講評集 › nantan-hs › sub26 › 2012bunkasaikouhyo.pdf2の5「Welcome to...

16
2012 年度 第 33 回文化祭 (9/5~6) 講評集

Transcript of 講評集 › nantan-hs › sub26 › 2012bunkasaikouhyo.pdf2の5「Welcome to...

2012 年度

第 33 回文化祭 (9/5~6)

講評集

第 33 回 文化祭 総合成績

≪ 宣伝の部(垂れ幕) ≫

最優秀賞 3年1組 「うた魂」

優秀賞 3年4組 「不思議の国のアリス」

3年5組 「MAMMA MIA!」

審査員特別賞 2年4組 「HIGH SCHOOL MUSICAL」

≪ 宣伝の部(立て看板) ≫

最優秀賞 3年5組 「MAMMA MIA!」

優秀賞 2年2組 「ガマの中で」

2年5組 「Welcome to Wonderland」

≪ 3年生 演劇の部 ≫

最優秀賞 3年5組 「MAMMA MIA!」

優秀賞 3年4組 「不思議の国のアリス」

≪ 3年生 演劇 個人の部 ≫

最優秀男性演技賞 3年5組 堅田 圭輔 (サム役)

最優秀女性演技賞 3年5組 馬場 栞奈 (ソフィ役)

審査員特別賞 3年1組 渡邉 亜希穂 (荻野かすみ役)

3年3組 山下 陽平 (大木琢郎役)

≪ 2年生 演劇の部 ≫

最優秀賞 2年2組 「ガマの中で」

優秀賞 2年3組 「よしもと新喜劇」

優秀賞 2年5組 「Welcome to Wonderland」

≪ 2年生 演劇 個人の部 ≫

最優秀演技賞 2年2組 川尻 美香 (真役)

優秀演技賞 2年2組 中村 紘也 (景次役)

2年3組 片山 紗里 (女従業員役)

2年5組 小森 葵 (アリス役)

≪ 1 年生 仮装大会の部 ≫

最優秀賞 1年6組 「目指せ!HOLLYWOOD」

優秀賞 1年5組 「おばけと愉快な仲間たち」

審査員特別賞 1年1組 「男女逆転」

宣伝の部

< 総 評 >

垂れ幕について:

優秀賞の3の1「うた魂」は様々な色を使いながら調和がとれていて美しくもっとも目を引くものでした。優

秀賞の3の5「MAMMA MIA」は淡い色調ながら劇の雰囲気を想像させる端正な美しさがありました。優秀賞

の3の4「不思議の国のアリス」も物語の雰囲気を醸し出す細かな工夫が見られました。審査員特別賞の2の

4「ハイスクールミュージカル」は色合いがややすっきりしていませんでしたが立体の文字はインパクトがありまし

た。

立て看板について:

優秀賞の3の5「MAMMA MIA」は思い切って主人公?一人を浮き出るように作り上げたことでインパクト

のあるものになりました。優秀賞の2の2「ガマの中で」はガマの中から外の世界を見るという視点が劇のシリア

スな内容を暗示するものとなっています。よく脚本を読み込んだと思われる本質をとらえた構図に脱帽です。

2の5「Welcome to wonderland」はデザインの美しさが光りました。

全体を通して:

垂れ幕も立て看板も単に宣伝の媒体というだけでなくそれ自体で鑑賞に堪えるような一つの作品であって

ほしいものです。そのためには図柄、字体、色合いなどが少なくとも美しくなければなりません。更に内容のイメ

ージが思い描けるような工夫があると完成度の高いものになります。なお、クラス名や日時、場所が抜けてい

ると宣伝物としては意味がなくなります。一部漏れていたクラスがあり残念でした。

< クラス別講評 >

1年1組 「男女逆転」

垂れ幕・立て看板ともに、書写体ではっきりと書かれて勢いもあり、ま

た、色も原色を使うなどの工夫もあって目を引くものがありました。さらに

手形を柄にしていたところも良いアイデアだったと思います。内容のイメ

ージが弱く、どちらの作品も発表する日時や場所が書かれていなかっ

たのが残念でした。

1年2組 「D・POP」

シンプルでディズニーの可愛らしさが伝わってきました。ほのぼのとした

感はありましたが、どんな内容かイメージしにくい点もあり、もうひと工夫

できていたら良かったかと思いました。立て看板に発表する日時や場

所が書かれていなかったのが残念でした。

1年3組 「勝つのはどっち!? 海賊 vs.新撰組」

垂れ幕・立て看板ともに爽やかな色合いで仕上げられており、立て看

板ではアニメ風の絵も上手く仕上がっていました。ちぐはぐさを印象づけ

られていたと思います。どちらの作品も日時や場所が書かれていなかっ

たのが残念でした。

1年4組 「ジブリ大集合」

垂れ幕は木材の絵で描かれた題がジブリの雰囲気を醸し出していま

した。場日時や場所が書かれていなかったのが残念でした。立て看板

は絵の線が細かいながらも大変わかりやすく、色の出し方にも工夫があ

ってほのぼの感が出ていてよかったと思います。

1年5組 「おばけと愉快な仲間たち」

どちらの作品も大きな文字で書かれており、見やすくゆかいな仲間た

ちの雰囲気がよく出ていました。字体を整えた方がよいかと思います。

文字を立体的にした点は工夫が見られてよかったです。垂れ幕は場所

や日時が書かれていなかったのが残念でした。

1年6組 「目指せ!HOLLYWOOD」

垂れ幕の「1-6」の表示にアメリカ国旗の色合いを取り入れるなど、

ハリウッドの雰囲気を出そうと工夫しているのが伝わってきました。デザ

イン的にまとまっていました。日時や場所が書かれていなかったのが残

念でした。

2年1組 「サウンズ・グッド」

垂れ幕は色彩も鮮やかでデザイン的にもきれいにまとまっていました。

立体感を出す工夫もあって見やすかったです。場所などの字がもう少

し大きくても良かったかと思います。立て看板は劇の内容に期待を持た

せるような明るい雰囲気を感じました。日時が書かれていなかったのが

残念でした。

2年2組 「ガマの中で」

どちらもシンプルですがインパクトのある作品でした。立て看板はガマの

作りやガマの中から見た構想など奥深い工夫が見られ、劇の内容を想

像させ期待を持たせられていたと思います。テーマを上手く表現できて

いた作品でよかったです。

2年3組 「よしもと新喜劇」

どちらの作品も喜劇の雰囲気を上手く出せていてほのぼのしており、

大変楽しい作品でした。担任の先生も登場し、クラスの一体感を感じま

した。立体感も上手く使われていてよかったと思います。日時の文字が

少し見にくかったのが残念でした。

2年4組 「HIGH SCHOOL MUSICAL」

立て看板・垂れ幕ともに目を引くインパクトのあるデザインでした。垂れ

幕は構図が独創的で、アイデアが素晴らしいと感じました。空間を上手

く使い工夫を凝らした作品だったと思います。

2年5組 「Welcome to Wonderland」

垂れ幕はデザインが大変美しく、神秘的な雰囲気が出せていました。

