ANNUAL REPORT 2012東京医科歯科大学 大学院 医歯学研究科...

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東京医科歯科大学 大学院 医歯学研究科 膠原病・リウマチ内科学分野 ANNUAL REPORT 2012

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  • 東京医科歯科大学 大学院 医歯学研究科 膠原病・リウマチ内科学分野

    ANNUAL REPORT 2012

  • Contents 概要・沿革 2 組織 3 2012年を振り返って 6 東京医科歯科大学内における活動の概要 7 診療 外来診療 9 病棟診療 11 教育 13 研究 組織・研究テーマ 17 研究室紹介 18 研究助成金 23 研究業績 25 学外機関における活動の概要 31 行政機関 医薬品医療機器総合機構 33 厚生労働省医薬食品局審査管理課 34 教育研究機関 日本女子大学家政学部食物学科 35 診療機関 青梅市立総合病院 36 横浜市立みなと赤十字病院 38 東京都長寿健康医療センター 42 東京共済病院 44 草加市立病院 44 武蔵野赤十字病院 44 北信総合病院 44 桜井クリニック 46 小川クリニック 47 海外研究機関 48

    メンバー 50 メンバー構成図 51 新規加入メンバー 54 短期研修プログラム参加メンバー 57

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 1

  • 昭和19年~ 昭和19年に東京医学歯学専門学校が開校。

    当教室の前身は東京医科歯科

    大学第一内科であり、初代教

    授は佐々龍雄(昭和19-24年)であった。その後、第二代柳

    金太郎教授(昭和25-37年)、第三代鳥居敏男教授(昭和37-39年)、第四代小宮正文教授(昭和39-49年)、第五代桃井宏直教授(昭和50-58年)、第六代青木延雄教授(昭和59年-平成6年)と続いた。

    第一内科の中には6つの診療グループがあり、当科の前身

    にあたる膠原病グループは奥

    田正治講師(当時)が統括を

    行い、西戸孝昭助手(当時)

    と共に診療・研究・教育にあ

    たっていた。

    平成7年~ 平成7年から難治疾患研究所教授(当時)宮坂信之が第七

    代教授として着任。第一内科

    の中で膠原病グループ関係者

    が教授に就任したのは初めて

    であった。

    平成11年~ 平成11年には大学院重点化構想に基づいて医歯学総合大学

    院研究科が開始されることに

    なり、当時のナンバー内科

    (第一、二、三内科)は平成

    12年4月から8つの臓器別内科(プラス神経内科)に発展的

    解消となった。その一つとし

    て、膠原病・リウマチ内科

    (大学院講座としては生体環

    境応答学系専攻生体応答学講

    座生体応答調節学分野、当

    時)が発足した。発足当時

    は、教授1、講師1、助手2

    名のみの陣容であった。ちな

    みに、第一内科からは呼吸器

    内科に吉澤靖之教授が、血液

    内科に三浦修教授が就任し

    た。

    平成17年~ 平成17年からは薬害監視学講座が寄付講座として発足し

    (宮坂信之が教授併任)、平

    成19年からは針谷正祥が教授として就任した。また、この

    間、平成15年から医学部付属病院臨床試験管理センターが

    発足、初代センター長として

    宮坂信之が就任したが、その

    後、第二代針谷正祥、第三代

    小池竜司(現在)と当内科関

    係者が勤めている。 このように、東京医科歯科大学第一内科膠原病グループに端を発した当科は、現在、急速にその規模を拡大し、国際的レベルの診療・教育・教育に邁進している。

    概要 我々は膠原病・リウマチ内科学の診療・教育・研究を目的とした組織です。メンバーは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生体環境応答学系専攻生体応答学講座膠原病・リウマチ内科学分野および同大学院寄附講座である薬害監視学講座所属スタッフを主とし、同大学院保健衛生学研究科や同大学医学部附属病院内機関に所属する医師(併任)、そして関連病院・診療科派遣医師により構成されています。メンバーは東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・リウマチ内科スタッフを兼ねています。 診療および教育は同大医学部附属病院および関連病院診療科を中心に行われ、基礎研究は大学院教室、臨床研究は大学院教室に加え同大医学部附属病院や関連病院診療科においてもさかんに行われています。 診療においては、様々な臓器やメンタル面にも影響する膠原病疾患を患う患者様に対するグローバルスタンダードに沿ったトータルケアの提供を、研究においては臨床現場に最終的に還元でき膠原病臨床の発展に貢献しうる情報・知見の創出を、教育においてはグローバルスタンダードに沿った膠原病診療が提供できまた膠原病学・臨床免疫学の発展に貢献のできるPhysician-Scientistの育成を目的とし、組織全体で協力・刺激し、また改革・省察を繰り返し、全力で取り組んでいます。

    沿革

    2 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

  • 江戸川病院

    公立昭和病院

    青梅市立総合病院

    リウマチ膠原病科

    ひろせクリニック

    東京都健康長寿医療センター

    膠原病・リウマチ科

    非常勤医師派遣病院診療科

    (専門外来のみ)

    組織 東京医科歯科大学内

    常勤医師派遣病院診療科

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 3

    JAとりで総合医療センター

    北信総合病院

    東京共済病院

    リウマチ膠原病科

    横浜市立みなと赤十字病院

    膠原病・リウマチ内科

    東京医科歯科大学大学院

    医歯学総合研究科

    生体環境応答学系

    生体応答学講座

    膠原病・リウマチ内科学分野

    東京医科歯科大学大学院

    医歯学総合研究科

    薬害監視学講座

    御代田中央記念病院

    千葉西総合病院

    武蔵野赤十字病院

    膠原病・リウマチ内科 三郷健和病院

    草加市立病院

    膠原病内科

    佐久総合病院

    東京ミッドタウンクリニック

    土浦協同病院

    春日部秀和綜合病院

  • 2012年を振り返って 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生体応答学講座 膠原病・リウマチ内科学分野 教授 医学部附属病院 病院長 医学部附属病院膠原病・リウマチ内科 科長

    宮坂信之 2012年は私の任期最後の年である。膠原病・リウマチ内科教授として定年を迎えるのみならず、医学部付属病院長及び日本リウマチ学会理事長の任期

    も同時に終了する。 私は日本リウマチ学会理事長を2期務め、その最終年に第56回日本リウマチ学会総会・学術集会を主催することになった。これは、平成12年の大学院重点化に伴って旧第一内科から膠原病・リウマチ内科になった当科にとって

    は、史上最大のイベントであった。上阪准教授以下医局員が一丸となって準

    備を行い、「リウマチ性疾患の制圧をめざして」のテーマの下に国内外より

    6000余名の参加者を集めて盛大に行われた。果たして、結果は大成功であった。おりしも、私がライフワークの一環として来たメトトレキサート

    (MTX)の成人用量増量が2012年2月に公知申請により厚生労働省によって承認され、この学術集会の幸先良い前触れとなった。しかも、この承認が企

    業治験によってではなく、公知申請という従来とは異なる手法を用いて承認

    されたのみならず、MTXの有効性と安全性に関するデータが当薬害監視学講座のREALデータベースからも得られたことは特筆すべきである。これも当科にとってepoch-makingな出来事であった。

    昨年から私は医学部付属病院長となった。このため、診療科長代行を上阪准教授に委託し、診療・研究・教育

    ではバックアップをする側に回った。しかし、温度版回診などではつい「姑根性」で外野から口を出してしまい、

    反省しきりである。ただ、当科のモットーは「全身を診る」であり、医局員全員が「全身を診て」、論理的な鑑別

    診断を下し、エビデンスに基づいた適正な治療を励行して欲しいと思っている。これは今後の継続課題であろう。

    ただ、おかげさまで私は病院長職に専念でき、医学部付属病院の改革にはそれなりに成功をした(と思ってい

    る)。医学部付属病院は、経営面で大きく黒字に転換をしたばかりでなく、病院機能評価、病院監査なども無事終

    わり、メルマガ、ミニコミ誌、ホームページなどを通じた情報公開によって社会的説明責任を果たすこともできた

    と自負をしている。 研究面では、上阪及び南木らの研究室からの動物モデル及びヒト検体を用いた病態研究がますます成果が挙

    がっている。今後の’unmet needs’に対する新たな治療法の開発につながることが期待される。それと同時に、針谷が主導する薬害監視学講座を中心とする疫学研究は、我が国のみならず世界的にも高い注目を浴びている。このよ

    うな’dry lab’ scienceと’wet lab’ scienceとが混然一体となっている点が、当内科の強みとなっている。 今年は、研究・教育面で優秀な人材2名のpromotionがあった。まず、我々と苦労を共にして来た窪田哲朗君が

    保健衛生学科教授に昇任した。彼は第一内科当時から研究室も共用し、回診にも参加してくれた仲間である。ま

    た、教室の診療及び教育活動の中心的人物であった高田和生君が国際交流センター教授に昇任をした。彼が当科の

    教育のみならず、本学の医学英語教育、医歯学融合教育などを日本のトップ、さらにはグローバルスタンダードに

    匹敵するレベルに引き上げた功績は大である。 研究面でも若手が順調に台頭してきている。関東一円の膠原病・リウマチ専門医が集まる関東リウマチ研究会

    や、東大アレルギー・リウマチ内科及び順天堂大学膠原病内科と行われる研究会などでは、当科の若手を他大学が

    圧倒しているさまは実に頼もしい。最近では、日本一円から当科に優秀な若手が集まるようになっているが、今

    後、ますます多くのPhysician Scientistに育って欲しい。 当科と関連病院とのネットワークも順調に拡大している。今年からはJAとりでセンター、みさと健和病院、佐

