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日皮会誌:90 (5), 429-443. 1980 (昭55) Histiocytic medullary reticulosis 一自験2例の報告と病理組織学的検討- 石橋 明* 中條 知孝** 豊田 皮膚に特異疹を随伴したHistiocytic medullary reti- culosis(HMR)の55歳男子剖検例と皮膚およびリンパ節 の生検によりHMRと推測された31歳男子例を記載し た. 剖検例については,生検皮膚の電顕所見ならびに剖検 標本の各種脂質染色結果も報告した.光顕的ならびに電 顕的所見を検討し, HMRの病理組織,本態につき若干 の考察を加えた. l.はじめに Histiocvtic medullary reticulosis(HMR)の記載は 1938年のScott and Robb-Smith'>の報告にまで遡ること ができるとはいうものの,比較的稀な疾患であり,就中 皮膚に特異疹を示す例は少く,文献上10数例を見出しえ たに過ぎない2).わが国皮膚科領域では3例3)4)6)を数え るのみであるが,その特異疹は可成特徴的である. われわれはHMRの剖検例と,生検によりHMRと 推測された1例を相次いで経験したので併せて報告す る. U● 第1例:55歳男子. 初診:1975年5月9日. 家族歴こ特記すべきことなし. 既往歴:11歳時に虫垂炎の手術を受けた. 主訴:高熱,全身に散在する紅斑,結節. 現病歴:4ヵ月前頃,右上腕に軽い圧痛のあるクルミ *防衛医科大学校皮膚科学教室(主任 藤田恵一一 教授) **杏林大学皮膚科学教室 ***杏林大学病理学教室 Akira Ishibashi,Tomotaka Chuio, Hiroshi Toyoda : Histiocytic medullary reticulosis 昭和54年9月13日受理 別刷請求先:(〒359)所沢市所沢525 防衛医科 大学校皮膚科学教室 石橋 博*** 大の赤いしこりに気付いた.徐々に増大すると共に自潰 し,周囲に衛星状に数コの皮疹が生じた,3週間前に某 病院を受診して主病巣の生検をうけた翌日から頭痛,悪 感,嘔気を伴い38°Cの発熱をみた.その後39~40°Cの発 熱が続き,1週間前頃からは全身倦怠感を覚える様にた り,顔面,体幹,四肢に自覚症のない紅斑ないし結節が 多発して来たので当科を受診し入院した. 現症:右上腕屈側の初発病巣はクルミ大の暗紅色の硬 結で,中央は深く潰瘍化し辺縁は肉芽様腫瘤の集塊であ って,周辺には衛星状に碗豆大迄の浸潤性紅斑ないし小 結節を伴っている(図1).いずれも圧痛なく基底と可 動性である.モの他,肩,胸部,背部,狩部,下腿(図 2),顔面などに指頭大迄の浸潤性紅斑ないし結節が, しばしば集籐して多発し,苔癖化や鱗屑を伴うものもあ る(図2). 表在リソパ節は小指頭大迄の腫脹を右蝋径部および右 肢高に触れる程度である.肝は2横指触れるものの牌 理,黄疸は認めない. 検査所見:赤血球数366万/m�,ヘモグロビソ13.3g/ 弗色素指数1.1,ヘマトクリット36%,白血球数2,800/ m�,血液像:分葉核38%,楯状核11%,リンパ球50 %,単球1%,血小板6.6万/m�,骨髄穿刺:細胞数1.8 ×104,赤芽球30.4%,前骨髄球5%,骨髄球15.6%, 後骨髄球12.8%,悍状核13.8%,分葉核4.2%,単球2.8 %,リンパ球10.2%,形質細胞0.4%,その他に血球を 貪食した異常組織球が少数(これはその後の穿刺で 16.8%まで増加)見出された.血清総蛋白4.8g/dl,蛋白 分劃:Alb 57.0%, Glob rt, 6.6%, ≪2 13.8%,β9.7 %,7 12.4%,アルカリホスファターゼ9.7u, GOT 78 (後,約300まで上昇), GPT 68(後,約450まで上昇), LAP 980, r-GTP 278, LDH 935, LDH isozyme : I 18.6, I 32.5,Ⅲ24.5, IV 15.1, V 9.0,総コレス テロール126mg/dl,血清梅毒反応(-),ツ反11×14intn 弱陽性(後,陰転) DNCB感作不成立.血液培養(-), 皮膚病巣の培養では潰瘍部にのみ黄色ブ菌(十),真菌,

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日皮会誌:90 (5), 429-443. 1980 (昭55)

Histiocytic medullary reticulosis

一自験2例の報告と病理組織学的検討-

石橋 明* 中條 知孝** 豊田

           要  旨

 皮膚に特異疹を随伴したHistiocytic medullary reti-

culosis(HMR)の55歳男子剖検例と皮膚およびリンパ節

の生検によりHMRと推測された31歳男子例を記載し

た.