立て看板は色合いも良く、不思議さ、魔性の雰囲気をトランプや魔女

等を使って上手く表現できており、完成度の高い作品でした。

3年1組 「うた魂♪」

垂れ幕は字体や色合いも含めて大変見やすく、人を惹きつけるデザ

インでした。はっきりと伝わるものがあり、多くの色彩を取り入れ、完成度

の高い作品でした。

立て看板もおなじような色合いで揃えてあって、一体感を感じました。

3年2組 「進メ!ガクランジャー」

色合いも良く大変わかりやすい作品でした。垂れ幕はお面を張り付け

るなどの工夫も見られ、どんな劇なのかと期待感を持たせてくれました。

立て看板は、イラストが爽やかに描かれており、似顔絵のような雰囲気

を感じました。構図も良かったです。

3年3組 「ハンサム・スーツ」

どちらの作品もスーツを飾るなどの工夫が見られ、明るく爽やかな雰囲

気を出せていました。イラストにも工夫が見られ、劇への期待を膨らま

せてくれました。字体を工夫すればさらに良かったかと思います。楽しい

作品でした。垂れ幕にクラス名がなかったのが残念でした。

3年4組 「不思議の国のアリス」

大変細かい所まで工夫がなされており、独創的なアイデアが目立っ

た作品でした。字の中にもトランプのマークを取り入れたりと、一つ一つ

が全体のテーマに結びついていました。どちらもクラス名がなかったのが

残念でした。

3年5組 「マンマ・ミーア!」

どちらの作品も端正な美しさがあり、シンプルながらインパクトがありま

した。また大変細かい所まで工夫がなされており、完成度の高い作品

でした。立て看板については、立体感が出ていて躍動している感じがう

まく表現されていてよかったです。

1年生 発表・仮装大会の部

< 総 評 >

優秀賞の1の6「目指せ!HOLLY WOOD」は仮装の質、量ともに優れていました。次々と出てくる映画ス

ターが誰なのか観客に期待させることに成功していました。優秀賞1の5「お化けと愉快な仲間たち」はパフォ

ーマンスにも工夫が見られ、総合的なインパクトは非常に高いものがありました。優秀賞1の1「男女逆転」は

場面設定の着想がよく、演技とダンスを自然に組み合わせた観客を楽しませる演出が見事でした。

仮装大会はまず仮装がていねいに本物らしく仕上がっていることが必要で、その上で仮装とマッチしたパフ

ォーマンスに寸劇やダンスが加わるととても厚みが出ることがわかりました。初めての試みでしたが、工夫次第

でいくらでも豊かなものにできる大きな可能性を感じさせてくれる仮装大会だったと思います。

< クラス別講評 >

1年1組 「男女逆転」

演出が工夫されており、盛り上がりました。会場を一つにまとめるよう

な勢いがあり、演技も良かったです。女性が男性に逆転する場面がもう

少し目立つともっと良いものになったと思われます。

1年2組 「D・POP」

ミニーの衣装がかわいらしく、統一感があってよかったです。全体的に

華やかな印象がありました。しかし、セリフが聞こえづらく、マイクを使っ

たりナレーションを入れるなどすると、より観客伝わったのではないでしょ

うか。

1年3組 「勝つのはどっち!? 海賊 vs.新撰組」

新撰組とワンピースのキャラクターを組み合わせるという今までにない

斬新な発想がよかったです。観る前に「どんな発表になるんやろう?」と

期待を抱かせてくれました。ただその2つがなぜ組み合わさったのかが

発表中ではわからないまま終わったのが残念でした。

1年4組 「ジブリ大集合」

ジブリに出てくる有名なキャラクターが多かったので楽しい時間でした。

特に「千と千尋の神隠し」の顔なしは、動作や体の姿勢など雰囲気が

出ており良かったです。

1年5組 「おばけと愉快な仲間たち」

バラエティーに富み、観客を 後まで引きつけていました。 後に体

