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卒業論文

太陽系外惑星のトランジット観測

和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程

地球環境プログラム 天文学ゼミ

07563015 玉置 順大

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指導教員 富田晃彦

目次

1. はじめに1.1 太陽系外惑星とは

1.2 太陽系外惑星の発見方法

2. 観測2.1 観測機器

2.2 対象天体

3. 画像の整約

4. 測光4.1 器機等級の算出

4.2 色指数

4.3 測光方法

4.4 測光精度向上の工夫

5. 結果

6. 考察・議論

7. まとめ資料付録謝辞参考文献

1. はじめに太陽系外惑星(以下、系外惑星)の探査は、天文学における重要な課題の1つとなって

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いる。2006年 12月には系外惑星探査を行うヨーロッパの天文衛星 COROTが打ち上げられた。そして翌年 5月 3日に、初の惑星を発見している。NASAも 2008年に地球型の岩石惑星探査を行う Keplerを打ち上げる予定である。また、天文雑誌には、しばしば系外惑星の探査に関する記事が載っている。系外惑星の探査はやがて第二の地球を発見する

ことにつながる。これは天文学を超えて、一般の人々に対しても大きなインパクトを与

える問題となるだろう。まさに人類の長年の夢である。

系外惑星の探査は、1940年代に始まったが、長年見つからなかった。ついに 1995年、この分野の第一人者であるカナダのゴードン・ウォーカーは、「1980年から 12年間の精密な観測の結果、太陽近傍の太陽に似た恒星の周りには、木星クラスの系外惑星は存在

しない。」と発表した。しかし、このわずか 2ヵ月後の 1995年 10月、事態は一変する。スイスのミッシェル・マイヨールとディディエ・ケロズの観測チームがペガスス座 51番星で初めて系外惑星の存在を明らかにした。発見された惑星は太陽系の惑星からは想像の

つかないような異形の惑星であった。太陽系で言えば、水星よりも内側の軌道を、4.2日という短い周期で中心星の周りを回る、木星のようなガス惑星だった。この惑星は木星

のような質量を持ち、灼熱の温度を持つということからホットジュピターと名づけられ

た。この発見はにわかには信じられなかった。というのも、惑星系の形成理論は、太陽

系だけが唯一のサンプルであった。そのため太陽系の形成理論が、惑星系全体の標準理論

であった。観測技術が進歩していたにもかかわらず、この時まで系外惑星の発見が阻害

されてきたのは、系外惑星も太陽系の惑星と同じような姿をしているという強い先入観

が大きな原因のひとつと考えられる。実際、マイヨールの発見から 1年と経たないうちに、系外惑星が次々と見つかった。その後、系外惑星の発見数は年を重ねるごとに増えて

いき、 2008 年までに発見数は 250 個を上回っている( http://vo.obspm.fr/exoplanetes/encyclo/index.php)。そして、発見された系外惑星はどれも太陽系の惑星とは異なる姿をしている。但し、これは、現在の観測方法では異形の惑星が見つかり

やすいということであり、太陽系が特別な惑星系であるという結論へ行くには早すぎる。

巨大な木星型惑星があるということは、地球型惑星もあることを示唆している。この宇

宙の惑星系の形成理論を明らかにするためにも、系外惑星の探査は非常に期待されている。

そのためにまず、1つでも多くの系外惑星のサンプルを増やすことが、現在の課題とな

っている。

系外惑星の観測方法はいくつかあるが、有効な観測法の一つとして、トランジット法

が挙げられる。トランジット法の利点はまず、トランジット観測法に必要な機器が、8

~10等星程度の測光観測を可能とする望遠鏡と電子冷却 CCDカメラがあれば可能という手軽さにある。これは和歌山大学屋上望遠鏡で十分可能な観測法である。

一方で、トランジット法による系外惑星の新発見のためには、10万~100万個というような、非常に多くの恒星を継続して観測する必要がある。しかし、研究機関の望遠鏡で

は、系外惑星の観測に多くの時間を割くことはできない。さらに、任意の惑星でトラン

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ジットを検出できる確率はとても低い。そこで、多数のアマチュアが参加しているトラ

ンジットネットワーク(東京工業大学 井田茂教授主催)が発足している。ネットワーク

を作り、観測者が増えることによって、1天体を多地点で観測することにより天候による観測の遅れを軽減することが期待されている。さらに、ネットワーク内では、検出確率

の低さを補うために、ドップラー法(1.2参照)によって惑星を持っている可能性が高いと思われる天体をリストアップし、その後トランジット観測を行うということが実施さ

れている(フォローアップ観測)。ドップラー法は、その観測方法の性質から、アマチ

ュア天文家が行うことは難しい。そこで、大型望遠鏡を用いるドップラー法では、研究

機関が観測し、多数のアマチュア天文家がトランジット法による観測を行うという方法

が考えられた。このフォローアップ観測に成功すると、ドップラー法とトランジット法

という2つの観測法で成功したことになり、惑星の存在は確定的なものになる。さらに

この結果を受けて、惑星軌道面が決定し、惑星質量が完全に決まる。さらに、減光率は、

恒星と惑星の断面積の比であるから、惑星の直径が求められ、求められた質量と併せて密

度が決まる。さらなる系外惑星の研究のために、トランジット法でより多くの観測成功

例が必要とされている。

本研究は、2006年に卒業された柴原氏の「太陽系外惑星の測光学的検出」(以下、柴原 2006)と、2007年に卒業された木村氏の「太陽系外惑星のトランジット観測」から続く研究である。柴原 2006では、既知のトランジット天体に対して、和歌山大学の屋上望遠鏡(60cm反射望遠鏡)でトランジット観測が可能であることを証明した。木村2007では、未知のトランジット候補天体に対してトランジット観測を試みた。木村2007では、新たなトランジット天体の検出には至らなかったが、和歌山大学におけるトランジット観測体制の強化を図るという目的を果たし、これからの課題も浮き彫りにし

た。

本研究では、精度の向上と、系外惑星の発見を目標とした。系外惑星発見のためには、

トランジット法における1%の測光精度を達成し、減光を捉えられるようになることが最初のステップである。トランジット法で予想される減光率は、木星程度の惑星で概ね

1%程度とされているが、これまでの卒論では、定量的にこの1%の減光を捉えるほど

の精度は出せていない。(柴原 2005では約3%の減光を捉えた。)そこで、まずはこれを目標とした。それを達成し、系外惑星の発見を目指すことで、和歌山大学におけるト

ランジット観測体制の一層の強化と、トランジット観測ネットワークに貢献したいと考

えている。

本論文では、いくつかのトランジット候補天体の観測、測光結果を通じて、試行錯誤し

た観測、解析方法を中心に報告していく。

1.1 太陽系外惑星とは

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太陽以外の恒星の周りを回る天体のことである。

今まで見つかった系外惑星は、エキセントリックプラネット、ホットジュピター、ス

ーパーアースなどに分類される。

現在でも次々と新しい系外惑星がみつかっている。中には水が存在するような惑星も

発見されている。

・ エキセントリックプラネット

彗星と似た、とても細長い軌道を持つのが特徴の系外惑星。質量は一般に土星や

木星並みか、それよりも大きい。HD222582bを例に挙げると、最も恒星に近いところでは、水星ほどに近づき、遠いときには火星や木星あたりまで遠ざかる。その

ため、最も近づいたときは 180℃にまで達し、遠ざかったときには-90℃にまで下がる。

発見された系外惑星の約 70%がこれにあたる。

・ ホットジュピター

 質量は木星と同じくらいかそれ以上で、木星のようなガスでできた惑星。一般に

楕円軌道を持つ。(エキセントリックとは違い、真円に近い。)そして、恒星に非

常に近いところを数日という周期で回っている。そのため、温度が非常に高い。

温度が 1000℃に上るものや、中には恒星の熱で蒸発しつつあるものも発見されている。

 発見された系外惑星の約 30%がこれにあたる。

・ スーパーアース

地球のような岩石質の惑星だが、質量は 5~20倍になる。岩石と氷で出来ていると考えられている。ただし、質量が太陽よりも軽い M型矮星の周りにしか見つかっていない。発見数はごくわずか。

なお、木星と同じくらいの距離のところを、同程度の質量を持った惑星が存在してい

る場合、この惑星系を太陽系類似惑星系と呼んでいる。

1.2 太陽系外惑星の発見方法

   ここでは、太陽系外惑星の観測方法を示す。

・ 直接撮像

中心星と惑星を空間的に分解して直接写真に収める方法。

現在の観測技術では難しく、成功例はない。

仮に、太陽系を 10pcの距離に置いたとすると、木星の明るさは、27~28等級に

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なる。スバル望遠鏡のような大口径望遠鏡ならば、理論的には検出が可能であるが、

実際は太陽が明るすぎるので、可視光では分離できない。よって成功例はない。しか

し、直接撮像による方法ではないが、アメリカの赤外線宇宙望遠鏡 Spitzerは、赤外線で惑星と恒星のスペクトルデータをとり、そこから恒星のスペクトルデータを引く

という方法で、惑星のスペクトルデータを求めた。(図 1.2.1)明るすぎる恒星に対応するためにこのような方法も考えられている。

図 1.2.1 スペクトルの差から求められる惑星のスペクトル

・ アストロメトリ法

恒星が惑星を持っているとき、恒星と惑星はその共通重心をお互いに公転する。そ

のため、惑星が存在すれば、恒星は天球上をわずかにふらつく。そのふらつきを空間

的に捉える方法。

系外惑星の探査が始まった 1940年代では積極的にこの方法が行われていた。しかし、現在の観測技術では難しく、成功例はない。

・ ドップラー法

恒星が惑星を持っているとき、恒星と惑星はその共通重心をお互いに公転する。そ

のために、惑星が存在すれば、恒星は天球上をわずかにふらつくことになり、ドップ

ラー効果が起こる。そのときの波長のずれから恒星の視線速度の変化を捉える方法。

大口径の望遠鏡と超高分散の分光器などの特別な装置が必要。

重く、軌道半径の小さい惑星ほど、恒星のふらつきが大きくなるために、ホットジュ

ピターを見つけやすい。

約 200個の系外惑星がこの方法で発見されている。最初に発見された系外惑星、51 Peg bもこの方法で見つけられた。

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図 1.2.2 ドップラー法 恒星(光源)が回るとき、地球でとの相対的なスピードの差によって、ドップラー