 剖検例については,生検皮膚の電顕所見ならびに剖検

標本の各種脂質染色結果も報告した.光顕的ならびに電

顕的所見を検討し, HMRの病理組織,本態につき若干

の考察を加えた.

          l.はじめに

 Histiocvtic medullary reticulosis(HMR)の記載は

1938年のScott and Robb-Smith'>の報告にまで遡ること

ができるとはいうものの,比較的稀な疾患であり,就中

皮膚に特異疹を示す例は少く,文献上10数例を見出しえ

たに過ぎない2).わが国皮膚科領域では3例3)4)6)を数え

るのみであるが,その特異疹は可成特徴的である.

 われわれはHMRの剖検例と,生検によりHMRと

推測された1例を相次いで経験したので併せて報告す

る.

          U● 症  例

 第1例:55歳男子.

 初診:1975年5月9日.

 家族歴こ特記すべきことなし.

 既往歴:11歳時に虫垂炎の手術を受けた.

 主訴:高熱,全身に散在する紅斑,結節.

 現病歴:4ヵ月前頃,右上腕に軽い圧痛のあるクルミ

 *防衛医科大学校皮膚科学教室(主任 藤田恵一一

  教授)

 **杏林大学皮膚科学教室

***杏林大学病理学教室

Akira Ishibashi,Tomotaka Chuio, Hiroshi Toyoda :

 Histiocytic medullary reticulosis

昭和54年9月13日受理

別刷請求先:(〒359)所沢市所沢525 防衛医科

 大学校皮膚科学教室 石橋  明

博***

大の赤いしこりに気付いた.徐々に増大すると共に自潰

し,周囲に衛星状に数コの皮疹が生じた,3週間前に某

病院を受診して主病巣の生検をうけた翌日から頭痛,悪

感,嘔気を伴い38°Cの発熱をみた.その後39~40°Cの発

熱が続き,1週間前頃からは全身倦怠感を覚える様にた

り,顔面,体幹,四肢に自覚症のない紅斑ないし結節が

多発して来たので当科を受診し入院した.

 現症:右上腕屈側の初発病巣はクルミ大の暗紅色の硬

結で,中央は深く潰瘍化し辺縁は肉芽様腫瘤の集塊であ

って,周辺には衛星状に碗豆大迄の浸潤性紅斑ないし小

結節を伴っている(図1).いずれも圧痛なく基底と可

動性である.モの他,肩,胸部,背部,狩部,下腿(図

2),顔面などに指頭大迄の浸潤性紅斑ないし結節が,

しばしば集籐して多発し,苔癖化や鱗屑を伴うものもあ

る(図2).

 表在リソパ節は小指頭大迄の腫脹を右蝋径部および右

肢高に触れる程度である.肝は2横指触れるものの牌

理,黄疸は認めない.

