品質管理① 品質管理のABC...2 品質管理のコンテンツ レベル 内容 ポイント...

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1 MTIフードデザイン研究所 氏名: 生駒朋己 品質管理品質管理のABC (C)2016MTIIkoma

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MTIフードデザイン研究所

氏名:  生駒朋己      

品質管理① 品質管理のABC

(C)2016MTIIkoma

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品質管理のコンテンツ

レベル   内容 ポイント

初級編

1 ABC当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる

2 5S 品質管理の基本は、5Sです。(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

3 細菌管理 細菌はつけない・ふやさない。どの工程で起きたかを早く発見するコツ

4 異物管理 「入るを制して、出るを制する」

5 一般衛生管理 一般管理点による管理のポイント

6 HACCP 回収などの重大問題に発展するところはココ

中級編

7 管理者の役割 マネージャーは「自分は各部門の社長」だと自覚すること

8 文書と記録 記録を残して見える化する。それが企業を守る

9 コンプライアンス 守るのは法律よりも厳しい社会常識、だからそれより厳しく社内規定を設定する

10 リーガルリスク 食に関する法律は沢山ある、どれに抵触してもアウト!

11 お申し出対応 お客様からのお申し出対応は、最優先事項です

12 リスクマネジメント それぞれの部門でどんなリスクがあるかご存知ですか?(C)2016MTIIkoma

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目次

分類 内容

今日のポイント 今日のポイント

Ⅰ.品質管理の重要性

1.なぜ品質管理が必要か

2.品質管理の大原則 PDCAサイクル

3.改善の取り組み方

4.品質管理は儲かる

5.品質管理の同士づくり

6.品質管理の役割と心構え

Ⅱ.危害防止の基礎知識

1.微生物の管理

2.主な食中毒菌

3.食中毒防止の3原則

4.温度管理

Ⅲ.異物対策 1.主な異物

Ⅳ.従業員管理と教育

1.入室手順と5Sの徹底

2.5Sとは

3.ホウレンソウ(報告、連絡、相談)

Ⅴ.マニュアル、基準の作り方 1.なぜマニュアル、基準が必要なのか

Ⅵ.施設、設備の整備と管理 1.施設や設備の改善

Ⅶ.HACCPの基礎 1.HACCPとは

まとめ 今日まとめ

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   A:当たり前のことを  B:ばかにしないで  C:ちゃんとやる 

今日のポイント

ひとりひとりが決められたことを遵守することが極めて重要!

さっき手を洗ったばっかりだから、本当は手を洗わなくてはいけない決まりだけど、まぁいいか。

絶対にダメ!!

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1.なぜ品質管理が必要か

Ⅰ 品質管理の重要性

お客様が食品に求めるもの

安心安全

食べて食中毒をおこしたり、異物で怪我をしないよう、安全で安心して食べられること。

おいしい

おいしくて、この食品を食べたことに満足すること。

適切な価格

安全でおいしくても高すぎる値段では困る。 商品の価値にあった適切な価格であること。

この3つを肝に銘じておくこと!

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2.品質管理の大原則  PDCAサイクル

品質管理の大原則として、一般的に言われているPDCAサイクルを表しています。

計画:どのように行うか、計画をたてる 実行:計画に基づいて、実行する 評価:計画したことがうまくいっているか、問題がないか確認する 改善:問題があったら、どのように改善を行うか検討し、立案する

問題点がないかを明確にして、ある場合には速やかに改善する!

P(Plan:計画)

D(Do:実行)

C(Check:評価)

A(Act:改善) 

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改善に取り組むにはまず、自分たちがどれくらいのレベルであるかを 把握し、実現可能なレベルへ改善目標を立てます

3.改善の取り組み方

できることから取り組み、成功事例を増やして自信をもてるようにすると、やる気がアップします!

改善しやすいものから順位をつけて、取り掛かります

STEP1:問題点がわかっていて今すぐ改善可能なもの

STEP2:問題点を明確にして、改善案を考えて取り掛かるもの

STEP3:ある程度改善には時間を要する少し高いレベルのもの

実現できない目標はたててもやる気がなくなってしまいます

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品質管理を強化するとコストがかかり、儲けが少なくなりそう

4.品質管理は儲かる

品質管理に対する誤解です!

品質が良くなれば、不良品や製造ロスが減る

       歩留、稼働率が向上

         生産性が向上

     利益が上がり、儲かる!