効果が表れることを示した図

・ トランジット法

惑星が恒星の前を通過する(transit)とき、惑星が恒星を覆い隠すため、恒星の明るさが一時的に減光する。この減光を捉える方法。(図 1.2.3)惑星の軌道面が地球から見て真横である必要があり、また周期に対してトランジッ

トを起こしている時間がとても短いので、検出確率は低い。

2008年 1月までの検出数は 35個。

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図 1.2.3 トランジット法惑星の恒星面通過が起こる際に減光が起きることを示した図。左図では公転軌道面が視

線方向に平行なためにトランジットが起こり、減光する。右図では、公転軌道面が視線方

向に垂直になっているために、トランジットは起きない。

・ マイクロレンズ法

ある恒星1の前に、別の恒星2が視線方向に重なるように通過すると、恒星2の持

つ重力が凸レンズのような働きをして、光がわずかに屈折する。その結果、恒星 1の光が僅かに増光したように見える。これを重力レンズ効果と言う。この重力レンズ効

果を起こした恒星 2が惑星を持っていると、惑星の重力によってもレンズ効果を起こした増光の様子が見られる。この増光を捉える方法。

検出確率は極めて低いため、2008年 1月までの検出数は 4個のみ

2. 観測2章では、観測機器、対象天体、観測記録にわけて観測の説明を行う。

2.1 観測機器 観測には、和歌山大学屋上天文台(東経 135°09′08.4″、北緯 34°15′59.8″)の 60cm反射望遠鏡を用いた。天体の撮像には、SBIG社製電子冷却 CCDカメラ ST-9 E(図

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2.1)を用い、WindowsPCマシン上のCCDOPSv.5で制御を行った。使用した望遠鏡と、CCDカメラの詳細を表 2.1.1、2.1.2に示す。

表 2.1.1 三鷹光器製望遠鏡の諸元形式 カセグレン式反射望遠鏡

主鏡(口径) 600mm焦点距離 f=7800mm口径比 F/13

表 2.1.2 冷却CCDカメラ SBIG社製

2.2 対象天体

対象天体はトランジットネットワークが、ドップラー法の結果をもとにリストアップ

しているものの中から選んだ。系外惑星の探査は第 2の地球探しが目的の1つであるために、対象の恒星はすべて太陽とスペクトル型が似ているものがリストアップされてい

る(太陽のスペクトルはG2型)。トランジット観測では、相対的な明るさの変動を捉えるために、視野内に、対象天体と

は別に同程度の明るさを持つ天体(参照星)が必要である。参照星が変光星だと明るさの

比較に使えないので、参照星は視野内に複数個入れたい。和歌山大学屋上望遠鏡に CCDカメラを取り付けたときの視野は、一辺が約 4.5arcminである。これは非常に狭い視野

であるが、なんとか対象天体の近くに参照星候補となる天体があるものを選んだ。また

観測する天体の高度があまりに低いと、観測が難しくなるために赤緯(DEC)が-15度よりも低いものは避けた。

そ し て 、 リ ス ト ア ッ プ さ れ た 天 体 を 吟 味 し た 結 果 、

HD104263、HD355183、HD222986を選んだ。観測天体が変わっているのは、時期によって見える天体が異なるためである。また、1夜限りであるが、トランジットネッ

トワークによる観測要請を受け、HD60234の観測も行った。次ページに、実際に天体を撮った画像と、それぞれ観測天体の諸元を示す。

型名 ST-9 Eチップサイズ 4.52×4.52(mm)フォーマット 512×512(pixel)ピクセルサイズ 20×20(μm)

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図 2.2.1 HD104263を撮像したもの

表 2.2.1 HD104263諸元恒星名 HD104263

赤経(R.A J2000) 12 h 0 m 27.46 s

赤緯(Dec J2000) -4 d 32 m 55.7 s

V等級 8.22色指数(B-V) 0.74スペクトル型 G5

年周視差(1/1000″) 23.36

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図 2.2.2 HD355183を撮像したもの

表 2.2.2 HD355183諸元恒星名 HD355183

赤経(R.A J2000) 20 h 13 m 54.72s

赤緯(Dec J2000) +16 d 55 m 29.6s

V等級 9.42色指数(B-V) 0.63スペクトル型 G0

年周視差(1/1000″) 9.06

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図 2.2.3 HD222986を撮像したもの

表 2.2.3 HD222986諸元恒星名 HD222986

赤経(R.A J2000) 23 h 45 m 35.02s

赤緯(Dec J2000) +40 d 26 m 36.6s

V等級 8.8色指数(B-V) 0.63スペクトル型 G5

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年周視差(1/1000″) 13.88

図 2.2.4 HD60234を撮像したもの

表 2.2.4 HD60234諸元恒星名 HD60234

赤経(R.A J2000) 7 h 35 m 16.12 s

赤緯(Dec J2000) 40 d 30 m 23.1 s

V等級 7.71色指数(B-V) 0.66スペクトル型 G0

年周視差(1/1000″) 9.05

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2.3 観測記録

トランジットネットワークによるトランジット予報日があったが、過去に予報された

もので、誤差が非常に大きくなっていた。そのため予報に限らず快晴時にはなるべく観

測をするように努めた。表 2.3.1、表 2.3.2、表 2.3.3、表 2.3.4にそれぞれの天体の観

測記録を示す。

観測には、主に赤外線波長の光を通す、Cousins Iフィルター(Ic)を用いた。感度が

最も良いのは Cousins Rフィルター(Rc)だが、これを用いると8等級程度の明るさの天体に対しては、ほんの数秒で光量が飽和してしまう。そのため、やや感度の悪い Icを用いた。また、Icの方が大気透過力が強いので、この点でも有利である。

表 2.3.1 観測記録(HD104263)対象天体:HD104263

観測日 2007/5/20 2007/5/21 2007/5/22 2007/12/26 2008/1/9 2008/2/10気温 20℃ 20℃ 20℃ 10℃ 10℃ 10℃

Focus(flat撮影

時)25.85 25.85 25.85 25.40 25.33 40.85

フィルターJohnsonV Cousins I

JohnsonV Cousins I

JohnsonV Cousins I

Cousins I Cousins I Cousins I

CCD冷却温度 -3℃ 0℃ -3℃ -9.79℃ -18℃ -20℃

HD104263撮影枚数5 枚

420 枚

5 枚

420 枚

5 枚

418 枚360 枚 613 枚 300 枚

ダーク撮影枚数 29 枚 15 枚 20 枚 21 枚 38 枚 22 枚

フラット露出時間×撮影枚数

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚8 秒×7 枚 8 秒×7 枚 8 秒×10 枚

フラット用ダーク露

出時間×撮影枚数10 秒×5 枚 10 秒×5 枚 10 秒×5 枚 8 秒×7 枚 8 秒×7 枚 8 秒×11 枚

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表 2.3.2 観測記録(HD355183)対象天体:HD355183

観測日 2007/9/12 2007/10/2 2007/10/52007/10/1

12007/10/12

気温 27℃ 25℃ 25℃ 22℃ 22℃Focus(flat撮影時) 26.1 26.15 26.15 25.88 25.90

フィルターJohnsonV Cousins I

JohnsonV Cousins I

JohnsonV Cousins I

Cousins I Cousins I

CCD冷却温度 -2.74℃ -3.16℃ -3.16℃ -5.23℃ -5.23℃

HD104263撮影枚数5枚

850 枚

5 枚

346 枚

5 枚

610 枚670 枚 450 枚

ダーク撮影枚数 25 枚 10 枚 20 枚 45 枚 15 枚

フラット露出時間×撮影枚数

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚

10 秒×7枚

10 秒×7枚

10 秒×10枚

8 秒×5 枚

フラット用ダーク露

出時間×撮影枚数10 秒×5 枚 10 秒×15 枚 10 秒×15 枚

10 秒×15枚

8 秒×15 枚

表 2.3.3 観測記録(HD222986)対象天体:HD222986

観測日 2007/11/19 2007/11/25気温 11℃ 13℃

focus(flat撮影時) 25.65 25.61

フィルターJohnsonVCousins I

Cousins I

CCD冷却温度 -3.16℃ -3.16℃

HD104263撮影枚数5枚

680 枚

5 枚

450 枚

ダーク撮影枚数 25 枚 75 枚

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フラット露出時間×撮影枚数

10 秒×5 枚

10 秒×5 枚7 秒×11 枚

フラット用ダーク露

出時間×撮影枚数10 秒×5 枚 7 秒×15 枚

表 2.3.4 観測記録(HD60234)対象天体:HD60234

観測日 2007/12/17気温 11℃

focus(flat撮影時) 25.48フィルター Cousins I

CCD冷却温度 -4.82℃HD104263撮影枚数 418 枚

ダーク撮影枚数 22 枚

フラット露出時間×撮影枚数

5 秒×5 枚

フラット用ダーク露

出時間×撮影枚数5 秒×5 枚

3. 画像の整約この章では画像の整約、測光の方法について、その処理の順に概念的に説明していく。

尚、画像の整約、測光には RedHat9上にある IRAF(Image Reduction and Analysis Facility)v2.12.2を使用した。

画像の整約

撮像した画像は、天体の光以外に様々なノイズを含んでいる。そのためにそのままで

は使えない。これを使える画像にすることを、画像を整約するという。画像の不要な成

分として、ダーク、バイアス、スカイがあり、感度補正のためにフラットフィールド補

正を行う。画像処理を行う順にそれぞれの説明をしていく。

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図 3.1 天体画像に発生するノイズの概念図

ダーク、バイアス処理

冷却CCDカメラでは、シャッターを閉じている場合でも、CCD周辺から熱的にノイズ

が発生してしまう。これを暗電流(一般にダーク)と呼ぶ。ダークは温度に依存して発生

する。そのために、CCDチップを冷却することが、最も効果的な対策であるが、ST-9 Eは簡単な空冷ファンをつけているだけなので、冷却が不十分であり、ダークを完全に取