    久総合病院にも外来人員を派遣した。また、規制当局にも人員派遣が拡がっている。医薬品医療機器総合機構

    (PMDA)新薬審査第4部には田中みちが、厚生労働省医薬食品局審査管理課には笠井祥子がそれぞれ派遣され、活躍をしている。さらに、来年度からは文部科学省高等教育局医学教育課に長谷川久紀が出向する予定である。

    しかし一方で、本年は当科にとって’Annus Horribis’でもあった。敢えて詳細は省くが、研究室の中で起こった不祥事は私を始め医局員全員に立ち上がれないほどの大きな衝撃を与えた。決して慢心したわけではないが、研究

    室の人員と予算が肥大化した結果、起こった出来事であることは紛れもない事実である。私の管理責任が不十分

    だったとの批判は甘受するしかない。今後、このような不祥事は二度と繰り返さないことを各自が肝に銘ずるべき

    であろう。 平成7年に私が第一内科教授に着任して以来、約18年が経過をした。この間、山あり谷ありであったが、当科が

    膠原病診療・研究・教育のいずれの面においても我が国のトップレベルに立ったことは間違いない。これは医局

    員、それを支える事務職員のみならず、関連病院に出向している医局員が総力を挙げた結果である。しかし、問題

    はこれからである。いかに継続し、発展をさせていくかは、医局員一同の双肩にかかっている。当科と医局員一同

    のさらなる発展を祈念する。

    6 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

  • 外来診療

    外来医長

    副島誠

    月曜 火曜 水曜 木曜 金曜

    午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後

    高田和生 針谷正祥 溝口史高 【~2012年12月】 鍔田利恵子 宮坂信之

    南木敏宏 岩井秀之 高村聡人 小川 純 副島誠

    小池竜司 田中みち 渡部香織 上阪 等 上阪 等 窪田哲朗

    宮部斉重【2012年12月~】 渡部香織

    針谷正祥

    東京医科歯科大学医学部附属病院における膠原病・リウマチ内科の診療する患者さんは、身体の様々な箇

    所に長期間、不調を抱えていることが多いです。従って、診療の際は、罹患臓器や検査結果ばかりに注目す

    るのではなく、患者さんを常にひとりの人間としてとらえ、心と身体の状態を正確に把握しようと努めてい

    ます。

    当科の外来診療は、A棟3階の内科外来において、月曜日から金曜日まで常時3ブースを利用して行われてい

    ましたが、病院の内科外来の増設に伴い、2011年12月からは、A棟4階第5内科診察室の52番ブースも利用し

    (木曜以外)、診療を行っています。近隣病院はもとより、全国各地からの紹介患者の来院の他に、当科の

    ホームページの閲覧やテレビの視聴などを契機に来院する患者も増加しています。2012年4月からは、膠原

    病・リウマチ先端治療センターも開設されましたので、今後さらに多くの患者さんの来院が予想され、より

    一層、臨床治験、研究、教育の機会にも恵まれた外来となっていくことと思われます。

    外来での主となる診療活動は以下の通りです。

    継続診療のための予約患者診療

    他院から紹介受診される外来患者診療

    院内他科から紹介受診される外来患者診療

    他科入院中の患者のコンサルテーション

    臨床試験に参加を検討、または参加している患者の評価と診察

    医学部学生、附属病院研修医、当科医局員の教育

    セカンドオピニオン外来(上阪)

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    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 外来教育

    膠原病・リウマチ性疾患の診療を行う

    医師の教育は、病棟教育のみならず、外

    来における問診・診察および鑑別診断な

    どの外来教育も重要です。このため、後

    期研修医は、上級医の指導のもと、初診

    患者さんの評価、および継続診療を学ぶ

    機会が設けられています。

    難病のトータルケアを目的として2012年4月に先端治療センターが開設されました。整形外科、運動器外科学、理学療

    法部との連携により膠原病・リウマチ先

    端治療センターの治療総患者数は開設時

    から2013年1月までで64名であり、先端治療センター全体患者数の約25%を占めております。ホームページの閲覧やテレ

    ビの視聴などを契機に全国から来院する

    患者も増加しています。今後も膠原病・

    リウマチ分野におけるより良い先端治療

    を提供できるよう努力して参ります。

    東京医科歯科大学附属病院の理念および目標にもとづき、高度先進医

    療の開発と実践に関与すべく、臨床試験管理センターや薬害監視学講座

    などの協力を得ながら、膠原病の分野における様々な新規治療薬候補の

    治験に参加しています。2012年は以下のように関節リウマチを中心として多くの臨床治験に参加致しました。また、同分野の医薬品の中で、主

    に関節リウマチ診療における分子標的治療薬に関して、市販開始後の有

    害事象や有効性を検討する臨床研究も薬剤監視学講座を中心に行ってい

    ます。

    関節リウマチ(RA) ・RAを対象としたCP-690,550(JAK3阻害薬)の非盲検・非対照長期試験 ・CP-690,550(JAK3阻害薬)第II相 多施設共同 無作為化 二重盲検比較 プラセボ対照用量反応試験(Mono therapy試験) ・CP-690,550(JAK3阻害薬)第III相 多施設共同 無作為化 二重盲検比較 プラセボ対照試験

    ・投与中のMTXに対して効果不十分な活動性関節リウマチ患者を対象としたアバタセプトの皮下注射時と点滴静注時の有効性、薬物動態、安全

    性及び免疫原性の類似性を検討する多施設共同ランダム化二重盲検ダブ

    ルダミー第II/III相試験 ・MRA-SC(トシリズマブ)の関節リウマチ患者を対象とした第III相二重盲検並行群間比較試験

    ・MP-435(C5a受容体拮抗薬)の関節リウマチ患者を対象としたMTX併用探索的試験(二重盲検群間比較試験)

    ・CNTO148(golimumab)のRA患者を対象とした単剤投与試験 ・CNTO148(golimumab)のRA患者を対象としたMTX併用投与試験 ・1種類以上の抗TNF-α 療法効果不十分な活動性RA患者に対するオクレリズマブ(ocrelizumab)の安全性と有効性をプラセボと比較する無作為割付二重盲検並行群間国際際共同試験

    ・早期RA患者に対するCD870(certolizumab)の有効性検証試験 ・CD870(certolizumab)のMTX併用時の長期継続投与試験 ・CD870(certolizumab)のMTX非併用時の長期継続投与試験 ・MTX療法に対して効果不十分な中等症から重症の関節リウマチ患者を対象としたLY2127399(完全ヒト型IgG4モノクローナル抗体)の有効性および安全性を評価する第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、

    二重盲検試験(BCDM試験) ・DMARDを併用する、または併用しない関節リウマチ患者を対象としたLY2127399(完全ヒト型IgG4モノクローナル抗体)の安全性および有効性を評価する第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検

    試験(BCDO試験) ・関節リウマチ患者を対象としたLCT-P13とレミケードとの二重盲検並行群間比較試験

    ・MTXに対して効果不十分な中等度から重症の関節リウマチ患者を対象としたMTX併用又は非併用下でのBMS-94529(アバタセプト)皮下注射の有効性及び安全性を検討する、多施設共同、プラセボ/実薬対照、用量

    範囲探索、ランダム化二重盲検後期第II相試験 全身性エリテマトーデス(SLE) ・中等度から重度のSLEを有する日本人患者を対象としたエプラツズマブを12週間1サイクルで投与した場合の安全性及び薬物動態を検討する第Ⅰ/Ⅱ相多施設共同、プラセボ対照 二重盲検 無作為割付 並行群

    間比較試験

    顕微鏡的多発血管炎(MPA) ・GGSの顕微鏡的多発血管炎(MPA)を対象とした非盲検非対照による投与前後比較試験(第Ⅱ相試験)

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    年間総初診患者数

    年間総受診患者数

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

    新規治療薬の開発

    先端治療センター受診患者数

    先端治療センター

  • 病棟診療

    東京医科歯科大学医学部附属病院における膠原病・リウマチ内科の病棟診療は、A棟15階を主病棟とし、22床の基準病床数にて行っています。

    病棟診療は、指導医(attending physician)を中心に2チームの診療体制で行っており、各チームは後期研修医, 初期研修医, 学生により構成されます。指導医は各チームの診療責任者として、毎日の病棟回診での診

    察と討議を通して、診療方針の決定に加え、研修医と学生に対する教育を行っています。指導医は4~5週間毎の交替制で行い、後期研修医・初期研修医が複数の指導医から教育を受けられる機会を提供しています。

    後期研修医は3月までは梅澤夏佳、木原まり、齋藤鉄也、山本晃央、が担当しました。4月からは太田峰人、小宮陽仁、中島麻理、森啓悦 が新たに赴任し、病棟診療の核となり診療・教育を行いました。

