卒　業　論　文

アンビエントインテリジェンスを用いた

HNSの提案,HNS 環境におけるユーザ移動の研究

2003MT064 長 江 洋 子

2003MT110 山 田 松 江

指 導 教 員 　 青 山 幹 雄

2007 年 1 月

南 山 大 学 　 数 理 情 報 学 部 　 情 報 通 信 学 科

<< 英語名>>

2003MT064 　 Yoko Nagae2003MT110 　 Matsue Yamada

Supervisor Mikio Aoyama January 2007

Department of Information and Telecommunication Engineering Faculty of Mathematical Sciences and Information Engineering

Nanzan University

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要約・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

Abstract////////////////.

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目次1 は じ め に ............................................................................................... 5

1.1 研 究 の 背 景 ..................................................................................................... 51.2 研 究 の 目 的 ..................................................................................................... 51.3 本 論 文 の 構 成 .............................................................................................. 5

2 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム (HNS)......................................6

2.1 ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク ................................................................ 62.1.1 社 会 の ユ ビ キ タ ス 化 ...................................................................... 62.1.2 ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク の 5 つ の 技 術 ..................... 6

2.2 情 報 家 電 と は .............................................................................................. 82.3 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム と は ....................................... 82.4 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム に 必 要 な 条 件 ............... 8

2.4.1 相 互 運 用 性 .............................................................................................. 92.4.2 プ ラ グ ア ン ド プ レ イ （ plug and play） ................................. 92.4.3 拡 張 性 ........................................................................................................ 102.4.4 安 心 利 用 .................................................................................................. 102.4.5 コ ピ ー プ ロ テ ク シ ョ ン ............................................................. 10

2.5 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の 応 用 分 野 .................. 102.5.1 AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク ......................................................................... 112.5.2 パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク ....................................................... 112.5.3 家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク ................................................................... 11

2.6 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の 標 準 化 動 向 ............ 122.6.1 ミ ド ル ウ ェ ア 規 格 ......................................................................... 122.6.2 ネ ッ ト ワ ー ク 規 格 ......................................................................... 15

2.7 ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ ......................................................................... 173 従 来 研 究 の 動 向 ............................................................................. 18

3.1 SOA と は ........................................................................................................... 183.1.1 Web サ ー ビ ス と は ............................................................................ 183.1.2 Web サ ー ビ ス を 実 現 す る ３ つ の 標 準 ........................... 193.1.3 Web サ ー ビ ス の 利 点 ...................................................................... 203.1.4 XML.......................................................................................................................203.1.5 SOAP....................................................................................................................213.1.6 WSDL （ Web Services Description Language ） ....................................... 213.1.7 UDDI....................................................................................................................22

3.2 サ ー ビ ス シ ナ リ オ ............................................................................... 233.2.1 サ ー ビ ス シ ナ リ オ と は ............................................................. 233.2.2 サ ー ビ ス の 構 成 要 素 の 粒 度 ................................................. 24

3.3 コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア ................................................................... 253.4 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス .......................................... 26

3.4.1 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 構 成 要 素 ...... 273.4.2 セ ン サ 技 術 ........................................................................................... 27

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4 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の 問 題 点 ......................... 30

4.1 家 庭 内 に お け る 複 雑 な コ ン テ キ ス ト .............................. 304.2 ユ ー ザ の 移 動 毎 に 発 生 す る 機 器 操 作 .............................. 31

5 解 決 方 法 ............................................................................................ 34

5.1 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス に 基 づ く 提 案 ...... 345.2 コ ン テ キ ス ト に 対 応 付 け た 環 境 プ ロ パ テ ィ の 導 入345.3 ユ ー ザ 移 動 を 考 慮 し た 連 続 的 な サ ー ビ ス 提 供 ...... 365.4 問 題 点 解 決 の た め の モ デ ル ....................................................... 395.5 処 理 の 流 れ .................................................................................................. 405.6 実 行 例 .............................................................................................................. 41

6 プ ロ ト タ イ プ に よ る 実 験 ........................................................ 44

6.1 実 験 の 概 要 .................................................................................................. 446.2 実 験 環 境 ........................................................................................................ 44

6.2.1 実 験 に 使 用 す る ソ フ ト ウ ェ ア 環 境 .............................. 446.2.2 想 定 す る 家 庭 環 境 ......................................................................... 45

6.3 プ ロ ト タ イ プ の 実 装 ......................................................................... 476.3.1 プ ロ ト タ イ プ で 作 成 し た ク ラ ス 図 .............................. 476.3.2 シ ー ケ ン ス 図 ..................................................................................... 48

6.4 実 験 内 容 と そ の 結 果 ......................................................................... 496.4.1 ケ ー ス ス タ デ ィ １ （ 純 粋 な 環 境 プ ロ パ テ ィ の 引き 継 ぎ ） ........................................................................................................... 506.4.2 ケ ー ス ス タ デ ィ ２ （ 環 境 プ ロ パ テ ィ の 副 作 用 ）506.4.3 ケ ー ス ス タ デ ィ ３ （ 純 粋 な 機 器 プ ロ パ テ ィ の 引き 継 ぎ ） ........................................................................................................... 516.4.4 ケ ー ス ス タ デ ィ ４ （ 外 部 入 力 を 受 け た 機 器 プ ロパ テ ィ の 引 き 継 ぎ ） ............................................................................ 52

6.5 シ ナ リ オ を 通 し た 実 験 と そ の 結 果 .................................... 527 評 価 と 考 察 ....................................................................................... 53

7.1 ケ ー ス ス タ デ ィ の 評 価 ................................................................... 537.2 シ ナ リ オ の 評 価 ..................................................................................... 537.3 本 研 究 の 評 価 と 考 察 ......................................................................... 54

8 今 後 の 課 題 ....................................................................................... 55

8.1 P2P の 導 入 ..................................................................................................... 558.2 制 約 の 導 入 .................................................................................................. 558.3 時 間 的 連 続 性 の 考 慮 ......................................................................... 55

9 ま と め .................................................................................................. 56

参 考 文 献 .................................................................................................. 57

付 録 ................................................................................................................................ 58

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1 はじめに

1.1 研 究 の 背 景現 在 ， ユ ビ キ タ ス コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ 環 境 の 実 現 が

進 ん で お り ， そ の 波 が 家 庭 環 境 に お け る ホ ー ム ネ ッ トワ ー ク シ ス テ ム (HNS) ま で 広 が っ て い る ． HNS に 関 す る 従来 の 研 究 で は ， 予 め 決 め ら れ た 場 所 で の サ ー ビ ス 提 供や ， 機 器 の 連 携 を 想 定 し て い る ． し か し ， ユ ー ザ は いつ も 同 じ 場 所 に い る と も 限 ら ず ， ユ ー ザ の 移 動 に 柔 軟な 機 器 の サ ー ビ ス を 行 う 必 要 が あ る ．

ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス と い う 概 念 の 普 及 に伴 い ， 周 囲 の 環 境 変 化 に 対 応 し て 動 作 を 変 更 す る 家 電機 器 や ， そ れ ら の 家 電 機 器 を 組 み 合 わ せ た 連 携 サ ー ビス の 開 発 な ど が 進 め ら れ て い る ．

1.2 研 究 の 目 的本 研 究 で は ， 家 庭 内 に お け る 人 の 動 き と ， エ ア コ ン

の 暖 房 や 窓 の 開 閉 と い っ た 環 境 を 変 化 さ せ る 働 き を 持っ た 機 器 の 機 能 に 着 目 し ，( １ ) ユ ー ザ の 期 待 す る 温 度 や ， 湿 度 等 の 環 境 と ， 実 際

の 環 境 を 比 較 し ， ユ ー ザ の 期 待 す る 環 境 を 実 現 す るた め に 最 適 な 機 器 の 機 能 の 組 み 合 わ せ を 連 携 サ ー ビス と し て 自 動 抽 出 し ， サ ー ビ ス を 実 行 す る ．

( ２ ) ユ ー ザ の 動 き に 追 随 し ， 連 続 的 に ユ ー ザ に サ ー ビス を 提 供 す る ．

以 上 の ２ 点 を 実 現 す る HNS に よ る 自 律 的 な サ ー ビ ス 提 供モ デ ル を 提 案 す る ．

提 案 す る モ デ ル は ， ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン スの 概 念 を 適 用 し ， ユ ー ザ の 移 動 と 共 に ， 知 能 を 持 っ た環 境 が 自 律 的 に ユ ー ザ の 移 動 を 認 知 し ， ユ ー ザ の 周 囲環 境 を 作 り 出 す ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 提 案 し ， そ の 評 価を 行 う ．

1.3 本 論 文 の 構 成本 論 文 の 構 成 は 以 下 の よ う に な っ て い る ．

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2 ホームネットワークシステム(HNS)2.1 ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク

2.1.1 社 会 の ユ ビ キ タ ス 化

イ ン タ ー ネ ッ ト の 活 用 は 1990 年 代 の 中 頃 か ら 米 国 を 中心 に 急 速 に 普 及 し た が ， 今 ま で の ネ ッ ト ワ ー ク は ， 偏っ て 存 在 す る ネ ッ ト ワ ー ク で あ っ た ． ま ず ， ユ ー ザ はパ ソ コ ン (PC) に 向 い ， そ れ か ら イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 を して e コ マ ー ス を 行 う と い っ た よ う に ， PC が ネ ッ ト ワ ー クの 基 点 と な ら ざ る を 得 な い 状 況 が あ っ た ． イ ン タ ー ネッ ト に 接 続 す る 方 式 で あ る 従 来 の IPv4(Internet Protocol version 4)は ， 世 界 全 体 で 43 億 個 の ア ド レ ス を 作 れ る よ う に し たが ， こ れ は せ い ぜ い １ 人 に 1 つ の ア ド レ ス し か 割 り 当 てら れ な い た め ， 偏 っ て 存 在 す る 端 末 を 介 し て の ネ ッ トワ ー ク 接 続 を 可 能 と し ， 時 代 を 形 作 っ た ．こ れ に 対 し て ， こ れ か ら は PC を は じ め と し て ， テ レ ビ ，

携 帯 電 話 な ど ， あ ま ね く 存 在 す る 端 末 を 利 用 し て ネ ット ワ ー ク 活 用 が 可 能 と な る 社 会 に な る と 考 え ら れ る ．

今 ま で の イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 は ， 偏 っ て い る と い う 点で は 初 歩 的 な 段 階 で あ り ， こ れ か ら は 遍 在 利 用 と し て本 格 的 な 時 代 を 迎 え る こ と に な る ． 多 種 多 様 な 方 法 で ，互 い に 情 報 を 通 信 で き る ，“ 遍 在 す る ” ネ ッ ト ワ ー ク を ユビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク と い う ．「 ユ ビ キ タ ス 」 と い う 概 念 は 1988 年 に Xerox 社 の Mark Weiser

に よ っ て 広 く 認 知 さ れ る よ う に な っ た ． 「 ユ ビ キ タス 」 は 「 遍 在 す る 」 ， 「 ど こ に で も 存 在 す る 」 な ど と訳 さ れ る ラ テ ン 語 の 「 ubiquitous 」 か ら 派 生 し た 言 葉 で ある ． Mark Weiser ら に よ れ ば ， ユ ビ キ タ ス コ ン ピ ュ ー テ ィ ング は ， コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ に お け る ， メ イ ン フ レ ーム ・ パ ソ コ ン に 続 く 第 3 の 波 と し て 捉 え ら れ ， 日 常 の 中で 目 に 見 え る こ と な く 用 い ら れ る ．具 体 的 に は ， 一 人 当 た り 何 百 も の あ ら ゆ る サ イ ズ の デバ イ ス が い た る こ と こ ろ に あ り ワ イ ヤ レ ス に よ り 接 続し ， 操 作 を 意 識 す る こ と な く 使 え る 環 境 を 目 指 し て いる ．

2.1.2 ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク の 5 つ の 技 術

ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク は 5 つ の 技 術 の 複 合 に よ り 形成 さ れ る ． ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク の 概 念 を 図 2.1 に 示す ．

(1) ブ ロ ー ド バ ン ド に よ り ， 動 画 を 用 い た 情 報 量 豊 か な

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コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 可 能 に な る ．(2) モ バ イ ル 端 末 を 利 用 す る こ と に よ り ， い つ で も ， どこ で も 利 用 で き る こ と を 実 現 す る ．

(3) 常 時 接 続 に よ る ， 自 然 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 可 能と な る

(4) ユ ニ バ ー サ ル イ ン タ フ ェ ー ス に よ り ， 子 供 や 高 齢 者 ，ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ の あ る 人 た ち も 容 易 に 利 用 で き る ．

(5) IPv6(Internet Protocol version 6) の 採 用 に よ り ， ア ド レ ス を 持 てる 端 末 の 数 が 大 幅 に 増 加 す る ．

IPv6

ブロードバンド

モバイル

常時接続

ユニバーサル・インタフェース

インターネット

ユビキタス・ネットワーク

メインフレーム

サーバ

サーバ

PC

ノートPC

カーナビ

PDA

携帯電話

PC

TV

図 2-1　 ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク

1) ブ ロ ー ド バ ン ド と 常 時 接 続日 本 政 府 は ， 2001 年 1 月 に 「 5 年 以 内 に 世 界 最 先 端 の IT

国 家 」 を 目 指 し ， e-Japan 戦 略 を 打 ち 出 し た ． そ の 中 の 目標 イ ン フ ラ 水 準 で は 2005 年 ま で に 30 ～ 100Mbpsレ ベ ル の 超高 速 ア ク セ ス が 可 能 な 世 界 最 高 水 準 の イ ン タ ー ネ ッ ト網 の 整 備 を 促 進 し ， 低 廉 な 料 金 で そ の 高 水 準 の イ ン ター ネ ッ ト 網 を 利 用 で き る よ う に す る ． ま た ， 2006 年 以 降も 世 界 最 先 端 で あ り 続 け る こ と を 目 指 す 『 e-Japan 戦 略II 』 が 2003 年 7 月 に 発 表 さ れ た ．こ れ に よ り ， リ ッ チ な 映 像 ， 音 楽 コ ン テ ン ツ が ネ ッ ト

ワ ー ク を 通 じ て 快 適 に 楽 し む こ と が で き る 環 境 が 整 うこ と に な る ． こ の よ う な ブ ロ ー ド バ ン ド の 常 時 接 続 は ，価 格 水 準 に 大 き く 依 存 す る ． ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line ： 非 対 称 デ ジ タ ル 加 入 者 線 ) ， CATV(Cable television) イ ン ター ネ ッ ト ， FTTH(Fiber To The Home) な ど の 価 格 水 準 の 低 下 に よ

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り 普 及 し て き た ．

2) モ バ イ ル と 常 時 接 続現 在 ， 音 楽 再 生 機 能 を 備 え た 携 帯 電 話 に 音 楽 コ ン テ

ン ツ を ダ ウ ン ロ ー ド し た り ， 携 帯 電 話 や 無 線 PDA に 対 して ニ ュ ー ス 番 組 な ど の 映 像 を ス ト リ ー ム 配 信 し た り する こ と が 可 能 に な っ た ． さ ら に ， 携 帯 電 話 は ， 「 ス マー ト フ ォ ン 」 ， す な わ ち 様 々 な デ ー タ 処 理 機 能 を 持 つ携 帯 電 話 と し て 高 機 能 化 さ れ る ． 例 え ば ， ネ ッ ト ワ ーク 上 の サ イ ト か ら Java プ ロ グ ラ ム を 携 帯 電 話 に ダ ウ ン ロー ド す る だ け で ， 常 に 最 新 の 天 気 予 報 な ど を 閲 覧 し たり ， 他 の 携 帯 電 話 と 接 続 す る こ と で 対 戦 ゲ ー ム を 楽 しん だ り す る こ と が で き る よ う に な っ た ． 加 え て ，Bluetooth 技 術 を 利 用 す る こ と で ， ノ ー ト PC や PDA ， 携 帯 電話 な ど を ， ケ ー ブ ル を 使 用 し な い で 接 続 し ， デ ー タ など の や り と り を す る こ と が 可 能 と な る ． こ の よ う な モバ イ ル 技 術 は ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク 進 展 の 重 要 な 鍵と な る ．最 近 の 特 に 注 目 す べ き 事 項 と し て は ， 無 線 LAN の 普 及

が あ げ ら れ る ． 街 角 に 無 線 LAN が ス ポ ッ ト 的 に 設 置 し ，低 廉 な 高 速 移 動 通 信 の 環 境 が 出 現 し て い る ． 高 速 通 信事 業 環 境 は 急 速 に 広 が っ て い る ．

3) ユ ニ バ ー サ ル イ ン タ フ ェ ー スユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク が 万 人 の も の に な る た め に

は ， 利 用 者 と の イ ン タ フ ェ ー ス が ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イン で あ る こ と が 重 要 な 要 件 と な る ． こ れ に よ り ， 子 供か ら 高 齢 者 ま で ， ま た ハ ン デ ィ キ ャ ッ プ の あ る 人 に もネ ッ ト ワ ー ク が 当 た り 前 の 環 境 に な る ．

4) IPv6ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク に お い て ， 量 的 な イ ン パ ク

ト を 与 え る も の が IPv6 で あ る ． 従 来 の IPv4 で 規 定 さ れ る IPア ド レ ス の 数 は 約 43 億 個 に 対 し ， IPv6 の IPア ド レ ス 数 は340×1036 ま で 増 え る こ と に な る ．IPv4 で は １ 人 に １ つ の ア ド レ ス も 付 与 で き な か っ た も のが ， こ れ に よ り ， １ 人 に つ き 5.6×1028 も の IPア ド レ ス が 付与 可 能 に な り ， ほ ぼ 無 限 大 と い っ て も 良 く な る ． こ れに よ り ， あ り と あ ら ゆ る も の に ア ド レ ス を 付 与 で き るこ と を 意 味 し て い る ．一 方 で ， RFID(無 線 ID) タ グ や ， 各 種 セ ン サ が 重 要 と な る ．こ れ ら の セ ン サ は ， 情 報 を セ ン シ ン グ す る こ と で ， 情報 処 理 の 世 界 と 物 理 世 界 を つ な ぎ ， 私 た ち の 生 活 を 豊か に す る 新 し い サ ー ビ ス が 可 能 に な る ． 将 来 的 に は これ ら の セ ン サ そ の も の が IPア ド レ ス を 持 つ こ と に な り ，

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発 展 す る 可 能 性 が あ る ．

2.2 情 報 家 電 と は近 年 ， ユ ビ キ タ ス コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ の 普 及 に よ り ，

情 報 家 電 の 性 能 が 上 が り 家 庭 生 活 に 用 い ら れ る よ う にな っ た ． 情 報 家 電 と は ， 家 電 と コ ン ピ ュ ー タ 技 術 ， およ び 情 報 通 信 技 術 が 融 合 し た も の で あ る ．

現 在 ， ２ つ の 異 な る 世 界 で 家 電 の ネ ッ ト ワ ー ク 化 が 進行 し て い る ． １ つ は ， 家 庭 内 で の コ ン テ ン ツ 配 信 に 関す る も の で あ る ． DVD レ コ ー ダ ， 専 用 メ デ ィ ア サ ー バ ，パ ソ コ ン な ど の ク ラ イ ア ン ト 機 器 に 出 力 す る も の で ある ． も う １ つ は ， 白 物 家 電 を ネ ッ ト ワ ー ク 化 す る こ とに よ り 緻 密 な 制 御 を 実 現 す る も の で あ る ． こ れ に よ り消 費 電 力 の 削 減 な ど に 役 立 た せ よ う と し て い る ． こ れら は ， ネ ッ ト ワ ー ク を 介 し て ， 映 像 や 音 声 ， テ キ ス トデ ー タ 等 の 情 報 を 双 方 向 で 高 速 ， 大 量 ， 容 易 に 交 換 する こ と を 可 能 に す る ．

2.3 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム と はホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム （ HNS ： Home Network System ）

と は ， 先 ほ ど 挙 げ た 情 報 家 電 （ テ レ ビ ， エ ア コ ン ， 照明 ， AV 機 器 な ど ） を 複 数 用 い ， 家 庭 内 の ネ ッ ト ワ ー クに 接 続 す る こ と で ， 機 器 の 連 携 や 家 庭 外 に お い て 多 種多 様 な 情 報 機 器 間 で ユ ー ザ が 自 在 に 情 報 を 行 き 来 さ せ ，い つ で も ど こ で も 情 報 を 享 受 し 操 作 を 可 能 に す る 家 庭内 の ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の こ と で あ る ．

2.4 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム に 必 要 な 条 件ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク に は ， 以 下 の よ う な 要 件 が 考 え ら

れ る ．(1) 相 互 運 用 性(2) プ ラ グ ア ン ド プ レ イ(3) 拡 張 性(4) 安 心 利 用(5) コ ピ ー プ ロ テ ク シ ョ ンこ れ ら を 示 し た も の を 図 2.2 に 記 し ， 各 々 の ホ ー ム ネ ッ

ト ワ ー ク 実 現 の た め の 要 件 に つ い て 詳 し く 述 べ て い く ．

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（１）相互運用性

メーカA製品

メーカB製品

どこのメーカでもつながる

（２）プラグアンドプレイつなぐだけですぐ使える

(３)拡張性

機能を拡張することができる

インターネット

図 2-2　 HNS の 必 要 な 要 件

2.4.1 相 互 運 用 性

ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク に は ， 複 数 の メ ー カ の 様 々 な 製 品が 混 在 し て 接 続 さ れ る ． 機 械 に 相 性 が あ る と い わ れ るよ う に ， 機 能 な ど の 実 装 の 微 妙 な 違 い に よ り ， 接 続 した 機 器 同 士 が 正 し く 動 作 し な い こ と が あ る ． 機 器 を 接続 す る た び に 相 性 が 発 生 し て い て は ， ホ ー ム ネ ッ ト ワー ク は 実 現 し な く な る ． ど ん な 場 合 で あ ろ う と ， 接 続し た も の は 正 し く 動 作 し な け れ ば な ら な い ． こ れ を 実現 す る も の が 相 互 運 用 性 で あ る ．一 般 の 家 庭 に は 複 数 の 家 電 メ ー カ の 様 々 な 製 品 が 存 在