り除くことが出来ない。そのために、ダーク処理を行う必要がある。

まずダーク処理は、天体を暗電流のみを撮影した(ダークフレーム)を取得する。取得

したダークフレームは 1 枚ではランダムノイズが乗るので、複数枚のダークフレームを

重ね合わせ、各ピクセルに対して中央値を取るようにした(メジアンフィルタリング)。

その後、ライトフレームから、重ね合わせたダークフレームを引くことで行った。

時間経過によって少しずつ気温が変わると考えて、ダークフレームは概ね 1時間に 5枚~11 枚(奇数枚)取得した。

 また、STシリーズのフレームには、カウント値におおよそ 100の値を上乗せさせて

いる。これをバイアス値と呼ぶ。バイアスは、どんなフレームにも必ず乗るので、ライ

トフレームから、ダークフレームを引くことで、ダークとバイアスの処理の両方を行う

になる。

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フラットフィールド補正

撮像した画像は、明るくよく写っているところもあれば、暗く写っている部分もある

など、光量のムラがある。この原因は、CCDチップの感度がピクセルごとに異なること

が大きい。(厳密に言えば 1ピクセル内でも異なる。)また、保護ガラスやフィルター

についたほこりなども原因の一つである。そこで、この光量のムラを取り除くために、

フラットフィールド補正を行う。

まず、フラットフィールド(以下 フラット)と呼ばれる CCDチップに一様な光を入射して撮像した画像を撮る。取得したフラットからダークを取り除く。その後、フラッ

トの値が1に近くなるようにフラットをフラットの平均値で割って規格化する。(感度

ムラを補正するならば、天体画像をこのフラットで割れば良いのだが、このまま割ると、

もとの天体のカウント値を損なうことになるため。)そして、画像を重ね合わせてラン

ダムノイズを減らしたフラットで天体画像を割る。

フラットには夕方・明け方(薄明時)の快晴時の空を撮像して得る、トワイライトフ

ラットを用いた。

フラットは露出時間 8~10 秒で、1万~3万カウント程度のものを最低でも 5 枚(奇数

枚)は撮るようにした。

スカイ処理

フラット補正までした画像には、背景光のカウント値の上に、天体の光のカウント値

が乗っている。背景光には、大気の発光(自然夜光)、都市光の散乱、遠方からの天体の

光、黄道光などが考えられ、一般にスカイと呼ぶ。本来の天体の光量を測るには、スカ

イも不要な成分である。冷却 CCDカメラの視野は一辺が非常に狭いので、視野内でスカ

イの値は一定と考え、ある定数を引いた。

スカイの値の決め方には2通りの方法を用いた。

① 画像の中の最頻値をとる方法

画像上のほとんどの部分はスカイと考え、そこで、最も多いカウント値をスカイ

の値とする方法である。

まず、スカイの値を決めたい画像で、カウント値の頻度分布を描き、その曲線の

頂点を読み取ってスカイの値とした。

② 画像の中の平均値をとる方法

画面上のほとんどの部分はスカイなので、平均をとるという方法。しかし、画像

全体の平均をとると、天体のカウント値も平均に加えられ、平均値がその値にひっ

ぱられてしまう。そこで、まず画像から標準偏差 σの3倍の値を取り除く(こうす

18

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ることでスカイに比べて圧倒的に明るい天体のカウント値を消すことが出来る。)

そして、取り除いた後の画像の平均値をスカイとした。

どちらのほうがスカイとして正確な値が出るかについては、議論がいる。しかし、

①の方法は画像1枚1枚の値を、自分の目で読み取る必要があり、②の方法に比べ

て非常に時間と手間がかかる。

4. 測光トランジット観測では、対象天体の明るさの変化を求めることが必要である。そのた

めにまず天体の明るさを機器等級として数値化し、参照星の明るさと比較する。

4.1 機器等級の算出

機器等級の算出は、flux(カウント値)を Iと表し、等級をmとして   m=-2.5logI+const(constは定数)(ここで logは底が 10の常用対数)という関係(ポグソンの式)を利用して求めた。なお、算出の際には constの値を 25とおいたが、この値は参照星との等級差をとることで、相殺されるので結果には影響しな

い。

4.2 色指数

天体の色が違うと、大気の層を通過してくる時の影響の受け方が変わる。そのため擬似

的に等級差に変化が生じる可能性がある。そこで、対象天体と参照星の色を見比べておく

必要がある。これには、V- Iの色指数を使う。色指数は一般に、波長の短い帯域

(band)での等級から、波長の長い方の帯域の差で示され、単位には等級を用いる。比

べたとき、値が大きくなるほど、赤い色に相当する。絶対値に意味はなく、互いの比較

に意味がある。結果に表す V-Iの値も色指数を示す。

4.3 測光方法

 測光方法には、IRAFのパッケージ noao、digiphot、apphotを利用して、アパーチャー測光と呼ばれる方法を用いた。

星は点像のはずだが、大気のゆらぎが原因で実際は広がった像に写る。その広がりを

示す表現に FWHM(Full Width at Half Maximum)というものがある。これは、1/2ピーク値で囲った円の直径のことで、星像がどれぐらいの広がりをもつかを示している。

単位は、ここではピクセルで表す。(図 4.2.2)FWHMが小さいほどシャープな画像と

いうことになり、大気のゆらぎ具合、焦点の合い具合で変化する。

19

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アパーチャー測光ではこの FWHMの値を基に、様々なパラメータを設定していく。

4.4 測光精度向上の工夫

前述のとおり、アパーチャー測光では、その中で特に重要なのが、星像を測光する領域

と、スカイを測光する領域の決め方である。この値の決め方は測光の精度を左右する。

スカイは FWHMの 3倍の値から半径 5ピクセルを採用した。しかし、星像を測光する領

域の決め方には、定量的な方法がなかった。そこで、2007年 10月 2日の観測データを使って、FWHMのそれぞれ 1.0、2.0、2.5、3.0倍の開口半径をとって試験的に測光を行

なった。

図 4.4.1 HD355183の 0.5FWHMにおける変光曲線(観測日 2007年 10月 2日)

HD355183_0.5FWHM (2007/ 10/ 2)

- 1.2- 1.18- 1.16- 1.14- 1.12-1.1

- 1.08- 1.06- 1.04- 1.02

-1

77.27 77.29 77.31 77.33 77.35

J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

1系列

図 4.4.2 HD355183の 1.0FWHMにおける変光曲線(観測日 2007年 10月 2日)

20

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HD355183_1.0FWHM (2007/ 10/ 2)

- 1.14-1.13-1.12-1.11- 1.1

-1.09-1.08-1.07-1.06-1.05-1.04

77.26 77.28 77.3 77.32 77.34 77.36

J D- 2454300

differ

ernc

e in

magn

itude

1系列

図 4.4.3 HD355183の 2.0FWHMにおける変光曲線(2007年 10月 2日)

HD355183_2.0FWHM (2007/ 10/ 2)

- 1.14- 1.13- 1.12- 1.11- 1.1

- 1.09- 1.08- 1.07- 1.06- 1.05- 1.04

77.26 77.28 77.3 77.32 77.34 77.36

J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

1系列

図 4.4.4 HD355183の 2.5FWHMにおける変光曲線(2007年 10月 2日)

21

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HD355183_2.5FWHM (2007/ 10/ 2)

-1.14-1.13-1.12-1.11-1.1

-1.09-1.08-1.07-1.06-1.05-1.04

77.27 77.28 77.29 77.3 77.31 77.32 77.33 77.34

J D-2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

1系列

図 4.4.5 HD355183の 3.0FWHMにおける変光曲線(2007年 10月 2日)

HD355183_3.0FWHM (2007/ 10/ 2)

- 1.14- 1.13- 1.12- 1.11- 1.1

- 1.09- 1.08- 1.07- 1.06- 1.05- 1.04

77.26 77.28 77.3 77.32 77.34 77.36

J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

1系列

この結果により、あまりに極端すぎる 0.5FWHMと 3.0FWHMの値で測光すると精度が

でないことがわかった。そこで、十分に天体のカウントが乗っている範囲で、ノイズに

22

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引っ張られないように多くのピクセルを測光範 囲とするようにした。(概ね

2.0~2.5FWHM程度)

5. 結果本章では、各天体の色指数、変光曲線を示す。

HD104263図 5.1.1 HD104263の色指数

色指数HD1042

63 star1

V 10.14 12.03I 9.77 10.17

V-I 0.37 1.86

図 5.1.2 HD104263の変光曲線(観測日:2007年 5月 20日)

HD104263 (2007/ 5/ 20)

- 0.45

- 0.44

- 0.43

- 0.42

- 0.41

- 0.4

- 0.39

- 0.38

- 0.37

- 0.36

12.44 12.45 12.46 12.47 12.48

HD-2454200

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.3 HD104263の変光曲線(観測日:2007年 5月 21日)

23

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HD104263(2007/ 5/ 21)

-0.45

-0.44

-0.43

-0.42

-0.41

-0.4

-0.39

-0.38

-0.37

-0.36

13.414 13.424 13.434 13.444 13.454HD-2454200

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.4 HD104263の変光曲線(観測日:2007年 12月 26日)

HD104263(2007/ 12/ 26)_HD-star1

-0.44-0.435-0.43

-0.425-0.42

-0.415-0.41

-0.405-0.4

-0.395-0.39

60.64 60.66 60.68 60.70 60.72 60.74J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.5 HD104263の変光曲線(観測日:2008年 1月 9日)

24

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HD104263(2008/ 1/ 9)_HD-star1

-0.44-0.435-0.43

-0.425-0.42

-0.415-0.41

-0.405-0.4

-0.395-0.39

73.56 73.61 73.66 73.71 73.76

J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

2008年に 2月 10日からは、focal reducerレンズを用いて、望遠鏡の視野を広げて参

照星を増やした。下にHD104263のそれぞれの参照星に対する変更曲線を描く。

図 5.1.6 HD104263と reference_star1との変光曲線

(観測日:2008年 2月 10日)

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HD104263(2008/ 2/ 10)_HD-star1

- 0.45

- 0.44- 0.43

- 0.42

- 0.41

- 0.4

- 0.39

6.29 6.31 6.33 6.35 6.37J D- 2454500

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.7 HD104263と reference2との変光曲線

(観測日:2008年 2月 10日)

HD104263(2008/ 2/ 10)_HD-star2

- 1.23- 1.22- 1.21- 1.2

- 1.19- 1.18- 1.17- 1.16

6.29 6.31 6.33 6.35 6.37J D- 2454500

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.8 HD104263と reference_star3との変光曲線

(観測日:2007年 1月 9日)

26

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HD104263(2008/ 2/ 10)_HD-star3

- 2.42- 2.41- 2.4

- 2.39- 2.38- 2.37- 2.36- 2.35- 2.34

6.29 6.31 6.33 6.35 6.37J D- 2454500

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.1.8 HD104263と reference_star1.2.3全てとの変光曲線