    左より

    医員

    森啓悦

    医員

    中島麻里

    医員

    太田峰人

    医員

    小宮陽仁

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    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

    病棟医長

    溝口史高 [2012年4月~11月]、齋藤鉄也 [2012年12月~] 2012年度(2011年4月~2012年3月)Attending physician担当医

    南木敏宏(1ヶ月) 渡辺香織(2ヶ月) 長谷川久紀(1ヶ月) 中里洋子(1ヶ月)

    岩井秀之(2ヶ月) 副島 誠(3ヶ月) 細矢 匡(1ヶ月) 松尾祐介(1ヶ月)

    溝口史高(1ヶ月) 齋藤鉄也(2ヶ月) 福田 真(1ヶ月) 横山和佳(1ヶ月)

    高村聡人(4ヶ月) 木村直樹(2ヶ月) 山崎隼人(1ヶ月)

  • 生物学的製剤の投与

    Chief's Round, Grand Round

    毎週木曜日午前に行っている科長回診では、全入院患者につ

    いて研修医・学生による症例プレゼンテーションを基に、宮坂教

    授を中心に全医局員による討議を行い、診療方針の決定を行って

    います。また、1週間の退院患者についての報告も行い、診療内容

    の確認と外来主治医への引継ぎが行われます。2011年4月からは、

    病院長に就任された宮坂教授に代わって上阪准教授が診療科長代

    行として回診を行っています。

    さらに、月に1度は木曜日の午後にGrand roundを行い、専門性

    の高い教育の場として指導医によるtopicsに関する講義や、問題

    症例・死亡症例に関する検討、学会前の予演などを行っていま

    す。

    入院症例

    入院患者は別途統計のように、疾患は多岐

    に渡っています。近年の外来患者数の増加

    や、他院からの紹介例の増加もあり、重症例

    や難治例、非常にまれな疾患の入院も増加し

    ています。

    統計

    2012年1月1日~12月31日における、医事課の集計による入院患者統計データおよび退院

    サマリーに基づく疾患別入院患者数を、2006年以降の統計と比較した形で下の表に示しま

    した。今年は、1日平均在院患者数が22.4人となり、数年ぶりに基準病床数22を上回りました。また、総退院患者数は276人と高い水準を維持しています。

    難治例や重症例が増加する一方で、基準病

    床数が限られている中、外来診療との密な連

    携を行うことにより質の高い診療を行ってい

    ます。

    12 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

    2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    平均在院日数 32.3 28.4 31.5 29.8 29.8 30.0 29.4

    入院患者数 225 264 246 259 257 262 274

    退院患者数 237 273 243 255 267 267 294

    病床利用率 0.93 0.95 0.96 0.95 0.97 0.99 1.04

    1日平均在院日数 20.4 20.9 21.1 21.0 21.4 21.7 22.4

  • 教育

    卒前教育 Clerkship director 助教

    溝口史高

    渡辺香織 Clerkship tutor 特任助教

    宮部斉重

    初期臨床研修

    卒後臨床研修実務者 助教

    溝口史高

    渡辺香織

    膠原病・リウマチ内科学 後期研修 Program director 教授・科長

    宮坂信之 教授・科長代行

    上阪 等 Program coordinator 教授(併任)

    高田和生

    東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科は、当科をローテートする東京医科歯科大学医学部5・6年生のクリニカルクラークシップおよび東京医科歯科大学医学部附属病院初期研修医の教育とともに、初期研修終了後、膠原病・リウマチ内科性疾患の診療に関する知識・技術習得に加え内科専門医・リウマチ専門医受験資格取得や学位取得を希望する医師に対する専門医教育(後期研修)を行っています。

    左より

    准教授(併任)

    高田和生

    助教(併任)

    渡部香織

    後期研修医(3年目)

    宮部斉重

    初期研修医(当時)

    Clerkship学生(当時)

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 13

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 卒前教育

    東京医科歯科大学では、第5学年後期より4週間を1クールとして内科3科、外科2科、ER、小児科、産婦人科、選択科2科を含む計13クール(4週間/クール)をローテートする診療参加型臨床実習が行われ、膠原病・リウマチ内科には学生が常時2~4名程度配属され、指導医の監視のもと病棟診療チームの一員として患者を担当し、診療を通して臨床問題解決のための技能の習得に努めています。更に、週1回行う米国内科研修Morning report形式のCase studyなどを通して学生の臨床推論技能習得をサポートしています。 当科は、2006年夏に行われた第6学年における臨床実習アンケートで、「教育的に良かった診療科」として全診療科中最多票を獲得し、その影響もあってか学習意欲の高い学生が志望しローテートしており、彼らの知識・問題解決技能・向学心はとても高く、我々指導医も彼らに刺激され、臨床を通して共に学習しています。

    卒後初期臨床研修 2004年度より開始された初期研修制度のもと、東京医科歯科大学医学部附属病院初期研修プログラムでは毎年度110名程度の医師がスーパーローテート研修を行っています。内科は必須科目で2ヶ月を1クールとして3クール・6ヶ月間のローテートが義務付けられており、膠原病・リウマチ内科を希望した1年目または2年目の初期研修医が常時4名程度配置され研修を行っています。膠原病・リウマチ内科における研修は、病棟診療チームに配属し、病棟での患者診療を中心に教育を行っています。

    膠原病・リウマチ内科学 後期研修 東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科では、初期研修を終了し内科専門医・リウマチ専門医受験資格取得や学位取得を希望する医師、そして短期的な知識・技術習得を希望する医師など、様々な目的をもった医師を対象とした後期研修プログラムを用意しています。全国でも有数の膠原病・リウマチ診療機関ゆえの豊富な症例数と、豊富な指導医、そして膠原病・リウマチ専門医育成のGlobal standardに基づいた後期研修プログラムにより、卓越した膠原病臨床医を育成します。また学術的キャリアを希望する医師には、当科における多彩な研究への参加を通し、膠原病・免疫学分野に広く貢献できるPhysician-Scientistを育成します。 後期研修参加者の希望・目的に沿ったテイラーメードなカリキュラム構成を組みますが、基本的には1~2年の臨床研修を核とし(通常本学医学部附属病院と関連病院に1年ずつ配属され研修する)、その後学位取得を希望する医師は大学院に進学します。本学医学部附属病院配属後期研修参加者人数が増えたこともあり、2009年度より、病棟研修に加えて外来研修および院内コンサルテーション研修を導入し、包括的な臨床研修を行っています。 2012年度には、6人が当科後期研修プログラムに参加し、太田峰人君は東京医科歯科大学にて、稲垣雅子さん、佐々木広和君は青梅市立総合病院にて、近藤文彬君は横浜市立みなと赤十字病院にて、松本拓実君は東京都健康長寿医療センターにて、楠田岳君は東京共済病院にて、初年度後期研修を開始しました。2013年度には、新たに2名が後期研修プログラムに参加する予定です。

    14 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 病棟での教育

    東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・リウマチ内科の病棟では、指導医(教員またはそれに準ずるスタッフ)・後期研修医・初期研修医・医学部学生とで診療チームを構成し、指導医の指導・教育のもと後期研修医を中心に当科入院患者および他科併診患者の診断的評価および治療を直接行い、同時に指導医・後期研修医により初期研修医および医学部学生の教育・指導を行っています。病棟臨床研修における到達目標は、膠原病・リウマチ疾患の疫学・臨床兆候・治療管理に関する包括的な知識の習得、そして遺伝学および臨床免疫学的考察を通しての発症病態の理解であり、大学病院の中でも全国で有数の大規模な膠原病診療機関であるという極めてユニークな環境だからこそ経験し得る多岐にわたる膠原病疾患や類縁疾患の患者様の診療を通して達成され得ます。

    外来での教育

    外来診療は現在の膠原病臨床において大きな役割を果たすものであり、その研修は膠原病・リウマチ専門医育成において極めて重要で必要不可欠です。2008年度より当科では後期研修医の系統的外来教育を本格的に導入しました。4年目の2011年は、後期研修2年目の木原まりさんが、ほぼ年間を通じて外来教育を受けました。また、病棟診療を担当した山本晃央君、斉藤鉄也君、梅澤夏佳さんも、交代で外来研修に参加しました。

    Clinicopathological Conference Autopsyが行われた症例に関して、当科および東京医科歯科大学病理部双方により、臨床・画像・病理学的考察を行います。

    カンファレンス

    膠原病・リウマチ内科において(または当科が参加して)定期的に行われているカンファレンスなどを紹介します。

    Chief's Round(毎週木曜日午前): 教育および診療を目的とした教授回診であり、病棟全症例に関する全体討議が行われます。

    Grand Round(毎月1回木曜日午後): 外来・病棟診療において問題となっている重要なtopicsや最新のtopicsに関する専門性の高い教育セッションが行われています。

    Attending round(毎日): 指導医を中心として行われる、教育および診療を目的とした回診です。

    Journal club(毎週水曜朝): 後期研修医を対象とし、主要な内科雑誌およしリウマチ学会誌から興味深い論文をピックアップし、EBMによる批判的吟味、統計学的手法、基礎実験系などを学習します。

    Morning report(毎週月曜日朝): 初期研修医およびクラークシップ3学生を対象とした問題解決技能獲得のための学習Sessionであり、直近の入院症例における臨床問題解決(鑑別診断・初期治療計画立案・初期治療法立案)を学習します。