し て い る ． 従 っ て ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク に は 異 な る メー カ の 異 な る 製 品 を 相 互 に 接 続 し て 利 用 で き る 仕 組 みが 必 要 と な る ． 現 在 ， パ ソ コ ン と 周 辺 機 器 と の イ ン タフ ェ ー ス は 標 準 化 さ れ て お り ， ど こ の メ ー カ の パ ソ コン で あ っ て も ， 周 辺 機 器 を 接 続 し て 利 用 す る こ と が 可能 に な る ． こ の よ う な 環 境 を AV 機 器 や 家 電 機 器 で も 実現 で き る よ う に す る た め ， 各 メ ー カ は 協 力 し て 標 準 仕様 の 開 発 に 取 り 組 ん で い る ．

そ こ で ， 相 互 運 用 性 を 保 証 す る た め に ， ハ ー ド ウ ェ アの 違 い を 隠 蔽 す る た め の ミ ド ル ウ ェ ア を 用 い る ． ミ ドル ウ ェ ア と し て ， HAVi(Home Audio/Video Interoperability) ， Jini ， ECHONET が あ る ．

ま た ， パ ソ コ ン と 周 辺 機 器 ， AV 機 器 同 士 ， 家 電 機 器 同士 を 相 互 に 接 続 す る 環 境 は 整 い つ つ あ る が ， パ ソ コ ン

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／ 周 辺 機 器 ， AV 機 器 ， 家 電 機 器 と を 相 互 に 接 続 す る 規格 が 求 め ら れ ， 最 近 の 標 準 化 技 術 と し て DLNA(Digital Living Network Alliance) が あ る ．

2.4.2 プ ラ グ ア ン ド プ レ イ （ plug and play ）

ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク を 利 用 す る ユ ー ザ は ， 必 ず し も技 術 的 な 知 識 を 持 っ て い る と は 限 ら な い 一 般 消 費 者 であ る ． 従 っ て ， 従 来 の ネ ッ ト ワ ー ク 機 器 の よ う に ， ユー ザ に 高 度 な 知 識 や 複 雑 な 設 定 を 要 求 す る も の で あ って は な ら ず ， 子 供 か ら 高 齢 者 ま で 誰 で も 確 実 に ， 複 雑な 設 定 を 行 う こ と な く 利 用 で き る こ と が 重 要 と な る ．

そ の た め に は ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク へ の 接 続 は 簡 単に で き ， 複 雑 な 設 定 を し な く て も 接 続 さ え し て し ま えば す ぐ に 正 し く 動 作 し ， 使 用 で き る こ と が と て も 重 要で あ る ． こ れ を 実 現 す る も の が プ ラ グ ア ン ド プ レ イ であ る ． し か し ， 接 続 さ れ た 機 器 同 士 が 協 調 し て 動 作 をし て 初 め て 意 味 が あ る も の と な る た め ， プ ラ グ ア ン ドプ レ イ だ け で は 十 分 と は い え ず ， 以 下 の 互 換 性 や 拡 張性 を 保 証 す る 機 能 も 必 要 と な る ．

2.4.3 拡 張 性

今 ま で ， AV 機 器 ， 冷 蔵 庫 ， 洗 濯 機 な ど に 至 る さ ま ざま な 機 器 の 新 機 種 が 発 売 さ れ る ほ ど ， 新 し い 機 能 が 付加 さ れ て き た よ う に ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク 対 応 機 器 でも ， 新 し い 機 器 の 機 能 は ど ん ど ん 追 加 さ れ る こ と が 予測 さ れ る ． こ の よ う な 場 合 で も ， 新 し い 機 能 を 利 用 でき る 機 構 が 必 要 と な る ． こ れ を 実 現 す る も の が 拡 張 性で あ る ．

ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク 対 応 機 器 の 全 製 品 の 全 コ マ ン ドを 実 装 す る わ け に は い か ず ， 実 装 さ れ て い な い コ マ ンド で は 制 御 で き な い 場 合 も 出 て く る ． 予 め コ マ ン ド セッ ト を 決 め て お く よ う な 方 式 で は 拡 張 性 に 欠 け ， 新 機能 を ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク で 利 用 す る こ と が 難 し く な る ．こ こ で も ミ ド ル ウ ェ ア が 活 躍 し ， 互 換 性 の 問 題 を 解

消 す る だ け で な く ， ア プ リ ケ ー シ ョ ン が 簡 単 に 新 機 能を 利 用 す る こ と が で き る よ う に な る こ と を 可 能 と す る ．

2.4.4 安 心 利 用

ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク で は 宅 内 の 機 器 を 接 続 す る こ とだ け が 目 的 で は な い ． 外 出 先 で 携 帯 電 話 を 使 用 し て ，ビ デ オ の 予 約 を し た り ， エ ア コ ン の 電 源 を 入 れ た り する 遠 隔 操 作 は す で に 行 わ れ て い る ． こ の よ う に ， 宅 外か ら モ バ イ ル 機 器 を 使 っ て ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク と 接続 さ れ る こ と に よ っ て ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク の 利 便 性

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が 向 上 す る と 考 え ら れ る ．し か し ， こ れ は ， 第 三 者 に よ り 宅 内 へ の 侵 入 に 対 す

る 脅 威 が 増 大 す る と も 考 え ら れ る ． 安 心 し て ホ ー ム ネッ ト ワ ー ク を 利 用 す る た め に は ， 宅 外 か ら の 不 正 侵 入 ，宅 内 機 器 の 不 正 操 作 に よ る 財 産 の 破 壊 や 搾 取 ， 情 報 改ざ ん や 盗 聴 な ど に よ る プ ラ イ バ シ の 侵 害 ， ウ ィ ル ス やDoS(Denial of Service) 攻 撃 な ど に よ る 行 為 か ら 利 用 者 を 保 護 する セ キ ュ リ テ ィ 機 能 が 必 須 と な る ．

2.4.5 コ ピ ー プ ロ テ ク シ ョ ン

AV コ ン テ ン ツ で は ， 著 作 者 の 権 利 が 保 証 さ れ て お り ，み だ り に 複 製 す る こ と は 認 め ら れ て い な い ． し か し ，不 正 な 複 製 や 配 布 を 行 お う と す る 者 は 存 在 す る の が 現用 で あ る ． AV コ ン テ ン ツ の 著 作 者 の 権 利 を 守 る た め のコ ピ ー プ ロ テ ク シ ョ ン 機 構 は 必 須 と 考 え ら れ る ．

大 切 な の は ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク で 接 続 さ れ た 機 器が ， 複 製 の 許 可 さ れ て い な い コ ン テ ン ツ を 生 の デ ジ タル デ ー タ と し て 送 信 し な い こ と で あ る ． 送 り 側 ， 受 け側 の 機 器 が 互 い に 認 証 を 行 っ た 後 ， 送 信 し て も 良 い と認 め ら れ る 受 け 側 に 対 し ， コ ン テ ン ツ を 暗 号 化 さ れ たデ ー タ と し て 送 信 す る ． こ う す る こ と に よ り ， 受 け 側の 機 器 だ け が コ ン テ ン ツ を 復 号 化 で き る た め ， ホ ー ムネ ッ ト ワ ー ク 上 の コ ン テ ン ツ を 不 正 に 利 用 す る こ と は困 難 に な り ， 著 作 権 が 保 護 さ れ る こ と に な る ．

2.5 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の 応 用 分 野ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク の 主 要 な 技 術 は ， 有 線 系 ネ ッ ト

ワ ー ク ， 無 線 系 ネ ッ ト ワ ー ク に 分 け る こ と が で き る ．無 線 系 ネ ッ ト ワ ー ク は 機 器 の 設 置 場 所 の 自 由 度 が 高 い利 点 が あ る ．

ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク の 種 別 は ， 利 用 機 器 や 利 用 目 的に よ り AV 系 ， 家 電 系 ， パ ソ コ ン 系 な ど の ， ３ つ に わ けら れ る ． こ れ ら の ネ ッ ト ワ ー ク は 先 に 述 べ た ホ ー ム ネッ ト ワ ー ク が 満 た す 条 件 を 完 全 に 満 た す と ま で は い かな い も の の ， そ れ ぞ れ の ネ ッ ト ワ ー ク に 関 し て ， 特 徴が 異 な り ， 用 い ら れ る 技 術 も 個 々 の 分 野 に 応 じ た も のと な っ て い る ．こ れ ら の ネ ッ ト ワ ー ク に 関 し て 特 徴 を 述 べ て い く ．

2.5.1 AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク

AV(Audio Visual) は ， 音 響 ・ 映 像 関 連 の 技 術 や 製 品 の 総 称 を示 し ， AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク は デ ジ タ ル コ ン テ ン ツ の シ ェ

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ア な ど が 目 的 と な っ て い る ． AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク の 対 象と な る 機 器 は ， テ レ ビ ， DVD レ コ ー ダ ， オ ー デ ィ オ 機 器な ど が 挙 げ ら れ る ．

AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク に は 以 下 の 特 徴 が 挙 げ ら れ る ．

(1) 映 像 ， 音 声 な ど 大 量 の デ ー タ を ， 高 速 か つ リ ア ル タイ ム に 伝 送 す る 必 要 が あ る ．

(2) パ ソ コ ン の よ う な イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 高 い 機 器 を 前提 に で き な い ．

(3) 機 器 の 機 能 統 一 が 難 し い ．

ま た ， 誰 で も 容 易 に 使 用 で き る よ う に 操 作 性 や プ ラグ ア ン ド プ レ イ が 求 め ら れ る ．

AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク で は 接 続 用 イ ン タ フ ェ ー ス と し てIEEE1394 を 下 位 規 格 と し て 採 用 し ， 上 位 規 格 と し て HAVi が採 用 さ れ て い る ．

2.5.2 パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク

パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク は ， ル ー タ に 接 続 さ れ た 複数 の パ ソ コ ン ， パ ソ コ ン に 接 続 さ れ た 周 辺 機 器 か ら 構成 さ れ る ネ ッ ト ワ ー ク の こ と を い う ．

パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク に は 以 下 の 特 徴 が 挙 げ ら れる ．

(1) 中 速 の 伝 送 速 度 で よ く ， 既 設 の 電 話 線 や 無 線 の 利 用が し や す く ， 伝 送 媒 体 の 自 由 度 が 高 い ．

(2) パ ソ コ ン と い う イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 高 い 機 器 を 前 提に で き る ．

(3) パ ソ コ ン や イ ン タ ー ネ ッ ト と の 親 和 性 が 必 要 に な る ．

パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 に は ， 下 位 層 で は 電話 線 を 利 用 し た HomePNA(Home Phoneline Networking Alliance)や 無 線 を利 用 し た Bluetooth の 規 格 が 考 え ら れ て い る ． ま た ，HomePNA の 上 位 層 の プ ロ ト コ ル と し て ， TCP/IP が 用 い ら れる ． Jini や UPnP は こ の プ ロ ト コ ル を 利 用 し て ホ ー ム ネ ッ トワ ー ク の 使 い 勝 手 を 向 上 さ せ る た め の 上 位 規 格 で あ る ．

2.5.3 家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク

家 電 と は ， 一 般 の 生 活 に 深 く 関 係 し た 製 品 の 名 称 のこ と を い う ． 家 電 は ， 主 に 家 庭 内 の 家 事 の 労 力 を 減 らす こ と を 目 的 と し ， 生 活 に 欠 か せ な い 家 電 製 品 の こ とで あ る ． 家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク の ア プ リ ケ ー シ ョ ン に は ，照 明 の 明 る さ や 点 灯 / 消 灯 ， エ ア コ ン の 温 度 調 節 な ど が

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考 え ら れ る ．家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク に は 以 下 の 特 徴 が 挙 げ ら れ る ．

(1) 伝 送 デ ー タ は 制 御 デ ー タ 程 度 で あ り 伝 送 速 度 は 低 速な の で 電 力 線 ， 無 線 な ど の 伝 送 媒 体 の 自 由 度 が 高 い ．

(2) 機 器 の イ ン テ リ ジ ェ ン ス は 低 い ．(3) 対 象 機 器 の 設 置 場 所 が 家 庭 内 に 分 散 す る た め ， 新 た

に 専 用 の ケ ー ブ ル を 敷 設 す る こ と が 困 難 で あ る ．

ECHONET コ ン ソ ー シ ア ム で 家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク の 規 格を 定 め て い る ． 下 位 層 で は ， 複 数 の 伝 送 媒 体 と 伝 送 プロ ト コ ル を 規 格 化 し ， よ り 自 由 度 の 高 い ネ ッ ト ワ ー クの 構 築 を 可 能 と す る ． 上 位 層 で は ， ミ ド ル ウ ェ ア に より 下 位 層 の 差 異 を 吸 収 し て ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 開 発 を容 易 に す る 仕 組 み す る ．

2.6 ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム の 標 準 化 動 向ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク は ， 上 記 の よ う に AV 系 ・ パ ソ コ

ン 系 ・ 白 物 家 電 系 の ３ 種 類 が 考 え ら れ る ． こ れ ら は 用途 に よ り 要 求 仕 様 が 異 な る た め ， １ つ の ネ ッ ト ワ ー クに ま と め る こ と は 効 率 的 で は な い ． そ の た め ， ホ ー ムネ ッ ト ワ ー ク 規 格 と 呼 ば れ る も の は ， こ の 3種 類 の い ずれ か に 適 し た も の に な っ て い る ．一 方 で ， ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク 規 格 を ネ ッ ト ワ ー ク の

上 位 ・ 下 位 の 階 層 の 観 点 で 大 別 も で き る ． 下 位 の ネ ット ワ ー ク 層 は 機 器 間 の 信 号 の 送 受 信 を 行 う ， ネ ッ ト ワー ク の イ ン フ ラ を 構 成 す る 部 分 で あ り ， 上 位 の ミ ド ルウ ェ ア 層 は ネ ッ ト ワ ー ク 層 の イ ン フ ラ を ユ ー ザ が 意 識し な く て も 使 用 で き る よ う に す る 部 分 で あ る ．

図 2-3 に ， 主 な 規 格 を こ の 用 途 と 階 層 に 分 類 し て 示 す ．HNS は 同 じ 用 途 の 中 で の 上 位 規 格 と 下 位 規 格 を 組 み 合 わせ て 構 成 さ れ る ．

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DLNA

AV系 パソコン系 家電系

HAVi Jini/UPnP

ECHONET

IEEE1394

Bluetooth

HomePNA

ミドルウェア規格

ハードウェア規格

高速 低速

有線

無線

ネットワーク

通信速度

図 2-3　 各 種 標 準 規 格

次 節 よ り ， ミ ド ル ウ ェ ア 層 の 規 格 で あ る HAVi, ECHONET, Jini, UPnP, DLNA, そ し て ネ ッ ト ワ ー ク 層 の 規 格 で 有 線 の IEEE1394, HomePNA, 無 線 の Bluetooth に つ い て 述 べ る ．

2.6.1 ミ ド ル ウ ェ ア 規 格

(1) HAVi(Home AV interoperability)HAVi は ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク に 対 応 す る デ ジ タ ル AV 機 器

の た め の 仕 様 で あ る ． 異 な る メ ー カ の 機 器 を 接 続 し ても ネ ッ ト ワ ー ク が 正 常 に 動 作 し ， 機 器 の 相 互 運 用 が でき る こ と を 保 証 す る た め の ミ ド ル ウ ェ ア 仕 様 の 規 格 であ る ．

HAVi の 仕 様 策 定 に あ た り 検 討 さ れ た ， HAVi の 重 要 な 条件 と そ れ に 関 す る HAVi の 能 力 に つ い て 述 べ る ．

1) HAVi に 対 応 し て い な い 機 器 を ネ ッ ト ワ ー ク に 接 続 し使 用 で き る ．

メ ー カ が す べ て の 機 器 を 同 時 に HAVi 対 応 機 器 に 置 き 換え る こ と や ， HAVi 対 応 機 器 が 発 売 さ れ て ユ ー ザ が た だ ちに 機 器 を 買 い 換 え る こ と は 考 え ら れ な い ． 従 っ て ， 既存 の HAVi 非 対 応 機 器 を ネ ッ ト ワ ー ク に 接 続 し て 使 用 で きる よ う に す る 手 段 の 提 供 は ， HNS の 普 及 の た め に 必 要 な条 件 で あ る ． HAVi が 提 供 す る ネ ッ ト ワ ー ク で は ， HAVi 非対 応 機 器 を HAVi 対 応 機 器 か ら 制 御 す る こ と が で き る よ うに 考 え ら れ て い る ．

2) 接 続 が 簡 単 で あ る ．現 在 AV 機 器 を 購 入 し た 場 合 ， ユ ー ザ に 必 要 な 作 業 は

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購 入 し た 機 器 を 既 存 の 機 器 に 接 続 す る こ と だ け で あ る ．新 た な 機 器 の 接 続 に こ れ 以 上 の 作 業 が 要 求 さ れ る よ うで あ れ ば ， 家 庭 で の ネ ッ ト ワ ー ク の 普 及 は 見 込 ま れ ない ． HAVi で は 追 加 ， ま た は 削 除 さ れ た 機 器 の 存 在 を 認 識し ， 接 続 さ れ て い る 全 て の 機 器 を 使 用 で き る よ う に ，自 動 的 に ネ ッ ト ワ ー ク を 再 構 築 す る プ ラ グ ア ン ド プ レイ の 機 能 を 提 供 す る ．

3) 将 来 の 機 器 に 対 し て 対 応 が で き る ．現 在 予 測 で き な い よ う な 機 能 を 持 つ 機 器 が 将 来 出 現

し た 場 合 で も ， HAVi が 提 供 す る ネ ッ ト ワ ー ク で そ の 機 器を 扱 え な け れ ば な ら な い ． HAVi は 従 来 機 器 の ソ フ ト ウ ェア を 拡 張 す る た め の 仮 想 マ シ ン や ， ハ ー ド ウ ェ ア に 依存 し な い ユ ー ザ イ ン タ フ ェ ー ス な ど の ， 将 来 の 機 器 を扱 う た め の 機 構 を 提 供 す る ．

(2) ECHONET(Energy Conservation and Homecare NETwork)ECHONET は エ コ ー ネ ッ ト コ ン ソ ー シ ア ム が 規 格 制 定 を

行 な っ て い る 仕 様 で あ る ． ECHONET は 家 庭 や 中 小 ビ ル ，店 舗 に お い て ， エ ア コ ン ， 冷 蔵 庫 ， 電 子 レ ン ジ な ど の家 電 や 設 備 機 器 ( 給 湯 器 ， 換 気 扇 ， 人 体 検 知 セ ン サ ， 温度 セ ン サ ， 電 気 錠 な ど ) か ら な る シ ス テ ム へ の 適 用 を 対象 と し て い る ミ ド ル ウ ェ ア で あ る ．

ECHONET の 通 信 レ イ ヤ 構 成 を 図 2-4 に 示 す ．

ECHONET小電力無線

LonTalk IrDAControl 拡張HBS

小電力無線

ECHONET電灯線

電灯線 ツイストペア線赤外線

プロトコル差異吸収処理部

ECHONET通信処理部

機器オブジェクト

基本API

アプリケーション

サービスミドルウェア

サービスAPIサービス

ミドルウェア

通信ミドルウェア

伝送媒体

下位通信ソフトウェア

図 2-4　 ECHONET の 通 信 レ イ ヤ 構 成

下 位 通 信 ソ フ ト ウ ェ ア の 部 分 で ， 下 位 の 階 層 ( 媒 体 ，

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リ ン ク 層 ) に は 伝 統 線 通 信 や 小 電 力 無 線 な ど の 既 存 の 複数 の メ デ ィ ア を カ バ ー す る ． ま た 通 信 ミ ド ル ウ ェ ア の部 分 は 次 の ２ つ の 特 徴 を 持 つ ．

1) 異 な る 伝 送 プ ロ ト コ ル を 隠 蔽 し て ， 独 自 の ECHONETア ド レ ス を 管 理 す る な ど ， 上 位 の ア プ リ ケ ー シ ョ ンに 対 し て 一 つ の ネ ッ ト ワ ー ク と し て 見 せ る ．

2) 各 機 器 を オ ブ ジ ェ ク ト と し て 管 理 し ， 操 作 や モ ニタ の た め の API を 提 供 す る ．

ECHONET で は 機 器 を 監 視 ・ 制 御 す る こ と に よ り 省 エ ネを 実 現 で き る ． 例 え ば ， 夏 季 発 電 ピ ー ク 時 に 電 力 ピ ーク 信 号 を 電 力 会 社 か ら 家 庭 に 送 信 し ， 各 家 庭 に 設 置 され て い る ゲ ー ト ウ ェ イ が こ の 信 号 を 受 信 す る ． ECHONETを 使 い ， 家 庭 内 の 各 部 屋 に 設 置 さ れ る 人 体 検 知 セ ン サの 状 態 を 調 べ ， 部 屋 の 住 人 の 在 ／ 不 在 を 判 断 す る ． ここ で 人 が い な い 部 屋 で は 照 明 を 消 し た り ， エ ア コ ン の出 力 を 抑 え て 電 力 消 費 の 無 駄 を な く し た り す る 制 御 を行 う と い う 応 用 に よ り 省 エ ネ の 実 現 が 考 え ら れ る ． また 在 宅 介 護 や ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ の 実 現 も 想 定 さ れ る ．こ の よ う な シ ス テ ム の 実 現 の た め に ， ホ ー ム ネ ッ ト

ワ ー ク の 規 格 と し て ECHONET で 要 求 さ れ る 条 件 を 以 下 に挙 げ る ．

1) 既 設 の 住 宅 に も 配 線 工 事 な し に 必 要 な ネ ッ ト ワ ーク の 導 入 が 可 能 で あ る ．

2) 一 般 ユ ー ザ で も ネ ッ ト ワ ー ク へ の 機 器 の 接 続 が 簡単 に 行 え る ．3) 様 々 な メ ー カ の シ ス テ ム で も 容 易 に 組 み 合 わ せ るこ と が で き る ．4) 処 理 能 力 や メ モ リ 容 量 が 高 く は な い 家 電 や 設 備 機器 で も 実 装 可 能 で あ る ．

(3) Jini(Java intelligent network infrastructure)Jini と ， 次 の UPnP は ， HAVi ， ECHONET と は 異 な り ， 特 定 の