(観測日:2007年 1月 9日)

HD104263(2008/ 2/ 10)_HD-star1.2.3

- 1.37- 1.36- 1.35- 1.34- 1.33- 1.32- 1.31- 1.3

6.29 6.31 6.33 6.35 6.37J D- 2454500

differ

ence

in m

agnit

ude

HD355183図 5.2.1 HD355183の色指数

27

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色指数HD355183 star1 star2

V 12.26 13.24 13.70 I 12.04 13.13 12.97 V-I 0.22 0.11 0.73

図 5.2.2 HD355183の変光曲線_reference_star1(観測日:2007年 9月 12日)

HD355183(2007/ 9/ 12)_HD-star1

-1.170-1.150-1.130-1.110-1.090-1.070-1.050-1.030

56.3 56.35 56.4 56.45 56.5 56.55 56.6J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.2.3 HD355183の変光曲線_ reference_star2(観測日:2007年 9月 12日)

HD355183(2007/ 9/ 12)_HD-star2

-1.030-1.010-0.990-0.970-0.950-0.930-0.910-0.890-0.870-0.850

56.3 56.35 56.4 56.45 56.5 56.55 56.6J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

28

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図 5.2.4  HD355183の reference_star1と reference_star2の比較(観測日:2007年 9月 12日)

star1-star2(2007/ 9/ 12)

0.080.1

0.120.140.160.180.2

0.22

56.3 56.35 56.4 56.45 56.5 56.55 56.6J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.2.5  HD355183の変光曲線_ reference_star1(観測日:2007年 10月 2日)

HD355183 (2007/ 10/ 2)_HD-star1

-1.14-1.13-1.12-1.11-1.1

-1.09-1.08-1.07-1.06-1.05-1.04

77.27 77.28 77.29 77.3 77.31 77.32 77.33J D-2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

29

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図 5.2.6  HD355183の変光曲線_ reference_star2(観測日:2007年 10月 2日)

HD355183(2007/ 10/ 2)_HD-star2

-0.98-0.97-0.96-0.95-0.94-0.93-0.92-0.91-0.9

77.27 77.28 77.29 77.3 77.31 77.32 77.33J D-2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.2.7  HD355183の refference_star1と reference_star2の変光曲線

(観測日:2007年 10月 2日)

HD355183(2007/10/ 2)_star1-star2

0.110.120.130.140.150.160.170.180.19

77.27 77.28 77.29 77.3 77.31 77.32 77.33J D- 2454300

differ

ence

in m

agnit

ude

30

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HD222986

図 5.3.1 HD222986の色指数

色指数HD2229

86 star1 star2

V 11.04 13.33 14.68I 10.80 12.75 14.36

V-I 0.24 0.58 0.32

図 5.3.2  HD222986の変光曲線_ reference_star1(観測日:2007年 11月 19日)

HD222986(2007/ 11/ 19)_HD- star1

- 1.99

- 1.98

- 1.97

- 1.96

- 1.95

- 1.94

- 1.93

- 1.92

- 1.91

24.25 24.27 24.29 24.31 24.33 24.35 24.37 24.39 24.41 24.43 24.45J D- 2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.3.3  HD222986の変光曲線_ reference_star2(観測日:2007年 11月 19日)

31

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HD222986(2007/ 11/ 19)_HD-star2

- 3.6

- 3.58

- 3.56

- 3.54

- 3.52

- 3.5

24.25 24.27 24.29 24.31 24.33 24.35 24.37 24.39 24.41 24.43 24.45

J D- 2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.2.3  HD222986の refference_star1と reference_star2の変光曲線

(観測日:2007年 11月 19日)

HD222986(2007/ 11/ 19)_star1- star2

-1.65

-1.63

-1.61

-1.59

-1.57

-1.55

24.25 24.27 24.29 24.31 24.33 24.35 24.37 24.39 24.41 24.43 24.45J D-254400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.3.4  HD222986の変光曲線_ reference_star1(観測日:2007年 11月 25日)

32

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HD222986(2007/ 11/ 25)_HD- star1

-1.99-1.98-1.97-1.96-1.95-1.94-1.93-1.92-1.91-1.9

29.92 29.94 29.96 29.98 30 30.02 30.04J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.3.5  HD222986の変光曲線_ reference_star2(観測日:2007年 11月 25日)

HD222986(2007/ 11/ 25)_HD-star2

-3.6-3.58-3.56-3.54-3.52-3.5

-3.48-3.46

29.92 29.94 29.96 29.98 30 30.02 30.04J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.3.6  HD222986の refference_star1と reference_star2の変光曲線

(観測日:2007年 11月 25日)

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HD222986(2007/ 11/ 25)_star1- star2

-1.68-1.66-1.64-1.62-1.6

-1.58-1.56-1.54-1.52

29.92 29.94 29.96 29.98 30 30.02 30.04 30.06J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

HD60234

図 5.4.1 HD60234の変光曲線_reference_star1(観測日:2007年 12月 17日)

HD60234(2007/ 12/ 17)_HD-star1

-4.500-4.450-4.400-4.350-4.300-4.250-4.200

52.37 52.38 52.39 52.4 52.41J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.4.2 HD60234の変光曲線_reference_star2(観測日:2007年 12月 17日)

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HD60234(2007/ 12/ 17)_HD-star2

-6.000-5.850-5.700-5.550-5.400-5.250-5.100

52.37 52.38 52.39 52.4 52.41J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.4.3 reference_star1と reference_star2の比較(観測日:2007年 12月 17日)

HD60234(2007/ 12/ 17)_star1-star2

-1.800

-1.600

-1.400

-1.200

-1.000

-0.800

52.37 52.38 52.39 52.4 52.41J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

図 5.4.4 HD60234の変光曲線_avg-reference1&2(観測日:2007年 12月 17日)

35

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HD60234(2007/ 12/ 17)_HD-avg_star1&2

-5.200

-5.100

-5.000

-4.900

-4.800

52.37 52.38 52.39 52.4 52.41J D-2454400

differ

ence

in m

agnit

ude

6. 考察・議論精度向上のために行なった、10月 2日の観測データ(図 4.4.1、図 4.4.2、図 4.4.3、図 4.4.4)を見比べてみると、どうやら 0.5FWHMと 3.0FWHMによる結果が、他と比べ

て精度が落ちているようである。CCDカメラには、ピクセルごとに感度ムラがある(図

3.1)。フラットによる補正はかけているが、それを完全に除去することは出来ない。

0.5FWHMの精度が落ちるのは、測光において足し合わせるピクセルの数が少ないため

に、各ピクセルのノイズに値がひっぱられている可能性が高いと思われる。また、天体

の光は気流のみだれにより広がって見えるが、3.0FWHMの開口半径はその広がりの全

てをとるような値である。3.0FWHMの精度が落ちてしまう理由は、近くのほかの天体

の光を含めてしまっていること、ほぼスカイとなっている領域のノイズを多く拾うこと

が考えられる。いずれにせよ、この結果を受けて、あまりに極端な開口半径をとると精

度が悪くなるということがわかった。また、開口半径を大きめとったほうが、曇りによ

るノイズに強いということも見えてくるようだ。しかし、このときのデータだけで断言

することは難しい。

次に各天体の変光曲線について考察していきたい。

まず、HD104263の結果を考察していく。まず、色指数(図 5.1.1)を見ると、参照星は非常に赤い色をしていることがわかる。また、HD104263の色指数と見比べて、1等級以上の差が見られ、色はまったく似ていない。このためこの天体と

reference_star1は地平高度の低いところでの観測にはあまり適していないようである。

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さておき、5月の観測結果(図 5.1.2、図 5.1.3)を見てみると、若干うねる様子が見え

る。次に、12月 26日の観測結果(図 5.1.4)では、一見すると 0.02等級ほどの減光が見られ、トランジットの入りの時刻を捉えたようにも見える。しかし、1月 9日の観測結果(図 5.1.5)を見てみると、徐々に、その明るさが変動している様子が見られる。これ

らの結果を総合的に判断して、HD104263の参照星は変光星である可能性が高い。よってこの星は参照星としては不適当だと考えられる。しかし、確かに減光が見られたとい

うことで、疑わしい天体であることには間違いはない。そのため、今後の対策としては、

CCDカメラの視野を広げ、別の参照星(reference_star2)をとることで、明るさの変動を見ていくという方法がある。そこで、2008年の 2月 10日に focal reducerレンズを用いて、視野を広げて観測を行なった。これは、今後の観測で focal reducerレンズが使用できるかの実験も兼ねている。結果は、HD104263にトランジットは起こらなかった。しかし、測光精度の面で、十分実用的なデータを示すことが出来た。今後の観測では、

この focal reducerレンズを用いて視野を広げた観測が主流になるだろう。

次に、HD355183の結果を考察していく。まずは HD355183の色指数(図 5.2.1)を見ていく。対象天体と参照星 1とは、色指数が 0.1等級の差となり、色が似ている。参照星 2は若干赤い色をしていることがわかる。次に、9月 12日の観測結果を見ていく、HD-star1(図 5.2.2)とHD-star2(図 5.2.3)では結果が異なる。HD-star1の結果と、star1と star2を比べた結果を総合的に判断すると、どうやら star1は変光星であるようにも見える。しかし、10月 2日の観測データを見てみると、HD、star1、star2のどの天体も明るさに変化は内容である。この天体に関しては、まだ何も言えないよう

な状況なので、これからも観測結果を増やして、判断していく必要がある。

次にHD222986を見ていく。

最後に HD60234を見ていく。この天体はネットワークから要請を受けたものだったが、

この日の天気は雲が多く、また明るさの似ている参照星をとることができなかったため

に、十分検証が可能な観測データを得ることが出来なかった。トランジットが観測でき

る精度は得られていないが、図 5.3.4を見ると、徐々に暗くなっていく様子が見える。こ

れを見ると、大気の通過の影響を強く受けている様子がよくわかる。

7. まとめ以上より、HD104263、HD355183、HD222986、HD60234についてトランジット観測を行なった。本研究後半においては±1%以内の精度が十分に得られた。しかし、残

念ながら新たなトランジット天体の検出にはいたらなかった。

本研究で得られた精度には、まだ議論の余地がある。今後も仮説、検証を繰り返しなが

ら、より確実で定量的なトランジット観測法が確立されることを期待している。また、

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最後の観測によって、focal reducerレンズの実用性も示すことが出来た。これにより、これまでのトランジット観測において不利であった、望遠鏡の視野の狭さを、ある程度