操の技を入れるなどして、インパクトがありました。観客の記憶に残るよ

うな発表でした。

1年6組 「目指せ!HOLLYWOOD」

登場する人物が豊富で、次は何が出てくるんだろうと観客に期待を持

たせてくれました。また衣装をそれぞれ変えるなど、手を抜かずに細か

いところまで仕上げたなという印象でした。登場する人物が演技をする

となお良かったと思います。

2年生 演劇の部

< 総 評 >

今年の2年生演劇は、例年に比べてレベルが高く、全体的によく仕上げられていました。感動ものも喜劇も

非常に完成度が高く、舞台と観客とが一体となるほどに盛り上がっていました。受賞できなかったクラスも良

いチームワークで、例年よりも仕上げられていました。

小道具・大道具・衣装・背景なども丁寧に創ってあり、随所に場面にふさわしいさまざまな工夫がされてい

て、観ごたえがありました。

全般にキャストやクラスの個性がよく発揮されていたように思います。登場人物が大人数の脚本も多かっ

たのですが一人一人が個々の台詞をよくこなしていて、また人物同士の呼吸もよく合い、それぞれの役柄の

「味」も出ていました。

惜しまれる点としては、以下のようなことが挙げられます。次年度に生かしてほしいと思います。

○ 音響、照明で、リハーサルが不十分であったのか、本番でうまくかみ合わない場面がありました。劇の展開を良くし、完成

度を上げるために不可欠です。来年は打ち合わせを丁寧にしてみてください。

○ 毎年のことですが、セリフで感情の入れ方に物足りなさを感じる部分もありました。できるだけ早く覚えるとともに「照れ」をな

くすことができれば、もっと完成度の高い演技ができるでしょう。

○ 脚本の出来や選定も、演劇を成功させるための大きな要素の一つですが、惜しまれるクラスもありました。観客に分かり

易い(訴え易い)ものを選ぶのが良いでしょう。

○ ステージ宣伝も採点対象です。物足りないクラスもありました。ポイントを分かりやすくコンパクトにまとめた宣伝を心がけて

みてください。

< クラス別講評 >

2年1組 「サウンズ・グッド」

男の子二人が女の子を巡って戦う青春ストーリーを堂々と清々しく演じ

てくれた作品でした。主役のキャラクターが飾り気がなく身近に感じること

ができました。笑いあり、緊張感のある場面ありで盛りだくさんだったと思

います。ダンスが揃っていればさらによいものになったと思います。

2年2組 「ガマの中で」

主役も脇役もひとりずつが大きな声を出し、一生懸命演じていました。

その迫真の演技は観客の涙が物語っていました。戦争をテーマにした劇

は難しくなってしまいがちですが、あれだけ真剣に取り組んだからこそ涙を

誘うほどのものになったのだと思います。少し早口だったのが残念でした

が、シリアスなテーマを精一杯演じたのは見事なものでした。

2年3組 「よしもと新喜劇」

喜劇を演じ切ることは容易いことではないですが、このクラスはそれをや

り切りました。主役のキャラクターは大変素晴らしいものでした。いったい

どんな劇なのかという心配をよそに、あの「笑いを待つ」独特の空気を見

事に再現しました。また役者一人一人が役を理解して演じていたように

思います。来年は体育館なので声の大きさが心配ですが、来年に期待

したいと思います。

2年4組 「HIGH SCHOOL MUSICAL」

海外青春ドラマという難しい演目を必死に演じてくれたと思います。声

が小さくて聞き取りにくい場面もありましたが、ダンスあり、クリームブリュレ

あり、先生の登場ありで、随所にスパイスを加え工夫しているところがみら

れました。もう少し大きい声で堂々と演じられたら観客がひきつけられたと

思います。

2年5組 「Welcome to Wonderland」

後にストーリーの全貌が明らかになる難しいものでした。場面転換が