 検査所見:赤血球数366万/m�,ヘモグロビソ13.3g/

弗色素指数1.1,ヘマトクリット36%,白血球数2,800/

m�,血液像:分葉核38%,楯状核11%,リンパ球50

%,単球1%,血小板6.6万/m�,骨髄穿刺:細胞数1.8

×104,赤芽球30.4%,前骨髄球5%,骨髄球15.6%,

後骨髄球12.8%,悍状核13.8%,分葉核4.2%,単球2.8

%,リンパ球10.2%,形質細胞0.4%,その他に血球を

貪食した異常組織球が少数(これはその後の穿刺で

16.8%まで増加)見出された.血清総蛋白4.8g/dl,蛋白

分劃:Alb 57.0%, Glob rt, 6.6%, ≪2 13.8%,β9.7

%,7 12.4%,アルカリホスファターゼ9.7u, GOT 78

 (後,約300まで上昇), GPT 68(後,約450まで上昇),

LAP 980, r-GTP 278, LDH 935, LDH isozyme : I

18.6, I 32.5,Ⅲ24.5, IV 15.1, V 9.0,総コレス

テロール126mg/dl,血清梅毒反応(-),ツ反11×14intn

弱陽性(後,陰転) DNCB感作不成立.血液培養(-),

皮膚病巣の培養では潰瘍部にのみ黄色ブ菌(十),真菌,

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430 石橋  明ほか

抗酸菌(-).血沈1 °14, CRP(-)(末期は5十),

ASO 166Todd u・,IgG 740, IgA 148, IgM 62,βIC圓A

94(末期に22に低下),総ビリルビン0.6 (後, 7.7, 10.7

と上昇),間接ビリルビン0.2 (後, 5.9, 8.9),血清鉄

104Mg/dl (後264),銅140,フィブリノーゲン140.

 臨床経過:入院10日目頃から皮疹の多くは消槌傾向を

示し,あるものは色素沈着及び色素脱失を残して消失し

たか,その頃末梢血の赤・白血球数は益々減少し赤血球

を貪食した異常な巨大組織球も出現した.高熱も続くの

でプンドユソt=・ソ60mgを投与した所急激な解熱をみた

ものの,間もなく間歌的に熱発を認める様になり元の高

熱に戻りつつあったが,入院1ヵ月目頃全身に一過性の

募麻疹様紅斑が出現すると共に再び39°Cもの高熱に襲わ

れ,やがて黄疸も出現,右上腕の初発疹その他の特異疹

は出血壊死などを来たして再増悪(図3)した.

 6月29日突如下血し昏睡状態となって翌日死亡した.

その間抗生物質,輸血などには全く反応を示さなかっ

た.

 皮膚生検所見:○)初診時紅色結節では(図4),表

皮は基底層に少数の単核細胞浸潤があるものの微小膿瘍

はない.真皮では,皮下に至る仝層に亘り血管・神経・

附属器周囲に斑状の細胞浸潤増殖巣がある.その細胞は

多様で大きさは7~70μに及び,① 大型で不正形のや

やクロマチンに富む核を有し異型性の組織球と思われる

概して貪食の不明瞭な細胞,② より小型でより濃染す

る円形ないしやや不正形の核をもち,好酸性の細胞質を

伴う,おそらく Scott & Robb-Smith≫)のprohistiocyte

に該当する細胞,③ 大型類円形の明るい核を有する貪

食の旺な通常の組織球,の3種の細胞を認める.①と②

には中間的な細胞や多少の貪食を示す細胞もあり,また

mirror image を呈する大型でクロマチンに富む核の細

胞も散見される.③は赤血球や白血球を貪食し,あるい

は泡沫状の明るい細胞質を有し,時に巨細胞となってい

る,その間に,しばしば細胞質様のエオジソ好性物に囲

続されたcell debris と思われる大小不揃いのヘマトキ

シリこ/に濃染する小円形体や,血管外に溢出ししばしば

変性破壊しつつある赤血球を認める.これらは時に組織

球に貪食されている.

 (2)潰瘍化初発疹では(図5, 6),上記結節と同

様の細胞浸潤増殖巣が見られるが,貪食像がより高度で,

核崩壊,結合織の壊死も顕著である.他方壊死部周囲に

はリソパ球,形質細胞浸潤も著明である.なお潰瘍底部

にはグラム陽性球菌も証明された.電顕的には(図7~

13),組織球性細胞は,核が大型でheterochromatinが

比較的豊富なおとなしいもの(図7)と,核に大きく異

常な(時に複数の)核小体(図9)やnuclear body(図

8)を認めheterochromatinが核の辺縁にのみ存在し

euchromatinが大部分を占める悪性細胞を示唆するもの

 (図8~10)とある.いずれも細胞質は貪食した赤血球

 (時には白血球も(図10))およびその消化過程のもの,

2次ライソソームやミェリソ像を示す貪食空胞など大小

の無数の空胞に充ち,しばしば細胞は巨大である.ま

た,ややリンパ球に似て,核は円味を帯びてheterochr-

omatinが可成豊富であり,細胞質はポリソームが充満

しているものの時に多見するミトコンドリア以外,細胞

内小器官に乏しいが,核に可成の切れ込みを示す傾向が

あり,リンパ球より細胞質が豊富で核・細胞質比の小さ

い,所謂細網細胞様の細胞が観察される(図11, 12).

更に,核は明瞭な核小体を内包し,しばしば凹凸(図

13)ないし切れ込み(図9)を示すものの細胞質か乏し

いリンパ球様の細胞,などが見出された.