確かに品質管理にはコストがかかりますが、結果的には 品質管理に要したコスト以上の利益が生み出されます

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5.品質管理の同士づくり

みんなで品質の良いものをつくるぞ!!

●品質管理は品質保証部等の一部の人で行うものではありません

●実際に作業する人が品質管理に関する知識を持ち、適切に業務を行うことが品質管理には重要です

●また改善活動はみんなで行うもので、社内の人員が一丸とならないと、既存の問題を解決していくのは困難です

●ひとりではできないことも、他部署の人の協力を得れば改善可能なことも多くあります

●品質管理は他の人と協力しあい、「みんなでより良い方向へ」という強い気持ちが大切です

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      品質管理の基本は家庭の台所と一緒

自分で作ったものを、大切な人に食べてもらえますか? ・肉を切ったまな板で、サラダ用の野菜は作れません                  食中毒の予防

・前日に残ってしまったおかずは、冷蔵庫で保管して、加熱してから食  卓に出します        温度管理

・野菜は土や虫をとるため、キレイに水で洗ってから使用します               異物対策

6.品質管理の役割と心構え

これらの行動はすべて品質を保つためです 当たり前のことをちゃんとやる、だから安心して食べることができます

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1.微生物の管理

Ⅱ 危害防止の基礎知識

1.温度  ・一般的な細菌は30~40℃で急激に増殖  ・0℃以下、60℃以上ではほとんど増殖しない  ・食品を加熱することで殺菌が可能

細菌が増殖する3つの要因

2. 水分  ・細菌は水がないと繁殖できない  ・食品製造に使用した器具、容器、ふきん    等は、よく洗って乾燥することが重要

3. 栄養  ・食品は栄養豊富で細菌が繁殖しやすい環境  ・器具、容器等の使用後は十分に洗っておく   ことが重要 

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2.主な食中毒菌

・鳥、牛、豚をはじめほとんどの動  物がもっている腸内細菌 ・生肉や生卵に由来することが多い ・菌は熱に弱い

・海に住む細菌で、主に魚介類の  表面に付着 ・好塩性の細菌で、真水中では生息できない

・家畜や感染者の糞便により汚染された食品や井戸水の飲食により感染 ・発症すると出血性の下痢を引き起こす ・法定伝染病に指定されている

・酸素がない状態で増殖化膿 ・生物毒では最強の毒素を産生する ・毒素は80℃30分の加熱で失活す  るが、菌は熱に非常に強い

サルモネラ

黄色ブドウ球菌

・傷口が化膿したところやおでき、   ニキビ、口、鼻等に生息 ・手指からの感染の可能性が高い ・産生する毒素は熱に非常に強い

腸炎ビブリオ

病原性大腸菌O-157

ボツリヌス菌

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・手指や器具、容器を清潔にして  おくこと ・加熱前後の食品を区分して、  接触のないようにすること ・普段から職場を清潔にしておく  こと

3.食中毒防止の3原則

つけない 増やさない

・食品に応じた適切な管理を行う ・冷蔵庫、冷凍庫の温度管理を  徹底すること ・先入先出(同じ原料の場合、先  に入荷したものを先に使う)に  留意すること ・加熱した食品はできるだけ早く  冷却すること

殺す

・殺菌方法、殺菌剤に関して正し  い知識を身につけ、適切な殺菌  を行う ・加熱殺菌は適切かつ十分な温  度と時間をかけること

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14細菌管理について、詳しくは第3回で!

レベル   内容 ポイント

初級編

1 ABC当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる

2 5S 品質管理の基本は、5Sです。(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

3 細菌管理 細菌はつけない・ふやさない。どの工程で起きたかを早く発見するコツ

4 異物管理 「入るを制して、出るを制する」

5 一般衛生管理 一般管理点による管理のポイント

6 HACCP 回収などの重大問題に発展するところはココ

中級編

7 管理者の役割 マネージャーは「自分は各部門の社長」だと自覚すること

8 文書と記録 記録を残して見える化する。それが企業を守る

9 コンプライアンス 守るのは法律よりも厳しい社会常識、だからそれより厳しく社内規定を設定する

10 リーガルリスク 食に関する法律は沢山ある、どれに抵触してもアウト!