多く想像をしながらみないといけなかったので、もう少しわかりやすくできた

のではないかと思います。全体的にまとまりのあるよい劇だったとは思い

ますが、声が小さい点が残念でした。しかし、全員がよく劇と向き合ったも

のだと伝わってきました。

3年生 演劇の部

< 総 評 >

例年言われていることであるが、「台詞がしっかりと客席に届いたクラス」と「何を言っているのかよく聞こえ

なかったクラス」の差は決定的である。客席に届くような大きな声を出すことは当然として、あくまで「演じてい

る」のであるから、日常会話と同じ話し方をそのまま持ってきてはいけない。はっきり、ゆっくり話すことを意識

的に行わなければ、台詞の内容を的確に観客に伝えることはできない。もちろん時と場合によるが、「大げさ」

と感じるくらいのオーバーな演技をするほうが、舞台の上ではちょうどよい。特に、台詞が標準語で書かれた

作品は、標準語に慣れていないわれわれにとってはなじみにくいが、だからこそ普段使わないような大きな抑

揚を付けて、「クサい」くらいの演技をしなければ、いくら声が出ていても、棒読みである印象から脱却できない。

関西弁の台詞の場合も、普段の「地」のしゃべり方そのままではなく、あくまで台詞としての話し方を研究しな

いと、役に観客が入り込むことができない。いずれにせよ、恥ずかしがらずに普段の自分を捨てて、役になりき

ることが 大のポイントである。

作品の内容に関しては、本年も映画等から題材を取ったクラスが多かった。元々演劇向けでない題材か

ら脚本を起こすときには、場面転換の扱いなどで失敗する例が多いが、今回はその点に配慮できていたクラ

スが多く、不快な場面転換などが少なかった点は評価したい。一方、制限時間に合わせて原作の内容をカ

ットする際のエピソードの選び方にも、十分気を配ってほしい。大事な心情を描いてほしい場面で時間切れが

迫り、物足りない思いをしたクラスも少なくなかった。短い時間内なので大変難しいが、次年度以降の演劇を

する人達はぜひ研究してほしい。

今回の演劇では、自分達の伝えたいことを思い切りぶつけるという気概に少し物足りなさを感じた。「とりあ

えず道具を作って台詞を覚え、時間内に終わらせる」ことに終始していたのではと感じることもあった。しかしそ

のような中でも、少ない時間の中でより良い作品を作ろうと力を合わせて努力したことは、入賞したか否かに

関係なく、これからの人生の大きな糧となると信じている。この経験を活かして、今後も様々なことに挑戦し頑

張ってほしい。

< クラス別講評 >

3年1組 「うた魂♪」

登場人物のキャラクター設定がはっきりしており、各役者がそれを

つかんでうまく演じ分けられていた印象である。かすみ役は好きな人に

「産卵中の鮭の顔」と言われた心情を、うまく表現していた。他の役者

も、ギャグのような台詞や動作も恥ずかしがらず堂々と演じられており、

コメディーとしての完成度は高かった。特に権藤をはじめとする不良グ

ループの演技が、勢いに任せているように見えて実は丁寧に演じられており、台詞を大切に扱っていた点

なども好感が持てる。段ボールで作った字幕や、幕を下ろすときのフェイドアウトなど、演出も効果的であっ

た。ただ一部、BGM に演者の声が負けている部分があった。

前半で、この後どうなるのだろうという期待を大きく感じさせてくれた。しかしその分、後半のストーリー性

が弱いように感じた。かすみが歌に目覚める過程の心の動きをもう少し丁寧に描写してほしかった。また、

権藤が合唱に目覚めるきっかけが瀬沼先生であったというエピソードが、その後のストーリーに絡んでいな

い点などにも物足りなさを感じる。(もし原作にあってカットせざるを得なかったのであれば、そもそも権藤が

影響を受けた歌手を瀬沼先生と関係ない人に変更してしまうという手もある)