           剖検所見

 A. 肉眼所見

 栄養状態不良,皮膚は乾燥性で黄疸が著明,紫斑が注

射部位にのみ認められる.右上腕内側に45×45mm大

の潰瘍化腫瘤があるほか,5~20mm大の暗紅色結節,

ないし軽度の浸潤を伴う紫褐色貨幣様病巣が,全身とく

に四肢,側胸から側腹部に多発し,少しく鱗屑ないし痴

皮を附している.体幹には色素沈着のみを残して消徒し

た病巣も散見される.

 両側肢寫,傍気管支部に大きさlcm以下の軟かい灰

白色~桃紅色のリンパ節が少数見出される.

 体腔には少量の黄疸性の漿液性惨出液を認めるが漿膜

に出血斑を認めない.

 牌は200g,暗紅色欲.肝は2,020g淡黄色で非常に軟

かい.副腎は萎縮性,肺は気管支肺炎の像かあり,胃に

は多数の出血性扉爛がある.右大腿骨,腰椎,胸骨,肋

骨の骨髄は暗紅色泥状である.その他の臓器には著変を

認めない.

 B,組織学的所見

  (1)皮膚病巣 暗紅色結節,潰瘍化初発病巣は生検

時のそれにほぼ等しい.鱗痴を附す浸潤性紅斑では異

常な組織球性細胞は少く,血管・附属器周囲性のリンパ

球・形質細胞浸潤が目立つ.自然消槌して色素沈着斑を

残すのみとたった部位では浸潤細胞は消失して真皮上層

血管周囲にヘモジデリソを貪食した組織球やリンパ球が

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Histiocytic medullarv reticulosis

図1 右L腕の潰瘍化初発巣および川辺の衛押.病巣.少し離れた!敏窓前上方にも浸潤件紅斑を認める.

図2 苔俗化を伴う下腿の浸潤性紅斑.

図3 壊死,

 星病巣.

431

出血を末たし川悪しづニ初発巣および衛

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432 石橋 明ほか

図4 a, b 大型でややクロマチンに富む不正形の核を示す組織球(A),より小型でより濃染する円形

 ないしやや不正形,時に鏡像を示す核が好酸性の細胞質に囲まれた細胞(B),両者の中間的な細胞

 (C),通常の組織球(H),しばしばエオジソ好性細胞質を伴うcell debris と思われる小円形体

 (D). H.E.染色(図13まで症例1の生検皮膚).

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Histiocytic medullary reticulosis

図5 潰瘍化病巣.結合織の壊死,核崩壊が著明. H.E.染色.

433

図6 電頭用エポソ包埋標本の厚切り切片では淡い細胞質の巨大な泡沫細胞が確認出来る.脂質滴ないし空胞

 様に至る種々の消化段階にある貪食物が充満している.周囲には赤血球,通常の大きさの単核細胞が見られ

 る.トルイジソ青染色.

少数見られるに過ぎない.

  (2)リンパ節 反応中心は消失しているものの正常

の構築はほぼ保たれており,組織球性細胞の浸潤は髄

索,髄洞,傍皮質領域に高度で,稀に辺縁洞,被膜部に

も見られる.また壊死性変化の明らかな所もある.

  (3)牌 赤牌髄は拡張充血して異常な組織球で占め

られ,静脈洞は赤血球などを著明に貪食した組織球で充

満している.一部牌柱内には少数の単核細胞があり,白

伴髄は縮小している.

  (4)肝 類洞は貪食像の顕著な組織球に充ち,単核

細胞はグリソン鞘の所々に散見される.

  (5)骨髄 実質に赤芽球系の増殖が認められ,諸所

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434

石橋  明ほか

図7 貪食され消化過程にある赤血球(E)を含むやや大型の組織球. X4500

図8 消化過程の赤血球(E),ミェリン像を示す2次ライソゾームなど無数の空胞,貪食空|抱か充満

 する巨細胞.不正形の核は少量のヘテロクロロチソが辺縁にのみ存在し, nuclear body(n)を含

 右.×3600

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Hsstiocytic medullary reticulosis

