってはいけないと言われた船内を船尾に向かってダッシュ。しかし、もういなかった……。 ナイトジンベエが始まってまだ2~ 3年だが、これまでは、だいたい夜中の11時頃

から姿を見せ始め、泳ぎ終わったころには深夜1時を過ぎていたこともあったという。 ほどなくして、また、「ジンベエ!」と船尾から興奮した声が届いた。姿を確認し、急いで水着のまま海へ飛び込む。最初は小型サイズのジンベエ1匹だったが、最後

には10m級が現れ計3匹となり、今期最多のジンベエと泳ぐことができた。 集光ライトに照らされたジンベエザメはなんだか後光がさしているようで神 し々くもあり、しっぽを振って夜の海を踊っているようにも見えた。

01/捕食のために口を大きくあけて移動するジンベエザメ

02/ 真っ暗な海でも一緒に泳げばアドレナリンが大放出!

03/ 船尾の集光ライトに集まるプランクトンの捕食にきたジンベエザメを船上からウォッチング

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ジンベエザメ、今期最多の3匹現る!!ジンベエザメとシャコ。越智カメラマンお気に入りのショット Maldives

モルディブ・アイランドサファリロイヤル乗船記

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ギャンブルダイビングで運試し!?

 ガーフ環礁クルーズは2~3月に行われ、全4航海。取材班は、その幕開けの南下

クルーズに乗船した。ガーフ環礁クルーズを1曲とするなら“第一楽章 ”といったところ。南下クルーズは、北マーレから赤道直下のガーフまで、南に向かって7つの環礁

を通過する。 ポイントごとに母船を停泊させ、並走のドーニに乗り換え移動し潜る。このドーニ、

クルー含め20人は乗っていたが、全員分

の器材を積んでもスペースには余裕があり、さらにトップデッキがあるのは驚いた。 本船の王道コースは「北マーレ環礁・南マーレ環礁・アリ環礁」を巡るサファリのことを言い、マンタ・ジンベエなどの大物も狙えるが、移動範囲はガーフに比べると小さい。にもかかわらず、なぜわざわざこの時期にガーフ環礁クルーズを行うのかと言えば、東側の透明度が上がるので、イルカやカジキなどの予期せぬ大物遭遇率

があがり、通常では味わえない海を満喫

できるから。また、大幅に移動する分「風

なし・波なし・雨なし」の3拍子が揃うこの時期にしか赤道まで航海できないのだ。 1航海目を終えると、赤道を通過し最南端のアッドゥ環礁まで、2航海目のクルーズがはじまる。復路を含め全4航海になるというわけだ。

ムリカンドゥのヒメフエダイの群れ。ここまで群れることも寄れることも珍しい

Maldivesモルディブ・アイランドサファリロイヤル乗船記

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ニャヴヤニ環礁

ラーム環礁

ガーフアリフ環礁

ガーフダール環礁

アッドゥ環礁

フェリドゥ環礁

ミーム環礁ダール環礁

ファーフ環礁

ラスドゥ環礁

ゴイドゥ環礁

バア環礁

ガーファル環礁

カーシドゥ

ラヴィヤニ環礁

ヌーヌ環礁

シャヴィヤニ環礁

マアマクヌドゥ環礁

ハーアリフ環礁

イハヴァンディッポル環礁

ハーダール環礁

ラア環礁

王道コース北マーレ環礁

南マーレ環礁

タア環礁

アリ環礁

ガーフ環礁

1航海目4航海目

2航海目 3航海目

0°00'N(赤道)

マーレ国際空港

ガーフ環礁クルーズ

Maldives

王道コースでは味わえない!