    Weekly ambulatory report(毎週火曜日朝): 後期研修医を対象とし、外来または院内コンサルテーション担当後記研修医が経験した症例をもとに、臨床問題解決(鑑別診断・初期治療計画立案・初期治療法立案)を学習します。

    Noon conference(2ヶ月を1クールとし、Luncheon形式で行う教育セッション計16回): 初期研修医およびクラークシップ3学生を対象としたものであり、総論的臨床講義、臨床免疫学講義、症例を通したPBLセッション、EBM実践のためのワークショップなど多岐にわたる教育セッションが組まれています。

    他機関との症例検討会

    Bio Clinical Conference 春 生物学的製剤に関する知見を広めるための症例検討および講演。

    関東リウマチ 初夏 関東地区の膠原病・リウマチ診療機関と合同で行う症例検討会。

    御茶ノ水膠原病・リウマチ内科研究会 秋 当科および関連病院と合同で行う症例検討会。

    東京リウマチ膠原病研究会 秋 東京大学アレルギー・リウマチ内科、順天堂大学膠原病・リウマチ内科のほか、東京女子医科大学、日本医科大学、日本大学らと合同で行う症例検討会。

    御茶ノ水膠原病談話会 冬 東京大学アレルギー・リウマチ内科、順天堂大学膠原病・リウマチ内科と合同で行う症例検討会。

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 15

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 東京医科歯科大学医学部医学科

    医学部1年生

    【MIC】 ・企画/運営(高田)

    ・実習(1)オリエンテーション(高田) ・CC学生シャドウイング(高田) ・国際医療シリーズ:オリエンテーション(高田)、

    TBL(高田) ・卒前留学の意義:モデレータ(高田)

    ・Professionalismシリーズ(高田)

    医学部2年生 【医学英語I】Course director(高田) 【MIC免疫II】 ・自己免疫疾患(上阪)

    医学部3年生 【膠原病・リウマチ学】

    ・関節リウマチ(上阪)

    ・多発性筋炎・皮膚筋炎(南木)

    ・全身性エリテマトーデス(窪田)

    ・シェーグレン症候群・ベーチェット病(高村)

    ・強皮症・混合性結合組織病(針谷)

    ・血管炎症候群(高田)

    ・結晶誘発関節炎(小池)

    ・アナフィラキシー・薬物アレルギー(溝口)

    【感染】講義シリーズコーディネーター(小池)

    ・臨床感染症総論(小池)

    ・日和見感染症と不明熱(小池)

    ・臓器別感染症のまとめ(小池)

    医学部3・4年生 【医学英語II】 Course director(高田)

    医学部5年生: プレクリニカルクラークシップ 総論

    ・OSCE総論(小池) ・感染対策(手指消毒・手洗い)実習(小池)

    ・臨床推論導入(高田)

    ・臨床推論TBL (高田) コース2(骨・関節・皮膚・結合織) ・膠原病の検査と臨床免疫(上阪)

    ・関節炎の症候学(高村)

    ・腰痛の症候学(高田)

    ・筋力低下の症候学(越智)

    ・発熱の症候学(溝口)

    コース3(感染・免疫・検査) ・感染制御(小池)

    医学部5/6年生: クリニカルクラークシップ コンビネーションブロック総合診療部講義

    ・身体診察法(小池)

    総論

    ・胸痛の臨床推論(高田)

    ・感染症の臨床推論(小池)

    ・臨床推論TBL(高田) OSCE(臨床技能実技共用試験)準備検討委員会委員長(小池)

    東京医科歯科大学大学院 医学部大学院生: 前期修士課程講義

    膠原病・リウマチ内科学(上阪) バイオ医療オミックス情報学人材養成プログラム講義

    臨床オミックス学:膠原病内科学(上阪) 大学院医療政策学コース(MMA)講義

    治験・臨床試験の基礎知識(小池) 大学院医歯学総合研究科初期研究研修プログラム

    診療活動における感染防御の理論と実際(小池)

    東京医科歯科大学医学部保健衛生学科 医学部保健衛生学科検査技術学専攻4年生: 講義

    臨床病態学講義:感染(小池)

    東京医科歯科大学歯学部

    歯学部歯学科: 5年生講義

    歯科医療と血液・内分泌疾患・膠原病・消化器疾患:膠原病(溝口)

    歯学部口腔保健学科:2年生講義 医学一般(膠原病・リウマチ内科学)(高村)

    医学部附属病院イブニングセミナー 関節炎に対する診断的アプローチ方法(高村)

    女性医師復職支援プログラム2011年度第1回内科コース 膠原病(高田)

    Symposium “Toward networking dental professionals in Asia”

    “Future direction of TMDU: Integration of medical and dental education” (高田)

    16 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 研究

    上阪研究室 上阪 等 Lab chief、准教授 岩井秀之 GCOE特任講師 溝口史高 助教 高村聡人 助教 副島 誠 助教 齋藤鉄也 助教 岩田和憲 共同研究員 田形勇輔 共同研究員 鈴木晶子 大学院生 長谷川久紀 大学院生 細矢 匡 大学院生 木村直樹 大学院生 中里洋子 大学院生 松尾祐介 大学院生 竹中健智 大学院生 梅澤夏佳 大学院生 吉本瑛梨 技術補佐員 庭野智子 プロジェクトセメスター学生

    薬害監視学講座 針谷正祥 Lab chief、教授(併任) 小池竜司 准教授(併任) 南木敏宏 准教授(併任) 渡部香織 助教(併任) 酒井良子 助教(併任) 宮部斉重 特任助教(併任) 酒井良子 助教(併任) 宮部千恵 大学院生 山崎隼人 大学院生 福田 真 大学院生 横山和佳 大学院生 平野史生 大学院生 木原まり 大学院生 矢島智子 非常勤薬剤師 高橋智子 事務補佐員 山地 恵 技術補佐員

    IMPPACT study 宮坂信之 教授 高田和生 准教授(併任) 引地飛鳥 CRC 栗盛可奈子 事務補佐員

    保健衛生学研究科生体防御検査学 窪田哲朗 Lab chief、教授(併任) 加藤優子 助教

    高橋里河 大学院生

    伊藤さやか 大学院生

    野本順子 大学院生

    井上久美 大学院生

    岩田美沙子 卒研生

    医学部附属病院臨床試験管理センター 小池竜司 センター長、准教授(併任)

    海外研究機関 溝口史高 Brigham and Women’s Hospital Harvard University 村上洋介 Receptor Cell Biology Section, NIAID,

    National Institutes of Health

    当講座の研究は、診療の現場で解決すべきだと感じたこと、疑問に思ったことを主題にした研究が行われてき

    ており、世界をリードする臨床を展開するべく、基礎・臨床研究が日々行われています。2009年11月に移った研究室の整備が、小野、吉本、山地のテクニカルスタッフの尽力で進み、実験ベンチを集結させた大研究室、ゆっ

    たりした培養室、冷蔵・冷蔵庫室、機器室が機能的に稼働し、カンファレンスルームもオープンして、研究環境

    はかつてないほど充実しました。動物実験センターにも新たなセンター長が赴任し、我々とも連携しながら改良

    が急ピッチで進んできています。 研究内容は幅広く、メンバーの出身学部も、医学部ばかりではなく、薬学部、理学部などさまざまで、企業と

    の共同研究員も参加しています。 当科、薬害監視学講座、臨床試験管理センター、医歯学融合教育支援センターなど当科関連部局のメンバー全

    体でのリサーチカンファレンスを年2回行い、様々な分野の研究者と情報共有・意見交換を行い、共同研究の機会も提供されています。

    組織

    上阪研究室 南木研究室 針谷研究室 IMPPACT study

    研究テーマ

    基礎研

    臨床研

    膠原病・リウマチ内科 薬害監視学講座

    学内

    学外

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 17

    関節炎 CXCR7

    Chemerin/ChemR23 レチノイド

    siRNA/リポソーム CCL18

    カンナビノイド リゾフォスファチジン酸

    筋炎 フラクタルカイン

    血管炎 フラクタルカイン

    レチノイド

    膠原病 自己抗体産生への 自然免疫の関与

    関節リウマチ 生物学関製剤関連疫学研究

    重篤有害事象(REAL) 悪性腫瘍(SECURE) TNF阻害療法下PCP タクロリムス肺障害

    膠原病 免疫抑制療法下肺感染症

    (PREVENT)

    膠原病の肺合併症診断および治療法に関する後ろ

    向き研究

    抗リン脂質抗体症候群 in vivoモデルの作出

    自己炎症疾患 Inflammasomeの機能

    筋炎合併間質性肺炎 タクロリムスの有用性 (オープンラベル治験)