用 途 や 機 器 を 想 定 せ ず ， ネ ッ ト ワ ー ク を 利 用 し た サ ービ ス を 実 現 す る た め の 枠 組 み を 提 供 す る ミ ド ル ウ ェ アで あ る ． こ の 両 者 が 目 的 と す る の は ネ ッ ト ワ ー ク レ ベル で の プ ラ グ ア ン ド プ レ イ 機 能 の 提 供 で あ る ． そ の ため ， ア プ リ ケ ー シ ョ ン や サ ー ビ ス が そ の 機 能 を 利 用 する た め の API や ， ア プ リ ケ ー シ ョ ン レ ベ ル で の プ ロ ト コル な ど の 仕 様 を 定 め て い る ． ま た ， こ れ ら は あ く ま でア プ リ ケ ー シ ョ ン や サ ー ビ ス の 枠 組 み を 提 供 す る だ けの も の で あ る た め ， 特 定 の も の を 実 装 す る 場 合 に は ，こ の 枠 組 み の 中 で サ ー ビ ス 事 業 者 や メ ー カ が そ の も のに 関 す る 共 通 情 報 を 定 義 す る 必 要 が あ る ．

Jini の 位 置 づ け を 図 2-5 で 示 す ． Jini は Java RMI と い う Java 標

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準 の 遠 隔 手 続 き 呼 び 出 し 機 能 を 利 用 し て い る ． そ の ため ， Java が 実 装 さ れ て い る 機 器 上 で は Jini を 即 座 に 動 か すこ と が で き る ． つ ま り ， Java 仮 想 マ シ ン が 動 作 し て い るこ と が Jini 利 用 の た め の 必 要 条 件 で あ る ．

アプリケーションプログラム

Jini

Java RMI

Java 仮想マシン

OS

ハードウェア

図 2-5　 Jiniの 位 置 づ け

(4) UPnP(Universal Plug and Play)UPnP は マ イ ク ロ ソ フ ト を 中 心 に 設 立 さ れ た UPnP フ ォ ー

ラ ム が 策 定 す る 仕 様 で あ る ． 家 庭 や ス モ ー ル オ フ ィ スを 対 象 と す る コ ン シ ュ ー マ 機 器 の ネ ッ ト ワ ー ク 構 築 を目 指 し て 開 発 さ れ た ミ ド ル ウ ェ ア で あ る ．

UPnP で は HTTP ， XML ， SOAP ， TCP/IP な ど の イ ン タ ー ネ ッ トで 標 準 と な っ て い る 既 存 の 技 術 ， お よ び そ れ ら を 拡 張し た HTTPMU(HTTP Multicast over UDP) ， GENA(General Event Notification Architecture)な ど を 構 成 要 素 と し て い る ． ま た ， UPnP は IP上 で動 作 す る プ ロ ト コ ル で あ り ， IPア ド レ ス を デ バ イ ス の アド レ ス と し て 用 い る ． ネ ッ ト ワ ー ク に 接 続 さ れ た デ バイ ス は DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) な ど に よ っ て IPア ド レス を 取 得 し て い る こ と が 前 提 と な る ． 以 下 に UPnP が 満 たす べ き 条 件 を 挙 げ る ．

1) 共 通 の 使 用 環 境 を 提 供 す る ．他 の ミ ド ル ウ ェ ア と 同 様 に プ ラ ク ア ン ド プ レ イ を 実

現 す る こ と が 必 要 で あ る ．2) 標 準 技 術 に 基 づ く ネ ッ ト ワ ー ク の 提 供 が で き る ．HTTP, XML な ど の イ ン タ ー ネ ッ ト の 標 準 技 術 を 適 用 す る

こ と で ， 相 互 運 用 性 に 優 れ た HNS の 実 現 が 期 待 で き る ．ま た ， 標 準 の 技 術 を 採 用 す る こ と で ， メ ー カ は UPnP に 対応 す る 機 器 の 開 発 が し や す く な る ．

3) 非 対 応 機 器 の 接 続 が 可 能 で あ る ．UPnP に 対 応 し て い な い 従 来 の 機 器 で も ， ネ ッ ト ワ ー ク

に 接 続 さ れ た UPnP 対 応 機 器 か ら 利 用 可 能 で あ る 必 要 が ある ．

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(5) DLNA(Digital Living Network Alliance)DLNAは 業 界 標 準 技 術 に 基 づ い た オ ー プ ン な 相 互 接 続 互

換 性 を 構 築 す る た め の 技 術 的 な 設 計 ガ イ ド ラ イ ン を 策定 す る た め に 設 立 さ れ た 非 営 利 団 体 の 仕 様 で あ る ． DLNAで は 家 電 ， パ ソ コ ン ， モ バ イ ル な ど の 機 器 間 で 音 楽 ，写 真 ， ビ デ オ な ど の デ ジ タ ル コ ン テ ン ツ を 家 庭 内 で 簡単 に 共 有 す る こ と を 目 的 と し て い る ．

DLNAで は ， フ レ ー ム ワ ー ク は 上 記 の UPnP が 使 用 さ れ る ．ま た ， ガ イ ド ラ イ ン に よ る と DLNA機 器 は 以 下 の ２ つ の クラ ス に 分 け ら れ る ．

1) DMS(Digital Media Server) ： パ ソ コ ン ， カ メ ラ ， 携 帯 電 話な ど の ， メ デ ィ ア の 入 力 ， 記 録 ， 配 信 の 能 力 を 有 する 機 器 ．

2) DMP(Digital Media Player)： テ レ ビ ， プ リ ン タ ， 携 帯 電 話 など の ， メ デ ィ ア の 再 生 ， 表 示 を 行 な う こ と が で き る機 器 ．

2.6.2 ネ ッ ト ワ ー ク 規 格

(1) IEEE1394IEEE1394 は Apple 社 が 開 発 を 先 導 し ， IEEE に よ っ て 標 準 化

さ れ た 仕 様 で あ り ， 正 式 に は IEEE1394-1995 と い う 規 格 番 号が つ け ら れ て い る ． IEEE1394 は 動 画 や 音 声 を 含 む 様 々 なデ ー タ を 一 つ の シ リ ア ル バ ス に よ っ て 転 送 す る た め に作 ら れ た マ ル チ メ デ ィ ア 伝 送 技 術 で あ り ， ホ ー ム ネ ット ワ ー ク を 支 え る う え で 最 も 基 本 と な る 規 格 と し て 位置 づ け ら れ て い る ． 図 2-6 に ， IEEE1394 の 定 め る 範 囲 を 示す ．

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アプリケーション層

トランザクション層

リンク層

物理層

サイクル制御 パケット送信 パケット受信

エンコードまたはデコード 調停 伝送路接続

符号

電気的信号と機械的インタフェース

パケット

バス制御アシンクロナスデータ転送

アイソクロナスデータ転送

シリ

アルバ

ス管

理層

ファームウェア ハードウェア

図 2-6　 IEEE1394 の 範 囲

図 2-6 に 示 さ れ る よ う に ， IEEE1394 で は 物 理 層 ， リ ン ク層 ， ト ラ ン ザ ク シ ョ ン 層 ， シ リ ア ル バ ス 管 理 層 に つ いて 規 定 さ れ て い る ． そ れ ぞ れ に 定 め ら れ て い る も の を以 下 に ま と め る ．

1) 物 理 層 ： ケ ー ブ ル お よ び コ ネ ク タ の 機 械 的 仕 様 ，ケ ー ブ ル 上 に 伝 送 さ れ る 信 号 の 電 気 的 仕 様

2) リ ン ク 層 ： バ ス 上 の タ イ ミ ン グ ， パ ケ ッ ト の 送 受信 方 法

3) ト ラ ン ザ ク シ ョ ン 層 ： デ ー タ の 読 み 書 き 方 法4) シ リ ア ル バ ス 管 理 層 ： ノ ー ド 管 理 ， ア イ ソ ク ロ ナ

ス 資 源 管 理 ， バ ス マ ネ ー ジ ャ

IEEE1394 は も と も と 高 性 能 シ リ ア ル バ ス の 規 格 と し てま と め ら れ ， マ ル チ メ デ ィ ア デ ー タ も 扱 う パ ソ コ ン の外 部 バ ス 仕 様 と し て 提 案 さ れ た が ， 持 つ 特 徴 か ら 特 にデ ジ タ ル AV 機 器 を 相 互 に 接 続 す る イ ン タ フ ェ ー ス と して も 有 用 で あ る と さ れ た ． そ の 特 徴 を 以 下 に 述 べ る ．

1) 高 速 デ ー タ 伝 送 (100 ， 200 ， 400Mbps) が 可 能 な シ リ アル バ ス で あ る ．

2) 特 定 の ホ ス ト 装 置 が 不 要 で あ り ， 機 器 同 士 を 対 等に 自 由 に 接 続 す る こ と が 可 能 で あ る ．

3) 映 像 な ど の リ ア ル タ イ ム な デ ー タ 送 受 信 に 適 し たア イ ソ ク ロ ナ ス 転 送 と ， 静 止 画 な ど の 確 実 な デ ー タ送 受 信 に 適 し た ア シ ン ク ロ ナ ス 転 送 の 2 種 類 の 転 送

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方 式 を 備 え て い る ．4) 機 器 の 電 源 を 入 れ た ま ま で の ケ ー ブ ル の 抜 き 差 し

が 可 能 で あ る ．

(2) HomePNA(Home Phoneline Networking Alliance)HomePNA は 米 国 で 設 立 さ れ た 業 界 団 体 が 策 定 す る ホ ー

ム ネ ッ ト ワ ー ク 規 格 で あ り ， 10Mbps の 伝 送 速 度 を 実 現 する ． 伝 送 媒 体 と し て 電 話 線 を 使 用 し ， 主 に PC 系 の ネ ット ワ ー ク で 使 わ れ る ． 特 徴 と し て ， 家 庭 内 の 各 部 屋 に電 話 線 が 引 き 込 ま れ て い る 場 合 ， こ の 電 話 線 で 部 屋 間の ネ ッ ト ワ ー ク が 構 成 で き る こ と が 挙 げ ら れ る ．

ア メ リ カ で は 既 に ， 電 話 線 を 使 用 し て 音 声 ・ フ ァ ック ス サ ー ビ ス や ADSL サ ー ビ ス が 提 供 さ れ て い る ． こ の ため HomePNA は こ れ ら の サ ー ビ ス が 使 わ な い 高 周 波 数 帯 域を 使 う こ と で 既 存 の サ ー ビ ス と ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク の共 存 を 図 っ て い る ． こ れ ら の サ ー ビ ス の 周 波 数 帯 域 を図 2-7 に 示 す ．

帯域

200 3.4k 25k 1.1M 5.5M 9.5M

周波数(Hz)

音声ファックス

ADSL

HomePNA

図 2-7　 HomePNAが 使 用 す る 周 波 数 帯 域

(3) BluetoothBluetooth は 業 界 団 体 Bluetooth SIG に よ り 規 格 化 さ れ た ．

Bluetooth は 簡 易 な 無 線 ネ ッ ト ワ ー ク を 臨 時 に 構 築 し ， 相互 に か つ 容 易 に 情 報 の 共 有 と 交 換 を 行 な う た め の 短 距離 無 線 通 信 技 術 で あ る ． こ の 構 築 さ れ る 無 線 ネ ッ ト ワー ク を ピ コ ネ ッ ト と 呼 ぶ ．

Bluetooth の 技 術 を 利 用 す る こ と で ， 場 所 を ほ と ん ど 問わ ず ， 近 距 離 に あ る Bluetooth 対 応 デ バ イ ス 同 士 が 接 続 でき る ． Bluetooth 対 応 の 電 子 デ バ イ ス は ， ピ コ ネ ッ ト を 経由 す る こ と に よ り 無 線 で 接 続 お よ び 通 信 す る こ と が で

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き る ． 各 デ バ イ ス は 1 つ の ピ コ ネ ッ ト 内 で 同 時 に 複 数の デ バ イ ス と 通 信 で き ， 同 時 に 複 数 の ピ コ ネ ッ ト に 所属 で き る ． ピ コ ネ ッ ト は ， Bluetooth 対 応 デ バ イ ス が 無 線範 囲 に 入 っ た と き と 範 囲 か ら 外 れ た と き に ， 動 的 か つ自 動 的 に 確 立 さ れ る ． ま た ， Bluetooth の 長 所 と し て ， 同時 に デ ー タ と 音 声 の 伝 送 を 処 理 で き る こ と が 挙 げ ら れる ．

2.7 ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ現 在 考 え ら れ て い る HNS の 多 く が ， ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ

イ と 呼 ば れ る 集 中 的 な 管 理 を 行 う も の を 利 用 し て い る ．ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ は ， HNS を 構 築 す る 際 に ， 宅 外 の ネッ ト ワ ー ク と 宅 内 の 機 器 を 結 合 す る も の で あ る ． ホ ーム ネ ッ ト ワ ー ク を 介 し た 宅 内 の 情 報 家 電 と 外 部 と を 接続 し ， そ の 家 電 の 種 類 や 外 部 ネ ッ ト ワ ー ク 上 に 構 築 され る サ ー バ の 種 類 に 関 わ ら ず 共 通 の 仕 組 み を 提 供 す る ．ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ の 役 割 と し て は ， 以 下 の も の が ある ．

1) ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク と の 情 報 の 送 受 信 ： 外 部 ネ ット ワ ー ク の 通 信 プ ロ ト コ ル と ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク の通 信 プ ロ ト コ ル の 変 換 ， 通 信 ミ ド ル ウ ェ ア の 変 換2) ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク 機 器 の 管 理 ： 情 報 家 電 に ア クセ ス す る た め の 機 器 の デ ィ レ ク ト リ 検 索

現 在 の HNS の 中 心 と な っ て い る ネ ッ ト ワ ー ク 構 成 は ，ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ を 介 し た ホ ー ム サ ー バ に よ る 集 中的 な 管 理 を 行 う も の で あ る ． ホ ー ム サ ー バ は 情 報 家 電や パ ソ コ ン な ど 家 庭 内 の デ バ イ ス を 集 中 管 理 ・ 制 御 する ． ホ ー ム サ ー バ は 家 庭 内 に 設 置 さ れ ， LAN を 通 し て様 々 な 機 能 を 提 供 す る ． ホ ー ム サ ー バ が ど の よ う な 機能 を 提 供 す る か は 製 品 に よ っ て 様 々 で あ る が ， テ レ ビ放 送 を 録 画 蓄 積 す る も の や ， web サ ー バ 機 能 や フ ァ イ ルサ ー バ 機 能 を 持 つ も の な ど が あ る ．

ホ ー ム サ ー バ が ， 先 ほ ど 挙 げ た AV 系 ネ ッ ト ワ ー ク ，パ ソ コ ン 系 ネ ッ ト ワ ー ク ， 家 電 系 ネ ッ ト ワ ー ク を 接 続し ， そ れ ぞ れ の 規 格 に 合 う よ う に ホ ー ム サ ー バ が プ ロト コ ル 変 換 を す る こ と に よ っ て ， １ つ の ネ ッ ト ワ ー クと し て 接 続 が 可 能 に な る ．

HNS に お け る ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ と ホ ー ム サ ー バ の 位置 づ け を 図 2-8 に 示 す ．

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図 2-8　 ホ ー ム ゲ ー ト ウ ェ イ と ホ ー ム サ ー バ

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3 従来研究の動向AV 家 電 や ， パ ソ コ ン と い っ た 情 報 家 電 の 増 加 に 伴 っ

て ， 現 在 HNS の 研 究 が 盛 ん に 行 わ れ る よ う に な っ た ．HNS で は ， 先 ほ ど 挙 げ た プ ラ グ ア ン ド プ レ イ や ， 拡 張 性 ，相 互 運 用 性 と い っ た も の が 研 究 さ れ て い る ． さ ら に 、近 年 で は ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク サ ー バ や 携 帯 電 話 を 利 用し た ， 機 器 の 連 携 ・ 制 御 や 宅 外 か ら の 遠 隔 操 作 を 可 能に す る HNS の ア プ リ ケ ー シ ョ ン 開 発 が 盛 ん に 行 わ れ て いる ． 既 存 の 研 究 と し て は ， 「 ホ ー ム サ ー ビ ス ハ ー モ ニー 」 [3] ， 「 FEMINITY」 [4] ， 「 ホ ラ ソ ネ ッ ト ワ ー ク 」 [5] や「 く ら し ネ ッ ト 」 [6] な ど が あ る ．

ま た 、 HNS に 基 盤 技 術 と し て SOA を 取 り 込 ん だ 研 究 が行 わ れ る よ う に な っ た 。 こ の SOA を 用 い た 応 用 技 術 と して は 、 サ ー ビ ス シ ナ リ オ を 用 い た サ ー ビ ス 連 携 や 、 コン テ キ ス ト ア ウ ェ ア ア プ リ ケ ー シ ョ ン や セ ン サ 技 術 を取 り 込 ん だ ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス な ど が 挙 げら れ る 。こ れ ら の 技 術 が 開 発 さ れ る と 共 に ， HNS は 私 た ち の 日

常 生 活 の 利 便 性 や 快 適 性 を 達 成 す る た め に 期 待 さ れ てお り ， ま す ま す 成 長 し ， さ ま ざ ま な サ ー ビ ス が 生 み 出さ れ る と 考 え ら れ る ．

次 節 か ら は 、 こ れ ら の 技 術 に つ い て 説 明 し て い く 。

3.1 SOA と は既 存 の 機 器 連 携 シ ス テ ム で は ホ ー ム サ ー バ が 家 電 機

器 を 集 中 的 に 制 御 す る 方 法 が と ら れ て い た ． し か し なが ら ， さ ま ざ ま な 家 電 機 器 が 開 発 さ れ ， 機 器 自 身 も 高性 能 化 す る こ と に よ り ， ホ ー ム サ ー バ へ の 負 荷 集 中 が問 題 と な る ． そ こ で ， 近 年 で は ， HNS に SOA を 取 り 込 む研 究 が 進 め ら れ る ． [ 井 垣 さ ん 論 文 ， 藤 山 先 輩 論 文 ]

サ ー ビ ス 指 向 ア ー キ テ ク チ ャ (SOA ： Service-Oriented Architecture)と は ， 大 規 模 な コ ン ピ ュ ー タ シ ス テ ム を 構 築 する 際 の 概 念 や 手 法 の 一 つ で あ り ， 業 務 上 の 一 処 理 に 相当 す る ソ フ ト ウ ェ ア の 機 能 を サ ー ビ ス と 見 立 て て ， その サ ー ビ ス を ネ ッ ト ワ ー ク 上 で 連 携 さ せ て シ ス テ ム の全 体 を 構 築 し て い く ．

現 在 提 唱 さ れ て い る SOA が 前 提 と す る 技 術 基 盤 は ほ とん ど の 場 合 が Web サ ー ビ ス で あ る ． こ れ ら の 技 術 が ホ ーム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム で も 活 用 さ れ 始 め て い る ．

次 節 か ら は ， SOA を 実 現 す る た め の 技 術 で あ る Web サー ビ ス に つ い て 述 べ て い く ．

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3.1.1 Web サ ー ビ ス と は

Web サ ー ビ ス と は ， イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で XML(eXtensible Markup Language) 形 式 の メ ッ セ ー ジ を 送 受 信 し て シ ス テ ム を連 携 さ せ る ． HTTP を 代 表 し た 通 信 プ ロ ト コ ル を 用 い た ネッ ト ワ ー ク 環 境 で ， SOAP(Simple Object Access Protocol) と い う プ ロト コ ル を 使 用 し ， XML(eXtensible Markup Language) を ベ ー ス と し た分 散 コ ン ポ ー ネ ン ト シ ス テ ム 技 術 で あ る ．

Web ア プ リ ケ ー シ ョ ン は 通 常 ， 人 に 対 し て サ ー ビ ス を提 供 す る こ と を 目 的 と し て 作 ら れ る 一 方 で ， Web サ ー ビス は 人 間 で は な く シ ス テ ム に 対 し て サ ー ビ ス を 提 供 する ．

Webアプリケーション

Webサービス

HTMLページ

XMLメッセージ

社内業務システム

社内業務システム

WebアプリケーションWebサイト

Webサービスホテル予約サービス

インターネット人が使用

システムを連携

Webアプリケーションは他の業務システムと連携してない

Webサービスは複数のシステムどうしを直接連携できる

図 3-9　 Web ア プ リ ケ ー シ ョ ン と Web サ ー ビ ス の 違 い

3.1.2 Web サ ー ビ ス を 実 現 す る ３ つ の 標 準

Web サ ー ビ ス を 実 現 す る た め に ， 多 く の 標 準 化 団 体 やベ ン ダ 企 業 が さ ま ざ ま な 標 準 規 約 を 策 定 し て い る ．以 下 に 重 要 な ３ つ の 標 準 技 術 を 示 す ．

(1) SOAP(Simple Object Access Protocol)： メ ッ セ ー ジ 送 受 信 プ ロ ト コル ． メ ッ セ ー ジ は XML で 記 述 さ れ る ．

(2) WSDL(Web Services Description Language) ： 個 々 の Web サ ー ビ ス へ アク セ ス す る た め の 技 術 情 報 を 記 述 す る イ ン タ フ ェ ース 記 述 言 語 ．

(3) UDDI(Universal) ： Web サ ー ビ ス を 登 録 ， 検 索 す る た め の レジ ス ト リ

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UDDI

(２)サービス検索 （１）サービス公開・登録

サービスリクエスタ

（３）サービス利用

SOAP

サービスプロバイダ

WSDL文書

サービスレジストリ

図 3-10 　 SOAP ， WSDL ， UDDI の 役 割

図 3.9 に Web サ ー ビ ス の 枠 組 み を 示 し 、 Web サ ー ビ ス の 処理 の 流 れ を 以 下 に 説 明 す る 。

(1) サ ー ビ ス プ ロ バ イ ダ な ど の サ ー ビ ス を 提 供 す る も のが ， サ ー ビ ス イ ン タ フ ェ ー ス 情 報 を 記 述 し た WSDL をサ ー ビ ス レ ジ ス ト リ で あ る UDDI に 登 録 す る ．

(2) サ ー ビ ス リ ク エ ス タ は UDDI か ら サ ー ビ ス を 検 索 し ，発 見 ・ 所 在 の 取 得 を す る

(3) 取 得 し た WSDL 記 述 を も と に Web サ ー ビ ス に ア ク セ スし ， 利 用 す る ． こ れ ら は ， サ ー ビ ス レ ジ ス ト リ ， サー ビ ス プ ロ バ イ ダ ， サ ー ビ ス リ ク エ ス タ 間 で の ，SOAPメ ッ セ ー ジ の 受 信 に よ っ て 行 わ れ る ．