 皿了濯瓢廠直歯二下ぐび汗⊃ト丿トトコ●皿=

図9 貪食の著明な細胞の核は小凹凸に富み不正形,大きな核小体(N)を2ごl含みヘテロクロマチ

ンが乏しい.L:リンパ球.×5400

図10 貪食細胞の核(N)はヘテロクロマチンが少く陥入突出が著叫で皆既を思わ

 せる.消化過程にある赤血球(E)を含むほか,単核細胞(M)を貪食してい

 る.×2500

435

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436 石橋  明ほか

図11 可成り豊富な細胞質にはリボソーム以外の細胞内小器官が乏しく,核は凹凸が著

 明な,細網細胞様細胞.×6000

図12 深い切れ込みのある核はユークロマチソが大部分を占め,やや豊富な細胞質はポリソームとミ

 トコンドリアのみが目立ち,細胞表面には絨毛様突起が多見される細胞.×6000

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図11

Histiocytic medullary reticulosis 437

叫卜 1川|かな核小体を有するや

 ぐず�|の兄られる核が,細胞

 内小器卜を含まなト少量の細

 聖賢を伴う,リンパ球様細胞

 (Lム×㈲00

図15

図口~16 爪例2の顔面,上胸部,吋部

図16

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438 石橋  明ほか

図17 症例2の生検皮膚.弱拡大.

 H.E.染色.

図18 真皮深層の細胞浸潤.核崩

 壊,貪食像,クロマチンに富む

 大型不正形の細胞も少数認めら

 れる. H.E.染色

図19 皮下脂肪織に見られる細胞

 浸潤. H.E.染色

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図22

Histiocytic medullary reticulosis 439

図21

図2()~23 真皮(図20),皮下(図21),リンパ節(図22, 23)に見られる,濃染する円形の核が少量の好

 酸性細胞質をめぐらすリンパ球より大型の細胞(P),不正形異型性の核を示す組織球性細胞(A), cell

 debrisと思われリンパ球の核より小型で濃染する円形体(D)は時に好酸性細胞質様物質に囲まれてい

 る.H : cell debrisを貪食せる組織球,G:巨細胞,貪食物(細胞)を含有している様に見える.何れ

 もH.E染色

図23

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表1 組織球の諸染色所見

石橋  明ほか

Sudan black B(胆質) +

Oil red O  (・/) +

Nile blue  (//) +

SudanⅢ  ( " ) 十

Schultz法(コレステロール) +

Pearse法 (快眠質) +

Menschik法( // ) 十一

Fischer法 (脂肪酸) -

復屈折(コレステp-ル)と茄カズヅ? +

PAS(多額類) -

Bestのカルミソ染色(グリコーゲン) -

Toluidin青(粘液多糖類) -

に異常組織球の集簑巣が散在し,静脈洞にはしばしば組

織球の赤血球貪食が認められた.

 C・ 組織球の脂肪及び脂質の検索

 剖検標本をホルマリン固定後,諸種の脂肪染色を行っ

た.結果は表1の通りで泡沫状ないし貪食性組織球の細

胞質内にコレステロールおよび微量の燐脂質が証明され

た.

 第2例:31歳男子.開業薬剤士.

 初診: 1975年9月12日.

 家族歴:兄に気管支喘息,母に高血圧あり.

 既往歴:扁桃炎にしばしば罹患する他,著患なし.

 主訴こ頚部リンパ節腫脹,発熱および皮疹.

 現病歴:8月中旬頃著明な全身倦怠感と微熱を生じ,

数日後に右側頚部リンパ節腫脹に気付いた.食慾も不振

となり8月26日に杏林大学内科を受診し血液検査などを

うけたが著変なく,リンパ節腫脹のために8月29日外科

に依頼された.その際右頚腺31,鎖骨上席1コのリン

パ節腫大を認め,また右後頭部にも結節を1コ触知し,

急性リンパ節炎の診断の下に鎖骨上席リンパ節を生検す

ると共に再び血液検査などを行っているうちに,9月初

め頃,38°C程の高熱と共に顔面,背部,胸部などに自覚

症のない紅色調の結節性皮疹が多発した.その後倦怠感

と高熱はややおさまったが外科外来受診時に当科に診察

を依頼された.

 現症:(図14~16)左頬部から下顎部に碗豆大前後の

暗紅色の結節が数コ散在し,あるものは潰瘍を伴ってい

る.いずれも基底と可動性で自覚症がない.その他右頬

部や上胸部,背部に大豆大~碗豆大の同様の結節ないし

浸潤性紅斑が多発し,しばしば集隻する傾向かある.上

胸三角部には瘤皮を附着するものもある.