    関節炎

    MicroRNA研究 破骨細胞研究

    TREM研究

    病的滑膜線維芽細胞研究

    cMIR研究

    炎症増幅阻止療法

    細胞周期制御療法

    筋炎

    自己反応性T細胞研究

    抗サイトカイン療法 SLE

    BLyS産生調節機構の解明

    薬害監視学講座 窪田研究室

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

    抗IL-6 自己抗体

  • 上阪研究室

    4月から、竹中、齋藤両君、梅澤さんの3人が大学院博士課程1年目として加わりました。それぞれに、岩井

    君、溝口君、高村君がマンツーマン

    で基礎から実験手技などの指導を担

    当しました。梅澤さんは、おめでた

    となり大きなお腹を抱えながらも、

    産休の翌年1月を目指して熱心に実験をしました。留学先であるピッツ

    バーグ大学で筋炎におけるJo-1抗原の研究をした副島君が新たに助教とし

    て加わり、筋炎グループに参加して

    います。溝口君は、ハーバード大学

    のMichael Brenner教授のところへ留学することが決まりましたが、なかな

    かヴィザ発行の準備が進みませんで

    した。年内には留学できないだろう

    と皆に懸念されながらも、12月にボストンへと旅立つことができまし

    た。後任助教には、薬学博士でもあ

    る齋藤君が就任しています。溝口君

    は、第55回日本リウマチ学会でベストポスター賞を受賞しました。ま

    た、杉原君、沖山さん、村上君の仕

    事も論文掲載され、チームにとって

    晴れがましいことです。

    岩井君は、今期最終年度を迎えた

    グローバルCOE「歯と骨の分子疾患科学の国際教育研究拠点」の国際PIシャペロンとして、アドバンストIスーパースチューデント(AISS)として採用された当科大学院生の指導

    を行いました。自らの研究内容で

    は、アメリカNIHに移った村上君のTriggering Receptor on Myeloid cells (TREM)-1研究を引き継ぐもので、竹中君とともに未知だったTREM-1リガンドの同定と解析をさらに発展させ

    ました。溝口君は、破骨細胞を制御

    するマイクロRNAをまとめ、さらに関節リウマチ治療応用を目指したマ

    イクロRNAの研究を行い、また、齋藤君やクォリファイドAISS(QAISS)となった松尾君とともに、関節炎における病的滑膜線維芽細胞

    の起源を明らにする研究を軌道に乗

    せました。留学先のBrenner教授は、滑膜線維芽細胞の発言するカドヘリ

    ン-11の研究でも有名で、溝口君のさらなる飛躍が期待されます。 高村君

    は、QAISSとなった梅澤さんの筋炎研究を指導しながら、キラーT細胞による筋線維傷害メカニズムに関する研

    究をし、また、筋炎患者におけるT細胞サブセットの解析も始めました。

    長谷川君も、QAISSとして採用され、多発性筋炎モデルのCタンパク誘導性筋炎(CIM)を用いてCD28刺激遮断という筋炎の新治療法の開発を

    行っています。木村君は、CIMを用いた筋炎研究で中心的な役割を果た

    し、なぜ、ヒトの筋炎が引き起こさ

    れるのかという本質的な研究を進め

    ています。細矢君も、QAISSに採用され、滑膜細胞へのCDK4/6作用を分子レベルで解析するとともに、昨年プ

    ロジェクトセメスターで参画した山

    口君とともに行ったCDK4/6阻害薬と抗サイトカイン薬の併用療法の成果

    をまとめつつあります。中里さん

    は、CIMに関するサイトカイン研究の内容と英語プレゼンテーション力が

    評価され、基礎研究者がほとんどの

    GCOEの中で第2位という好成績でQAISSに採用されました。松尾君も、QAISSに採用され、病的滑膜線維芽細胞の起源に迫る研究を独り立ちして

    進めています。素晴らしい伴侶も得

    てさらに研究に邁進してくれるで

    しょう。プロジェクトセメスターに

    は庭野さんが参画し、齋藤君ととも

    に病的滑膜線維芽細胞の起源に関す

    る研究を行いつつ、新規核内受容体

    リガンドによる関節リウマチの新た

    な治療法の開発に関する研究も進め

    ました。 企業からの研究員である田

    形さん、岩田さんは、我々の研究が

    臨床の場に還元されるべく、引き続

    きユニークな共同研究を展開して下

    さいました。他にも、ソウル国立大

    学、千葉大学、摂南大学、千葉大学

    などとはCIMを用いた共同研究を展開しており、筋炎グループはソウルに

    遠征し、ソウル国立大学でのシンポ

    ジウムで発表しました。また、関節

    炎グループは日本にソウル国立大学

    の研究者を迎えて、大いにディス

    カッションしました。

    これらの研究は、文部科学省・厚生

    労働科研費補助金などでサポートさ

    れています。また、テクニカル・ス

    タッフである吉本は、筋炎研究の

    他、ラボの整備を行っており、グ

    ループ全員をサポートしてくれてお

    り、一同、深く感謝しています。 教

    員室には、6月から栗盛が秘書として加わり、ほのぼのとした雰囲気なが

    ら、仕事はてきぱきとこなし、さす

    がトールガールズの一員と感心され

    ています。

    恒例の研究室旅行は、9月、プロセメOBの前田さんも参加し、久々に川口湖畔で行われました。インターハ

    イ出場経験もある副島君や大学テニ

    ス部の松尾君を交えた本気のテニス

    大会で、上阪は右手靱帯損傷を大い

    に悪化させました。バーベキュー、

    温泉浴、飲み会、ジェンガ、空中座

    禅は恒例となった感があります。今

    年の空中座禅は、岩井君とその弟子

    の細矢、竹中両君が三連浮遊を披露

    し、驚きの渦の中で河口湖の夜は更

    けていきました。翌日は豪雨の中、

    皿の絵柄付けを行いました。座った

    テーブル毎に絵のテーマは異なりま

    したが、「中里さんがさつきやメイ

    に扮する、となりのトトロ名場面」

    という難技に挑む者達もいました。

    できあがったマイ皿は、研究室クリ

    スマス会などの行事で使用される予

    定です。

    南木研究室

    研究室紹介

    18 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 研究室紹介

    薬害監視学講座

    平成17年度に設立された薬害監視学講座は8年目を迎え、下記の構成員で研究を進めまし

    た。 教授 針谷正祥 准教授(併任) 小池竜司 南木敏宏 助教 田中みち 渡部香織 酒井良子 大学院生 山崎隼人 平野史生 木原まり 非常勤薬剤師 矢島真理絵 事務補佐員 高橋智子

    【臨床研究成果】 1) REAL研究 「日本における生物学的製剤使用関節リウマ

    チ患者に関する疫学研究」(REAL研究)は、生物学的製剤使用患者及び対照として生物学的

    製 剤 非 使 用・疾 患 修 飾 性 抗 リ ウ マ チ 薬

    (DMARDs)使用患者に関する安全性情報を収集し、我が国のRA患者における生物学的製剤使用の実態とその安全性を明らかにすることを目

    的としています。平成24年11月には、生物学的製剤投与患者群が1173名、DMARDs投与患者群が776名、合計1949名の登録が確認されています。今年は、TNF阻害薬の重篤感染症発現リスクの時間依存性に関する解析結果がArthritis Care & Researchに、生物学的製剤の継続率に関する解析結果がAnnals of the Rheumatic Diseasesにそれぞれ掲載されました。また、韓国のRA患者レジストリとの比較研究を実施し、解析結果

    を第33回日本炎症再生医学会(平成24年7月)およびアジア太平洋リウマチ学会(同年9月)にて発表し、現在、論文投稿中です。さらに、重篤

    な有害事象に及ぼす肺合併症の影響を検討し、

    第56回日本リウマチ学会総会・学術集会(同年4月)にて発表し、現在、追加解析中です。 2) SECURE研究 当講座は、日本リウマチ学会による、「生物

    学的製剤使用関節リウマチ患者の長期安全性研

    究」(Safety of biologics in clinical use in Japanese patients with rheumatoid arthritis in the long term (SECURE))の事務局として、研究用Webシステムを開発し、患者登録およびデータ収集を行っ

    ています。本研究は日本リウマチ学会の事業と

    して、生物学的製剤の投与が日本人関節リウマ

    チ患者における悪性腫瘍、特に悪性リンパ腫の

    発症率に影響を与えるか否かを明らかにし、生

    命予後への影響を解析することを目的としてい

    ます。平成24年11月現在、351施設が本研究に参加し、19,403症例が登録されています。データの中間解析を行い、現在論文投稿中です。 3) 膠原病における免疫抑制療法下の肺感染症に

    関する前向き研究

    厚生労働省科学研究費補助金「膠原病の生命

    予後規定因子である肺合併症の診断及び治療法

    の再評価と新規開発」研究班における多施設共

    同研究として、膠原病における免疫抑制療法下

    の肺感染症の発症予測因子を同定することを主

    な目的とした前向きコホート研究を実施しまし

    た。775例の患者が本研究に登録され、1年間の観察期間で61例の肺感染症の発症を確認しました。肺感染症発症の生命予後に与える影響、肺

    感染症発症のリスク因子に関する解析を行い、

    米国リウマチ学会(平成24年11月)にて報告し、現在論文作成中です。

    4) 抗好中球細胞質抗体関連血管炎関連遺伝子に関する研究 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎を対象とした、厚生労働省科学研究費補助金「難治性