3.1.3 Web サ ー ビ ス の 利 点

Web サ ー ビ ス の メ リ ッ ト と し て ， 以 下 の も の が 挙 げ られ る ．(1) イ ン タ ー ネ ッ ト 対 応 ： 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク と し て 既 存

の イ ン タ ー ネ ッ ト や イ ン ト ラ ネ ッ ト を 利 用 で き る ．(2) オ ー プ ン ： OS や ミ ド ル ウ ェ ア に 依 存 せ ず ， 標 準 に 準

拠 し ， 相 互 接 続 性 が 高 い ．(3) ダ イ ナ ミ ッ ク ： シ ス テ ム 開 発 時 だ け で な く ， 運 用 時

に 接 続 先 を 柔 軟 に 変 更 で き る ．

3.1.4 　 XML

XML(eXtensible Markup Language) は ， 構 造 化 さ れ た 文 書 を 記 述 す

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る た め の マ ー ク ア ッ プ 言 語 で あ り ， メ タ 言 語 で あ る ．マ ー ク ア ッ プ 言 語 と は ， デ ー タ に 対 し て タ グ を 付 加 して 要 素 を 構 成 し ， 要 素 の 積 み 重 ね で 文 書 構 造 を 表 現 する こ と が で き る ． 要 素 と タ グ の 例 を 以 下 に 示 す ．

<UniversityName>Nanzan</UniversityName>

こ の 例 は UniversityName 要 素 を タ グ を 用 い て 表 現 し て い る ．開 始 タ グ を <UniversalName>， 終 了 タ グ を </UniversityName> と し

て 表 現 す る ． ま た ， 開 始 タ グ か ら 終 了 タ グ ま で がUniversityName で あ る ．

ま た ， メ タ 言 語 と は ， ユ ー ザ 独 自 の タ グ を 定 義 す るこ と に よ り ， マ ー ク ア ッ プ 言 語 を 定 義 す る こ と が で きる ． XML は テ キ ス ト 形 式 に よ り ， デ ー タ を 記 述 す る ． この た め Web サ ー ビ ス が 動 作 す る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム に 依 存す る こ と な く 処 理 で き る の で ， 相 互 接 続 が 容 易 に な る ．

XML 文 書 の 基 本 構 造 を 以 下 に 示 す ．

XML文書

XML宣言

DTD

XML データ本体

図 3-11 　 XML の 基 本 構 造

(1) XML 宣 言 ： XML 規 格 の バ ー ジ ョ ン や 文 字 コ ー ド の 符 号化 方 法 を 宣 言 す る ． XML 宣 言 を 省 略 す る こ と も 可 能で あ る ．

(2) DTD （ Document Type Definition） ： XML デ ー タ 本 体 の デ ー タ 構造 を 定 義 す る ． DTD を 省 略 す る こ と も 可 能 で あ る ．

(3) XML デ ー タ 本 体 ： XML 文 書 の 本 体 で あ る ． デ ー タ 内 容が 記 述 さ れ ， タ グ を 用 い て 構 造 化 さ れ た デ ー タ が 記述 さ れ る ．

3.1.5 SOAPSOAP(Simple Object Access Protocol) は XML で 記 述 さ れ た デ ー タ を

HTTP な ど に 載 せ て 送 受 信 す る た め の メ ッ セ ー ジ ン グ 仕 様

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で あ る ． SOAPは ア プ リ ケ ー シ ョ ン 間 で XML 文 書 を 交 換 する た め の メ ッ セ ー ジ 形 式 の み を 規 定 し て い る ．

SOAPの 特 徴 と し て ， SOAPメ ッ セ ー ジ は XML 文 書 と し て 表現 さ れ る た め SOAPを 使 用 す る と 特 定 の 実 行 環 境 （ デ バ イス ， OS ， 実 装 言 語 な ど ） に 依 存 せ ず ， シ ス テ ム を 連 携さ せ る こ と が で き る ． ま た ， SOAP規 約 で は ， SOAPメ ッ セー ジ を 送 受 信 す る た め の ト ラ ン ス ポ ー ト 層 の プ ロ ト コル を 制 限 し て い な い ． そ の た め ト ラ ン ス ポ ー ト 層 の 上に SOAPメ ッ セ ー ジ を 流 す こ と が 可 能 に な る ． ま た ， SOAPは ２ 種 類 の サ ー ビ ス 呼 び 出 し ス タ イ ル を き て い し て おり ， １ つ は RPC ， も う １ つ は メ ッ セ ー ジ ン グ で あ る ．

SOAPメ ッ セ ー ジ の 構 造 は 大 き く ２ つ に 分 け ら れ 、 図3.11 に 示 す ．

プロトコルバインディングヘッダ

SOAPエンベロープ

SOAPヘッダ

SOAPボディ

ヘッダ情報

メッセージ本体

図 3-12 　 SOAP の 基 本 構 造

（ １ ） プ ロ ト コ ル バ イ ン デ ィ ン グ ヘ ッ ダ ： 下 位 の トラ ン ス ポ ー ト プ ロ ト コ ル に 依 存 し た 情 報 が 格 納 され る

（ 2 ） SOAP エ ン ベ ロ ー プ ： SOAPヘ ッ ダ と SOAPボ デ ィ から 構 成 さ れ る ． XML で 記 述 さ れ ， SOAPを 用 い た Web サー ビ ス 間 で 交 換 さ れ る デ ー タ の 内 容 を 記 述 す る 部分 で あ る ． SOAPヘ ッ ダ は SOAPメ ッ セ ー ジ の 処 理 に 関す る 情 報 な ど を 記 述 す る こ と が 想 定 さ れ て い る ．SOAPボ デ ィ に は 最 終 的 に そ の SOAPメ ッ セ ー ジ を 受 信す る 受 信 者 に 伝 え た い デ ー タ を 記 述 す る ．

3.1.6 WSDL （ Web Services Description Language ）

WSDL は Web サ ー ビ ス の イ ン タ フ ェ ー ス を 記 述 す る た め

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に 用 い ら れ る 言 語 使 用 で あ る ． Web サ ー ビ ス の イ ン タ フェ ー ス 記 述 と は ， Web サ ー ビ ス を 利 用 す る ア プ リ ケ ー ショ ン が ， サ ー ビ ス の 呼 び 出 し の 際 に 必 要 と す る 情 報 のこ と で あ る ．

イ ン タ フ ェ ー ス の 記 述 は ， 抽 象 的 な 記 述 と 具 体 的 な記 述 か ら 構 成 さ れ る ． 抽 象 的 な 記 述 は サ ー ビ ス の 提 供方 式 に 依 存 し な い 機 能 的 側 面 で あ る ， 「 ど の よ う な 」サ ー ビ ス で あ る か を 定 義 す る ． 一 方 具 体 的 な 記 述 は サー ビ ス の 具 体 的 な 提 供 方 式 で あ る ， 「 ど の よ う に 」 サー ビ ス が 提 供 さ れ る か を 定 義 す る ． こ れ に よ り ， 定 義し た 部 分 だ け を 分 離 し て ， 通 信 プ ロ ト コ ル や ネ ッ ト ワー ク ア ド レ ス の 異 な る 罰 の Web サ ー ビ ス の 定 義 に 再 利 用が 可 能 と な る ．

WSDL の 構 造 は 以 下 の よ う に な る ．

definitions

message

portType

binding

service

types

part

operation

port

図 3-13 　 WSDL の 構 造

(1) Definitions 要 素 ･ ･ ･ WSDL ド キ ュ メ ン ト の 最 上 位 要 素(2) type 要 素 ･ ･ ･ message 要 素 を 定 義 す る 際 に 型 を 定 義 す る 要

素(3) message 要 素 メ ッ セ ー ジ を 定 義 し ，･ ･ ･ Web サ ー ビ ス の 入出 力 と な る メ ッ セ ー ジ の 抽 象 的 な 構 造 定 義 ．

(4) part 要 素 メ ッ セ ー ジ の 部 分 を 定 義･ ･ ･(5) operation 要 素 オ ペ レ ー シ ョ ン を 定 義 ． メ ッ セ ー ジ の･ ･ ･

入 出 力 形 式 と シ グ ネ チ ャ に よ っ て 定 義 さ れ た Web サ ービ ス の 機 能 の 抽 象 的 定 義

(6) portType 要 素 ポ ー ト タ イ プ を 定 義 す る ． ポ ー ト タ イ･ ･ ･プ は 意 味 的 な 観 点 で ま と め ら れ た オ ペ レ ー シ ョ ン の集 合 ．

(7) binding要 素 バ イ ン デ ィ ン グ を 定 義 ． ポ ー ト タ イ プ に･ ･ ･

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具 体 的 な メ ッ セ ー ジ 形 式 や ， 通 信 プ ロ ト コ ル を 関 連付 け た 定 義

(8) port 要 素 ポ ー ト を 定 義 す る ． バ イ ン デ ィ ン グ に エ･ ･ ･ン ド ポ イ ン ト を 関 連 付 け た 呼 び 出 し 可 能 な web サ ー ビス の 実 体

(9) service 要 素 サ ー ビ ス を 定 義 す る ． サ ー ビ ス は ポ ー ト･ ･ ･の 集 合 で あ る ．

3.1.7 UDDIUDDI(Universal Description , Descovery , and Integration)は Web サ ー ビ ス を

登 録 ， 検 索 す る た め の レ ジ ス ト リ に 関 す る 規 約 で あ る ．サ ー ビ ス リ ク エ ス タ と サ ー ビ ス プ ロ バ イ ダ の 仲 介 者 であ り ， サ ー ビ ス プ ロ バ イ ダ が サ ー ビ ス 情 報 を UDDI レ ジ スト リ に 登 録 し ， サ ー ビ ス リ ク エ ス タ が UDDI レ ジ ス ト リ から サ ー ビ ス を 検 索 す る と い う 利 用 方 法 が 考 え ら れ る ．UDDI 規 約 は ， レ ジ ス ト リ へ の 登 録 情 報 の デ ー タ 構 造 お よび ， レ ジ ス ト リ へ ア ク セ ス す る た め の プ ロ グ ラ ム API を規 定 し ， サ ー ビ ス リ ク エ ス タ が 仕 様 を 満 た す Web サ ー ビス を 動 的 に 発 見 ， 接 続 で き る 仕 組 み を 提 供 す る ．

3.2 サ ー ビ ス シ ナ リ オ

3.2.1 サ ー ビ ス シ ナ リ オ と は

HNS の 既 存 の 研 究 と し て サ ー ビ ス シ ナ リ オ を 利 用 し た連 携 サ ー ビ ス が あ る ． サ ー ビ ス シ ナ リ オ と は ， 家 電 機器 そ れ ぞ れ を 機 能 ご と に 分 け ， 機 器 の 機 能 を サ ー ビ スと 見 立 て ， そ の サ ー ビ ス を 組 み 合 わ せ て ， 各 シ ス テ ムの サ ー ビ ス の 実 行 順 序 を 記 述 す る も の で あ る ．

シ ナ リ オ を 生 成 し ， シ ナ リ オ に 沿 っ た 行 動 を ユ ー ザが 実 行 す る こ と に よ り ， 複 数 の 機 器 の 連 携 を 可 能 に し ，そ れ ら の 機 器 は サ ー ビ ス シ ナ リ オ に 従 っ て サ ー ビ ス を実 行 す る ．

例 え ば ， 以 下 の シ ナ リ オ が 考 え ら れ る ．

(1) DVD サ ー ビ スユ ー ザ が DVD の 再 生 を 要 求 し た 時 ， ス ピ ー カ が DVD再 生 時 用 に 決 め ら れ た 音 量 に 設 定 さ れ ，テ レ ビ モ ニ タ ー が DVD モ ー ド で 起 動 す る ．

(2) 外 出 サ ー ビ スユ ー ザ が 外 出 す る と き に ， 常 時 電 源 の 入 っ て い る必 要 の 無 い 機 器 の 電 源 が 切 る ．

(3) 帰 宅 シ ス テ ム

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ユ ー ザ が 帰 宅 し た 時 ， 照 明 が つ き ， エ ア コ ン が 起動 さ れ ， そ れ ぞ れ の 照 度 計 や 温 度 計 の 示 す 値 に従 っ て 調 節 す る ．

実 際 に 公 開 メ ソ ッ ド を 用 い て サ ー ビ ス シ ナ リ オ ( １ )の DVD サ ー ビ ス を 記 述 す る と 以 下 の よ う に な る ．

機 器 で あ る DVD ， ス ピ ー カ ， テ レ ビ モ ニ タ ー は そ れ それ 機 能 単 位 に サ ー ビ ス を 持 っ て お り ， そ の サ ー ビ ス を公 開 し て い る も の と す る ．

図 3-14 　 公 開 メ ソ ッ ド を 用 い た DVD サ ー ビ ス の 例

こ れ ら を 用 い た DVD 再 生 サ ー ビ ス の シ ス テ ム の 流 れ は ，最 初 に ， ユ ー ザ の DVD 再 生 と い う 要 求 が あ っ た も の と し ，以 下 の よ う に 実 行 さ れ る ．

(1) DVD の 電 源 ON が 実 行 さ れ ， DVD の 電 源 が 入る ．

(2) ス ピ ー カ の 電 源 ON が 実 行 さ れ ， ス ピ ー カ の電 源 が 入 る ．

(3) ス ピ ー カ の Set_Volume() が 実 行 さ れ ， Speaker の 音量 が 調 整 さ れ る ．

(4) テ レ ビ モ ニ タ ー の 電 源 ON が 実 行 さ れ る ．(5) テ レ ビ モ ニ タ ー の モ ー ド が Change_Mode に よ り

DVD モ ー ド に 切 り 替 わ る ．(6) DVD の play が 実 行 さ れ ， DVD は 再 生 を 行 う ．

こ れ ら は ， 予 め 設 計 時 に 決 め ら れ た サ ー ビ ス シ ナ リオ に 基 づ き ， 機 器 同 士 の サ ー ビ ス を 提 供 し 連 携 サ ー ビ

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ス を 行 っ て い る ． し か し ， 問 題 点 と し て 設 計 時 に 生 成さ れ た シ ナ リ オ は 固 定 的 で あ り 柔 軟 性 が な い と [18] ． また ， 増 え 続 け る 家 電 製 品 に 対 し て シ ナ リ オ を 生 成 す ると ， シ ナ リ オ の 数 が 膨 大 に な る ． シ ナ リ オ 生 成 に は 多く の 手 間 が か か り ， コ ス ト も か さ む ．

家 庭 と い う ， シ ス テ ム に 不 慣 れ な 人 が 存 在 す る 場 所で も 簡 単 に 利 用 で き な け れ ば な ら な い と い っ た 点 を 考慮 す る 必 要 が あ る 。

3.2.2 サ ー ビ ス の 構 成 要 素 の 粒 度

サ ー ビ ス シ ナ リ オ 生 成 を 考 え た と き に ， サ ー ビ ス の粒 度 と し て 以 下 の 3種 類 が 考 え ら れ る ． [22]

(1) 機 器 単 位 ： 機 器 の 持 つ 全 て の サ ー ビ ス をま と め た も の

(2) 関 連 操 作 単 位 ： 機 器 の 持 つ サ ー ビ ス を ，一 連 の サ ー ビ ス の 実 行 に 必 要 と な る も のを １ つ に ま と め た も の

(3) 単 一 操 作 単 位 ： 機 器 の 持 つ １ つ １ つ の サー ビ ス ご と に わ け た も の ．

こ の と き ， サ ー ビ ス の 粒 度 は ， 機 器 単 位 ＞ 関 連 操 作単 位 ＞ 単 一 操 作 単 位 の 順 に な る ．

AirConditioner

ON（）COOLING（）HEATING（）WING（）OFF()

ON（）COOLING（）HEATING（）WING（）OFF()

AirConditioner

ON（）COOLING（）HEATING（）WING（）OFF()

ON() COOLING() HEATING() WING() OFF()

33

AirConditioner

ON（）COOLING（）HEATING（）WING（）OFF()

ON()

AirConditioner

ON（）COOLING（）HEATING（）WING（）OFF()

ON()COOLING()

ON()HEATING()

ON()WING() OFF()

図 3-15 　 機 器 単 位 ( 左 上 ) 　 関 連 操 作 単 位 ( 右 上 ) 　 単 一操 作 単 位 ( 下 )

機 器 単 位 は ， 機 器 の 持 つ す べ て の サ ー ビ ス を １ つ にま と め た も の で あ る ． こ の 単 位 で サ ー ビ ス を ま と め ると ， 全 体 の 処 理 の 流 れ と し て 意 味 を も つ 処 理 を 行 う とは 限 ら ず ， 適 切 な サ ー ビ ス を 生 成 す る こ と が で き な い ．

関 連 操 作 単 位 で は ， 機 器 の 持 つ サ ー ビ ス を そ の サ ービ ス の 実 行 に 必 要 と な る 前 提 サ ー ビ ス も 含 め て 抽 出 し ，１ つ に ま と め る ． こ の 単 位 で サ ー ビ ス を ま と め る と ，連 携 す る 機 器 が 多 く な る と サ ー ビ ス の 重 複 が 多 く な り不 必 要 な 処 理 が 起 こ る 場 合 が あ り ， 無 駄 が 生 じ る ．単 一 操 作 単 位 の 場 合 ， 機 器 の 持 つ １ つ １ つ の 機 能 を

サ ー ビ ス と す る ． こ の た め ， サ ー ビ ス 連 携 に お け る 組み 合 わ せ で サ ー ビ ス シ ナ リ オ で の 重 複 が な く な り ， 無駄 な 処 理 が 減 る ．

3.3 コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ アコ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア を 取 り 入 れ た HNS の 研 究 が 行 わ

れ て い る ． 一 般 的 に コ ン テ キ ス ト と は ， 対 象 を 取 り 巻く 状 況 を 意 味 す る ．

家 庭 環 境 で 考 え ら れ る コ ン テ キ ス ト は ユ ー ザ や HNS の状 況 を 性 質 付 け る 情 報 の 種 類 と そ の 値 の 集 合 の こ と であ る ． 具 体 的 に は ， ユ ー ザ の 場 所 や ， 時 刻 ， 行 動 状 態 ，行 動 履 歴 ， 照 明 の 明 る さ ， テ レ ビ の チ ャ ン ネ ル な ど が情 報 の 種 類 と し て あ げ ら れ ， こ れ に 対 応 す る 情 報 の 値と し て は ， 24 度 と い っ た 数 値 や ， 部 屋 に い る ユ ー ザ のリ ス ト ， 家 電 機 器 の ON ， OFF と い っ た も の が 挙 げ ら れる ．こ れ ら 個 々 の コ ン テ キ ス ト を 組 み 合 わ せ て ， 複 合 的

な コ ン テ キ ス ト を 形 成 す る こ と も 作 成 で き る ． さ ら に ，コ ン テ キ ス ト は ， 現 在 の 状 況 に 限 る も の で は な く ， 過去 / 現 在 / 未 来 の 状 況 お よ び そ の 組 み 合 わ せ と し て 考 え

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る こ と も で き る ．次 に ， コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア 技 術 と は ， 先 ほ ど 挙 げ

た コ ン テ キ ス ト に 応 じ て 最 適 な サ ー ビ ス を 提 供 す る ため の 技 術 を 意 味 す る ． コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア 技 術 の 研究 は ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク と と も に 1980 年 代 後 半 から 行 わ れ た ． コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア の 研 究 が 盛 ん に 行わ れ る よ う に な っ た の は ご く 最 近 で あ り ， 欧 米 を 中 心に ， 国 内 外 の 大 学 ， 研 究 機 関 ， 大 企 業 で 行 わ れ て い る ．

コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア の 目 的 と し て は ， 利 用 者 の 利便 性 を 向 上 さ せ る こ と で あ る ． コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ アサ ー ビ ス で は ， コ ン テ キ ス ト を 用 い ， そ こ に 動 作 命 令で あ る サ ー ビ ス シ ナ リ オ を 与 え る こ と で ， 自 動 的 に サー ビ ス や ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 提 供 す る と い っ た 仕 組 みに な っ て い る ．さ ま ざ ま な 状 況 で コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ 環 境 を 利 用 で きる ユ ビ キ タ ス 社 会 で は ， 状 況 に 応 じ た サ ー ビ ス 提 供 に対 す る ニ ー ズ が 高 く ， コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア 技 術 は さら に 発 展 し て い く と 考 え ら れ る ．

条件となるコンテキスト アプリケーション

サービスシナリオ

サービス

動作命令

発火

発火

発火条件

図 3-16 　 コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア ア プ リ ケ ー シ ョ ン

既 存 の コ ン テ キ ス ト を 用 い た ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 例と し て ， デ ン ソ ー の エ ア コ ン シ ス テ ム が 挙 げ ら れ る ．こ の エ ア コ ン シ ス テ ム の 開 発 目 的 と し て ， 乗 員 一 人 ひと り に 快 適 な 空 調 を 提 供 す る こ と を 目 的 と し て い る ．特 徴 と し て は ， コ ン テ キ ス ト と し て ， ユ ー ザ の 存 在 や ，ユ ー ザ の 表 面 温 度 ， ま た エ ア コ ン の 温 度 設 定 や 風 量 設定 を 用 い て い る こ と で あ る ．前 席 ， 後 席 の ４ 席 に ， そ れ ぞ れ の 温 度 を 独 立 し て 制

御 可 能 で あ り ， セ ン サ が 後 席 乗 員 の 表 面 温 度 変 化 を 検出 す る こ と に よ っ て ， エ ア コ ン が 自 動 的 に 空 調 温 度 や風 量 を 調 節 可 能 と し て い る ．

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従 来 の エ ア コ ン シ ス テ ム で は ， 車 内 に 個 人 の 快 適 環境 と い う 考 え 方 は な く ， 車 に 乗 っ て い る 全 て の 人 が 同じ 環 境 に 存 在 し た ． 一 方 で ， 新 し く 開 発 さ れ た エ ア コン シ ス テ ム で は ， 車 内 に い る 一 人 ひ と り の 最 適 環 境（ こ こ で は 温 度 ） を 存 在 さ せ ， 各 々 の ユ ー ザ に き め 細や か な サ ー ビ ス 提 供 を 行 う こ と を 可 能 と し た ．