克服できるようになった。これらの面から見ても、トランジット観測の体制は、磐石な

ものになったと言えるだろう。本研究はその第一歩であると位置づけたい。

これから先も、トランジットによって検出される系外惑星のサンプルも次々と増えて

いくだろう。和歌山大学でも、トランジットネットワークとの連絡を密にして、いよい

よトランジット天体が見つかったという、その日を期待している。

 

資料 何かの参考になることを期待して、今回の観測データの表を貼り付けておきます。

表d.1 HD104263(2007年 12月 27日)の観測結果JST on

2007.12.27JD-

2454400FWHM(HD)

HD104263 star1 HD-

star1running mean

3:25:15 60.64258 6.52 10.049 10.484 -0.435 -0.42573:25:35 60.64281 5.67 10.044 10.463 -0.419 -0.42523:25:56 60.64306 5.74 10.051 10.469 -0.418 -0.42533:26:16 60.64329 6.09 10.052 10.478 -0.426 -0.4263:26:36 60.64352 5.14 10.051 10.474 -0.423 -0.42543:26:56 60.64375 5.24 10.039 10.467 -0.428 -0.4263:27:16 60.64398 5.42 10.044 10.472 -0.428 -0.42493:27:36 60.64421 4.89 10.049 10.473 -0.424 -0.42533:27:56 60.64444 5.88 10.048 10.475 -0.427 -0.4253:28:16 60.64468 6.04 10.056 10.485 -0.429 -0.4253:28:37 60.64492 5.12 10.051 10.481 -0.43 -0.42523:28:57 60.64515 5.28 10.083 10.503 -0.42 -0.4253:29:17 60.64538 6.18 10.062 10.487 -0.425 -0.42573:29:37 60.64561 5.79 10.061 10.481 -0.42 -0.4255

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3:29:57 60.64584 5.59 10.061 10.49 -0.429 -0.42613:30:17 60.64608 6.47 10.071 10.488 -0.417 -0.42573:30:37 60.64631 5.18 10.05 10.482 -0.432 -0.42653:30:58 60.64655 6.22 10.057 10.478 -0.421 -0.42563:31:18 60.64678 6.24 10.049 10.476 -0.427 -0.42653:31:38 60.64701 4.98 10.05 10.481 -0.431 -0.42633:31:58 60.64725 6.07 10.056 10.484 -0.428 -0.42563:32:18 60.64748 6.82 10.059 10.486 -0.427 -0.4263:32:38 60.64771 5.08 10.043 10.466 -0.423 -0.42553:32:59 60.64795 5.37 10.048 10.474 -0.426 -0.42553:33:19 60.64818 5.80 10.044 10.469 -0.425 -0.42513:33:39 60.64841 6.86 10.045 10.47 -0.425 -0.42583:33:59 60.64865 5.58 10.056 10.479 -0.423 -0.42553:34:20 60.64889 7.38 10.042 10.472 -0.43 -0.42583:34:40 60.64912 6.22 10.046 10.471 -0.425 -0.42493:35:00 60.64935 5.26 10.042 10.466 -0.424 -0.42493:35:20 60.64958 6.50 10.051 10.483 -0.432 -0.42463:35:40 60.64981 5.61 10.044 10.466 -0.422 -0.42393:36:00 60.65005 5.80 10.038 10.461 -0.423 -0.42363:36:21 60.65029 7.66 10.056 10.478 -0.422 -0.42433:36:41 60.65052 5.46 10.037 10.469 -0.432 -0.42433:37:01 60.65075 5.52 10.041 10.463 -0.422 -0.42373:37:21 60.65098 5.91 10.036 10.462 -0.426 -0.4243:37:41 60.65122 5.28 10.04 10.461 -0.421 -0.42373:38:01 60.65145 5.16 10.03 10.455 -0.425 -0.42463:38:21 60.65168 5.56 10.047 10.468 -0.421 -0.42343:38:42 60.65192 5.29 10.03 10.455 -0.425 -0.42353:39:02 60.65215 5.82 10.044 10.463 -0.419 -0.42363:39:22 60.65238 5.90 10.042 10.472 -0.43 -0.42493:39:42 60.65262 6.01 10.042 10.464 -0.422 -0.42453:40:02 60.65285 6.01 10.034 10.46 -0.426 -0.42463:40:22 60.65308 5.61 10.039 10.464 -0.425 -0.42453:40:42 60.65331 6.23 10.036 10.459 -0.423 -0.42513:41:03 60.65355 5.59 10.035 10.465 -0.43 -0.42633:41:23 60.65378 6.27 10.04 10.453 -0.413 -0.4255

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3:41:43 60.65402 7.34 10.049 10.471 -0.422 -0.4273:42:03 60.65425 5.89 10.038 10.464 -0.426 -0.4273:42:23 60.65448 6.16 10.033 10.465 -0.432 -0.42743:42:43 60.65471 5.43 10.029 10.455 -0.426 -0.42723:43:03 60.65494 5.72 10.036 10.459 -0.423 -0.42753:43:24 60.65519 7.01 10.036 10.461 -0.425 -0.42743:43:44 60.65542 5.10 10.032 10.463 -0.431 -0.42733:44:04 60.65565 5.17 10.023 10.458 -0.435 -0.42673:44:24 60.65588 5.49 10.03 10.452 -0.422 -0.4263:44:44 60.65611 5.39 10.033 10.461 -0.428 -0.42563:45:04 60.65634 5.21 10.03 10.452 -0.422 -0.42523:45:25 60.65659 5.80 10.027 10.457 -0.43 -0.42573:45:45 60.65682 4.92 10.017 10.447 -0.43 -0.42563:46:05 60.65705 5.44 10.022 10.451 -0.429 -0.42583:46:25 60.65728 4.95 10.025 10.447 -0.422 -0.4253:46:45 60.65751 5.85 10.033 10.457 -0.424 -0.42573:47:05 60.65774 5.49 10.029 10.454 -0.425 -0.42673:47:26 60.65799 6.37 10.025 10.453 -0.428 -0.42633:47:46 60.65822 6.23 10.046 10.464 -0.418 -0.42593:48:06 60.65845 4.78 10.028 10.452 -0.424 -0.42643:48:26 60.65868 4.70 10.032 10.459 -0.427 -0.42733:48:46 60.65891 5.92 10.023 10.452 -0.429 -0.42713:49:06 60.65914 4.88 10.02 10.452 -0.432 -0.4273:49:26 60.65937 6.16 10.032 10.453 -0.421 -0.42653:49:47 60.65962 6.16 10.025 10.454 -0.429 -0.42673:50:07 60.65985 5.32 10.024 10.458 -0.434 -0.42653:50:27 60.66008 6.21 10.038 10.459 -0.421 -0.42543:50:47 60.66031 5.06 10.022 10.446 -0.424 -0.42583:51:07 60.66054 5.38 10.034 10.457 -0.423 -0.42623:51:27 60.66078 5.70 10.025 10.458 -0.433 -0.42643:51:47 60.66101 4.65 10.02 10.445 -0.425 -0.42523:52:07 60.66124 5.80 10.026 10.454 -0.428 -0.42553:52:28 60.66148 5.40 10.021 10.448 -0.427 -0.4253:52:48 60.66171 5.54 10.026 10.449 -0.423 -0.42493:53:08 60.66194 5.03 10.021 10.448 -0.427 -0.4252

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3:53:28 60.66218 5.11 10.02 10.443 -0.423 -0.4253:53:48 60.66241 5.50 10.016 10.441 -0.425 -0.42533:54:08 60.66264 4.80 10.019 10.447 -0.428 -0.42643:54:28 60.66287 6.74 10.021 10.446 -0.425 -0.42653:54:49 60.66311 4.66 10.017 10.438 -0.421 -0.42683:55:09 60.66334 5.21 10.02 10.448 -0.428 -0.42753:55:29 60.66358 5.38 10.028 10.451 -0.423 -0.4273:55:49 60.66381 4.52 10.015 10.441 -0.426 -0.42773:56:10 60.66405 5.17 10.012 10.438 -0.426 -0.42753:56:30 60.66428 4.25 10.023 10.448 -0.425 -0.42823:56:50 60.66451 5.02 10.016 10.442 -0.426 -0.42843:57:10 60.66475 5.82 10.009 10.445 -0.436 -0.4293:57:30 60.66498 6.60 10.011 10.44 -0.429 -0.4283:57:50 60.66521 5.72 10.013 10.441 -0.428 -0.42783:58:10 60.66544 6.20 10.012 10.44 -0.428 -0.42793:58:31 60.66568 4.65 10.01 10.433 -0.423 -0.42793:58:51 60.66591 4.74 10.009 10.439 -0.43 -0.42783:59:11 60.66615 5.29 10.012 10.436 -0.424 -0.42763:59:31 60.66638 3.71 9.999 10.432 -0.433 -0.4283:59:51 60.66661 4.55 10.012 10.439 -0.427 -0.42714:00:11 60.66684 5.23 10.01 10.442 -0.432 -0.42724:00:31 60.66707 4.46 10.012 10.438 -0.426 -0.42654:00:52 60.66731 5.52 10.017 10.444 -0.427 -0.42684:01:12 60.66755 4.49 10.005 10.434 -0.429 -0.42634:01:32 60.66778 4.91 10.009 10.437 -0.428 -0.4264:01:52 60.66801 4.84 10.012 10.434 -0.422 -0.42644:02:12 60.66824 5.43 10.004 10.432 -0.428 -0.42764:02:32 60.66847 5.62 10.007 10.435 -0.428 -0.4274:02:53 60.66872 5.23 10.013 10.437 -0.424 -0.42634:03:13 60.66895 4.70 9.999 10.427 -0.428 -0.42674:03:33 60.66918 5.06 10.013 10.438 -0.425 -0.42664:03:53 60.66941 5.36 10.007 10.436 -0.429 -0.42664:04:13 60.66964 5.14 10.009 10.431 -0.422 -0.42594:04:33 60.66987 4.04 10.013 10.439 -0.426 -0.42664:04:54 60.67012 4.88 10.008 10.44 -0.432 -0.4267