歌の場面は会場が盛り上がった。一生懸命に練習を重ねた跡が十分伝わってきて好印象であった。し

かし全国大会出場校という設定であれば、音程やハモりなどの技術的なレベルにももう少しこだわってほし

かった。

3年2組 「進メ!ガクランジャー」

全体として明るい雰囲気であった。しかし残念ながら、声が全体的

に小さく、登場人物の台詞はほとんど聞き取ることができなかった。そ

のため、そもそもなぜ戦っているのかなど、ストーリーをほとんど理解す

ることができなかった。特に、演劇オリジナル作品であり、ほとんどの観

客には知られていない作品なのであるから、なおさら話の内容を丁寧

に観客に届けようとする姿勢が大切である。個々の役者が全体的に声量をあげる必要がある。他にも、役

者が始終身体をふらふら動かしている、抑揚の付け方や間の取り方が普段の会話の延長でしかなく棒読

みの域を脱していない、場面と関係なく演者がへらへらと笑っているなど、演劇の基本ができていない部

分がかなり目に付いた。唯一、TV ディレクター?役のみ、ためらいのない演技で気を吐いていた。

基地の背景などの道具類や衣装は頑張って制作した様子が見られるだけに、「演じる」という も根幹

の部分が置き去りになっていたことが残念でならない。

3年3組 「ハンサム・スーツ」

全体的に役者の熱演が感じられた芝居であった。あとは各役者が

キャラクターの違いをより鮮明に付けてやれば、もっと魅力的な舞台に

なったように思う。特にブサイク役は難しかったと思うが、男女ともにそ

れぞれの役柄をうまく演じていた。琢郎役の体当たりの演技は見事で

あった。モトエ役はあと一歩、「怪演」と呼ばれるくらいまで吹っ切れれ

ば、非常に魅力的な役柄になったであろう。

定食屋の場面では、店の雰囲気をうまく表現していた。

舞台転換に多少時間がかかった部分がある。幕を閉めずに暗転のみで舞台転換を行うこと自体は問

題ないが、その間に舞台横などで別の場面を進めるか、またはナレーションや BGM のみでもかまわないの

で、真っ暗で無言となる時間を極力少なくするような心配りが必要。

ストーリー面では、後半のファッションショーから、琢郎(杏仁)が「見た目よりも大切なものがある」ことに

気付いてモトエの元に駆けつけるまでのくだりが唐突であったように感じた。この部分の心の動きはこの話

のクライマックスであるから、もう少し時間を割いて丁寧に描写しても良かったように思う。

3年4組 「不思議の国のアリス」

登場人物のキャラクター付けがうまい。役者の台詞の声量が不足

していると感じる部分もあったが、わかりやすい演技で観客を引きつけ

ることができていた。ウサギの穴を幕のみで表現したり、スモークを用い

てイモムシの変身を演出したりなど、衣装や背景、道具類にも多くの工夫が観られ、アリスの世界観を見

事に表現できていた。音楽の使い方やダンスの取り入れ方も自然で、流れを止めずにテンポよく進行させ

ることができていた。お城の前で花を赤く塗る場面での、音楽とシンクロした踊りや動作は、よく練習されて

いると感じ、とても楽しかった。

アリスは元々の話がやや難解なストーリーであるので、そこをもう少しかみ砕いたり補足したりして、原作

を知らない観客にもわかりやすくする工夫があってもよかったかもしれない。また、ラストシーンにて、話の

終了がやや曖昧なまま、カーテンコールに突入してしまった感がある。さらに、全体の時間が 36 分で終わ

ってしまい、やや物足りない印象もある。あと1つくらいエピソードがあっても良かったのかもしれない。しかし

全体としては非常に完成度の高い演劇であった。

3年5組 「マンマ・ミーア!」

出演者やスタッフ全員の意識や技術が全体的に高かったと感じた。

場面転換で間が空くことも少なく、個々の役者の声も客席に通ってお

り、それぞれが持ち味を出していた。完成度が高く安心して観ることの

できる作品であった。

大道具・小道具も良く工夫されていた。ブルーシートを用いた背景

は、シンプルながら南国のリゾートのような雰囲気が存分に出ており、良いアイデアだったと思う。

ソフィーを取り巻く人々が入れ替わり立ち替わり出てくる場面があったが、登場の仕方がみな同じように

感じた。出方のタイミングなどをもう少し研究するともっとメリハリの付いた芝居になったかもしれない。

また、この作品は有名なミュージカルであり、音楽は非常に重要な要素であるのだが、ダンスにいまいち

キレが無く、中途半端な印象がしたのが残念。さらに欲を言えば、短い演劇では難しいが、せめて BGM で

も良いので、他の A BA の曲ももっと積極的に取り入れた構成にすれば、さらに盛り上がったのではないだ

ろうか。

部活動・委員会の展示及び発表(記録写真集)

< 発表内容 >

吹奏楽部 発表会

地学部 「復活!もう一度あの輝きを!」

茶道部 「おいしいお菓子とお茶」

書道部 「書道展」

保健美化委員会 「お弁当コンテスト/展示発表」

書道「選択授業作品展」

生徒会・文化委員会