従来のシステム レクサスＬＳ460

車内において個人の快適環境を目指し、各々のユーザにサービス提供

全てのユーザが同じサービスを受ける

個々のユーザごとにサービスが異なる

図 3-17 　 コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア の 例 ( デ ン ソ ー レ ク サ スLS460)

こ の よ う に ， セ ン サ を 通 し て 取 得 し た 人 の 状 態 を コン テ キ ス ト と し て 用 い て エ ア コ ン の 温 度 や 風 量 を 制 御す る と い う よ う に ， セ ン サ を 用 い る こ と で さ ら に コ ンテ キ ス ト ア ウ ェ ア ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 適 用 範 囲 が 広 くな る と 考 え ら れ る ．

3.4 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン スア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス と は ， EU の

ISTAG(Information Society Technology Advisory Group) に よ っ て 提 唱 さ れ た概 念 で あ る ． ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス は ， 先 にあ げ た ユ ビ キ タ ス コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ と 同 等 の 意 味 で用 い ら れ る が ， ユ ビ キ タ ス コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ と 比 べて ， 周 囲 環 境 が 知 能 を 持 つ と い う こ と ， ま た 知 能 を 持っ た 環 境 が 生 活 に と け こ ん で い る と い っ た 点 を 強 調 して い る ．

ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス で は ， コ ン ピ ュ ー タの 遍 在 （ =ユ ビ キ タ ス ） に 加 え て ， そ こ か ら 収 集 さ れ る情 報 の 活 用 と い っ た 概 念 が 加 わ っ て く る ． こ の 概 念 は ，HNS に も 普 及 さ れ る と 考 え ら れ る ．

ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス を 実 現 す る た め に は ，よ り 小 さ い デ バ イ ス の 中 に ， よ り 高 速 な コ ン ピ ュ ー タを 組 み 込 む 必 要 が あ る ． こ の た め ， 情 報 取 得 の た め のさ ま ざ ま な 分 野 で の セ ン サ 技 術 が 盛 ん に 行 わ れ て い る ．

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し か し ， 組 込 み 技 術 の 研 究 が な さ れ る 中 ， ワ イ ヤ レ スや 消 費 電 力 に つ い て の 問 題 が 存 在 す る た め 今 後 改 善 が必 要 な 分 野 で も あ る ．

3.4.1 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 構 成 要 素

ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス は ， ハ ー ド 面 ， ソ フト 面 で 研 究 さ れ て い る ．ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 重 要 な 特 徴 と し て ，Aarts&Marzano が 以 下 の よ う に 定 義 し て い る ． [12]

(1) エ ン ベ デ ッ ド (embedded) ： 環 境 の 中 に ， た く さ ん の ネッ ト ワ ー ク デ バ イ ス が 組 み 込 ま れ て い る ．携 帯 電 話 ， 自 動 車 な ど に コ ン ピ ュ ー タ を 組 み 込 まれ て い る が ， ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス では ， 安 価 な セ ン サ の 開 発 な ど に よ り ， さ ま ざ ま な機 器 に セ ン サ が 組 み 込 ま れ る と 想 定 さ れ ， コ ン ピュ ー タ を 搭 載 し た 機 器 が 普 及 す る と 考 え ら れ る ．

(2) コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア (Context Awe) ： ユ ー ザ や ユ ー ザの 状 況 を 理 解 す る こ と が で き る ．セ ン サ 技 術 を 用 い て ， ユ ー ザ が 意 識 し な く て も ユー ザ や ユ ー ザ の 状 況 を 収 集 ， 処 理 し ， 情 報 化 す るこ と が で き る ．

(3) ア ン テ ィ シ ペ ー ト リ ー (Anticipatory) ： ユ ー ザ の 操 作 なく ， 予 想 し て や っ て く れ るコ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア で 得 た 情 報 を 用 い ， そ の 情報 を も と に ， サ ー ビ ス 提 供 を 機 器 に 促 し て く れる ． こ の た め ， ユ ー ザ は 意 識 し な く て も ユ ー ザ に適 し た サ ー ビ ス 提 供 を 可 能 と す る ．

(4) パ ー ソ ナ ラ イ ズ ド (personalized) ： ユ ー ザ の ニ ー ズ に 合う こ と が で き るユ ー ザ に 対 し て ， 同 じ サ ー ビ ス を 提 供 す る の で はな く ， 個 々 の ユ ー ザ を 把 握 し ， そ の ユ ー ザ に 合 わせ て サ ー ビ ス を 提 供 す る ．

(5) ア ダ プ テ ィ ブ (adaptive) ： ユ ー ザ に 応 え て 変 化 す る ．適 応 力 が あ る 。各 々 の ユ ー ザ に 対 す る サ ー ビ ス で も ， 必 ず し も 毎回 同 じ サ ー ビ ス を 提 供 す れ ば い い と い う わ け で はな く ， ユ ー ザ の 変 化 す る 要 求 に 対 し て ， 柔 軟 に サー ビ ス を 提 供 す る ．

こ の ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス を 用 い た 研 究 はプ ロ ジ ェ ク ト Oxygen や IBMに よ っ て 進 め ら れ て お り ， 今 後注 目 さ れ る 分 野 で あ る と 言 え る ．

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3.4.2 セ ン サ 技 術

セ ン サ 技 術 は ， ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 特徴 で も 挙 げ ら れ る よ う に コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア を 実 現す る た め に 盛 ん に 取 り 組 ま れ て い る ． セ ン サ に は ， 温度 や 湿 度 を 測 る も の や ， 人 や も の を 検 知 す る も の な どさ ま ざ ま な 種 類 が あ る ．

現 在 の セ ン サ の 利 用 形 態 と し て は ， 機 器 と 密 に 繋 がっ た 形 で 目 的 に 応 じ て 設 置 さ れ て い る ． こ れ に よ り ，他 の 機 器 サ ー ビ ス か ら は 利 用 が で き な い ．

温度センサ

電子レンジ エアコン

温度センサ湿度センサ

×センサ情報は共有していない

図 3-18 　 従 来 の セ ン サ の 利 用 形 態

今 後 は ， 前 述 し た 目 的 毎 に 置 か れ た セ ン サ が ネ ッ トワ ー ク か ら ア ク セ ス が 可 能 と な り ， 他 の サ ー ビ ス か らも 利 用 可 能 と な る と 考 え ら れ る ． ア ン ビ エ ン ト イ ン テリ ジ ェ ン ス で は セ ン サ 技 術 を 用 い て ， さ ま ざ ま な 日 用生 活 物 に セ ン サ を 埋 め 込 み ネ ッ ト ワ ー ク 環 境 が 構 築 [19]さ れ て お り ， 機 器 自 身 の 性 能 が 上 が る と 考 え ら れ て いる ．さ ま ざ ま な セ ン サ 技 術 が あ る が ， こ こ で は 研 究 さ れ

て い る 人 の 移 動 を 検 知 す る こ と の で き る セ ン サ に つ いて 説 明 す る ．

(1) 感 圧 セ ン サ感 圧 セ ン サ は ， セ ン サ フ ロ ア シ ス テ ム で 検 知 す る こ

と で 人 の 移 動 の 認 識 を 可 能 と す る ． セ ン サ フ ロ ア シ ステ ム は 人 の 行 動 を 重 量 移 動 で 捉 え る こ と を 目 的 と し たシ ス テ ム で あ る ． 加 重 に よ っ て ， 反 応 す る タ イ ル 状 のセ ン サ を 床 に 敷 き 詰 め ， 物 体 の 重 量 の 移 動 を 捕 ら え るこ と で ， 人 間 の 移 動 軌 跡 や 滞 留 時 間 な ど を 取 得 す る こと を 可 能 に す る ．以 下 に ， セ ン サ フ ロ ア シ ス テ ム の 構 造 を 示 す ．

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＜センサフロアタイル＞物体の加重を検知する

タイル状のセンサ。建物内の床面などに接地

情報取得

＜センサフロアコントローラ＞システム全体の制御を行う

図 3-19 　 セ ン サ フ ロ ア シ ス テ ム

セ ン サ フ ロ ア タ イ ル の 表 面 は 感 圧 ス イ ッ チ に な っ てお り ， 人 が 上 を 歩 く と き な ど の 体 重 を 感 知 す る ． セ ンサ フ ロ ア タ イ ル の 感 圧 情 報 は シ ス テ ム 制 御 PC で あ る セン サ フ ロ ア コ ン ト ロ ー ラ に 取 り 込 ま れ タ イ ル の 反 応 箇所 を 取 得 す る ． 現 在 は ， こ の よ う な 感 圧 セ ン サ を 利 用し た 研 究 も さ れ [ 複 数 セ ン サ 融 合 に 基 づ く 最 適 特 徴 の 動的 選 択 ] ， よ り 正 確 な 人 間 追 跡 が 可 能 と な る ．

(2) RFIDRFID(Radio Frequency Identification) は ， 電 波 を 利 用 し た 認 証 ・ 認

識 技 術 の 総 称 で あ る ． RFID は ， タ グ や ラ ベ ル 状 に 加 工 され た ア ン テ ナ 付 き IC チ ッ プ を モ ノ や 人 に 付 与 し ， そ こに 記 憶 さ れ た 情 報 を リ ー ダ ・ ラ イ タ と 呼 ば れ る 装 置 で読 み 取 る こ と で ， 物 体 認 識 や 個 人 認 証 を 行 つ も の で ある ． RFID の 仕 組 み を 実 現 ， 利 用 す る た め に ３ つ の 構 成 要素 が 必 要 と な る ．

(1) 認 識 対 象 と な る Ｉ Ｃ チ ッ プ が 封 入 さ れ た Ｉ Ｃ タ グ(2) Ｉ Ｃ タ グ 上 の 情 報 を 読 み 書 き す る リ ー ダ ・ ラ イ タ(3) 読 み 取 っ た 情 報 を 処 理 す る 上 位 シ ス テ ム (PC)

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(２)リーダ/ライタ(１)ＩＣタグ (３)ホストコンピュータ

メモリ

送受信部

アンテナ

コントローラ

送受信部

アンテナ

図 3-20 　 RFIDの 構 造

こ の シ ス テ ム で は 以 下 の よ う な 仕 組 み を も つ 。1) 人 間 か ら の 要 求 を 受 け た ホ ス ト コ ン ピ ュ ー タ は リ ー

ダ ・ ラ イ タ に Ｉ Ｃ タ グ の 情 報 を 読 み 取 る 命 令 を 行 う ．2) リ ー ダ ・ ラ イ タ の コ ン ト ロ ー ル 部 は ， こ の 命 令 を ，

外 部 イ ン タ フ ェ ー ス を 経 由 し て 受 け 取 る ．3) 命 令 を 受 け 取 っ た コ ン ト ロ ー ラ は 通 信 回 路 経 由 で ア

ン テ ナ に 信 号 を 送 信 す る ．4) ア ン テ ナ は 無 線 波 を 送 信 す る ．5) 無 線 波 を 受 け た Ｉ Ｃ タ グ の ア ン テ ナ は 信 号 を Ｉ Ｃ チ

ッ プ の 通 信 回 路 に 渡 す ．6) Ｉ Ｃ チ ッ プ は ， 自 分 の 情 報 を 信 号 に 変 え て ア ン テ ナ

に 送 信 す る ．7) リ ー ダ の ア ン テ ナ 部 は ， こ の 情 報 を コ ン ト ロ ー ラ 部

に 渡 す ．8) コ ン ト ロ ー ラ 部 は ， Ｐ Ｃ に 情 報 を 通 知 す る ．9) ホ ス ト コ ン ピ ュ ー タ に 情 報 を 表 示 す る ．RFID は ， 主 に 物 流 関 係 で 利 用 さ れ 始 め て い る ． そ の 一 方で ， RFID は 非 接 触 で 通 信 を 行 え ， デ ー タ の 書 き 換 え が 可能 で デ ー タ 量 が 多 い と い っ た 面 で ， 人 を 検 知 す る も のと し て も 利 用 さ れ 始 め て い る 。 RFID の 新 た な 兆 候 と し て ，RFID の 高 機 能 化 （ UHF 帯 使 用 に よ る 読 み 取 り 距 離 の 長 距離 化 や 各 種 セ ン サ 機 能 と の ハ イ ブ リ ッ ド 化 ） や ， 企 業や ， 街 中 ， 空 港 で の 適 用 分 野 の 広 が り が 始 ま り つ つ あり ， さ ら に は ， RFID2.0 と い う 考 え 方 も さ れ 始 め て い る ．RFID2.0 と は 収 集 さ れ る デ ー タ も 静 的 な 情 報 か ら ， リ ア ルタ イ ム に 複 数 の プ レ ー ヤ ー に ま た が る 情 報 の 蓄 積 の 共有 を 可 能 に す る と い っ た 取 り 組 み で あ る ．

40

4 ホームネットワークシステムの問題点

4.1 家 庭 内 に お け る 複 雑 な コ ン テ キ ス ト家 庭 内 に は さ ま ざ ま な 機 器 が 散 在 し ， ま た 多 数 の コ

ン テ キ ス ト が 存 在 す る ． こ の 事 実 に つ い て ， 既 存 の 研究 で は 機 器 の 状 態 の 変 化 に つ い て は 考 慮 さ れ て い る が ，そ れ 以 外 の コ ン テ キ ス ト に は 機 器 が 影 響 を 与 え る こ とは 考 え ら れ て い な い ． 本 研 究 で は ， 機 器 が 影 響 を 与 える コ ン テ キ ス ト と し て 「 機 器 の 状 態 」 と 「 部 屋 の 状態 」 の 2 つ に 着 目 す る ．　 家 庭 内 に 存 在 す る 機 器 は 各 々 が 「 機 器 の 状 態 」 を 変化 さ せ る た め の 手 続 き で あ る メ ソ ッ ド と ， そ の メ ソ ッド に 対 応 す る 「 機 器 の 状 態 」 で あ る 機 器 プ ロ パ テ ィ を持 っ て い る と 定 義 さ れ る ． 一 方 ， メ ソ ッ ド は ， 機 器 だけ で は な く 「 部 屋 の 状 態 」 に 影 響 を 及 ぼ す も の も あ ると 考 え ら れ る ． こ こ で ， HNS で 考 え る コ ン テ キ ス ト に 該当 す る 温 度 な ど の ， 部 屋 の 状 態 を 特 徴 づ け る も の と して 環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 え る ． こ の 2 つ の プ ロ パ テ ィ を 以下 に 定 義 す る ．

(1) 機 器 プ ロ パ テ ィ機 器 自 身 の 特 性 や 状 態 で あ り ， 機 器 は 必 ず 機 器 プ ロ

パ テ ィ と そ の 具 体 的 な 値 と し て 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を 持っ て い る ． 例 え ば ， 照 明 に は 照 明 の 電 源 状 態 で あ る プロ パ テ ィ と ， そ の 具 体 的 な 値 で あ る ON や OFF の よ う な プロ パ テ ィ 値 が あ る ． 全 て の 機 器 プ ロ パ テ ィ は 機 器 の メソ ッ ド に 対 応 し て い る ．(2) 環 境 プ ロ パ テ ィ温 度 な ど の ， 部 屋 の 状 態 に 影 響 を 及 ぼ す も の で あ る ．

機 器 は メ ソ ッ ド に よ り 環 境 プ ロ パ テ ィ に 何 ら か の 影 響を 与 え る と 考 え る ． 例 え ば ， 照 明 は ON() と い う メ ソ ッ ドに よ り 照 度 に つ い て プ ラ ス の 影 響 を 与 え る ． 本 研 究 では 温 度 ， 湿 度 ， 照 度 を 環 境 プ ロ パ テ ィ と し て 考 え る が ，全 て の 機 器 が こ れ ら の 全 て の 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を与 え る と は 限 ら な い ．

　 つ ま り ， 図 4-1 で 示 す よ う に ， 照 明 と い う 機 器 は ON() とい う メ ソ ッ ド に よ っ て 電 源 状 態 は ON に な り ， 照 度 に 関し て は プ ラ ス の 影 響 を 与 え ， 温 度 ・ 照 度 に 関 し て は 影響 を 与 え な い ． こ の よ う に ， 家 庭 内 に は 機 器 プ ロ パ ティ と 環 境 プ ロ パ テ ィ の 両 方 に 関 連 す る メ ソ ッ ド を 持 つ機 器 も あ る ．

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照明

環境プロパティ照度に関してプラスの影響

（温度・湿度には影響を与えない）

機器プロパティ照明の電源状態はON

照明のON()というメソッドによって・・・

図 4-21 　 機 器 が 持 つ 2つ の プ ロ パ テ ィ

こ の 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て ， 家 庭 内 に は 部 屋 に プラ ス の 影 響 を 与 え る メ ソ ッ ド を 持 つ 機 器 も あ れ ば ， 反対 に マ イ ナ ス の 影 響 を 与 え る メ ソ ッ ド を 持 つ 機 器 も あり ， 部 屋 内 に 同 じ 影 響 を 与 え る 複 数 の 機 器 が あ る こ とも 考 え ら れ る ． そ し て ， 部 屋 に ど の よ う に 影 響 を 与 える か ， そ の 時 々 の 部 屋 の 外 の 状 態 に よ っ て 変 動 す る 機器 も 存 在 す る ．

例 え ば ， 同 じ 部 屋 に エ ア コ ン と ヒ ー タ が あ る 場 合 は温 度 に 関 し て ， エ ア コ ン の 冷 房 で の ON() は マ イ ナ ス の 影響 を 与 え る が ヒ ー タ の ON() は プ ラ ス の 影 響 を 与 え る ． また ， カ ー テ ン の OPEN() は そ の 時 の 部 屋 の 照 度 と カ ー テ ンの 外 側 の 照 度 に よ っ て ど の よ う に 影 響 を 与 え る か が 変わ る た め ， 影 響 を 特 定 で き な い ． 図 4-2 で 示 す よ う に ，家 庭 内 に 存 在 す る 機 器 は 環 境 プ ロ パ テ ィ に 複 雑 に 関 連し て い る と 言 え る ．

エアコン

部屋に影響部屋に影響

•エアコンの冷房•ヒーターの電源ＯＮ

温度

（－）（＋）

•加湿器の電源ON•窓のOPEN

湿度

（＋）（？）

相反

する

ヒーター外の温度・湿度

外の温度・湿度

加湿器 窓

・・・・・・

図 4-22 　 機 器 の 複 雑 な 関 連

42

現 在 考 え ら れ て い る HNS で は ， 環 境 プ ロ パ テ ィ や 機 器と 環 境 プ ロ パ テ ィ の 関 連 に つ い て 深 く 考 慮 さ れ て い ない ． 本 研 究 で は ， ユ ー ザ が 快 適 に 過 ご せ る と 感 じ ら れる HNS を 実 現 す る た め に 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て 考 慮 する ．

4.2 ユ ー ザ の 移 動 毎 に 発 生 す る 機 器 操 作家 庭 内 で 生 活 す る ユ ー ザ は 必 要 に 応 じ て 動 く の で ，

部 屋 内 外 を 問 わ ず 頻 繁 に 「 ユ ー ザ の 移 動 」 が 起 こ る ．ま ず ， HNS で は ユ ー ザ が い る と き に い る 場 所 で 機 器 が

サ ー ビ ス を 提 供 す る 必 要 が あ る と 考 え る ． ユ ー ザ が いな い と き に い な い 場 所 で 機 器 が サ ー ビ ス を 提 供 し て いて も 意 味 が な い た め で あ る ． こ れ を 図 4-3 に 示 す ．

部屋A

照明

テレビテレビ

照明

ユーザがいなければ意味がない

ユーザがいるときにいる場所のサービスを実行

部屋B× ○

図 4-23 　 ユ ー ザ が い る 場 所 で の サ ー ビ ス

そ し て ， 現 在 は 社 会 的 に 高 齢 者 の 増 加 が 進 ん で い る中 で ， 生 活 す る 上 で 家 族 な ど の 周 囲 の 人 々 の 補 助 を 必要 と し て い る 高 齢 者 は 多 い ． そ の 一 方 で ， 常 に 補 助 を受 け る こ と は で き な い 状 況 に あ る 高 齢 者 も い る ． そ のた め ， 家 庭 内 で も 高 齢 者 の 生 活 に 合 わ せ た シ ス テ ム を考 え る 必 要 が あ る ． 認 知 症 を 持 つ 高 齢 者 は ， 自 分 か ら何 ら か の 必 要 が あ り 行 動 を と ろ う と し て も ど の よ う に行 動 を と れ ば い い の か ， そ し て 自 分 は 何 を し よ う と して い た の か と い う こ と ま で 忘 れ て し ま う こ と が あ る ．そ の よ う な １ 人 で 生 活 す る に は 不 安 が あ る ユ ー ザ に 対し て ， と り ま く 環 境 が 「 今 は 周 り に 補 助 し て く れ る 関係 者 が 何 人 い る 」 と い う こ と を 教 え る な ど の サ ポ ー トを 行 な う ， ユ ー ザ を 中 心 に 考 え て い る 既 存 の 研 究 が あ

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る ． [ ユ ー ザ セ ン タ ー な ん と か 論 文 ]こ れ よ り ， ユ ー ザ が 移 動 す る 都 度 発 生 し て し ま う 機

器 の 操 作 を 本 研 究 で 扱 う 問 題 点 と す る ． こ こ で ， 家 庭内 の 温 度 や 湿 度 ， テ レ ビ の チ ャ ン ネ ル な ど の コ ン テ キス ト を サ ー ビ ス の 内 容 の 質 と し ， ユ ー ザ が 移 動 し て も質 を 変 え る こ と な く サ ー ビ ス 受 け 続 け る こ と が で き る ，と い う こ と を サ ー ビ ス の 連 続 と し て 図 4-4 に 示 す ． 本 研究 で は ， ユ ー ザ が 機 器 を 操 作 す る と い う 手 間 を か け なく て も ， い る 場 所 で サ ー ビ ス を 連 続 し て 受 け こ と が でき る よ う に す る べ き だ と 考 え る ．

部屋A

照明

テレビテレビ

照明

部屋B

エアコン エアコン

移動

ユーザが移動しても移動前と同じ質のサービスを

移動先で受けることができる＝ サービスの連続

図 4-24 　 サ ー ビ ス の 連 続

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5 解決方法

5.1 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス に 基 づ く 提 案ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス の 概 念 に 基 づ い て 解