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地味? それとも、レア?世界でも珍しい群れに出逢う

 同行の越智隆治カメラマンは、大物生物撮影をライフワークとしているが、今回特に珍しいと興奮していたのは大物ではなく「サバヒー」の群れ。あまり馴染みのない魚だったので、最初はなぜイワシに夢中になっているのだろうと思っていたくらいだったのだが、近寄ってみるとなんだか見慣れているようでどことなく違和感のある形……しっぽが鋭いハサミみたいだ。 「単体や小さな群れでいるのは見たことがあったけど、ここまで大きな群れでいるのは初めて見たし、きっとこんな群れを撮影した人もいないんじゃないかな」と、エキジット後も興奮冷め止まぬ感じに語っていたので、調べてみたところ、「サバヒーの適温は27~ 30度。台湾、インドネシア、

フィリピンあたりではよく食べられている」とあった。日本では時折沖縄近海で見られることもあるそうだが、どうりで日本にいるとあまり馴染みがないわけだ。 次に着眼したのは、ヒメフエダイとゴマニザ。 「いつもはなかなか近寄らせてくれないからこんなに近くで撮れたことがない!しかもモデル絡みで撮影できたし」と、こちらもとても嬉しそう。 「サバヒー、ヒメフエダイ、ゴマニザの3種

は王道コースではここまでは、まず出会えない。やはりこういう出会いもガーフ環礁クルーズの魅力かも」 長期間、船で暮らすガイドの的場さんも呟いた。

01/サバヒーの群れ。単体では見てもここまでは、なかなか群れない魚

02/ 黄色く優しい光のシャワ―の中泳ぐゴマニザの群れ

03/モルディブの固有種、パウダーブルーサージョンフィッシュのパウダー玉

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 ギャンブルダイビングっぽかったのは、早朝にハンマーヘッドシャークを狙った時と、

グレーリーフシャークを狙った時。グレーリーフシャークは特にすごかった。

ハンマーを狙うギャンブルダイビングは神子元の海でも体験しているが、グレーリーフシャークに至っては想像がつかなかった。 ビリギリカンドゥをグレーリーフシャーク狙

いでエントリーした時のこと。水面から水底にいるダイバーを見て、水面と水底では潮の流れが反対なことはまず分かった。流されまいと水深を下げながら進むと、潮

がアゲンストになって来た。おまけに正面

はモルディブ感溢れる明るく開けた海ではなく、なにやら真っ黒い暗黒地帯。 ちょっとした恐怖も覚えながら体力を振

り絞ってその暗黒の世界に近づいていくと、その一帯には100匹を超すグレーリーフシャークが悠然と身を揺らし、奇観な景色が広がっていた。 圧巻、壮観とはまさにこのことだ。

さっきまでのちょっとした恐怖は吹っ飛び、

もっと近づきたいもっと近づきたいと、潮の流れに逆らってフィンキックを続けた。

01/エヴァンスアンティアスの群れ

02/ムレハタタテダイの群れ。このくらいの塊がそこかしこに点在していた

03/ビリギリカンドゥのグレーリーフシャークの群れは100匹ほど

04/サンゴが綺麗な隠れ根のあるマトゥギリのマッコスカーズラス

05/同じくマトゥギリの砂地にいたトールフィンゴビー

06/グラデーションが美しいエヴァンスアンティアスのメス

なかなかヒレを全開にしないマッコスカーズラスから100匹超のグレーリーフシャークまで

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01/ 障害物が何もない大海原の夕日は格別

02/アフターダイビングに語り合うカップル。吊るしてあるバナナはいつでも食べてOK

03/綺麗な珊瑚ポイントでスノーケリングも楽しめる

04/ 停泊中の母船の周りにいたイルカをディンギーに乗って見に行く

05/最終日のディナーはモルディブ料理で異文化体験

06/3度の食事はどれも美味しい

アフターダイビングはのんびりと水平線を眺めて モルディブのローカルフード“DHIVEHI KEUN”

 母船へは1本のダイビング終了ごとに戻

る。帰船の度に食事やおやつが振舞われ、クルーズ中は、“食べては潜り”の幸

せサイクル。体調や気分に合わせてダイビングをパスするという贅沢だってできる。ダイビングにはほとんど参加しないゲストもおり、聞けばなんでも、船尾でたばこを吸い読書をするのがこのクルーズの楽しみだと語る。