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4:05:14 60.67035 5.40 10.018 10.452 -0.434 -0.42564:05:34 60.67058 4.86 10.01 10.432 -0.422 -0.4254:05:54 60.67081 5.75 10.023 10.444 -0.421 -0.42524:06:14 60.67104 4.88 10.017 10.445 -0.428 -0.42544:06:34 60.67127 5.28 10.011 10.438 -0.427 -0.4254:06:55 60.67152 5.96 10.012 10.437 -0.425 -0.4254:07:15 60.67175 5.09 10.01 10.432 -0.422 -0.42554:07:35 60.67198 4.76 10.008 10.437 -0.429 -0.42594:07:55 60.67221 4.41 10.008 10.435 -0.427 -0.42524:08:15 60.67244 4.24 10.006 10.427 -0.421 -0.42474:08:35 60.67267 5.24 10.007 10.435 -0.428 -0.42474:08:56 60.67292 5.44 10.007 10.431 -0.424 -0.42484:09:16 60.67315 4.56 10.008 10.431 -0.423 -0.42474:09:36 60.67338 4.68 10.005 10.429 -0.424 -0.42454:09:56 60.67361 5.30 10.007 10.434 -0.427 -0.42464:10:16 60.67384 5.20 10.005 10.435 -0.43 -0.42484:10:36 60.67407 5.09 10.01 10.436 -0.426 -0.42424:10:56 60.67431 4.93 10.012 10.434 -0.422 -0.4244:11:17 60.67455 5.30 10.017 10.439 -0.422 -0.42384:11:37 60.67478 4.71 10.015 10.436 -0.421 -0.42394:11:57 60.67501 5.08 10.014 10.443 -0.429 -0.42424:12:17 60.67524 3.47 10.006 10.429 -0.423 -0.4244:12:37 60.67547 4.59 10.019 10.44 -0.421 -0.42274:12:57 60.67571 5.03 10.009 10.434 -0.425 -0.42144:13:17 60.67594 3.64 9.998 10.427 -0.429 -0.41964:13:37 60.67617 4.31 10.01 10.434 -0.424 -0.41824:13:58 60.67641 4.31 10.009 10.433 -0.424 -0.41724:14:18 60.67664 5.23 10.017 10.437 -0.42 -0.4164:14:38 60.67687 5.41 10.014 10.437 -0.423 -0.41474:14:58 60.67711 4.37 10.01 10.434 -0.424 -0.41374:15:18 60.67734 4.49 10.009 10.436 -0.427 -0.41214:24:57 60.68404 5.46 10.013 10.423 -0.41 -0.41064:25:17 60.68427 5.61 10.014 10.422 -0.408 -0.41044:25:38 60.68451 5.02 10.011 10.418 -0.407 -0.41094:25:58 60.68475 4.86 10 10.415 -0.415 -0.4114

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4:26:18 60.68498 5.91 10.005 10.419 -0.414 -0.41064:26:38 60.68521 5.92 10.009 10.421 -0.412 -0.40974:26:58 60.68544 5.09 10.009 10.416 -0.407 -0.40894:27:18 60.68567 3.97 10.011 10.424 -0.413 -0.40884:27:38 60.68590 4.87 10.003 10.411 -0.408 -0.40914:27:59 60.68615 3.74 10.004 10.416 -0.412 -0.40934:28:19 60.68638 4.97 10.008 10.416 -0.408 -0.40884:28:39 60.68661 6.50 10.013 10.426 -0.413 -0.40944:28:59 60.68684 4.50 10.004 10.416 -0.412 -0.40934:29:20 60.68708 5.64 10.012 10.419 -0.407 -0.40944:29:40 60.68731 4.35 10.013 10.418 -0.405 -0.414:30:00 60.68755 4.81 10.009 10.413 -0.404 -0.41094:30:20 60.68778 6.12 10.015 10.421 -0.406 -0.41214:30:40 60.68801 4.27 9.998 10.414 -0.416 -0.41264:31:00 60.68824 5.72 10.009 10.419 -0.41 -0.4124:31:20 60.68847 4.80 10.007 10.414 -0.407 -0.41234:31:41 60.68872 4.96 9.999 10.413 -0.414 -0.41234:32:01 60.68895 5.15 10.001 10.413 -0.412 -0.41244:32:21 60.68918 6.02 10.01 10.423 -0.413 -0.41314:32:41 60.68941 3.26 9.999 10.412 -0.413 -0.41374:33:01 60.68964 3.90 10.014 10.428 -0.414 -0.4134:33:21 60.68987 5.23 10.008 10.424 -0.416 -0.41254:33:41 60.69010 4.54 10.005 10.416 -0.411 -0.41134:34:02 60.69035 4.18 10.007 10.417 -0.41 -0.4124:34:22 60.69058 5.22 10.004 10.417 -0.413 -0.41154:34:42 60.69081 4.54 10.006 10.413 -0.407 -0.41194:35:02 60.69104 5.20 10 10.415 -0.415 -0.4134:35:22 60.69127 5.32 10.003 10.422 -0.419 -0.41184:35:42 60.69150 4.15 9.997 10.416 -0.419 -0.41074:36:02 60.69174 4.01 10.002 10.408 -0.406 -0.40924:36:23 60.69198 4.60 10.003 10.412 -0.409 -0.40984:36:43 60.69221 5.05 10.01 10.414 -0.404 -0.40924:37:03 60.69244 4.10 9.997 10.415 -0.418 -0.41034:37:23 60.69267 4.80 10.014 10.419 -0.405 -0.41044:37:43 60.69291 4.47 10.006 10.423 -0.417 -0.4109

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4:38:03 60.69314 4.43 9.999 10.417 -0.418 -0.41114:38:24 60.69338 5.35 10.014 10.417 -0.403 -0.414:38:44 60.69361 4.29 10.012 10.42 -0.408 -0.4114:39:04 60.69384 3.73 10.012 10.416 -0.404 -0.41124:39:24 60.69407 4.26 10.008 10.42 -0.412 -0.41184:39:44 60.69431 5.60 10.027 10.43 -0.403 -0.41234:40:04 60.69454 6.10 10.009 10.424 -0.415 -0.41324:40:24 60.69477 6.34 10.035 10.454 -0.419 -0.41284:40:45 60.69501 5.08 10.013 10.423 -0.41 -0.41214:41:05 60.69524 5.06 10.007 10.426 -0.419 -0.41264:41:25 60.69547 5.18 10.009 10.416 -0.407 -0.41174:41:45 60.69571 4.40 10.013 10.426 -0.413 -0.41244:42:05 60.69594 4.35 10.007 10.417 -0.41 -0.41244:42:25 60.69617 4.54 10.008 10.418 -0.41 -0.41324:42:45 60.69640 4.25 10.008 10.425 -0.417 -0.41324:43:06 60.69664 4.30 10.009 10.421 -0.412 -0.4124:43:26 60.69687 4.93 10.014 10.425 -0.411 -0.41254:43:46 60.69711 3.82 10.007 10.419 -0.412 -0.41134:44:06 60.69734 3.75 10.004 10.419 -0.415 -0.41164:44:26 60.69757 5.12 10.011 10.421 -0.41 -0.41054:44:46 60.69780 4.51 10.008 10.422 -0.414 -0.40994:45:07 60.69804 5.30 10.017 10.43 -0.413 -0.40994:45:27 60.69828 4.75 10.009 10.427 -0.418 -0.40934:45:47 60.69851 5.03 10.012 10.422 -0.41 -0.40924:46:07 60.69874 5.06 10.013 10.418 -0.405 -0.40924:46:27 60.69897 4.81 10.002 10.419 -0.417 -0.40994:46:47 60.69920 5.22 10.019 10.418 -0.399 -0.40994:47:07 60.69943 4.82 10.009 10.424 -0.415 -0.41074:47:28 60.69968 4.34 10.006 10.41 -0.404 -0.414:47:48 60.69991 4.98 10.013 10.417 -0.404 -0.41034:48:08 60.70014 5.09 10.005 10.419 -0.414 -0.414:48:28 60.70037 4.69 10.011 10.418 -0.407 -0.40974:48:48 60.70060 5.58 9.996 10.413 -0.417 -0.40954:49:08 60.70083 4.19 10.001 10.411 -0.41 -0.40864:49:29 60.70108 4.52 9.998 10.41 -0.412 -0.4079

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4:49:49 60.70131 4.44 9.992 10.409 -0.417 -0.40774:50:09 60.70154 3.51 9.997 10.404 -0.407 -0.40694:50:29 60.70177 5.32 10 10.408 -0.408 -0.40654:50:49 60.70200 5.00 10 10.407 -0.407 -0.40594:51:10 60.70225 3.90 10.001 10.402 -0.401 -0.40564:51:30 60.70248 3.79 9.992 10.403 -0.411 -0.40574:51:50 60.70271 4.32 10.004 10.409 -0.405 -0.4054:52:10 60.70294 3.68 9.996 10.404 -0.408 -0.40424:52:30 60.70317 5.05 10.012 10.415 -0.403 -0.40424:52:51 60.70341 5.27 9.997 10.407 -0.41 -0.40534:53:11 60.70365 4.32 10 10.409 -0.409 -0.40544:53:31 60.70388 4.40 10.005 10.408 -0.403 -0.40464:53:51 60.70411 5.00 10.002 10.404 -0.402 -0.40444:54:11 60.70434 5.29 10 10.404 -0.404 -0.40534:54:31 60.70457 5.30 10.004 10.406 -0.402 -0.40584:54:52 60.70481 5.09 10 10.404 -0.404 -0.40694:55:12 60.70505 4.99 10.008 10.405 -0.397 -0.40764:55:32 60.70528 5.53 10 10.408 -0.408 -0.40874:55:52 60.70551 5.04 9.998 10.412 -0.414 -0.4084:56:12 60.70574 5.01 10.001 10.412 -0.411 -0.40794:56:32 60.70597 6.02 10.014 10.415 -0.401 -0.40754:56:52 60.70620 5.17 10.015 10.416 -0.401 -0.40834:57:12 60.70644 5.69 10 10.411 -0.411 -0.40914:57:33 60.70668 4.92 10.003 10.412 -0.409 -0.40894:57:53 60.70691 4.00 10.001 10.414 -0.413 -0.40884:58:13 60.70714 5.05 9.998 10.409 -0.411 -0.40914:58:33 60.70737 4.72 9.998 10.406 -0.408 -0.40884:58:53 60.70760 5.18 10.012 10.413 -0.401 -0.40874:59:13 60.70784 5.01 10.001 10.414 -0.413 -0.40924:59:33 60.70807 4.64 10.01 10.417 -0.407 -0.40874:59:54 60.70831 4.75 10 10.409 -0.409 -0.40835:00:14 60.70854 4.40 10.001 10.41 -0.409 -0.40785:00:34 60.70877 4.06 9.996 10.405 -0.409 -0.40825:00:54 60.70900 4.70 10.005 10.413 -0.408 -0.40845:01:14 60.70924 4.01 9.998 10.414 -0.416 -0.4086