11 お申し出対応 お客様からのお申し出対応は、最優先事項です

12 リスクマネジメント それぞれの部門でどんなリスクがあるかご存知ですか?

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細菌は活発に増殖する温度帯があります。   5℃以下   多くの細菌は増殖しにくくなるが、死滅はしない   10~60℃   細菌が増殖する。特に30~40℃が最も急速に増殖 65℃     多くの細菌は死滅する。ただし、相応の時間を要す   75℃     私たちの工場では75℃で管理します

4.温度管理

その温度管理はあっていますか?

・冷蔵庫が壊れていて、ちゃんと冷えていなかった

 冷蔵庫、冷凍庫の温度を記録する必要があります

・温度を測定していたが、温度計が正しい温度を表示していなかった

 温度計が壊れていないか、定期的に確認する必要があります

温度を管理して、細菌を増殖させず死滅させることが必要!

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1.主な異物

Ⅲ 異物対策

金属 ・製造工程において混入する ・機械や器具の破損が原因の場合が多い       金属は重要危険異物です!     

虫やねずみ ・製造現場に虫やネズミがいると虫やフンが混入 する可能性が高くなる ・虫が混入した商品は大幅なイメージダウン

    虫やネズミは、専門家に相談し正しい手順で     キチンと駆除する

原材料由来の異物  ・肉の骨や土など、原材料に含まれているもの ・異物がすでに混入している原材料      原料特性を理解して取り除く事      特に骨は危険異物です

糞やおしっこをたくさんします 寄生虫は人に感染すると危険 段ボールや袋を破って中の原料やごみを食べます ネズミがいる場所はとても不衛生!

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異物管理について、詳しくは第4回で!

レベル   内容 ポイント

初級編

1 ABC当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる

2 5S 品質管理の基本は、5Sです。(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

3 細菌管理 細菌はつけない・ふやさない。どの工程で起きたかを早く発見するコツ

4 異物管理 「入るを制して、出るを制する」

5 一般衛生管理 一般管理点による管理のポイント

6 HACCP 回収などの重大問題に発展するところはココ

中級編

7 管理者の役割 マネージャーは「自分は各部門の社長」だと自覚すること

8 文書と記録 記録を残して見える化する。それが企業を守る

9 コンプライアンス 守るのは法律よりも厳しい社会常識、だからそれより厳しく社内規定を設定する

10 リーガルリスク 食に関する法律は沢山ある、どれに抵触してもアウト!

11 お申し出対応 お客様からのお申し出対応は、最優先事項です

12 リスクマネジメント それぞれの部門でどんなリスクがあるかご存知ですか?

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1.入室手順と5Sの徹底

Ⅳ 従業員管理と教育

どんなに素晴らしいマニュアルがあっても、それを実行するのは、 作業を行う従業員です

服装 服装は決められたものを、決められた通りに着用していますか? マスクから鼻が出ていたり、屋外で作業した汚れたものを着用していませんか?

入室手順 手洗いは決められた通りに行っていますか? 毛髪除去など決められた手順で行っていますか?

5S   5Sを理解して実行していますか? 決められた場所に決められたものを置いていますか?

従業員教育を行い、品質管理に対する意識をもってもらうことが 極めて重要

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2. 5Sとは?

5S

整理

整頓

清掃清潔

しつけ

5S活動は品質管理や労働安全にとってもっとも基本的な活動!

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205Sについて、詳しくは第2回で!

レベル   内容 ポイント

初級編

1 ABC当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる

2 5S 品質管理の基本は、5Sです。(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

3 細菌管理 細菌はつけない・ふやさない。どの工程で起きたかを早く発見するコツ

4 異物管理 「入るを制して、出るを制する」

5 一般衛生管理 一般管理点による管理のポイント

6 HACCP 回収などの重大問題に発展するところはココ

中級編

7 管理者の役割 マネージャーは「自分は各部門の社長」だと自覚すること

8 文書と記録 記録を残して見える化する。それが企業を守る

9 コンプライアンス 守るのは法律よりも厳しい社会常識、だからそれより厳しく社内規定を設定する

10 リーガルリスク 食に関する法律は沢山ある、どれに抵触してもアウト!

11 お申し出対応 お客様からのお申し出対応は、最優先事項です

12 リスクマネジメント それぞれの部門でどんなリスクがあるかご存知ですか?