    血管炎に関する調査研究班」による「MPO-ANCA関連血管炎に関する前向き臨床試験(JMAAV試験)」、「抗 好中球 細胞質抗 体(ANCA)関連血管炎の寛解導入治療の現状とその有効性と安全性に関する観察研究(RemIT-JAV)研 究」、「抗 好 中 球 細 胞 質 抗 体(ANCA)関連血管炎・急速進行性糸球体腎炎の寛解導入治療の現状とその有効性と安全性に

    関する観察研究(RemIT-JAV-RPGN研究)」に登録されたANCA関連血管炎患者を用いて、疾患に関連する遺伝子を調べ、病因や病態を明ら

    かにすることを目的に、ゲノムDNA収集を開始し、現在158検体収集しています。 5) アバタセプトの有効性と安全性に関する解析研究 日本人におけるアバタセプトの有効性と安全

    性について検討し、有効性予測因子を探索する

    ことを目的とし、患者登録を開始しました。投

    与前、投与開始6ヶ月後の血液サンプルから得られる網羅的な遺伝子発現情報と臨床経過との関

    係を解析することによって、治療効果の予測

    マーカー遺伝子を抽出し、アバタセプトの効果

    予測を目指しています。平成24年12月現在で、

    研究全体で149例が登録されています。また、本研究と並行して行われる「日本人関節リウマチ

    患者におけるアバタセプトの有効性と安全性に

    関連する遺伝子の解析研究」において、ゲノム

    DNAを収集し、臨床情報と関連付けた遺伝子解析

    を進めることにより、我が国におけるアバタセ

    プトの薬剤感受性関連遺伝子を同定することも

    目的としています。

    6) 早期関節炎に関する前向きコホート研究 関節リウマチは、2009年米国リウマチ学会および欧州リウマチ学会から新たなRA分類基準が提唱され、また疾患修飾性抗リウマチ薬の早期

    開始によりRAの疾患活動性を可及的速やかに消失させ(寛解導入)、それを維持する治療戦略

    (treat-to-targetおよびtight control)の重要性が認識され、世界的なコンセンサスとなっていま

    す。我が国では、TNF阻害薬3剤、IL-6受容体阻害薬、T細胞阻害薬が承認され、さらにRA治療の中心的薬剤であるメトトレキサートは、16㎎/週までの増量が承認され、国内の治療環境が大

    きく変化しています。そこで、このような新し

    い診断・治療環境下でより良い治療戦略を確立

    するため、発症1年未満の早期関節炎にて当院を初診した患者(RAとは限らない)を対象として、前向きに各種臨床データを集積するととも

    に、各種のバイオマーカーを探索することを目

    的とするコホート研究を計画しました。現在、

    68症例を登録しています。 7) TNF阻害薬使用関節リウマチ(RA)患者におけるニューモシスチス肺炎(PCP)に関する薬剤疫学研究

    これまでに集積したインフリキシマブ、エタ

    ネルセプト、アダリムマブ投与下に発症した

    PCP51例における臨床的特徴と発症危険因子を明らかにすることを目的とし、上記3剤のTNF阻害薬使用RA患者におけるPCPの臨床データを解析し、PCP非発症例と比較しました。PCP非発症RA患者265例のTNF阻害薬開始時のデータを用いた多変量解析では、PCP発症危険因子として、高齢、既存の肺病変合併、糖尿病合併、

    PSL 5mg/日以上が同定され、危険因子が1つ増えるごとに有意にPCP累積発症率が上昇することが示されました。解析結果を第55回日本リウマチ学会総会・学術集会にて報告しました。 8) 関節リウマチにおける合併症に関する研究(COMORA試験) RAの予後を規定する因子として、関節病変の他に、併存する各種合併疾患が知られています

    が、これらの合併症に関する詳細な疫学的デー

    タは得られていません。そこで、本研究は、RA患者における各種合併症の頻度およびその状態

    に関する系統的なデータを得ることを目的と

    し、国際共同研究として各国で系統的にデータ

    収集が実施されています。日本国内では計207名のRA患者を登録し、解析を行います。RA臨床疫学データベース構築分科会、研究発表会にて

    その結果を発表しました。 9) 中・高疾患活動性関節リウマチ患者における「目標達成に向けた治療」に関する臨床疫学的

    研究(T2T疫学研究) 疾患修飾性抗リウマチ薬の早期開始によりRAの疾患活動性を可及的速やかに消失させ(寛解導入)、それを維持する治療戦略(「目標達成に向けた治療」:treat-to-target;T2T)の重要性が認識され、世界的なコンセンサスとなっていま

    す。しかし我が国には、T2Tのリコメンデーションの裏付けとなる十分なエビデンスは存在

    しません。そこで、中・高疾患活動性を有する

    RA患者における寛解または低疾患活動性達成とその維持が、関節構造変化および身体機能に与

    える影響を同定することを主目的とし、「寛

    解」、「低疾患活動性」の日常臨床における達

    成率、「目標達成に向けた治療(T2T)」の実施率、阻害要因を明らかにすることを副次的目的

    とした本研究を開始しました。目標症例数311例のところ、平成24年12月現在計267例が登録されています。平成24年8月31日までに登録された患者を対象に48週後までの観察データを用いた中間解析を、平成25年3月31日までに登録された全患者を対象に72週後までの観察データを用いた最終解析を行う予定です。 10) 活動性早期RA患者におけるMTXをアンカードラッグとする計画的強化治療の有効性と安全

    性に関するランダム化並行群間比較試験(活動

    性早期RA強化治療試験) 我が国の早期活動性RA患者を対象に、アンカードラッグであるMTXの急速増量法と最大耐用量投与による寛解達成とその維持を治療目標

    とする計画的強化治療(MTXによる強化治療群)と、患者の治療反応性をみながら治療強度

    を調整する従来の治療方法(従来治療群)を比

    較し、臨床的寛解と身体機能の正常化に寄与す

    る因子を同定することを主な目的とするランダ

    ム化試験を開始しました。平成24年12月現在32症例が登録されています。

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 19

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 11) 顕微鏡的多発血管炎患者における肺病変の画像所見に関する多施設後ろ向き研究

    顕微鏡的多発血管炎(Microscopic polyangiitis, 以下MPA)は、30~70%の症例で肺病変を認めます。そこで、MPAと診断された患者(肺病変の有無は問わない)において、胸部CT画像所見の特徴について精査することを主目的とし、また治

    療に伴う経時的な肺病変の変化、進行が、患者

    の転帰、予後に与える影響についても解明する

    ことを目的に、本研究を開始しました。研究参

    加施設に入院し、初回の治療を行ったMPA患者50例を後ろ向きにデータを収集し、胸部CT所見の内訳、肺病変の有無と予後に与える影響を解

    析し、現在論文作成中です。 12) 日本における分子標的治療薬使用関節リウマチ患者に関するアウトカム研究(CORRECT研究)

    当講座ではRAの日常臨床における生物学的製剤の安全性を検討するため平成18年にREALを立ち上げ、短期・中期的な生物学的製剤の安

    全性を中心に多くの研究成果を報告してきまし

    た。しかし、RAの診療環境の変化が非常に早く、また、今後も続々とRAの新規分子標的治療薬が開発・上市される予定であり、5年前に開始したREAL研究では十分に対応できない状況が生まれてきました。そこで今回、新時代のRAの分子標的治療に関する安全性と有効性のデータ

    を 収集 し、エ ビデ ンス を確 立す るため、

    CORRECT研究を立ち上げました。本研究では、分子標的治療薬使用患者及び対照としてメ

    トトレキサート使用患者に関する安全性と治療

    効果に関する情報を収集し、我が国のRA患者における分子標的治療薬使用の実態およびその

    短・中期安全性と有効性を明らかにすることを

    目的とします。今年は本研究のwebシステムを確立し、患者登録を開始しました。今後も引き

    続き患者登録および追跡データの収集を継続

    し、十分な症例数が確保したのち解析を実施す

    る予定です。 13) リウマチ性疾患患者に対するST合剤予防投与における減量・漸増投与法の有効性と忍容性

    に関するランダム化比較試験(ST合剤減量・漸増投与試験)

    リウマチ性疾患患者で副腎皮質ステロイ

    ドを開始する患者を対象に、PCP予防としてST合剤を少量から開始し漸増して常用量の半量(バクタ®として0.5g/日)で継続する投与法、常用量(バクタ® として1.0g/日)で開始して継続する投与法、常用量の半量(バクタ® として0.5g/日)で開始して継続する投与法を比較し、有効

    性と忍容性について検討することを主な目的と

    するランダム化試験を開始しました。平成24年12月現在31症例が登録されています。

    【基礎研究成果】

    針谷正祥、南木敏宏、大学院生の宮部斉

    重、宮部千恵、福田真、高安愛子、横山和佳、

    テクニカルスタッフの山地恵により、膠原病の

    病態解明、新規治療法の開発を目的に基礎研究

    を行っています。一昨年度まで大学院生として

    研究を行った渡部香織は、関節リウマチにおけ

    るCXCR7の病態形成への関与を解析し、その論文報告により、平成23年度東京医科歯科大学医学研究奨励賞を平成24年1月に授賞しました。

    1) 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎におけるneutrophil extracellular traps (NETs)形成と病態形成