決 の た め の モ デ ル を 提 案 す る ． 前 提 よ り ， 家 庭 内 の あら ゆ る 場 所 に セ ン サ が 組 み 込 ま れ て い る こ と を 想 定 する ．　 ア ン ビ エ ン ト イ ン テ リ ジ ェ ン ス に つ い て の ５ つ の 特徴 を HNS に 当 て は め る と 以 下 の よ う に な る ．(1) エ ン ベ デ ッ ド : 家 庭 内 に お い て ， あ ら ゆ る 場 所 に セ

ン サ を 組 み 込 む ．(2) コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア ： ユ ー ザ の 移 動 や ， ユ ー ザ の

い る 場 所 の セ ン シ ン グ と ， 部 屋 が ど の よ う な 状 態 であ る か に つ い て セ ン シ ン グ を 行 う ．

(3) ア ン テ ィ シ ペ ー ト リ ー ： コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア で 取得 し た 情 報 を 元 に ， ユ ー ザ の 操 作 が な く て も ， 自 動的 に 予 測 し て サ ー ビ ス 提 供 を 行 う ．

(4) ア ダ プ テ ィ ブ ： ユ ー ザ の 操 作 に 応 え て ， 移 動 に 伴 って 機 器 の 動 作 を さ せ る こ と を 行 う ．

(5) パ ー ソ ナ ラ イ ズ ド ： 個 々 の ユ ー ザ に 合 う 環 境 を 提 供す る こ と を 可 能 と す る ．

こ れ ら を 考 慮 し ， 問 題 点 解 決 の た め の ア プ ロ ー チ をと る ．

5.2 コ ン テ キ ス ト に 対 応 付 け た 環 境 プ ロ パ テ ィ の 導

入　 前 章 よ り ， 環 境 プ ロ パ テ ィ に 関 し て 家 庭 内 で は 機 器は 複 雑 に 関 連 し て い る ． そ の た め ， 各 機 器 は 環 境 プ ロパ テ ィ に 関 し て 反 発 す る こ と が な く 適 し た サ ー ビ ス を提 供 す る 必 要 が あ る ． 以 下 に 環 境 を 考 慮 し た ア プ ロ ー チ を 述 べ る ．

(1) 機 器 の メ ソ ッ ド レ ベ ル で モ デ ル 化 を 行う ．

(2) メ ソ ッ ド に 対 し て の 環 境 プ ロ パ テ ィ を考 え る ．

(3) メ ソ ッ ド の 環 境 プ ロ パ テ ィ が ど の よ うな 影 響 を 与 え る の か 考 え る ．

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(1) 機 器 の メ ソ ッ ド レ ベ ル で モ デ ル 化 を 行 う家 庭 内 に は 様 々 な 家 具 や 家 電 機 器 が 存 在 す る ． 家 具

や 機 器 ご と に 機 能 は 様 々 で あ り ， そ の 機 能 に よ っ て 達成 で き る 内 容 も 異 な る ． そ の た め ， 機 器 ご と に 主 要 なサ ー ビ ス を 機 能 単 位 で 抽 出 し ， メ ソ ッ ド レ ベ ル で モ デル 化 を 行 う ．

本 研 究 で は ， 各 機 器 は 状 態 を 変 化 さ せ る た め の 手 続き で あ る メ ソ ッ ド を 持 つ ． 以 下 に 各 機 器 の メ ソ ッ ド の一 例 を 示 す ．

表 　 メ ソ ッ ド 一 例機器 メソッド 機 器 メ ソ ッ

ドエアコン ON() 窓 OPEN()

OFF() CLOSE()COOLING() テレビ ON()HEATING() OFF()HUMIDITY() setChannel()

setVolume()

(2) メ ソ ッ ド に 対 し て の 環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 え る ．(1) で 挙 げ た メ ソ ッ ド に 対 し て ， そ の メ ソ ッ ド が ど の

よ う な 働 き を す る の か 考 慮 し た 環 境 プ ロ パ テ ィ の 情 報を 付 加 す る ． 環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 慮 す る こ と に よ り ，影 響 の 異 な る 機 器 を メ ソ ッ ド レ ベ ル で ， メ ソ ッ ド が どの よ う な 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え る の か 判 断 す るこ と が で き ， 柔 軟 性 が 増 す と 考 え た ．以 下 に 各 メ ソ ッ ド に 環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 慮 し た 例 を

示 す ．

Temp： 温 度 に 影 響 を 与 え る こ と を 示 す ． Humidity： 湿 度 に 影 響 を 与 え る こ と を 示 す ． Bright ： 照 度 に 影 響 を 与 え る こ と を 示 す ． ＊ ： 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え な い ．

表 　 環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 慮 し た 例機器 メソッド 環境プロパテ

ィ

機器 メソッド 環 境 プ ロ パ

ティ

エアコン ON() ＊ 窓 OPEN() TempOFF() ＊ HumidityCOOLING() Temp CLOSE() ＊

HEATING() Temp ＊

DEHUMIDITY( Humidity テレビ ON() ＊

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)OFF() ＊

setChennel() ＊

setVolume() ＊

エ ア コ ン は 1 つ の 実 行 さ れ る メ ソ ッ ド に 対 し て １ 種 類の 環 境 プ ロ パ テ ィ に 関 連 す る ． 一 方 ， 窓 の よ う に 1 つ のメ ソ ッ ド に 対 し て 2 つ の 環 境 プ ロ パ テ ィ が 関 連 す る 場 合も あ る ． ま た テ レ ビ の よ う に ， 本 研 究 で 考 え る 環 境 プロ パ テ ィ に は 関 与 し な い メ ソ ッ ド も 存 在 す る ． こ れ より ， 機 器 の メ ソ ッ ド と 環 境 プ ロ パ テ ィ は 必 ず し も 1 対 1で は 対 応 し な い こ と が 分 か る ．

(3) メ ソ ッ ド の 環 境 プ ロ パ テ ィ の 影 響 を 考 え る環 境 プ ロ パ テ ィ を 考 慮 し た 上 で も ， ど の よ う に 環 境

プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え る の か 考 慮 す る 必 要 が あ る と考 え た ． つ ま り ， 同 じ 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え る機 器 で も ， そ の 環 境 に プ ラ ス に 働 く の か マ イ ナ ス に 働く の か ， そ の 振 る 舞 い 方 は 違 う ． 例 え ば エ ア コ ン の 場合 ， 同 じ 温 度 に 関 す る メ ソ ッ ド で も 温 度 を 上 げ る も のと ， 下 げ る も の と い っ た よ う に 影 響 が 異 な る も の が ある ． そ の た め 本 研 究 で は ， 環 境 プ ロ パ テ ィ に さ ら に どの よ う な 方 向 に 影 響 を 与 え る か ， と い う 情 報 を 付 加 する こ と を 考 え る ．影 響 方 向 に つ い て ， 以 下 の よ う に 定 義 す る ．

UP ： 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て プ ラ ス の 影 響 を与 え る

DOWN ： 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て マ イ ナ ス の 影響 を 与 え る

？ ： 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て 影 響 を 与 え る がど の よ う な 影 響 を 与 え る か は わ か ら な い

＊ ： 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え な い

？ は ， 窓 に つ い て 考 え る と き に 必 要 な も の で あ る ．窓 は 自 分 自 身 が 開 く と い う こ と だ け で は 環 境 プ ロ パ ティ に ど の よ う な 影 響 を 与 え る も の か 分 か ら ず ， 室 外 の温 度 と 室 内 の 温 度 を 比 較 す る こ と で 初 め て メ ソ ッ ド の影 響 方 向 が 分 か る た め で あ る ． こ の よ う な 場 合 は 室 内外 の 温 度 を セ ン サ に 問 い 合 わ せ る 必 要 が あ る ．以 下 に ， 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 方 向 を 付 加 し た 例 を 示

す ．

表 　 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 方 向 を 付 加 し た モ デ ル

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機器 メソッド 環 境 プ ロ パ テ

ィ

影響

エアコン ON() ------ ON だけではわからない

OFF() ------ ＊

COOLING() Temp DOWNHEATING() Temp UPHUMIDITY() Humidity DOWN

窓 OPEN() Temp ？

Humidity ？

CLOSE() ------ ＊

こ の よ う に ， 部 屋 に あ る 機 器 を メ ソ ッ ド レ ベ ル で 環境 プ ロ パ テ ィ に 分 け て 考 え る こ と で ， 同 じ 働 き を す る機 器 の 集 合 と し て ま と め る こ と が で き る ． ま た ， 影 響方 向 ま で 考 え る こ と で ， そ の 時 々 に 応 じ た 柔 軟 な サ ービ ス 提 供 が し や す く な る ． こ れ を 図 5-1 に 示 す ．

温度に影響を与えるメソッド

湿度に影響を与えるメソッド

外の環境外の環境

•COOLING(-)•HEATING(+) •OPEN(?)

エアコン窓

•ON(+)ヒーター

•ON(+)•DEHUMIDITY(-)エアコン 加湿器

•OPEN(?)窓

問い合わせる

図 5-25 　 環 境 プ ロ パ テ ィ に よ る メ ソ ッ ド の 分 類

5.3 ユ ー ザ 移 動 を 考 慮 し た 連 続 的 な サ ー ビ ス 提 供前 章 の 提 案 よ り ， 移 動 に 関 し て サ ー ビ ス は ユ ー ザ が

い る 場 所 で 連 続 し て 実 行 さ れ て ほ し い ． そ の た め の アプ ロ ー チ と し て 以 下 の 2 つ が 挙 げ ら れ る ．

(1) ユ ー ザ の 移 動 を 検 知 す る(2) ユ ー ザ は プ ロ パ テ ィ 値 を 保 持

す る

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(1) ユ ー ザ の 移 動 を 検 知 す るユ ー ザ が い る 場 所 で サ ー ビ ス を 実 行 す る た め に は ，

ユ ー ザ が 今 こ の 空 間 に 入 っ て 来 た ， こ の 空 間 か ら 出 て行 っ た と い う よ う な 移 動 を 検 知 す る 手 段 が 必 要 で あ る ．実 現 の 方 法 と し て は 3 章 で 述 べ た 感 圧 セ ン サ や RFID な どが 考 え ら れ る ． ユ ー ザ の 移 動 を 検 知 す る こ と で ， 図 5-2で 示 す よ う に ユ ー ザ の 移 動 に 適 し た サ ー ビ ス が 提 供 でき る と 考 え ら れ る ．

部屋A 部屋B 部屋C

HOMEユーザが移動して来たら部屋Bと同じ質のサービスを提供できる

ユーザがいなくなったのでサービス提供はしない

ユーザが部屋から出たことを検知

ユーザが来たのでサービスを提供する

ユーザが部屋に入ったことを検知

図 5-26 　 ユ ー ザ の 移 動 を 検 知

(2) ユ ー ザ は プ ロ パ テ ィ 値 を 保 持 す るユ ー ザ が 移 動 し て も 同 じ 質 の サ ー ビ ス を 受 け 続 け る

こ と が で き る と い う サ ー ビ ス の 連 続 を 実 現 す る た め に ，ユ ー ザ 自 身 が プ ロ パ テ ィ を 保 持 す る ア プ ロ ー チ を と る ．

ま ず ， 連 続 の た め に ， ユ ー ザ が 移 動 す る 際 に 場 所 に存 在 す る の 機 器 の 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を ユ ー ザ が 全 て 保持 し ， 移 動 先 の 場 所 の 機 器 に 反 映 す る こ と を 考 え た ．

し か し ， こ れ で は ユ ー ザ が 移 動 し た 際 に ， 移 動 前 の場 所 の 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 に 忠 実 に 近 づ け る よ う に 移 動先 の 場 所 の 全 て の 機 器 が 働 き か け た と し て も ， ユ ー ザに 適 し た サ ー ビ ス が 提 供 で き る と は 断 言 で き な い ． これ は 移 動 前 と 移 動 先 の 部 屋 の 状 態 が 一 緒 で あ る と は 限ら な い た め で あ る ． 移 動 に 関 し て も 環 境 プ ロ パ テ ィ につ い て 考 慮 す る べ き で あ り ， 機 器 の 同 じ サ ー ビ ス を 受け る こ と だ け が ユ ー ザ に と っ て 適 し た 連 続 で は な い と

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考 え た ．ま た 家 庭 内 に お い て ， 全 て の 空 間 に 同 じ 数 だ け 同 じ

機 器 が 存 在 す る こ と は 考 え に く く ， あ る 機 器 が 移 動 前の 場 所 に な く 移 動 先 の 場 所 に は あ る こ と も 考 え ら れ る 。こ の た め ， 機 器 が 少 な い 部 屋 か ら 多 い 部 屋 へ ユ ー ザ が移 動 す る と 仮 定 す る と ， 部 屋 を 出 る と き に 機 器 プ ロ パテ ィ 値 を 保 持 し 直 す た め ， 移 動 先 に は 少 な い 機 器 プ ロパ テ ィ 値 が 反 映 さ れ て し ま い 柔 軟 性 が 無 い と 考 え た ．こ の 例 を 図 5- ３ に 示 す ．

部屋A

テレビ

照明

テレビ照明

電源ON３チャンネル

電源ON

部屋B

エアコンがないので機器プロパティ値はない

保持

エアコン

反映移動

電源ON３チャンネル

電源ON

部屋Bが明るければ必要とは限らない

エアコンの機器プロパティがないのでサービスは提供されない

図 5-27 　 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を 保 持 し て 反 映

こ こ で さ ら に 柔 軟 に す る た め に ， こ の 仕 組 み に 環 境プ ロ パ テ ィ を 取 り 入 れ る ． ユ ー ザ 自 身 が ， 自 分 が 快 適に 過 ご せ る 温 度 な ど の 環 境 プ ロ パ テ ィ 値 を 自 分 固 有 の基 準 値 と し て 持 つ ． 移 動 先 の 環 境 に あ る 機 器 は ， 環 境プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え る も の は 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 に近 づ け る の で は な く 環 境 プ ロ パ テ ィ 値 に 近 づ け よ う と働 き か け る こ と で ， ユ ー ザ が 快 適 に 感 じ る サ ー ビ ス を連 続 さ せ る こ と が で き る と 考 え る ．　 機 器 プ ロ パ テ ィ は 全 て の 機 器 が 持 つ が ， 本 研 究 で 用い る 温 度 ・ 湿 度 ・ 照 度 と い う 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て影 響 を 与 え な い ， 持 た な い 機 器 も あ る ． 環 境 プ ロ パ ティ を 持 た な い 機 器 に 関 し て は 純 粋 に 機 器 プ ロ パ テ ィ 値を 引 き 継 ぎ ， 環 境 プ ロ パ テ ィ を 持 つ 機 器 に 関 し て は 環境 プ ロ パ テ ィ 値 を 優 先 さ せ る と す る ．

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　 そ し て ， 機 器 プ ロ パ テ ィ に 関 し て は ， ユ ー ザ が も しも 直 接 機 器 を 操 作 し た 場 合 に は 部 屋 を 出 る と き に そ の新 し い 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を 保 持 し 直 す と す る ． そ の サー ビ ス を 実 現 で き る 機 器 が 移 動 先 の 部 屋 に な く て も ，操 作 が な い の で 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 は 保 持 し 直 さ れ て 書き 換 え ら れ る こ と は な く ， さ ら に 次 の 移 動 先 の 部 屋 にそ の 機 器 が あ っ た ら 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 が 反 映 さ れ る ．　 こ の よ う に ， 時 々 刻 々 と 変 化 す る 可 能 性 が あ る 機 器プ ロ パ テ ィ と ， ユ ー ザ が 決 ま れ ば 値 が 決 ま る 環 境 プ ロパ テ ィ の ２ つ を ユ ー ザ が 保 持 す る こ と で 柔 軟 に サ ー ビス を 連 続 さ せ る こ と が で き る ． ユ ー ザ の 移 動 に よ る サー ビ ス の 引 き 継 ぎ と し ， 図 5-4 に 示 す ．

機器にユーザの機器プロパティ値を反映し、操作による変化があれば保持し直す

環境プロパティに関連する機器にはユーザの固定的な環境プロパティ値を反映

反映

部屋A

ON3ch

移動

部屋B

反映 反映

温度:２０度

テレビ：電源ON 電源ONチャンネル3 チャンネル5

反映 保持

ON3ch

ON5ch

操作

移動

環境プロパティ

機器プロパティ

16度ON

18度HEATING

図 5-28 　 サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ

5.4 問 題 点 解 決 の た め の モ デ ル本 研 究 で 扱 う 問 題 点 を 解 決 す る た め に ， ユ ー ザ の 移

動 に よ る サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ を 実 行 す る モ デ ル を 提 案す る ． モ デ ル に 必 要 な 5 つ の 要 素 と そ れ ぞ れ の 機 能 や 情報 に つ い て 説 明 し ， モ デ ル を 図 5-5 に 示 す ．

(1) マ ネ ー ジ ャ家 全 体 で は な く ， 部 屋 単 位 で 全 て を 管 理 す る も の と

し て お く ． こ れ は 部 屋 が 家 庭 内 に 存 在 す る 機 器 の 影 響を 与 え る 範 囲 と し て 考 え ら れ る た め で あ る ． マ ネ ー ジャ は 部 屋 に あ る 機 器 と ， そ れ ら が ど の よ う に 働 く か を把 握 し て い る ．

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(2) 機 器部 屋 に 何 ら か の 影 響 を 与 え ， サ ー ビ ス を 提 供 す る 実

体 で あ る ． 機 器 は 自 分 自 身 が ど の よ う な 状 態 で あ る か ，機 器 プ ロ パ テ ィ を 知 っ て い る ．(3) ユ ー ザ

サ ー ビ ス を 受 け る 実 体 で あ る ． ユ ー ザ は ， 自 分 固 有の 快 適 に 過 ご せ る 環 境 の 基 準 値 と し て の 環 境 プ ロ パ ティ と ， 固 定 的 で は な い 機 器 の 値 と し て 機 器 プ ロ パ テ ィを そ れ ぞ れ 自 分 自 身 で 保 持 し て い る ．(4) セ ン サ

現 在 の 環 境 プ ロ パ テ ィ 値 を 測 定 す る も の で あ る ． セン サ は 自 分 自 身 が 測 定 し た プ ロ パ テ ィ 値 を 持 っ て い る ．(5) 検 知 セ ン サ

ユ ー ザ が 移 動 し た こ と を 検 知 す る も の で あ る ．

部屋

(4)センサ

(1)マネージャ (2)機器存在する機器一覧

機器がどのように働くか

移動

環境プロパティ値

現在の部屋の状態の値

機器プロパティ値

現在の機器の状態の値

(5)検知センサ

(3)ユーザ

プロパティ----------------

機器プロパティ値

機器の値(絶えず変化)

環境プロパティ値

ユーザ固有の値(固定的)ユーザの

移動を検知

ユーザが持つプロパティ値に近づけようと →する サービスの引き継ぎを実行

図 5-29 　 解 決 の た め の モ デ ル

マ ネ ー ジ ャ は ， ユ ー ザ が 移 動 し て き た ら ユ ー ザ が 持つ プ ロ パ テ ィ 値 に 近 づ け よ う と す る こ と で 機 器 の サ ービ ス が 実 行 さ れ る ． ま た ， ユ ー ザ が 移 動 し て い っ た ら機 器 を 移 動 前 の 初 期 状 態 に 戻 す こ と で 適 し た サ ー ビ スの 引 き 継 ぎ は 行 わ れ る ．

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5.5 処 理 の 流 れ以 上 で 述 べ た こ と を 考 慮 し ， 本 研 究 で は ユ ー ザ が 家

庭 内 を 移 動 し た と き に ， 環 境 が ユ ー ザ に 適 し た サ ー ビス を 連 続 し て 提 供 す る こ と が で き る HNS を 考 え て い く ．　 ユ ー ザ 自 身 が ， 自 分 自 身 の 要 求 と し て の 環 境 プ ロ パテ ィ と ， 機 器 プ ロ パ テ ィ を 保 持 す る ． こ の プ ロ パ テ ィ値 を 保 持 し た ユ ー ザ が 移 動 す る と ， 環 境 が プ ロ パ テ ィ値 を 受 け 取 り 反 映 し た サ ー ビ ス を 提 供 す る ． つ ま り ，ユ ー ザ の 持 つ プ ロ パ テ ィ を 連 続 さ せ る こ と で サ ー ビ スの 引 き 継 ぎ が 実 行 さ れ る ．　 サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ は ユ ー ザ が 部 屋 に 移 動 し て く るこ と か ら 始 ま り ， 以 下 の 流 れ で 実 行 さ れ る ．(1) 環 境 プ ロ パ テ ィ 毎 に ， ユ ー ザ が 持 つ プ ロ パ テ ィ 値 に

近 づ け る 方 向 を 決 定(2) ？ が つ い て い る メ ソ ッ ド に 関 し て は 現 在 ど ち ら に 働

く か 判 断(3) 方 向 が 適 し て い る メ ソ ッ ド を 抽 出(4) 抽 出 さ れ た メ ソ ッ ド 一 覧 か ら ， 副 作 用 が あ る も の を

切 り 捨 て(5) 各 環 境 プ ロ パ テ ィ で 適 し て い る メ ソ ッ ド か ら 組 み 合

わ せ を 選 択 し 実 行(6) 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え な い 機 器 は ， ユ ー ザ が

持 つ 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を 反 映 す る よ う に 実 行

ユ ー ザ に よ る 操 作 が 合 っ た 場 合 は 状 態 を 変 化 さ せ る ．ユ ー ザ が 部 屋 か ら 移 動 し て い く と き は 操 作 が あ っ た 場合 は ユ ー ザ の 機 器 プ ロ パ テ ィ を 保 持 し 直 し ， 部 屋 の 機器 は 初 期 状 態 に 戻 す ．　 副 作 用 と は ， １ つ の メ ソ ッ ド に 対 し て 複 数 の 環 境 プロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え る 場 合 に 考 え な く て は な ら な いこ と で あ る ． 関 与 す る 全 て の 環 境 プ ロ パ テ ィ に 適 し てい る か ど う か ， 環 境 プ ロ パ テ ィ の 影 響 方 向 に ？ を 持 つ機 器 な ら ば そ の 時 々 に よ っ て 影 響 方 向 は 変 わ っ て く るの で ， 毎 回 考 慮 し な け れ ば な ら な い ． 例 え ば ， 窓 を 開け た ら 温 度 に 関 し て は 適 し て い て も 湿 度 に は 適 さ な いと い う 状 況 が 起 こ り え る ． こ れ を メ ソ ッ ド に よ る 副 作用 と 考 え ， 副 作 用 が あ る メ ソ ッ ド は そ の と き は 切 り 捨て る こ と と す る ．