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製造現場に関わらず、どんな仕事であっても、報告、連絡、相談は 仕事を円滑に進めるために大変重要です

報告:上司や社員へ、経過や結果を知らせる 連絡:上司だけでなく、同じラインの従業員や、関係部署に情報を知らせる 相談:どうするべきか、意見を聞く

   ホウレンソウを怠ると、大きな問題を上司が把握できず、         重大事故につながる可能性大!

3.ホウレンソウ(報告、連絡、相談)

いつもと製品の状態が少し違うなぁ

間違えて、失敗をしてしまった! バレると面倒だなぁ

そんな時はひとりで考えず必ずホウレンソウを実行してください! 重大事故につながるかもしれません! それに、報告しないと、自分の心にも モヤモヤが残ってしまいます

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1.なぜマニュアル、基準が必要なのか

Ⅴ マニュアル、基準の作り方

どんな人が作業したとしても、同じ品質のものをつくるためには、 分かりやすく手順を示したマニュアルと、正常と異常が区別できる基準が必要です

メリット ・品質が安定し、不良品が減る ・熟練者のみが作業できたことが、誰でもで   きるようになり、生産性の向上に繋がります

原材料の取り扱い方、製造方法、調理温度、器具の洗浄方法など それぞれの工程において「いつ」「だれが」「どのように」行うのか、 基準とマニュアルの作成が必要となります。

理想を追いすぎて現実離れした基準を決めてしまっては、無意味です みんなが守れるルールをつくることが大切

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1.施設や設備の改善

Ⅵ 施設、設備の整備と管理

品質管理や5Sをやれやれ!というけど、施設や設備が古くて、 管理しきれない部分が多いなぁ

・確かに品質管理を実行しようとすると、施設、設備自体に問題が  あることが浮き彫りになります

・企業は限られた資金の中でしか経営できませんから、すぐに新しい  機械を導入することは困難なことも多いです

・どんなことに困っているのか、どうしたいのか、従業員がアイデアを  出し合い、創意工夫によって少しずつでも改善することが重要です

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1.HACCPとは?

Ⅶ HACCPの基礎

HA CCP

HA(Hazard Analysis)とは「危害分析」のこと

CCP(Critical Control Point)とは製造工程で管理ポイントをミスすると問題が生じる管理項目のこと

何が危害となるのか明確にして、重要な管理項目を重点的に管理するシステムです

従来の品質管理

できあがった製品を抜き取り検査して、その結果で合否を判定

HACCP

原料、製造工程、流通などの過程の重要点を管理して良い製品を作り出す 製造工程で安全な品質を作る 私たちの工場では、原料異物、温度、金属が主な危害です

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HACCPについて、詳しくは第6回で!

レベル   内容 ポイント

初級編

1 ABC当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる

2 5S 品質管理の基本は、5Sです。(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)

3 細菌管理 細菌はつけない・ふやさない。どの工程で起きたかを早く発見するコツ

4 異物管理 「入るを制して、出るを制する」

5 一般衛生管理 一般管理点による管理のポイント

6 HACCP 回収などの重大問題に発展するところはココ

中級編

7 管理者の役割 マネージャーは「自分は各部門の社長」だと自覚すること

8 文書と記録 記録を残して見える化する。それが企業を守る

9 コンプライアンス 守るのは法律よりも厳しい社会常識、だからそれより厳しく社内規定を設定する

10 リーガルリスク 食に関する法律は沢山ある、どれに抵触してもアウト!

11 お申し出対応 お客様からのお申し出対応は、最優先事項です

12 リスクマネジメント それぞれの部門でどんなリスクがあるかご存知ですか?

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今日のポイント

・品質管理は従業員全員がルールを守り、  「A当たり前のことを、Bバカにしないで、Cちゃんとやる」  これが極めて重要です

・常に問題がないか気を配り、万一問題発生に気付いた場合は、  すぐに報告し、原因を調査し、問題を改善することが必要です

・品質管理はひとりではできない。従業員全員が一丸となって、  良い品質の製品を作るという目的意識を持つことが大切です

・品質管理の基本は家庭の台所と一緒。微生物・温度・異物を管理  して、大切な人にも自信をもって食べてもらえるものを製造する

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ご清聴ありがとうございました。

参考文献 「HACCP実践のための一般的衛生管理マニュアル」 財団法人 食品産業センター , 2000年 

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