    ANCA関連血管炎における好中球と血管内皮細胞の相互作用を解析しています。

    2) リゾホスファチジン酸による関節炎病態形成

    脂質メディエーターであるリゾホスファ

    チジン酸による関節炎病態形成への関与の解析

    を行い、細胞遊走、破骨細胞分化、Th分化への影響を解明しました。またリゾホスファチジン

    酸阻害による関節炎抑制効果を見出し、現在論

    文投稿中です。 3) レチノイドによる血管炎抑制 血管炎モデルマウスを用いて、レチノイ

    ドによる好中球活性抑制効果を解明し、またレ

    チノイドによる血管炎抑制効果を見出しまし

    た。本研究結果は、Arthritis & Rheumatismにacceptされました。

    4) カンナビノイド受容体特異的リガンドによる関節炎抑制

    カンナビノイド受容体2に特異的なリガンドによる関節炎抑制効果、免疫担当細胞の活性

    化抑制効果を解析しています。 5) CCケモカイン18(CCL18)による滑膜細胞

    活性化 CCL18刺激による滑膜線維芽細胞からの

    サイトカイン、ケモカイン産生亢進作用を見出

    し、現在論文投稿中です。 6) CCL25/CCR9相互作用阻害による関節炎抑

    制 CCL25による免疫細胞の活性化、またそ

    の受容体であるCCR9阻害による関節炎抑制効果の解析を行っています。

    7) 抗IL-6自己抗体 重症細菌感染症にもかかわらずCRPが上

    昇しない患者2例から、抗IL-6自己抗体を見出し、その特徴を解析しました。現在論文投稿中

    です。

    私たちのグループでは、多発性筋炎・皮膚筋

    炎に合併する間質性肺炎に対するタクロリムス

    の新規治療法候補としての開発を、厚生労働科

    学研究費補助金「治験推進研究事業」採択課題

    として、製薬会社主導ではなく研究者主導にて

    進めています。まず本院症例にて行った後ろ向

    き症例解析より得られたタクロリムスによる良

    好な治療反応データにもとづき、2006年度より「タクロリムスおよび副腎皮質ステロイド薬併

    用群単群よりなるオープンラベル治験」と「副

    腎皮質ステロイド薬単独で初期治療が行われた

    歴史的対照群のデータ収集」よりなる第II/III相GCP完全準拠治験の計画を開始し、2007年度に全11参加医療機関におけるIRB承認の上6月に治験届提出、7月より被験者登録を開始し、目標登録症例数を達成し2009年12月末に登録期間を修了しました。2011年1月に最終被験者最終観察が終了し、また歴史的比較対照群データ収集も終

    了し、症例検討会を経て症例報告書が固定され

    ました。2012年度にはオーファン指定が得られ、それと平行して総括報告書を完成させ、最

    終的に9月に効能追加承認申請がアステラス製薬株式会社によりなされました。本院は治験中央

    事務局として、今後の医薬品医療機器総合機構

    による書面および実地調査にむけて準備を進め

    ています。2012年度はこれまで事務局業務を支えてくれていた光石桃子さんが退職され、栗盛

    可南子さんが引き継いでくれています。また、

    株式会社アイロムから常駐し支えてくれてい

    た、「影の治験調整医師」と言っても過言では

    ない引地飛鳥さんも株式会社アイロムに戻られ

    ましたが、同社を挙げての協力を引き続きいた

    だき、準備を進めています。

    20 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    研究室紹介

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

    IMPPACT study

  • 医学部附属病院

    臨床試験管理センター

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 21

    窪田研究室 保健衛生学研究科 窪田研究室

    窪田哲朗 教授

    加藤優子 助教

    高橋里河 大学院生

    伊藤さやか 大学院生

    野本順子 大学院生

    井上久美 大学院生

    岩田美沙子 卒研生

    研究テーマ 抗リン脂質抗体症候群:in vivoモデルを使った解析 自己炎症疾患:inflammasomeの機能 保健衛生学研究科生体防御検査学分野の英語名はSection of Microbiology and Immu-nology,免疫検査と細菌検査の2つの研究室があり,今年(2012年)4月から私が分野長(教授)を務めることになりました。もと

    より当研究科のミッションは指導的立場に

    立てる臨床検査技師を育成することにあ

    り,私は学生たちを前にして「検査技師に

    よる検査技師のための大学院」を創ること

    が目標だと言ってきました。いま平成元年

    の設立以来24年が経過して,全国で活躍する卒業生の中からも,ようやくそのような

    人材が見受けられるようになってきたとこ

    ろです。そこで当分野でも,5月から5回生の斎藤良一君を准教授に,8月からは6回生の加藤優子さんを助教に採用し,目標の実

    現に一歩前進しました(写真)。斎藤君に

    は細菌検査研究室を,加藤さんには免疫検

    査研究室を担当してもらい,今,彼らが力

    を発揮できるように研究室の整備に取り組

    んでいます。 斎藤君については,小池竜司先生が率い

    る附属病院感染対策室のメンバーにも加え

    ていただき,従来検査部のルーチン検査の

    みでは対応出来なかった多剤耐性菌や院内

    感染菌の解析に微力ながら貢献できないか

    と,活動を始めています。今後さらに附属

    病院の先生方の協力のもと,研究科と附属

    病院の連携強化を進めてゆきたいと考えて

    いますので,よろしくお願いいたします。

    研究業績

    学会発表 1. Takahashi S, Kubota T. Inhibition of the NF-kappa B pathway as a candidate strategy for treatment of cryopyrin-associated periodic syndrome. 12th Meeting of the Asian Society of Clinical Pathology and Labora-tory Medicine, Kyoto, 2012. 2. Ito S, Iwata M, Kubota T. Simultaneous inhibition of NF-B and caspase-1 by a cell-permeable com-

    pound DHMEQ leads to potent suppression of IL-1. 12th Meeting of the Asian Society of Clinical Patholo-gy and Laboratory Medicine, Kyoto, 2012. 3. 高安愛子,宮部斉重,金子佳代子,宮部千恵,横山和佳,福田真,窪田哲朗,宮坂信之,南木敏

    宏. CCL18による関節リウマチ線維芽細胞様滑膜細胞の活性化. 第56回日本リウマチ学会,東京,2012. 4. 山本晃央,山崎隼人,窪田哲朗,上阪等,宮坂信之. 若年性特発性関節炎とクローン病の疑いと診断されていたPAPA症候群の一例. 第56回日本リウマチ学会,東京,2012. 5. 梅澤夏佳,小池竜司,窪田哲朗,野口佳裕,宮坂信之. 新生児期に発症し,成人後に診断に至ったMuckle-Wells症候群の1例. 第587回日本内科学会関東地方会,東京,2012. 6. 高橋里河,窪田哲朗. NF-B経路はクリオピリン関連周期熱症候群の病態発現に主要な役割を果

    たしている. 第7回日本臨床検査学教育学会,名古屋,2012. 7. 長雄一郎,窪田哲朗,木下淳博,星治. E-learning教材を活用した臨床検査技師卒前教育における組織学の自己学習による教育効果. 第7回日本臨床検査学教育学会,名古屋,2012. 8. 伊藤さやか,原諭吉,窪田哲朗. NLRP3インフラマソームの制御機構. 第40回日本臨床免疫学会,東京,2012. 9. 高橋里河,窪田哲朗. クリオピリン関連周期熱症候群の病態形成にはNF-B経路が重要である. 第59回日本臨床検査医学会,京都,2012. 10. 長雄一郎,窪田哲朗,木下淳博,星治. 臨床検査技師におけるe-learning教材の活用: 組織学の自己学習による教育効果. 第59回日本臨床検査医学会,京都,2012. 原著論文 1. Suzuki F, Kubota T, Miyazaki Y, Ishikawa K, Ebisawa M, Hirohata S, Ogura T, Mizusawa H, Imai T, Miyasaka N, Nanki T. Serum level of soluble CX3CL1/fractalkine is elevated in patients with poly-myositis and dermatomyositis, which is correlated with disease activity. Arthritis Res Ther 14:R48, 2012. 2. Watanabe K, Sakai R, Koike R, Sakai F, Sugiyama H, Tanaka M, Komano Y, Akiyama Y, Mimura T, Kaneko M, Tokuda H, Iso T, Motegi M, Ikeda K, Nakajima Y, Taki H, Kubota T, Kodama H, Sugii S, Kuroiwa T, Nawata Y, Shiozawa K, Ogata A, Sawada S, Matsukawa Y, Okazaki T, Mukai M, Iwahashi M, Saito K, Tanaka Y, Nanki T, Miyasaka N, Harigai M. Clinical characteristics and risk factors for Pneumo-cystis jirovecii pneumonia in patients with rheumatoid arthritis receiving adalimumab: a retrospective review and case-control study of 17 patients. Mod Rheumatol (in press) 3. Nishimura M, Nii T, Trimova G, Miura S, Umeza-wa K, Ushiyama A, Kubota T. The NF-B specific inhibitor DHMEQ prevents thrombus formation in a mouse model of antiphospholipid syndrome. J Nephropathol (in press). 4. Saito R, Matsuoka S, Fujinami Y, Nonaka S, Ichinose S, Kubota T, Okamura N. Role of Moraxella catarrhalis outer membrane protein CD in bacterial cell morphology and autoaggregation. Res Microbiol (in press). 指導論文 岩田美沙子. IL-1産生系におけるNF-B阻害剤DHMEQの新たな作用点に関する検討. (平成24年度卒業論文)