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5:01:34 60.70947 4.70 9.999 10.407 -0.408 -0.40815:01:54 60.70970 4.58 10.013 10.42 -0.407 -0.40815:02:14 60.70993 5.70 10.013 10.419 -0.406 -0.40765:02:35 60.71017 5.38 10.008 10.416 -0.408 -0.40695:02:55 60.71041 4.90 10.013 10.416 -0.403 -0.40655:03:15 60.71064 3.81 10.003 10.407 -0.404 -0.40665:03:35 60.71087 4.55 9.992 10.405 -0.413 -0.4065:03:55 60.71110 4.45 10 10.411 -0.411 -0.40585:04:15 60.71133 3.53 10.003 10.413 -0.41 -0.40515:04:36 60.71157 4.63 10.002 10.413 -0.411 -0.40465:04:56 60.71181 4.72 10.002 10.41 -0.408 -0.40495:05:16 60.71204 5.09 10.011 10.413 -0.402 -0.40375:05:36 60.71227 4.71 10.006 10.405 -0.399 -0.40465:05:56 60.71250 5.54 10.006 10.41 -0.404 -0.40555:06:16 60.71273 5.00 10.007 10.411 -0.404 -0.40575:06:37 60.71297 4.29 10.007 10.405 -0.398 -0.40555:06:57 60.71321 4.11 9.999 10.41 -0.411 -0.40615:07:17 60.71344 4.98 10.005 10.409 -0.404 -0.40615:07:37 60.71367 4.36 9.994 10.399 -0.405 -0.40685:07:57 60.71390 3.22 10.001 10.415 -0.414 -0.40735:08:17 60.71413 3.63 10.006 10.402 -0.396 -0.40665:08:37 60.71436 4.70 9.995 10.406 -0.411 -0.40745:08:58 60.71461 4.25 10.002 10.41 -0.408 -0.40685:09:18 60.71484 3.99 10.006 10.412 -0.406 -0.40615:09:38 60.71507 5.93 10.018 10.42 -0.402 -0.40615:09:58 60.71530 5.37 10.004 10.408 -0.404 -0.4075:10:18 60.71553 4.90 9.996 10.407 -0.411 -0.40725:10:38 60.71576 4.94 9.996 10.407 -0.411 -0.40715:10:59 60.71601 4.90 9.997 10.407 -0.41 -0.40645:11:19 60.71624 4.54 10 10.407 -0.407 -0.40515:11:39 60.71647 4.98 10.002 10.406 -0.404 -0.40455:11:59 60.71670 4.94 10.003 10.408 -0.405 -0.40445:12:19 60.71693 4.64 9.998 10.399 -0.401 -0.40495:12:39 60.71716 4.19 9.997 10.403 -0.406 -0.40485:13:00 60.71741 4.07 9.99 10.401 -0.411 -0.4038

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5:13:20 60.71764 5.80 10.001 10.407 -0.406 -0.4035:13:40 60.71787 4.42 9.992 10.402 -0.41 -0.40345:14:00 60.71810 4.50 10 10.404 -0.404 -0.40325:14:20 60.71833 4.70 10.003 10.4 -0.397 -0.4035:14:40 60.71856 5.08 10.001 10.402 -0.401 -0.40345:15:01 60.71881 4.57 9.996 10.399 -0.403 -0.40365:15:21 60.71904 5.40 9.994 10.404 -0.41 -0.40415:15:41 60.71927 4.37 9.996 10.396 -0.4 -0.40365:16:01 60.71950 4.57 10 10.396 -0.396 -0.40395:16:21 60.71973 4.94 9.999 10.402 -0.403 -0.40485:16:41 60.71997 4.96 9.997 10.407 -0.41 -0.40455:17:01 60.72020 5.75 9.998 10.406 -0.408 -0.40395:17:22 60.72044 4.21 10.002 10.404 -0.402 -0.40325:17:42 60.72067 3.46 10.003 10.404 -0.401 -0.40375:18:02 60.72090 3.48 10.005 10.408 -0.403 -0.40465:18:22 60.72113 5.06 10 10.408 -0.408 -0.40565:18:42 60.72137 4.34 10.007 10.412 -0.405 -0.40515:19:02 60.72160 4.19 10.001 10.404 -0.403 -0.40545:19:22 60.72183 5.05 10.013 10.418 -0.405 -0.40585:19:42 60.72206 4.98 10.002 10.402 -0.4 -0.40595:20:03 60.72230 3.92 10.001 10.405 -0.404 -0.40625:20:23 60.72253 4.80 10.007 10.408 -0.401 -0.40625:20:43 60.72277 4.40 10 10.407 -0.407 -0.40755:21:03 60.72300 4.83 10.001 10.411 -0.41 -0.40755:21:23 60.72323 3.39 9.997 10.41 -0.413 -0.40665:21:43 60.72346 4.45 9.999 10.402 -0.403 -0.40595:22:03 60.72369 3.63 9.999 10.407 -0.408 -0.40625:22:24 60.72394 4.22 10.001 10.408 -0.407 -0.40575:22:44 60.72417 5.45 10.013 10.419 -0.406 -0.40555:23:04 60.72440 3.97 10.01 10.413 -0.403 -0.40535:23:24 60.72463 5.78 10.018 10.422 -0.404 -0.4065:23:44 60.72486 4.53 10.002 10.416 -0.414 -0.40625:24:04 60.72509 5.10 10.012 10.419 -0.407 -0.40595:24:24 60.72532 5.66 10.03 10.431 -0.401 -0.40655:24:44 60.72556 4.70 10.012 10.418 -0.406 -0.4066

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5:25:05 60.72580 5.12 10.015 10.421 -0.406 -0.40755:25:25 60.72603 5.95 10.021 10.424 -0.403 -0.40775:25:45 60.72626 4.93 10.025 10.43 -0.405 -0.40855:26:05 60.72649 5.34 10.02 10.424 -0.404 -0.40955:26:25 60.72672 5.23 10.011 10.421 -0.41 -0.41055:26:45 60.72696 4.83 10.015 10.421 -0.406 -0.4115:27:06 60.72720 4.32 10.015 10.426 -0.411 -0.4125:27:26 60.72743 4.05 10.011 10.424 -0.413 -0.41215:27:46 60.72766 5.57 10.016 10.418 -0.402 -0.41275:28:06 60.72789 5.47 10.01 10.425 -0.415 -0.41325:28:26 60.72812 4.72 10.01 10.418 -0.408 -0.41345:28:46 60.72836 5.22 10.006 10.417 -0.411 -0.41385:29:06 60.72859 5.51 10.006 10.421 -0.415 -0.41435:29:27 60.72883 4.23 10 10.414 -0.414 -0.41395:29:47 60.72906 4.61 9.998 10.413 -0.415 -0.41375:30:07 60.72929 4.24 10.001 10.417 -0.416 -0.41425:30:27 60.72953 4.12 9.996 10.408 -0.412 -0.41455:30:47 60.72976 4.16 9.992 10.411 -0.419 -0.41485:31:07 60.72999 4.84 9.999 10.406 -0.407 -0.4145:31:27 60.73022 5.20 10.003 10.42 -0.417 -0.41425:31:47 60.73045 5.46 10.02 10.432 -0.412 -0.41415:32:08 60.73069 6.22 10.009 10.425 -0.416 -0.4148

5:32:28 60.73093 4.25 10.004 10.415 -0.411-

0.414666667

5:32:48 60.73116 3.86 9.996 10.408 -0.412 -0.415125

5:33:08 60.73139 4.29 9.995 10.415 -0.42-

0.415571429

5:33:28 60.73162 4.16 9.999 10.418 -0.419-

0.414833333

5:33:48 60.73185 3.50 9.998 10.413 -0.415 -0.4145:34:08 60.73208 3.73 9.993 10.404 -0.411 -0.413755:34:29 60.73233 4.41 9.996 10.405 -0.409 -

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0.414666667

5:34:49 60.73256 4.60 9.994 10.41 -0.416 -0.41755:35:09 60.73279 5.56 9.987 10.406 -0.419 -0.419

付録観測工程

1. 気流の発生を抑えるために、観測を始める1時間以上前にはドームを開放する。

2. 望遠鏡のカバーを外し、スイッチを入れ、焦点を合わせておく。同時に PCを立

ち上げ、冷却CCDカメラの冷却を始める。→CCDの冷却可能な温度は、気温によって左右される。設定温度は、概ね冷却出

力の70%程度になるように設定した。(冬場はカメラに結露が生じやすいので、

徐々に設定温度をさげていくようにした。)

→デスクトップ上には観測年月日を入れたフォルダを作っておく。3. (夕方に観測を始める場合)フラット撮影をする。

→カメラは毎回取り外すために、フラット撮影は観測日ごとに行なう。

→追尾がかかっている場合はフラットにならないので、必ず追尾が切られている

ことを確認する。

→焦点を最も観測の近い日のものに合わせておく。→その日、撮影に用いる予定それぞれのフィルターでフラットを撮る。複数のフ

ィルターでフラットを撮る時は、波長の短いものから撮るようにする。

→フラット撮影時のカウント値は 10000~30000カウント程度になるようにして、撮影する。但し、シャッターの開閉時間によるムラをなくすためにも、露出

時間は 5 秒以上を確保する。また、撮影枚数が多いほどランダムノイズが減る。

→フラットが撮り終えた後も、薄明はしばらく続くので、その間、可能な限りの

ダークを撮っておく。

4. 目標の天体を視野にいれ、焦点を合わせる。

→焦点は日によって少しずつずれるので、毎回合わせる。天体はおおよそ無限遠

方にあるので、天体ごとの焦点はない。

5. 自動撮像を開始する。

→撮影時につけるファイル名には、後で見てわかりやすい名前をつける。(天体

名、バンド、露出時間、ダークなど)