 ダイビングの合間はポイント移動のため、母船が進む。トップデッキに寝転がり、モルディブの生暖かい風を感じながら水平線をぼんやり眺める……至福の時だ。 昼寝が終わったら船尾に吊るしてあるバナナを頬張りながら、そこに居合わせた人と海の話や人生の話。 マーレを出発した時にはまだ緑色だった吊るしバナナは、いつの間にか黄色に変

わっている。初めは他人だった人も最後には仲間に変わっている。 アフターダイビングでは、そんな仲間と共に、ディンギーに乗って無人島に出かけたり、釣りをしたり、夕日を眺めたりして自由に過ごした。 サファリの醍醐味はダイビング三昧だけでなく、きっとこういう人とのふれあいや、仲間との喜びの共有にもあるんだろう。

 DHIVEHI KEUN(ディベヒ・ケウン)とはモルディブ料理という意味。今船では最終日のディナーで振舞われた。キムチにも家庭の味があるように、これにも家庭の味のようなものがあり、作る人によって中に入れる具材が異なる。今回はタロイモやかぼちゃ、サツマイモ、バナナなどの具材が並び、それをライス、ココナッツ、ライム、チリとガルディアと呼ばれる魚の汁を

一皿に盛り、手で混ぜて食べる。もしスプーンで混ぜてしまったらこの味は出ないとのこと。これが今まで出会ったローカルフードの中でもトップに躍り出る美味しさで、越智カメラマンと共に張り合うようにして食べてしまった。 ぜひ、自分の好みを見つけてもらいたい。

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日本人ガイドが徹底的にケアしてくれるアイランドサファリロイヤル号

 全長32m、全幅9.9m、スピード約11ノット。今回乗船したアイランドサファリロイヤル号は、全室にシャワー、トイレ、エアコン付。日本の電化製品がそのまま使えるプラグも用意され、部屋・バスルームも広いので滞在はとても快適だ。 客室はスィートルーム2部屋を含む計10

部屋。ダイビングで部屋を留守にする度に清掃やベッドメイクが入り清潔感がある。

 木造でオシャレな食堂・リビングエリアや、広 と々したトップデッキを備え、ダイビング後

は無料のコーヒーやビスケットを片手にくつろげる。 ダイビングは並走するドーニに乗り換えポイントへ向かう。器材は乗船時からドーニに積みっぱなしなので、重い器材をいちいち運ぶ必要はない。 毎ダイビングごとに母船に帰ってきて温

かいシャワーを浴びることが出来るので、可能ならば水着は3枚くらいあると便利。三度の食事はどれも美味しく、最終日にはモルディブのローカル料理が振舞われ、異文化体験もできる。 日本人スタッフだけでなく、ローカルスタッフも気さくで、夜になると船尾のデッキで語ったりする。

Staff的場 充弘(まとばみちひろ)

アイランドサファリロイヤルのメインガイド。普段は寡黙で海の上では頼れる兄貴なかっこいい雰囲気だが、虫の話になると人が変わったように語り出す。ロマンチストな部分もあり、夢を語りだすと熱い。どんな夢かは実際に聞いてからのお楽しみ。

板垣 貴也(いたがきたかや)

沖縄本島で2年間ガイドとして働いたあと、2015年1月よりアイランドサファリロイヤルにガイドとして乗船。ジャニーズの雰囲気をまとった笑顔が女性に好かれ、ゲストが作ってくれた“I♡板垣”のTシャツやタオルなどが船内に並んでいる。(本人も着用)

03/ 広く落ち着いた雰囲気の食堂で全てのブリーフィングを行う

04/客室は5タイプあり、写真はバンクヘッドルーム

01/アイランドサファリロイヤル号。横づけされているのが、ダイビング船ドーニ

02/マーレの港への送迎はドーニに乗って

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