 皮表に紅斑を伴わないリンパ節腫火は左耳後部小指頭

大11,顎下腺ト・碗豆大,右側頚腺碗豆大11,鎖骨

上高には外科の生検部直上に小指頭大1コ触知し,更に

右顎下部には小指頭火~碗豆大の結節が縦に3~4コ連

なっている,旅路腺,蝋径腺,股腺などの腫脹は高度で

なく,大豆大程度のものを少数触れるに過ぎない.

 口腔粘膜,扁桃,舌に異常なし.

 検査所見;赤血球数494万,ヘモダロビソ14.9g/dl,ヘ

マトクリット42%,色素指数0.94,網赤血球13‰,白血

球数3,200,血液像:悍状核7%,分葉核41%,単球5

%,リンパ球47%,血小板24万,血沈1°12,血清総蛋

白7.1g/dl, A/G比1.2,アルカリフォスファターゼ10.9

u, GOT 60,GPT 69,LDH 1,599, LDH isozyme : 1

33.1, K 35.9,Ⅲ20.9, IV 7.3, V 2.5, ALD 24.4,

CPK 8.8,総ビリルビン0.4,間接ビリルビン0.2, IgG

1,240, IgA 286, IgM 146, 免疫電気泳動ではHapto-

globinの軽度増加,凧C/β1A Globulin の軽度減少を示

す.ツ反13〉くllmm弱陽性, DNCB感作試験結果不明.

 臨床経過:セファラソチソ30mgのみ内服させて諸検

査を進めていた所,薬効か自然緩解か,1週間後にはリ

ンパ節腫脹が明らかに縮小すると共に解熱して来た.し

かし再三入院をすすめると某大学病院に転入院してしま

ったのでその後の経過は不明である.

 病理組織学的所見:(1)左頬部暗紅色結節では(図

17~21),真皮全体,とくに中層の血管・毛包周囲に最

も著明に斑状の細胞浸潤がある.主体は類円形ないし不

正形の大型の明かるい核を有する組織球で,軽度の異型

性を示すものはあるものの核分裂像は殆ど認めない.所

により,ヘマトキシリソに濃染する円形の小型の核が好

酸性の細胞質にとり囲まれだ先述のprohistiocyte,ない

しリンパ球様の細胞も可成混在し,さらに一層小型で大

きさ不揃いなcell debris と思われる好塩基性円形体が

時に好酸性の細胞質をめぐらし,多くは数コ集族し組織

球に貪食されている.

 更に目立つのは,赤血球ないしその変性破壊物が血管

周囲の細胞浸潤部のみならず血管から隔った部位にも多

数認められることである.かかる病変は皮下組織にも及

んでいる. また毛包壁が乱れ細胞浸潤を認める所もあ

る.

  (2)鎖骨上席リンパ節の生検標本は約小指頭大で,

その約1/3はほぼ正常の組織が残存しているとはいえ,

大半の部分は組織球性細胞で占められている(図22,

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Histiocytic medullary reticulosis

23).明調の核は,小型~中型で不正形,大小不同・異

型性の著しいものと,類円形,比較的大型で異型性の乏

しいものとあり,後者は時に巨大である.その間に,

概ね小型だが稀に大型の濃染する円形ないしやや不正形

の核に好酸性の細胞質を伴うprohistiocyte,およびcell

debrisか多数混在し,貪食も盛である.稀に異様な核分

裂も見出される.

 要するに皮膚では可成温和しい顔の細胞が殆どである

のに比し,リンパ節では浸潤増殖細胞の異型性,“前組

織球”, cell deris,貪食か顕著である.

           考  按

 Histiocytic medullary reticulosisは表2の様な臨床症

状並びに検査所見を示し6),急速に進行して数力月で死

の転帰をとる予後不良な疾患で,その病像は組織所見と

相まって可成特徴的である. Greenbergら7)は,浮腫や

腹水を82%に認め,主要3症状の1つに挙げている.モ

の他,特異な症状を示した例としては,急性肝壊死とし

て発症した例8),中枢神経系を冒した例5)10)失明を来

たした例11)などの報告がある.

 皮膚には通常「黄疸と点状ないし斑状の紫斑」が見ら

れるに過ぎず,モれも多くは病変が進行した末期に至り

初めて出現するもので,特異疹即ち「時に自潰する丘疹

ないし結節」は凡そ10%に認められるに過ぎない6).