5.6 実 行 例　 本 研 究 で 提 案 す る サ ー ビ ス 引 き 継 ぎ の 実 行 例 を 示 す ．　 ユ ー ザ は 部 屋 A か ら 部 屋 Bへ 移 動 す る ． 現 在 の 状 態 は図 5-6 の よ う に な っ て い る ．

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部屋A

移動

部屋B

プロパティ----------------

センサ

温度：25℃湿度：50％

環境プロパティ

温度：20℃湿度：45％

現在マネージャ

エアコン

加湿器

窓

テレビ

マネージャ

図 5-30 　 実 行 例 ： 現 在 の 状 態

こ こ で ， 前 節 で 述 べ た 流 れ に そ っ て ， ま ず 環 境 プ ロパ テ ィ の 温 度 と 湿 度 に つ い て の 引 き 継 ぎ に つ い て 図 5-7に 示 し 説 明 す る ．

温度：UP湿度：UP

目標

窓の外温度：10℃湿度：50％

部屋の中温度：20℃湿度：45％

部屋B

ユーザ温度：25℃湿度：50％

①比較して目標方向を決定

②？を判断

④副作用を考慮

⑤残っている機器から実行するものを決定⇒この場合はエアコン.HEATINGと加湿器.ONが実行される

エアコン.HEATING()：温度‐

DEHUMIDITY()：湿度‐

加湿器.ON()：湿度＋

窓.OPEN()：温度‐湿度＋

○ ○×

○ ○

× ×○ ×

温度エアコン.HEATING()

湿度加湿器.ON()窓.OPEN()

③適しているメソッドを抽出

×

図 5-31 　 実 行 例 ： 環 境 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ

(1) ユ ー ザ の 持 つ 環 境 プ ロ パ テ ィ 値 よ り 部 屋 の 中 の 方 が温 度 は 低 い ， 湿 度 は 低 い と い う 比 較 の 結 果 か ら ，温 度 を 上 げ る ， 湿 度 を 上 げ る と い う そ れ ぞ れ の 目標 の 影 響 方 向 が 決 定 さ れ る ．

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(2) 環 境 プ ロ パ テ ィ の 影 響 方 向 に ？ を 持 つ メ ソ ッ ド に つい て は ， マ ネ ー ジ ャ が セ ン サ に 問 い 合 わ せ て 影 響方 向 を 確 定 さ せ る ． 部 屋 の 中 よ り 窓 の 外 の 方 が 温度 は 低 い ， 湿 度 は 高 い と い う こ と か ら ， 窓 の OPEN()は 温 度 に 関 し て マ イ ナ ス ， 湿 度 に 関 し て プ ラ ス の影 響 を 与 え る こ と が 確 定 す る ．

(3) 全 て の メ ソ ッ ド の 中 か ら ， 影 響 方 向 が 適 し て い る もの を 環 境 プ ロ パ テ ィ 毎 に 抽 出 す る ． こ こ で は 温 度に 関 し て 適 し て い る エ ア コ ン の HEATING() ， 湿 度 に 関し て 適 し て い る 加 湿 器 の ON() と 窓 の OPEN() が 抽 出 さ れる ．

(4) 窓 の OPEN() は ， 温 度 に 関 し て は 適 し て い な い こ と か ら副 作 用 よ り 切 り 捨 て ら れ る ．

(5) 残 っ て い る の は エ ア コ ン の HEATING() と 加 湿 器 の ON() であ る の で ， こ の 組 み 合 わ せ を 実 行 す る こ と で 環 境プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ は 完 了 す る ．

次 に 機 器 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ を 図 5-8 に 示 し 説 明 す る ．(6) ユ ー ザ が テ レ ビ に 関 し て 電 源 =ON ， ボ リ ュ ー ム =2 ，

チ ャ ン ネ ル =3 と い う 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 を 持 っ て いる ． 部 屋 の マ ネ ー ジ ャ は 部 屋 に テ レ ビ が あ る な らば 反 映 さ せ ， 機 器 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ は 完 了 する ．

ユ ー ザ が テ レ ビ の チ ャ ン ネ ル を 5 に 変 え る 操 作 を し たな ら ば ， テ レ ビ は チ ャ ン ネ ル を 5 に 変 え る ． ユ ー ザ が 部屋 を 出 る と き に は 機 器 プ ロ パ テ ィ を 保 持 し 直 す の で ，電 源 =ON ， ボ リ ュ ー ム =2 ， チ ャ ン ネ ル =5 と い う 機 器 プ ロパ テ ィ 値 を 持 ち 次 の 部 屋 へ 行 く ．

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部屋B

プロパティ----------------

Power=ONVolume=2Channel=3

Power=ONVolume=2Channel=5

操作

①同じ目的を果たす機器が存在するか？

マネージャ

②反映 例外：ユーザによる操作…機器は状態を変化ユーザが部屋を出るとき機器プロパティを保持し直す

テレビ.Power=ONVolume=2Channel=3

機器プロパティ

図 5-32 　 実 行 例 ： 機 器 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ

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6 プロトタイプによる実験

6.1 実 験 の 概 要本 研 究 で は ， ５ 章 で 述 べ た 提 案 を 評 価 す る た め に ，

家 庭 環 境 を ミ ニ チ ュ ア に 表 現 し た ド ー ル ハ ウ ス を 作 成し ， ネ ッ ト ワ ー ク に 繋 が れ た 家 具 ・ 家 電 機 器 を 想 定 して 実 験 を 行 う ．　 実 際 の 家 庭 生 活 で 考 え ら れ る シ ナ リ オ を 用 い て ， シス テ ム し た サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ が き ち ん と 行 わ れ る か検 証 、 評 価 す る ．

6.2 実 験 環 境

6.2.1 実 験 に 使 用 す る ソ フ ト ウ ェ ア 環 境

シ ス テ ム の 実 行 環 境 と し て 利 用 す る ソ フ ト ウ ェ ア を 以下 に 示 す ． ダ ウ ン ロ ー ド 方 法 や 設 定 方 法 は 付 録 に 添 付す る ．

(1) JDK 1.5_09(2) Tomcat 5.5.20(3) Apache Axis 1.4(4) Apache Maven 2.04(5) Phidget21

・ phidgetRFIDkit・ 4-Motor PhidgetServo Kit・phidgetInterfaceKit8/8

本 研 究 で の 提 案 を ド ー ル ハ ウ ス で 実 現 す る た め に ，Phidgets と い う キ ッ ト を 用 い る ． Phidgets は カ ナ ダ の カ ル ガリ ー 大 学 の Saul Greenberg と ， Chester Fitchett に よ っ て 開 発 さ れた シ ス テ ム で あ る 。 RFID ， 圧 力 セ ン サ ， サ ー ボ モ ー タ ーな ど の セ ン サ と ア ク チ ュ エ ー タ を USB （ Universal Serial Bus ）で 接 続 す る こ と で PC か ら 制 御 が で き る ． ハ ー ド ウ ェ アと ソ フ ト ウ ェ ア が セ ッ ト に な っ て お り ， Java ， Visual Basic ， C や C++ な ど の 言 語 で 使 用 が 可 能 で あ る ．

本 研 究 で は PhidgetRFID Kit ， 4-Motor PhidgetServoKit ， PhidgetInterfaceKit の 3 つ の キ ッ ト を 用 い る ． 以 下に 各 Phidgets の 説 明 を す る ．

1) Phidget RFID Kit ：

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各 キ ッ ト は 固 有 の シ リ ア ル ナ ン バ を 持 ち ， そ の ナ ンバ を ソ ー ス か ら 指 定 す る こ と で 利 用 す る キ ッ ト を 制御 で き る ． RFID リ ー ダ と タ グ は ， タ グ が 固 有 の 情 報を 持 ち ， そ れ を リ ー ダ が 読 み 取 っ て 活 用 が で き る セン サ で あ る ．

2) 4-Motor Phidget Servo Kit：ServoKit は 4 つ の モ ー タ を 取 り 付 け る こ と が で き ， モ ータ が 取 り 付 け て あ る ア ウ ト プ ッ ト の ナ ン バ と そ の モー タ の あ る 一 点 の 角 度 を 指 定 す る こ と で 動 く ．

3) Phidget Interface Kit：InterfaceKit で は 圧 力 セ ン サ な ど の 各 セ ン サ の イ ン プ ット と ， LED ラ イ ト の 点 灯 に よ る ア ウ ト プ ッ ト が そ れぞ れ 8 つ ず つ 可 能 で あ る ．

6.2.2 想 定 す る 家 庭 環 境

シ ス テ ム を 用 い て ， 実 験 を 行 う 部 屋 の 構 成 と ， 部 屋に 配 置 さ れ る 機 器 を 述 べ る ．

キッチン リビング 寝室

廊下バス＆トイレ

ドア

ドア

ドア

ドア

照明 照明

PCTV

カーテン

窓

エアコン 加湿器

エアコン

TV

床暖房

照明照明

加湿器

カーテン

窓

ヒータ

照明

照明

窓

図 6-33 　 プ ロ ト タ イ プ で 使 用 す る 家 庭 環 境 と 機 器 の 配置

寝 室 （ PCTV ， エ ア コ ン ， 照 明 ， 窓 ， カ ー テ ン ， 加 湿器 ）

リ ビ ン グ （ TV ， エ ア コ ン ， 床 暖 房 ， 照 明 ， 加 湿 器 ） キ ッ チ ン （ 照 明 ， 窓 ， カ ー テ ン ， ヒ ー タ ） バ ス ＆ ト イ レ （ 窓 ， 照 明 ） 廊 下 （ 照 明 １ ， 照 明 ２ ）

ま た ， 上 記 で 挙 げ た 機 器 は 本 研 究 の 提 案 よ り ， 以 下

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の 情 報 を 持 つ も の と す る ．Env.prop,Env.Hum,Env,Bright は そ れ ぞ れ ， 温 度 ， 湿 度 ， 照 度 の 環境 プ ロ パ テ ィ を 示 し ， そ の 値 は 機 器 の メ ソ ッ ド を 実 行し た と き の ， 影 響 の 方 向 を 示 す ． ＋ は ア ッ プ ， － は ダウ ン 示 す ． ？ は ア ッ プ ま た は ， ダ ウ ン の 影 響 を 与 え るか も し れ な い が ， 機 器 が 一 意 に 決 め る こ と が で き な いも の を 示 す ． ＊ は 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 を 与 え な い こと を 示 す ．

表 　 デ バ イ ス 情 報 一 覧DeviceName methodName Env.tem

pEnv.Hum Env.Bright device

propertyMyroomWindow　

OPEN ? ? * OPENCLOSE 0 * * CLOSE

KitchenWindo ｗ　

OPEN ? ? * OPENCLOSE * * * CLOSE

BathWindow　

OPEN ? ? * OPENCLOSE * * * CLOSE

MyroomCurtain　

OPEN ? * ? OPENCLOSE * * * CLOSE

KitchenCurtain　

OPEN ? * ? OPENCLOSE * * * CLOSE

MyroomPC　

　

OFF * * * 　 OFFsetChannel(int ch)

* 　 * 　 * 　 Channel(int)

setVolume(int vol)

* * 　 * Volume(int)

LivingTV　

　

OFF * * * OFFsetChannel(int ch)

* 　 * 　 * 　 Channel(int)

setVolume(int vol)

* * 　 * Volume(int)

KitchenTV　

　

OFF * * * 　 OFFsetChannel(int ch)

* * * 　 Channel(int)

setVolume(int vol)

* * 　 * Volume(int)

MyroomAirconditioner　

　

　

COOLING 1 * * COOLINGHEATING + * * HEATINGDEHUMIDITY * 1 * DEHUMIDITYOFF * * * OFF

LivingAirconditioner

COOLING 1 * * COOLINGHEATING + * * HEATING

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DEFUMIDITY * 1 * DEHUMIDITYOFF * * * OFF

MyroomLight　

ON * * + ONOFF * * * OFF

LivingLight　

ON * * + ONOFF * * * OFF

KitchenLight　

ON * * + ONOFF * * * OFF

HallLight1　

ON * * + ONOFF * * * OFF

HallLight2　

ON * * + ONOFF * * * OFF

BathLight　

ON * * + ONOFF * * * OFF

MyroomHumidifier　

ON * + * ONOFF * * * OFF

LivingHumidifier　

ON * + * ONOFF * * * OFF

KitchenHeater　

ON + * * ONOFF * * * OFF

LivingFloorheating　

ON + * * ONOFF * * * OFF

こ れ ら の 機 器 の 動 作 を 確 認 す る た め に ， 先 ほ ど 挙 げ たPhidgets を 用 い る ．Phidget RFID Kit の タ グ と リ ー ダ を 使 用 し て ， ユ ー ザ が 持 ち 歩く タ グ が ， リ ー ダ の 上 を 通 る こ と で ユ ー ザ が 移 動 し たと み な す ． こ の ユ ー ザ の 移 動 を リ ー ダ が 認 識 し ， そ れが ト リ ガ と な っ て サ ー ビ ス の 実 行 が 促 さ れ る ．4-Motor Phidget Servo Kit は ， ト リ ガ に よ っ て 部 屋 の 窓 や カ ー テン が 開 く ， と い う サ ー ビ ス を 実 現 す る 表 現 の た め に 用い る ．Phidget Interface Kitは ， 部 屋 の 照 明 の 点 灯 や テ レ ビ の 電 源 が 入っ た ， と い う サ ー ビ ス が 実 行 さ れ た と き に LED ラ イ ト が点 灯 す る よ う に ア ウ ト プ ッ ト 部 分 を 利 用 す る ．

6.3 プ ロ ト タ イ プ の 実 装　 提 案 す る ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム を ， Web サ ー ビス を 用 い て シ ス テ ム を 構 築 す る ．実 際 に 作 成 し た コ ー ド は ● ● 行 で あ っ た ． ソ ー ス コ ード は 付 録 に 添 付 す る 。

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6.3.1 プ ロ ト タ イ プ で 作 成 し た ク ラ ス 図

ク ラ ス 図 を 図 6.3 に 記 す ．

図 6-34 　 プ ロ ト タ イ プ で 作 成 し た ク ラ ス 図

(1) RFIDManager ： ユ ー ザ の 移 動 を 検 知 す る ク ラ ス 。 検 知 には RFIDphidget を 用 い る 。

(2) RoomManager： 各 部 屋 の 機 器 を 制 御 す る た め の 中 心 的 な存 在 。 部 屋 の 環 境 や デ バ イ ス の 情 報 か ら 機 器 に サ ービ ス 提 供 を 促 す 。

(3) User ： 個 々 の ユ ー ザ の 情 報 を 保 持 す る 。 User ク ラ ス は環 境 プ ロ パ テ ィ 情 報 と 、 機 器 プ ロ パ テ ィ 情 報 を 持 つ 。

(4) WebServiceInvoke： RoomManager か ら 促 さ れ た サ ー ビ ス を 実 際に 機 器 に 実 行 さ せ る 。

(5) SensorManager ： 部 屋 や 屋 外 の 温 度 、 湿 度 、 照 度 な ど の 環境 プ ロ パ テ ィ を 測 定 す る 。 ま た デ バ イ ス が 環 境 に どの よ う な 影 響 を 与 え る か わ か ら な い 時 に SensorManager に問 い 合 わ せ る こ と で 機 器 の 影 響 を 返 答 し て く れ る 。

(6) ExecutableDeviceList ： サ ー ビ ス を 提 供 す る 機 器 を 保 持 す るク ラ ス

(7) EnvironmentMethodName: 機 器 の 制 約 を 処 理 す る ク ラ ス

こ の モ デ ル は ， 今 回 部 屋 単 位 に よ る 管 理 を 想 定 し て い

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る の で ， プ ロ ト タ イ プ は 家 全 体 で は ５ つ の RoomManager を持 つ こ と に な る ．

6.3.2 シ ー ケ ン ス 図

ユ ー ザ が 移 動 し て 部 屋 に 入 っ て き た 時 の 処 理 を 以 下 に示 す ．

RoomManger

MainSensor

Manager

RFIDManager

RFIDPhidget

Device

Method

WebServiceInvoke

<<create>>1:<<create>>

2: <<create>>3:

<<create>>3.1

<<create>>2.1<<create>>

4:

<<create>>5.1

5: RFIDIN_OUT()

DevicePropDetail

<<create>>6.2

<<create>>6.2.1

8:setAllDirection()

9:setAllImpact()

9.1:setImpact()

9.1.1:Judge()EnvironmentMethodName

<<create>>9.1.39.1.2getImpactMethod()

10:setAllUsableImpact()10.1setUsableImpact()

10.1.1:setUsable()

11.1avoidSideEffect()11:avoidAllSideEffect()

11.1.1setUsable()

12.1selectDevicePattern()12:selectAllDevicePattern()

12.1.1createRunList()

ExecutableDeviceList

<<create>>12.1.1.2:

12.1.1.1.1:getDeviceName()ExecutableMethodList12.1.1.2.1:getMethodName

12.1.3:addRunDevice()

<<create>>12.1.1.1:

UserEnvProP

Name DevicePropName

<<create>>6: <<create>>

6.15.2:inAction()

7:getUserInstance()

13:executeWebService()

図 6-35 　 ユ ー ザ が 部 屋 Ａ に 入 っ て き た と き の 部 屋 Ａ の処 理

(1) RFIDManager よ り 、 RoomManager は ユ ー ザ が 部 屋 に 入 っ て きた と い う inAction() を 受 け 取 る 。

(2) 部 屋 に 入 っ て き た ユ ー ザ に 対 し て 、 getUserInstance() に より 、 ユ ー ザ 情 報 ( 機 器 プ ロ パ テ ィ と 環 境 プ ロ パ テ ィ )を 問 い 合 わ せ す る 。

(3) setAllDirection() よ り 部 屋 に 存 在 す る 機 器 一 覧 を 取 得 。(4) setAllImpact() よ り 部 屋 に 存 在 す る 機 器 が 、 環 境 プ ロ パ テ

ィ に プ ラ ス の 影 響 を 与 え る の か マ イ ナ ス の 影 響 を 与え る の か 判 断 す る 。 機 器 自 身 で 判 断 が で き な い 場 合は SensorManager に Judge() す る こ と で 、 影 響 の 方 向 を 返 して く れ る 。

(5) SetAllUsable() よ り 、 4) で 得 た 機 器 の 影 響 方 向 が ユ ー ザ の要 求 を 満 た す か ど う か の 判 断 を 行 う

(6) 5) で 得 た 機 器 で も 、 副 作 用 よ り ユ ー ザ の 要 求 を 満 たさ な い も の は こ こ で の ぞ か れ る 。

62

(7) SelectAllDevicePattern で 実 行 す る 機 器 の サ ー ビ ス の 組 み 合わ せ を 決 定 す る 。

(8) executableWebService() で 機 器 に サ ー ビ ス 実 行 命 令 を 行 う 。

ユ ー ザ が 移 動 し て 部 屋 か ら 出 て 行 っ た 時 の 処 理 を 以 下に 示 す ．

<<create>>2.1

<<create>>5.1

8:executeWebService()

RoomManger

MainSensor

Manager

RFIDManager

<<create>>1:<<create>>

2: <<create>>3:

<<create>>4:

5: RFIDIN_OUT()

5.2:outAction()

RFIDPhidget

User

Device

Method

WebServiceInvoke

EnvProPName DeviceProp

NameDeviceProp

Detail

<<create>>3.1

<<create>>6: <<create>>

6.1<<create>>

6.2<<create>>

6.2.17:updateUser()

7.1getDeviceStatus()

7.2updateDeviceProp()

7.2.1updateDevicePropertyDetail()

図 6-36 　 ユ ー ザ が 部 屋 Ａ か ら 出 て 行 っ た と き の 部 屋 Ａの 処 理

(1) RFIDManager よ り 、 RoomManager は ユ ー ザ が 部 屋 か ら 出 て いく と い う outAction()を 受 け 取 る 。

(2) updateUser() よ り 、 部 屋 か ら 出 て 行 く と き の 現 在 の 部 屋の 状 態 を ユ ー ザ の 機 器 プ ロ パ テ ィ に 蓄 積 す る 。

(3) executableWebService() よ り 、 部 屋 を 初 期 状 態 に 戻 す

6.4 実 験 内 容 と そ の 結 果ケ ー ス ス タ デ ィ を 用 い て シ ス テ ム の 検 証 を 行 う ．検 証 で は ， 本 研 究 の ア プ ロ ー チ で あ る ， 環 境 プ ロ パ

テ ィ と ユ ー ザ の 移 動 を 考 慮 し た 上 で 、 ケ ー ス ス タ デ ィを 用 い て 作 成 し た シ ス テ ム の 性 能 評 価 と ア プ ロ ー チ の効 果 を 実 証 す る こ と を 目 的 と す る ．

ケ ー ス ス タ デ ィ で 考 慮 す べ き 点 は 以 下 の ４ 点 で あ る ．(1) 移 動 経 路 ：

本 研 究 の ア プ ロ ー チ で あ る ユ ー ザ の 移 動を 考 慮 し た サ ー ビ ス 提 供 を 行 う た め に ，ユ ー ザ が ど の 部 屋 か ら ど の 部 屋 に 移 動 し

63

た か を 詳 細 に 把 握 す る 必 要 が あ る ．(2) ユ ー ザ 情 報 ：

ユ ー ザ が 独 自 に も つ 環 境 プ ロ パ テ ィ 情 報（ 温 度 ， 湿 度 ， 照 度 の 値 ） と 、機 器 プ ロ パ テ ィ 情 報 ( 機 器 名 ， 機 器 プ ロパ テ ィ ， 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 ）

(3) 各 部 屋 の 環 境 ：想 定 さ れ る 部 屋 の 環 境 プ ロ パ テ ィ 状 態（ 温 度 ， 湿 度 ， 照 度 ） と ，各 部 屋 の 機 器 プ ロ パ テ ィ の 状 態 ．

(4) 屋 外 の 環 境 ：想 定 さ れ る 屋 外 の 環 境 プ ロ パ テ ィ 状 態（ 温 度 ， 湿 度 ， 照 度 ） ．今 回 の デ モ 環 境 で は 屋 外 に デ バ イ ス は ない も の と す る ．

こ れ ら を 踏 ま え て ケ ー ス ス タ デ ィ を 行 う ． 用 い る デモ 環 境 は 先 ほ ど 述 べ た 家 庭 環 境 （ 図 6.2 参 照 ） と 機 器 のメ ソ ッ ド ， プ ロ パ テ ィ ( 表 デ バ イ ス 情 報 一 覧 ) を 参 考 に行 う も の と す る ．