    センター長 准教授 小池竜司

    臨床試験管理センターでは、当院のすべての治験と市販後調査、一部の医師主導臨床研

    究の事務局として、申請の受付、治験等審査

    委員会(IRB)の事務支援、受託研究契約、CRCによる研究実施支援、安全性情報の報告などを行っています。平成23年度も受託治験数、組み入れ患者数とも、膠原病・リウマチ

    内科は院内トップであり、今年11月に開催した治験研修セミナーの場において、感謝の意

    を込めて表彰させていただきました。臨床試

    験管理センターとして、あらためてこの場を

    借りて、膠原病・リウマチ内科スタッフの皆

    様に感謝申し上げます。 治験や臨床開発といった事業は、特に実践

    的医学の進歩において必須のことではありま

    すが、実際には多方面に大きな影響を与える

    ことをあらためて考えさせられています。ご

    存じのように、インフリキシマブから始まっ

    た生物学的製剤の開発はRAの診断基準、真の治療目標、患者QOL、医療経済、医薬品安全性といった多様な領域への関心や研究を活性

    化し、治療戦略全般の大きな変革をもたらし

    ました。 こうしたRA診療の変革過程をあらためて眺めてみますと、医療における新薬開発のイン

    パクトがいかに大きなものであるかを感じま

    す。しかし、新薬開発において試験管内研究

    や動物実験はほんの始まりに過ぎず、その先

    にある高く険しい山を踏破しなくては決して

    実現しません。具体的には臨床試験計画を作

    り、薬剤の製剤化や品質管理を行い、行政当

    局と交渉や調整を行い、共同研究施設の調整

    を行い、実施された試験のデータを整理し公

    開可能な形に分析し、最終的に承認申請の書

    類作成や手続きを行い…と考えただけでも気

    の遠くなるような作業です。従来これらは、

    製薬企業や治験支援企業にただ委託してきた

    わけですが、研究者自身も積極的に関わって

    いくことが求められるようになってきまし

    た。これらを広く含む領域を学問とした分野

    が臨床薬理学にあたります。日本臨床薬理学

    会は日本医学会分科会の一つですが、本学と

    していずれの部署や診療科も積極的に参加す

    る機会が少なくなっているようです。 臨床試験管理センターは基本的には病院内

    で臨床試験実施支援を行う部署ですが、アカ

    デミアの一員として、学内の臨床薬理学の教

    育や実践も視野に入れていく必要性を感じて

    います。今後は関連学会や研究会に積極的に

    参加し、情報収集および発信にも力を入れて

    いきたいと考えております。その結果は、当

    科の診療や研究の発展にも必ずや還元できる

    ものと信じております。今後とも引き続きご

    協力お願いいたします。

    研究室紹介

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 3rd International Conference on Osteoimmunolo-gy. Travel Award 溝口史高

    2010年6月にギリシャのサントリーニにて開催されました第3回国際骨免疫会議におきまして、溝口史高先生の以下の研究報告が評価され、Travel awardを受賞しました。

    「MIR-31 contributes to the optimal bone resorption by osteo-clasts」 Good Teacher賞 (東京医科歯科大学医学部医学科2009年度卒業生による) 高田和生

    22 TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012

    受賞

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 研究助成金

    宮坂信之 厚生労働省科学研究費補助金/難治性疾患克服研究事業

    「難治性疾患克服研究の評価並び研究の方向性に関する研究」(主任研究者:千葉 勉)分担研究者:1,500千円

    宮坂信之 厚生労働省科学研究費補助金/免疫アレルギー疾患予防・

    治験研究事業「関節リウマチの関節破壊ゼロを目指す治療指針の確

    立、及び根治・修復療法の開発の関する研究」(主任研究者:田中良哉)分担研究者:2,500千円

    宮坂信之 厚生労働省科学研究費補助金/治験推進事業『「多発性筋

    炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎に対するタクロリムスの臨床試

    験」の調整・管理に関する研究』主任研究者:42,970千円 宮坂信之 厚生労働省科学研究費補助金/治験推進事業「治験の実施

    に関する研究[タクロリムス水和物]」主任研究者:325千円 宮坂信之 GCOEイノベーション研究費/「GCOE拠点内における異な

    る分野のInovationを確立する研究提案」1,566,977円 針谷正祥 文部科学省科学研究費補助金/基盤研究(B)「関節リウ

    マチにおける生物学的製剤の長期安全性と副作用リスク因子に関す

    る疫学研究」主任研究者 4,810千円(分担研究者:宮坂信之 200千円)(分担研究者:小池竜司 50千円)(分担研究者:南木敏宏 350千円)

    針谷正祥 厚生労働省科学研究費補助金/難治性疾患克服研究事業

    「難治性血管炎に関する調査研究」(主任研究者:槇野博史)分担研究者:960千円

    針谷正祥 厚生労働省科学研究費補助金/免疫アレルギー疾患等予

    防・治療研究事業「関節リウマチに対する生物学的製剤の作用機

    序、投与法法、治療効果等に関する研究」(主任研究者:竹内勤)

    分担研究者:2,000千円 上阪 等 文部科学省科学研究費補助金/基盤(A)「新しいメカニ

    ズムによる次世代抗リウマチ療法の開発」 主任研究者:12,700千円(分担研究者 宮坂信之:250千円)(分担研究者 溝口史高:250千円

    上阪 等 文部科学省科学研究費補助金/挑戦的萌芽研究「難治疾患

    病態理解のための筋免疫学創成への挑戦」 主任研究者 3,000千円 上阪 等 厚生労働省科学研究費補助金/難治性疾患克服研究事業

    「新たな診断・治療法開発のための免疫学的手法の開発に関する研

    究」(主任研究者:小池隆夫)分担研究者:3,000千円 上阪 等 厚生労働省科学研究費補助金/免疫アレルギー疾患等予

    防・治験研究事業「免疫疾患の病因・病態解析とその制御戦略への

    アプローチ」(主任研究者:住田孝之)分担研究者:1,750千円 上阪 等 共同研究(ベネシス)「多発性筋炎・皮膚筋炎などの難病

    に対する人免疫グロブリン療法の作用機序の解明」1,000千円 上阪 等 共同研究(ファルマエイト)「関節リウマチおよび糖尿病

    を対象とした評価・アッセイ技術および化合物の合成展開技術の融

    合による治療薬の開発」420千円 上阪 等 二国間交流事業共同研究/セミナー(韓国KOSEF)「新規治

    療法開発に向けた多発性筋炎にかかわるサイトカインの研究」800千円

    上阪 等 共同研究(帝人ファーマ)「滑膜細胞増殖に関する研究」

    2,420千円 上阪 等 共同研究(ノボ・ノルディクス)「骨代謝作用におけるIL-

    20の働きについての千円研究」3,000千円 南木敏宏 文部科学省科学研究費補助金/基盤(C)「フラクタルカ

    イン阻害による血管炎症候群に対する新規治療法の開発」主任研究

    者:910千円(分担研究者 宮坂信之:100千円) 南木敏宏 共同研究(エーザイ)「ケモカイン・接着分子等の関節リ

    ウマチなどの自己免疫疾患における役割の研究」1,000千円 南木敏宏 財団法人武田科学振興財団2010年度医学系研究奨励「脂質

    メディエーターを標的とした関節リウマチの新規治療法の開発」主

    任研究者:3,000千円 高田和生 厚生労働省科学研究費補助金/難治性疾患克服研究事業

    「自己免疫疾患に関する調査研究」(主任研究者:山本一彦)分担

    研究者:3,000千円

    TMDU Dept. of Medicine and Rheumatology Annual Repor t 2012 23

    研究助成金

    (千円) 200,000

    150,000

    100,000

    50,000

    0 2005 2006 2007 2008 2009 2010

    獲得研究助成金額

    当科は、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(S)、(A)、(B)、特定領域研究)、厚生労働科学研究費補助金、そして財団や企業などから多くの研究助成金を獲得し、基礎から臨床まで幅広く臨床免疫学・膠原病学の発展のために研究活動を行っています。 これは当科の研究活動が基礎から臨床までの広い分野の多岐にわたるテーマへと広がり、そして質が高く実際臨床に還元されうる知見の創出にむけ貢献していることが評価されたものであると理解しております。それと同時に、社会からの期待の反映でもあることも深く認識しており、責任を感じつつ今後ますますの発展に向け日々努力しています。

    外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    学内における活動の概要

  • 外来診療 ・ 病棟診療 ・ 教育 ・ 研究テーマ ・ 研究室紹介 ・ 研究業績他

    研究助成金

    研究助成金

    溝口史高 文部科学省科学研究費補助金/若手研究(B)「関節リウマチの病態におけるmicroRNAの役割の解明と治療応用の検討」1,400千円

    岩井秀之 文部科学省科学研究費補助金/若手研究(B)「新規細胞表面分子TREM1リガンド及び細胞周期阻害による新規関節炎治療法の開発」主任研究者:1,500千円

    岩井秀之 GCOEシャペロン教員競争的研究資金 1,000千円 高村聡人 文部科学省科学研究費補助金/研