→ライトフレームをある程度撮像したら、ダークフレームを撮る。ダーク撮影枚

数が増えるほどランダムノイズは減る(撮影枚数を nとすると、ノイズは1/√n

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になる)が、観測時間も減るので兼ね合いを考える。

→望遠鏡は追尾をしているが、完全でないために徐々に画像の中の天体の位置は

ずれてくる。修正することを忘れない。

6. フラット撮影をする(明け方の場合)

→夕方と基本的に同じ。但し、徐々に明るくなるので、早朝のフラットは波長の

長いほうから撮る

7. 観測の終了

→すべて観測前の状態にもどしてから帰る。特に追尾スイッチの切り忘れをしな

い。

解析工程

まず、観測用のWindows PC(neptune)から、解析用のUNIX PC(saturn)にファ

イルを転送する。その後、画像の整約→測光を行なっていく。さらに、測光して等級を取

り出したファイルから、再び Windows PCの表計算ソフト Excelでグラフや表を作成した。すべてを書き出すことはしないが、ここでは、少しテクニカルなところを記述する。

なお、灰色の網掛けをしているところは、UNIX コマンドや、フォートランプログラムを

書いており、これらは基本的に半角で記述している。実際のUNIXの表示画面と少し異な

るところがあるので戸惑うかもしれないが、そこは寛容になってほしい。

1.ファイル転送

UNIX コマンドの scpを使ってファイル転送を行なう。

その一例を示す。

まず、neptune上のデスクトップにある、xhomeと書かれたフォルダに、観測デー

タの入っているフォルダ(20080401など)を放り込む。(念のために、コピーして放

り込んだほうが良い。)

次にショートカットキーのコンソール(file転送)を選択する。(もし、ない場合は

XonWindowsというアプリケーションをスタートメニューから選ぶ。)すると、UNIXマシンのターミナルとそっくりな画面が立ち上がる。(このアプリケーションソフトは、

windows上で、UNIX コマンドを使えるターミナルを立ち上げるソフトである。)

これを立ち上げたときに、最初にいるのが xhomeというフォルダ(ディレクトリ)である。そこで、

lsと打つと、最初に放り込んだディレクトリ(20080401)が表示されるはずである。この送りたいフォルダがあることを確認したら、

scp –r 20080401 login_name@IPアドレス:

と打つ。login_nameは解析 PCの自分のログイン名を、IPアドレスは解析 PCに書いて

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いる数字を書く。すると、passwordを聞かれるので、解析 PC上の passwordを打ち込

む。

うまくいけば、これで、ファイルが解析 PCに送られることになる。

ここでは、scp コマンドを使った一例のみを示したが、scpは非常に便利なコマンドで

ある。慣れてきたら、さらに自分に合った方法で scpを使いこなしてほしい。以下にファイルを持ってくる場合の例も示しておく。

scp -r login_name@IPアドレス:20080401/ .この命令は、今いるカレントディレクトリに 20080401というディレクトリごと持って来いという命令である。

なお、scpは、常にサーバー機能を持った PCに対して行なう。そのため、例えばneptuneのようなサーバー機能のない PCに対しては、scp コマンドは使えない。つま

り、neptuneと saturnでファイルのやり取りをする場合、常に neptuneは命令を出す

側(クライアント)になり、saturnは命令を聞く側(サーバー)になる。

2.整約と測光

 整約は、概ね木下智史氏の 2001年度卒論を参考にして進めた。但し、画像を表示するソフトウェアは ximtoolではなく、ds9を用いた。なお、トランジット観測は、これまでの観測と違い、1日で数百枚の天体写真を撮像す

るために、処理しなければならない画像が膨大にある。また、観測の回数も多くなる。

そのために、少しでも時間が節約できるような方法で測光を行なうことが望ましい。

時間節約を目指して~整約Ver.~整約では、これまでと比較して、時間節約の目新しい整約方法はない。が、listファイ

ルを用いて 1度に複数ファイルの処理を行なっていくことは必須といえる。

また、sky 処理についても、3章②の方法を強く勧める。

時間節約を目指して~測光Ver.~測光には、測光したい天体の座標と、FWHMの2つの情報が重要である。そのために、

imexamというコマンドを打って星の座標と FWHMを求める。ただし、imexamは 1枚 1 枚行なう必要はなく、だいたい 10 枚おきにとれば良い。なぜなら、座標に関して言

えば、露出時間が 3分程度までならば、天体の位置が深刻なほどにはずれない。(トラ

ンジット候補天体は転送時間も含めて約 15 秒あれば 1 枚撮ることが出来る。)また、

FWHMも時間経過によって変わるが、急激な天候の変化でもない限り、急変するもので

はない。よって、imexamは 1 枚 1 枚とる必要はない。また、処理する画像が多いので、

手書きでメモを取るよりも、imexamの logファイルを作っておいたほうが良い。

 なお、imexamは天体の様々な情報を記録してくれている。しかし、ほしい情報は天

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体の座標と、FWHMだけであるから、cat コマンドで logファイルを見ただけでは、今

は必要がないという情報もたくさん表示される。これをプリントアウトしたのでは、紙

がもったいない。

そこで、awk コマンドを使って、各画像の天体の座標と FWHMだけが表示されるようにした。以下に一例を示す。

awk ‘$3 ~/^h/ {print $3} {print $1” “$2” “$15}’ imexam.log | grep ^[h0-9]これは、各列から各ファイル名と、1、2、15列目を抜き出して画面に表示しろという

コマンドである。さらに改良を加えて、自分なりにコマンドを使いこなしてほしい。

最後に、測光を済ませると、mag.1というファイルが出来上がる。このmag.1というファイルには、等級以外にも様々な情報が書かれている。ここから、数百というファイ

ルに対して1つ1つのファイルを見て、等級をメモしていくのは少々時間がかかる。そ

こで、フォートランプログラムを用いて、各画像に対して等級だけが書かれたファイル

を得るようにした。

以下にフォートランプログラムを記述する。実行後にエラーが出てくるプログラムな

ので、未完成ではあるが、等級を取り出すことに問題はない。今後、さらに改良をして

ほしい。

まず、

vi mag.fなどと打ち込んで、フォートランプログラムの新規編集を行う。(通例、フォートラン

のファイルを表すために、ファイルの拡張子には「.f」をつける。) Integer i Read mag Character filename*50 10 Read (*,*,ERR=9) filename Open (1, FILE=filename) Do i=1, 79 Read (1,*) End do Read (1, '(51x, f7.3)') mag Write (*, '(f6.3)') mag Close (1) Goto 10 9 Continue End灰色部分がプログラムである。このプログラムは、ファイルの 79行目まで空読みをし

て、80行目の 51文字目から表示させるプログラムである。(これは、80行目の 51文

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字目から最初の測光天体の等級が書かれているため。)なお、行頭は、必ずスペースを 7マス分空けておく。

このプログラムを作ったあとに、プログラムファイルであることを認識させるために、

コンパイルを行なう。コンパイルは、

g77 -o mag mag.fとする。うまくいくと、これによって、magという実行ファイルが出来る。あとは、こ

のプログラムをmag.1ファイルに対して行なえばよい。なお、ここでも、リストファイ

ルが使える。そこで、

ls *.mag.1 > input.listなどと打ち、mag.1と書かれたファイルを集めたリストファイルを作る。そして、

./mag < input.list > output.txtとすると、うまくいくと、output.txtという等級だけが羅列されたファイルが出来上が

る。

ちなみに、2つめの測光天体の等級は 85行目にかかれている。このことを利用して、上のプログラムを少しいじれば、測光した2つめの天体の等級を取り出すことが出来る。

トランジット観測では、解析における時間をどれだけ減らすかは非常に重要になって

くる。私が行なったすべてのことを記述することは出来ないが、これからトランジット

観測にチャレンジするという人は、上記の工夫で有効だと思ったことに関してはどんど

ん取り入れていってほしい。

謝辞今回の研究において、指導教員である富田先生からは数多くの助言・指導をして頂き、

深く感謝します。

また、本年度大学院生の山口卓也さんには、大変忙しい中、望遠鏡の操作方法に始まり、

解析にいたるまで様々なアドバイスを頂きました。深夜遅くまで活動的だった山口さん

の姿は、大変励みになりました。おかげで、私もすっかり夜中まで観測室や、研究室に

こもることになりました。

最後に、共に奮闘してきた天文学ゼミの山田君、たくさんの励ましをくれた後輩たち、

また共に談義した自然環境教育課程の仲間たち、そして何より深夜遅くにいたる研究であ

りながらも支えてくれた家族に深い感謝を表します。

参考文献・ 柴原由果  「太陽系外惑星の測光学的検出」

・ 山口卓也  「CCDカメラ ST-9Eの測光精密評価」

以上 2タイトル(和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程 天文学専攻 2005年度卒業論文)

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・ 木村奈都  「太陽系外惑星のトランジット観測」

(和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程 天文学専攻 2005年度卒業論文)・ 木下智史  「Imaging Observations of Irregular Galaxy NGC 1569」(和歌山大学 教育学部 教員養成課程 天文学専攻 2001年度卒業論文)

・ 滝川聖太郎 「木曽観測所における系外惑星トランジットサーベイ」

・ 大宮正士  「ドップラー法を用いた惑星探査と日韓共同惑星探査」

・ 石隈慎一郎 「系外惑星のトランジット観測手法と解析方法」

・ 大島修   「最近のトランジット法でみつかった系外惑星について」

・ 高橋佑介  「東海大学で行なっている系外惑星トランジット観測の現状」

以上5タイトル

(2007年 7月 21日 美星天文台での第 2回トランジット観測研究会講演資料)

・ 天文年鑑 2008年版 誠文堂新光社

・ 月刊 星ナビ 2007年 7月号 アストロアーツ社

・ 月刊 星ナビ 2007年 8月号 アストロアーツ社

・ 月刊 星ナビ 2007年 9月号 アストロアーツ社

・ 月刊 星ナビ 2008年 2月号 アストロアーツ社

・ The Extrasolar Planets Encyclopaediahttp://vo.obspm.fr/exoplanetes/encyclo/index.php

・ For Advanced CCD Photometryhttp://scox.kamokou.jp/~ohshima/photometry/

・ 坂本 文  「たのしいUNIX-UNIXへの招待-」 1990年 12月 11日 初版

・ 武藤 健志 「はじめてのUNIX コマンドライン」  2000年 3月 25日 初版

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