 組織学的には,赤血球・白血球・血小板,とくに赤血

球を著しく貪食した組織球が,骨髄,リンパ節,牌,肝

に異常に増殖浸潤し,末期には時として末梢血にも出現

する.

 Scott and Robb-Smith≫によれば,増生細胞は① 赤

血球や核破片を貪食した典型的組織球,② 組織球の前

駆細胞で非貪食性のprohistiocyte,即ち,平均9μの濃

染する(pachychromatic)核に好酸性の細胞質を伴い直

径12~14μで輪廓の不規則な細胞,③ giant prohistio-

cyte,即ちねじれた濃染する核(rich in basichromatin)

を有する巨細胞であって,淡染する“mirror image”の

核をもつSternberg-Reed巨細胞とは明劃な差異を示す

細胞,の3者とされる.

 我々の観察では,光頭的に⑥ 核が類円形~長円形で

明るく,時に巨大であるか良性と思われる組織球,⑧

同様に明調だが不正形の核をもつ異型性の著しい組織

球,○ ②のprohistiocyteに該当する濃染核の細胞,

の3者が多く,③のgiant prohistiocyteは比較的稀であ

った.

 電顕的には①に相当する貪食の盛な組織球に,核の

表2 主要臨床症状並びに検査所見

 (Abeleら6)の85例の集計による)

441

有症状例/ 有情報例

倦  怠  感 67/69 97

衰     弱 72/74 9G

発     熟 75/78 96

評     腫 72/81 88

肝     謡 70/81 86

体 重 楓 少 49/61 80

リンパ節図太(臨床的) 48/81 59

黄     疸 30/62 お

紫     斑 2俳5 37

貧     血 78/78 100

白血球減少 57/79 72

血小板減少 46/64 72

patternから① 異形性でmalignancyを示唆される細胞

と,⑨ 良性と思われるもの,の2種類を区別できた.

その他に,0 通常のリンパ球より大型でリボソームの

みが充満する可成豊富な細胞質に(時に糸粒体は多見す

るか)細胞内小器官を殆ど認めないリンパ球~細網細胞

様の細胞を少からず認めた.これが②のprohistiocyte

に該当するのか否かは決定できなかった.なお電顕標本

を採取した生検組織が壊死・貪食の著明か皮膚結節のみ

であったこともあって,④の貪食性異形細胞と⑩の光顕

的異型組織球との関係,⑧がどの程度の貪食能を有する

のかも確認しえなかった.

 以上の如き我々の観察結果は,前述のScott and Robb-

Smith"の記載所見よりも, Marshall")の組織学的記載

に一致していた.彼は,① 基本的に正常形態の組織球

で炎症過程に出現する組織球と同様の細胞,② 異常形

態の組織球,即ち核が軽度の異常形態をとるものから,

時にホジキソ型の巨大な核を示し,しばしば異常核分裂

を示すbizzareな巨細胞で貪食が稀なもの,③ 直径12

~15μの不正形の好酸性の細胞質と大リンパ球に類似の

円い核を有するScott and Robb-Smithの所謂prohistio-

cyte,の3種が認識されるという.さらに症例によって

はprimitive reticulum cellに似たprimitive typeの細

胞が,より成熟型の組織球に混じて多数認められ,所に

よってはsyncytial arrangement を示すという.

 さて,細胞質内に貪食された血球や脂質様空胞を充た

す組織球について我々が行った組織化学的検索の結果は

表1の通りで,組織球の多くはコレステp-ルと微量の

燐脂質を含み,ベルリン青染色が陽性であった,この成

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 442                     石橋

績と電顕所見とを勘案すると,これら脂質は主として貪

食赤血球に由来するものと推察される.

 HMRはこの様に臨床的にも組織学的にも可成特徴的

であって, HMRに“悪性組織球症malignant histiocy-

tosis”の様な包括的な病名を使用している学者11)も少く

ないとはいえ,一種特異な疾患としでHMR組織球

性髄質性細網症”の病名の下に独立性を留保する立場の

者13)が多い.

 その本態にっいては現時点ではなお不明というべきで

あろう. HMRの特異疹は出現頻度は低いが可成特徴的

で,肉腫や悪性リンパ腫などの悪性新生物の特異疹たる

丘疹~結節とやや趣を異にする.時に自然消琵を思わせ

る消長を示し,どちらかというと菌状息肉症などに似

て,細菌・真菌などの感染性ないし肉芽腫性疾患を思わ

せ,実際初診時に臨床的にその様な診断を下された症

例5)もある.

 Chandraら14)は一過性のHMR様組織球増殖症の2

例を報告し,1例は粟粒結核,I例はビールス感染症に

起因するものと推測した.他方,真のHMRにおいて

も,北村ら15)は1剖検例の報告に際し感染性反応性細網

症との考えを提出,経験例の原因として梅毒の可能性を

挙げた.

 然るに田中16)はmalignant reticulohistiocytosisを(悪

性)腫瘍と炎症の中間に位置するものと考え, (1)異

型絹網細胞の増殖であるか白血病様増殖patternをとり

腫瘍を形成しないもの= neoplastic variant, と(2)異

型細網細胞増殖に成熟組織球,細網細胞,リンパ球,形

質細胞など多彩な細胞浸潤増殖が介在するもの=catapl-

astic type, の2つに分け,それぞれホジキソ病のsar-

coma type. graauloma type に対比されるとした.即ち

真の腫瘍に近いのが(1)のneon!astic variant,反応性炎

症に近いのが(2)のcataplastic type であるが, HMR

はmalignant reticulohistiocytosisの一亜型でそのcata-

plasia型に属するとしている.さらに田中16)は原因探求

を模索してHMRの生検リンパ節から嫌気性コリネバ

クテリアを培養分離しえて同菌がHMRの病因である

可能性を提起した.

 組織学的にみると,増殖細胞が高度な貪食機能を示す

ことが1つの特微であるか,今一つ特異的な点は,他に

例のない濃染円形核を有する所謂prohistiocyteの出現

であろう.通常の組織球の長円形明調な核と余りに対照

的であるし,他の組織球系の腫瘍の構成細胞とも類似し

明ほか

 ていない.これが組織球の前駆細胞であるか否かには多

 分に疑問があろう.むしろ前組織球として考見易いのは

 Marshallが4番目に挙げたprimitive reticulum cell

 に似たprimitive type の細胞”ではなかろうか.他方,

 HMRで多見されるnuclear debrisがヘマlヽキシリソ濃

 染性の小球状で,しばしば好酸性細胞質をめぐらすこと

 を考見合わせると,変性過程に陥りつつある増生細胞と

 解釈出来ないであろうか.そこで,かかる細胞を仮に除

 外して考えると,多数の炎症性反応性組織球と少数のリ

 ソパ球浸潤を随伴しているものの,増生細胞は比較的単

 一な組織球性細胞と考えられ,また電子顕微鏡的にも核

 の形態が可成malignancyを示唆する斤見を示したこと

 から,この短期間で致死性の疾患を“組織球系の悪性腫

 瘍”と考えてもいいかも知れない.

  しかし腫瘍ということになると,とかく病囚諭は一般

 的なoncologyの中に埋没してしまって個々の腫瘍の病

 因解明へ目を向けなくなり勝ちである.“癌”白身ビー

 ルス感染との関連が考えられている訳であるが,田中も

 説く如くHMR等のmalignant reticulohistiocytosisは

 真の腫瘍とは一線を画されるもので,反応性病変から腫

 瘍性病変への橋渡し的な疾患である16)とすれば,感染症

 が病因ないし引き金である可能性はより高いものと考え

 られる.

  自験第1例は大量のステロイドにより一時的な解熱を

 認めたが全体的な経過には影響を与えることかく,抗生

 物質は全く無効で急速に死の転帰をたどった.しかし一

 方では血液所見の進行にも拘らず皮疹の多くが自然に消

 失するという,真の腫瘍には見ることのない奇異な性質

 を示し,第2例もまたリンパ節腫脹,皮疹および高熱

 の自然軽快を示した.かかる現象はHMRのみならず

 reticulohistiocytosisに共通して見られる特徴で真の腫瘍

 と一味異る点である.自験例のみならず文献的にも抗生

 物質は無効であり,病因ないし誘因の可能性のある微生

 物としては嫌気性菌以外にビールスについても今後検討

 される必要があるであろう.

  然うして,特異な病像を示すHMRの名称を抹消し

 malignant (reticulo-) histiocytosisの様な,より概括的

 な疾患名に包括させることなく,症例を集積,検討し

 て,病因解明,治療法発見,ひいては予防法の確立を目

 指すべきであろう.

  第1例は豊田,河口,赤井が病理学雑誌(Acta Path.

 JaP・y)に欧文で報告した.

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Histiocytic medullary reticulosis

                           文

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