シ ス テ ム を 検 証 す る た め に ， ４ つ の ケ ー ス ス タ デ ィを 用 い る ． 以 下 に ４ つ の ケ ー ス ス タ デ ィ の 実 際 に 行 動す る 図 と 各 部 屋 の 詳 細 を 記 述 し 、 そ の 実 行 結 果 を 示 す 。

図 6-37 　 ケ ー ス ス タ デ ィ で 用 い る ユ ー ザ の 移 動 経 路

6.4.1 ケ ー ス ス タ デ ィ １ （ 純 粋 な 環 境 プ ロ パ テ ィ の 引 き

継 ぎ ）

現 在 ユ ー ザ は 廊 下 に い る ． そ の 時 の 各 環境 は 以 下 の 通 り で あ る ．1) ユ ー ザ 情 報 ：

・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 20 度 ， 湿 度 ：

64

50 ％ ， 照 度 400Lx ）・ 機 器 プ ロ パ テ ィ ( な し )

2) 部 屋 の 環 境 ：・ 廊 下 の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温 度 ： 20度 ， 湿 度 ： 50 ％ ， 照 度 ： 100Lx ）・ 廊 下 の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ 照 明 １ ：ON ， 照 明 ２ ： OFF ）・ バ ス ＆ ト イ レ の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温度 ： 20 度 ， 湿 度 50 ％ ， 照 度 ： 100Lx ）・ バ ス ＆ ト イ レ の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ 照明 ： OFF ， 窓 ： CLOSE ）

3) 屋 外 の 環 境 ：・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 20 度 ， 湿 度 ：50 ％ ， 照 度 ： 100Lx)

4) 移 動 経 路 ：ユ ー ザ は 廊 下 か ら バ ス ＆ ト イ レ に 移 動す る ．

＜ ケ ー ス ス タ デ ィ １ ： 実 行 結 果 ＞ユ ー ザ が 廊 下 か ら ， バ ス ＆ ト イ レ に 行 く ．・ バ ス ＆ ト イ レ に 入 っ た ら ， 廊 下 の 照 明 １ が 消 え る ．・ バ ス ＆ ト イ レ の 照 明 が 点 灯 す る ．

6.4.2 ケ ー ス ス タ デ ィ ２ （ 環 境 プ ロ パ テ ィ の 副 作 用 ）

現 在 ユ ー ザ は 廊 下 に い る ． そ の 時 の 各 環境 は 以 下 の 通 り で あ る ．1) ユ ー ザ 情 報 ：

・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 20 度 ， 湿 度 ：50 ％ ， 照 度 400Lx ）・ 機 器 プ ロ パ テ ィ ( な し )

2) 部 屋 の 環 境 ：・ 廊 下 の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温 度 ： 20度 ， 湿 度 ： 50 ％ ， 照 度 ： 100Lx ）・ 廊 下 の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ 照 明 １ ：ON ， 照 明 ２ ： OFF ）・ 寝 室 の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温 度 ： 18度 ， 湿 度 45 ％ ， 照 度 ： 100Lx ）・ 寝 室 の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ 照 明 ： OFF ，窓 ： CLOSE ， カ ー テ ン ： CLOSE ， エ ア コン ： OFF ， 加 湿 器 ： OFF ， パ ソ コ ン テ レビ ： OFF ）

3) 屋 外 の 環 境 ：・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 15 度 ， 湿 度 ：

65

55 ％ ， 照 度 ： 100Lx)4) 移 動 経 路 ：

・ ユ ー ザ は 廊 下 か ら 寝 室 に 移 動 す る ．

＜ ケ ー ス ス タ デ ィ ２ ： 実 行 結 果 ＞ユ ー ザ が 廊 下 か ら ， 寝 室 に 行 く ．・ 寝 室 に 入 っ た ら ， 廊 下 の 照 明 １ が 消 え る ．・ 寝 室 に 入 っ た ら ， カ ー テ ン が 開 き ， 加 湿 器 の 電 源 がつ き ， 照 明 が 点 灯 す る ．

6.4.3 ケ ー ス ス タ デ ィ ３ （ 純 粋 な 機 器 プ ロ パ テ ィ の 引 き

継 ぎ ）

現 在 ユ ー ザ は リ ビ ン グ に い る ． そ の 時 の 各環 境 は 以 下 の 通 り で あ る ．1) ユ ー ザ 情 報 ：

・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 20 度 ， 湿 度 ：50 ％ ， 照 度 400Lx ）・ 機 器 プ ロ パ テ ィ ( テ レ ビ ：setChannel3,setVolume4)

2) 部 屋 の 環 境 ：・ リ ビ ン グ の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温 度 ： 20度 ， 湿 度 ： 50 ％ ， 照 度 ： 400Lx ）・ リ ビ ン グ の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ エ ア コン ： OFF ， 床 暖 房 ： OFF ， 加 湿 器 ： OFF ，　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 照明 ： OFF ， テ レ ビ ： Channel3 ， Volume4 ， )・ キ ッ チ ン の 環 境 プ ロ パ テ ィ （ 温 度 ： 20度 ， 湿 度 50 ％ ， 照 度 ： 400Lx ）・ キ ッ チ ン の 機 器 プ ロ パ テ ィ （ 照 明 ：OFF ， 窓 ： CLOSE ， カ ー テ ン ： CLOSE ，　 ヒ ー タ ： OFF ， テ レ ビ ： OFF ）

3) 屋 外 の 環 境 ：・ 環 境 プ ロ パ テ ィ ( 温 度 ： 20 度 ， 湿 度 ：50 ％ ， 照 度 ： 400Lx)

4) 移 動 経 路 ：ユ ー ザ は リ ビ ン グ か ら キ ッ チ ン に 移 動 する ．

＜ ケ ー ス ス タ デ ィ ３ ： 実 行 結 果 ＞ユ ー ザ が リ ビ ン グ か ら ， キ ッ チ ン に 行 く ．・ キ ッ チ ン に 入 っ た ら ， リ ビ ン グ の テ レ ビ が 切 れ る ．

66

・ キ ッ チ ン の テ レ ビ は ， ３ チ ャ ン ネ ル ， ボ リ ュ ー ム４ で 電 源 が つ く

6.4.4 ケ ー ス ス タ デ ィ ４ （ 外 部 入 力 を 受 け た 機 器 プ ロ パ

テ ィ の 引 き 継 ぎ ）

＜ケーススタディ４

：実行結果

＞ユ ー ザ が キ ッ チ ン か ら ， リ ビ ン グ に 行 く ．・ リ ビ ン グ に 入 っ た ら ， キ ッ チ ン の Ｔ Ｖ が 切 れ る ．・ リ ビ ン グ の テ レ ビ は ， １ チ ャ ン ネ ル ， ボ リ ュ ー ム ４で 電 源 が つ く

6.5 シ ナ リ オ を 通 し た 実 験 と そ の 結 果本 研 究 で 提 案 す る シ ス テ ム を ユ ー ザ の 普 段 の 生 活 の 移動 を 想 定 し た 上 で 、 時 間 的 な 流 れ を 用 い た シ ナ リ オ を通 し て 評 価 を 行 う 。

シ ナ リ オ12 月 25 日 ， ユ ー ザ Ａ は 夕 方 6 時 帰 宅 ． （ 6 時 現 在 の 屋 外の 気 温 8 度 ， 湿 度 50 ％ ， 照 度 250Lx. ）廊 下 を 通 り ， 寝 室 に 行 き ， か ば ん を 置 き に 行 く ． そ の後 寝 室 で テ レ ビ を ３ チ ャ ン ネ ル ボ リ ュ ー ム ４ で ニ ュ ース 番 組 を 見 て く つ ろ ぐ ． 6 時 30 分 ， (6 時 30 分 現 在 の 屋 外の 気 温 8 度 ， 湿 度 49 ％ ， 照 度 230Lx) ト イ レ に 行 き た く な り一 時 寝 室 を 出 て ト イ レ へ 。 6 時 35 分 寝 室 に 戻 り ， 引 き 続き 先 ほ ど の テ レ ビ 番 組 の 続 き を 見 る ．７ 時 (7 時 現 在 の 屋 外 の 気 温 ， 湿 度 ， 照 度 ) ， 食 事 の 準 備を し に キ ッ チ ン へ 。 7 時 30 分 （ 7 時 30 分 現 在 の 屋 外 の 気

現在ユーザはキッチンにいる．その時の各環境は以下の通りである．1) ユーザ情報：

・環境プロパティ(温度：20 度，湿度：50％，照度 400Lx）・機器プロパティ(テレビ：Channel3，Volume4)

2) 部屋の環境：・キッチンの環境プロパティ（温度：20 度，湿度：50％，照度：400Lx）・キッチンの機器プロパティ（照明：OFF，窓：CLOSE，カーテン：CLOSE，　　　　　　　　　　　　ヒータ：OFF，テレビ：３チャンネル，ボリューム４）・リビングの環境プロパティ（温度：20 度，湿度 50％，照度：400Lx）・リビングの機器プロパティ（エアコン：OFF，床暖房：OFF，加湿器：OFF，　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　照明：OFF，テレビ：OFF)

3) 屋外の環境：・環境プロパティ(温度：20 度，湿度：50％，照度：400Lx)

4) 移動経路：・ユーザは，キッチンのテレビのチャンネルを１に変更し，ユーザはキッチンからリビングに移動する．

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温 ， 湿 度 ， 照 度 ） ， リ ビ ン グ で 夕 食 を と る ． 8 時 テ レ ビの チ ャ ン ネ ル を １ チ ャ ン ネ ル に 変 更 ． 9 時 寝 室 に 戻 り 引き 続 き テ レ ビ を 見 る ． 10 時 テ レ ビ の 電 源 を 切 り ， 就 寝 ．

＜ 実 行 結 果 ＞

68

7 評価と考察

7.1 ケ ー ス ス タ デ ィ の 評 価(1) 環 境 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ

ケ ー ス ス タ デ ィ 1 よ り ， ユ ー ザ が 保 持 す る 情 報 で あ る環 境 プ ロ パ テ ィ の 引 き 継 ぎ が 行 わ れ た こ と が 証 明 で きる ． ユ ー ザ の 環 境 プ ロ パ テ ィ 値 は ， 温 度 20 度 ， 湿 度50 ％ ， 照 度 400Lx で あ る に 対 し ， 移 動 先 で あ る バ ス ＆ トイ レ の 現 在 の 状 態 は 温 度 20 ％ ， 湿 度 50 ％ ， 照 度 100Lx であ る ． こ れ に よ り ユ ー ザ の 要 求 は ， 「 温 度 ， 湿 度 は その ま ま の 状 態 で よ い 」 が 「 照 度 を 上 げ て 欲 し い 」 と いう 要 求 が 発 生 す る ． こ の 要 求 か ら 照 度 を 上 げ る こ と ので き る 機 器 で あ る バ ス ＆ ト イ レ の 照 明 が 点 灯 す る ．

ま た ， ユ ー ザ の 移 動 に よ り ユ ー ザ が い な く な っ た 廊下 で 実 行 さ れ て い た 照 明 の 点 灯 は 不 必 要 な サ ー ビ ス とみ な さ れ ， 消 灯 す る ．

(2) 環 境 プ ロ パ テ ィ に よ る の 副 作 用ケ ー ス ス タ デ ィ 2 よ り ， 副 作 用 を 考 慮 し た 引 き 継 ぎ が

行 わ れ る こ と が 証 明 さ れ る ．こ の 場 合 の 副 作 用 は ， 窓 を 開 け る と い う サ ー ビ ス に

対 し て 温 度 と 湿 度 の 両 方 の 環 境 プ ロ パ テ ィ に 影 響 が ある の で 考 え ら れ る 可 能 性 が あ っ た ． ケ ー ス ス タ デ ィ 2 では ， ユ ー ザ が 寝 室 に 入 っ た と き に ， ユ ー ザ の 環 境 プ ロパ テ ィ 値 と 寝 室 の 現 在 の 状 態 と の 比 較 よ り ， 「 温 度 を上 げ て 欲 し い 」 ， 「 湿 度 を 上 げ て 欲 し い 」 ， 「 照 度 を上 げ て 欲 し い 」 と い う 要 求 が 成 立 す る ． こ の と き 窓 を開 け る と ， 屋 外 の 環 境 よ り ， 温 度 は 下 が り 湿 度 は 上 がる と い う ， ユ ー ザ の 要 求 と は 異 な る も の を 含 ん で し まう ． こ の た め ， 窓 を 開 け る こ と は 温 度 に 関 し て ふ さ わし く な い の で ， た と え 湿 度 の 要 求 を 満 た せ る と し て も選 ば れ る こ と は な い ． ． ．

(3) 機 器 プ ロ パ テ ィ の 連 続 に よ る 引 き 継 ぎケ ー ス ス タ デ ィ 3 よ り ， 機 器 プ ロ パ テ ィ の 連 続 が 保 た

れ 引 き 継 ぎ が さ れ る こ と が 証 明 さ れ る ．リ ビ ン グ で テ レ ビ を チ ャ ン ネ ル 3 ， ボ リ ュ ー ム 4 で 見

て い た ． キ ッ チ ン で は テ レ ビ は OFF の 状 態 で あ る が ， ユー ザ の 移 動 に よ り ， 先 ほ ど リ ビ ン グ で 見 て い た テ レ ビの チ ャ ン ネ ル と ボ リ ュ ー ム を 引 き 継 い で ， キ ッ チ ン でも リ ビ ン グ と 同 様 の 状 態 で あ る ， チ ャ ン ネ ル 3 ， ボ リ ュー ム 4 で 見 る こ と が 可 能 に な っ た ．

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(4) 外 部 入 力 が あ っ た 場 合 の 機 器 プ ロ パ テ ィ の 連 続 に よる 引 き 継 ぎ

ケ ー ス ス タ デ ィ 4 よ り ， 外 部 入 力 ( ユ ー ザ に よ る 機 器操 作 ) が あ っ て も ， 機 器 プ ロ パ テ ィ は 連 続 を 保 ち の 引 き継 ぎ が さ れ る こ と が 証 明 さ れ る ．

キ ッ チ ン で テ レ ビ を チ ャ ン ネ ル 3 ， ボ リ ュ ー ム 4 で 見て い た が ， ユ ー ザ が 自 ら チ ャ ン ネ ル １ に 変 更 し た ． ユー ザ が キ ッ チ ン か ら 出 て 行 く と き に ， ユ ー ザ の 機 器 プロ パ テ ィ 値 は ユ ー ザ が 変 更 し た チ ャ ン ネ ル は 1 ， ボ リ ュー ム は そ の ま ま の 4 で 保 持 し 直 さ る ． こ の た め 移 動 先 のリ ビ ン グ で は 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 が 反 映 さ れ サ ー ビ ス が引 き 継 が れ る ． こ れ は 以 前 に リ ビ ン グ で 見 て い た チ ャン ネ ル と ボ リ ュ ー ム が あ っ て も ， ユ ー ザ の 機 器 プ ロ パテ ィ 値 の 方 が 優 先 さ れ る こ と も 検 証 で き る ．

7.2 シ ナ リ オ の 評 価家 庭 で 生 活 す る 際 に 考 え ら れ る ユ ー ザ の 移 動 を 想 定

し た シ ナ リ オ を 作 成 し ， 実 際 に ユ ー ザ を 動 か し た ． 本研 究 で 提 案 す る モ デ ル に は 時 間 の 概 念 が 取 り 入 れ ら れて い な い が ， 環 境 プ ロ パ テ ィ に つ い て ， ユ ー ザ の 要 求を 実 現 で き る 機 器 が サ ー ビ ス を 提 供 で き て い る こ と ，ま た 機 器 プ ロ パ テ ィ に つ い て ， そ の 機 器 が な い 部 屋 を間 に 挟 ん で も 機 器 が あ る 部 屋 に 入 っ た と き に は 保 持 し続 け た 機 器 プ ロ パ テ ィ 値 が 反 映 さ れ る こ と ， そ し て これ ら に よ り サ ー ビ ス の 柔 軟 な 引 き 継 ぎ が 実 行 で き る こと が 検 証 で き た ．

7.3 本 研 究 の 評 価 と 考 察　 本 研 究 で は ， ユ ー ザ の 移 動 に 環 境 プ ロ パ テ ィ の 概 念を 取 り 入 れ た サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ を 提 案 し て い る ． 環境 プ ロ パ テ ィ の 概 念 に 重 点 を 置 い て い な い HNS に 関 す る既 存 の 研 究 は 進 め ら れ て い る の で ， 今 後 本 研 究 の 提 案を 適 用 す る と 更 な る 快 適 性 を 提 供 で き る と 考 え ら れ る ．

し か し ， 本 研 究 で の シ ス テ ム で は 機 器 に 関 す る ル ール な ど が な い た め ， エ ア コ ン が 別 々 の メ ソ ッ ド で 温 度と 湿 度 の 両 方 に つ い て 要 求 を 満 た す も の と し て 選 択 され た り ， エ ア コ ン の 電 源 が 付 い て 窓 が 開 く と い う 人 間に と っ て は 不 自 然 な 組 み 合 わ せ が 選 択 さ れ た り し て しま う ． シ ス テ ム 自 身 は サ ー ビ ス の 決 め 手 を 持 た ず ， ユー ザ の 意 図 を サ ー ビ ス と し て 実 現 す る こ と や 複 数 の ユー ザ が 存 在 す る 場 合 の サ ー ビ ス 競 合 な ど の ル ー ル も ない ． こ の 問 題 を 改 善 し 更 に 柔 軟 な 引 き 継 ぎ が で き る シス テ ム に す る た め に は ， 既 に 進 め ら れ て い る サ ー ビ ス

70

実 行 の た め の ル ー ル に 関 す る 研 究 の よ う に 制 約 の 概 念を 取 り 入 れ る こ と が 必 要 と な っ て く る ．

ま た 制 御 に 関 し て ， 本 研 究 で は 部 屋 を 家 庭 内 に あ る機 器 が 影 響 を 及 ぼ す 範 囲 と し ， 家 全 体 で は な く 部 屋 毎に 制 御 を す る HNS を 提 案 し て い る ． こ れ は 「 ユ ー ザ が いる こ と を 把 握 し ， い る と こ ろ で サ ー ビ ス が 実 行 さ れ るべ き で あ る 」 と い う ア プ ロ ー チ か ら ， 家 全 体 で 家 庭 内に あ る 全 て の 機 器 や ユ ー ザ の 位 置 情 報 の 管 理 を す る 必要 は な く ， 部 屋 毎 に 管 理 の 機 能 を 分 散 し た 方 が よ い と考 え る た め で あ る ． 分 散 し た 管 理 を す る と 負 荷 が 分 散さ れ ， 今 後 シ ス テ ム の 発 展 と し て 部 屋 の 機 器 が 増 え る場 合 や 部 屋 を さ ら に 細 か い 空 間 に 分 け て 考 え る 場 合 ，家 庭 内 だ け で な く 家 庭 外 も 含 め て 移 動 す る 場 合 を 考 えた と き な ど に 拡 張 性 を 持 つ こ と が で き る ．一 方 ， 集 中 管 理 を し て い る 既 存 の シ ス テ ム と し て ホ

ー ム サ ー ビ ス ハ ー モ ニ ー や FEMINITYが あ る ． こ れ ら は ホ ーム ゲ ー ト ウ ェ イ を 用 い て ， 家 庭 内 に 存 在 す る 全 て の 機器 を 把 握 し 制 御 を し て い る ．こ れ ら の シ ス テ ム に 本 研 究 で 提 案 す る モ デ ル を 適 用

す る こ と で ， 柔 軟 な サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ が で き る と いう こ と だ け で な く ， 負 荷 の 分 散 や 拡 張 性 が 持 て る と いう メ リ ッ ト が 生 か さ れ ， よ り 便 利 な HNS が 実 現 で き る と考 え ら れ る ．

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8 今後の課題

8.1 P2P の 導 入本 研 究 で 提 案 す る モ デ ル で は 部 屋 単 位 に マ ネ ー ジ ャ

が 存 在 す る た め ， 家 全 体 を HNS が 集 中 管 理 す る 従 来 の シス テ ム よ り も 柔 軟 に サ ー ビ ス 提 供 が で き る ． 一 方 で ，部 屋 単 位 で 見 れ ば マ ネ ー ジ ャ が 部 屋 全 体 を 制 御 す る 集中 管 理 に な っ て い る ．

今 後 は ， 機 器 が マ ネ ー ジ ャ に 頼 ら ず に 自 律 的 に サ ービ ス 提 供 を 行 え る よ う に な っ て い く こ と が 望 ま し い ．そ の た め に P2Pア ー キ テ ク チ ャ の 導 入 を 考 え る ． P2Pに は ，サ ー バ を 完 全 に 排 除 し た ピ ュ ア 型 P2Pや ， サ ー バ を 仲 介者 と す る ハ イ ブ リ ッ ド 型 P2Pな ど さ ま ざ ま な 種 類 が あ る ．ピ ュ ア 型 P2Pを 適 用 す れ ば ， 機 器 同 士 が お 互 い に 通 信 し合 っ て サ ー ビ ス を 提 供 す る こ と は 出 来 る が ， そ の 分 機器 へ の 負 担 が 大 き く な る ． ハ イ ブ リ ッ ド 型 P2Pか ら 徐 々に 機 器 に 重 み を 持 た せ て い き ピ ュ ア 型 P2Pへ 発 展 さ せ るア プ ロ ー チ が 良 い と 考 え る ．

8.2 制 約 の 導 入本 研 究 で は ， 「 サ ー ビ ス の 引 き 継 ぎ 」 を 考 え た た め ，

優 先 す る 機 器 や 機 器 の 組 み 合 わ せ の 詳 し い 指 定 は し てい な い ． つ ま り ， ユ ー ザ の サ ー ビ ス に 対 す る 嗜 好 や 要求 な ど は 考 慮 さ れ て い な い ．こ の た め ， 評 価 で も 述 べ た 通 り 制 約 が 必 要 で あ る ．

制 約 の 中 で も ， 機 器 同 士 で 同 時 に サ ー ビ ス を 実 行 さ せる べ き で は な い 場 合 の 機 器 の 制 約 と ， ユ ー ザ が 独 自 で機 器 に 対 し て 持 つ 嗜 好 な ど の ユ ー ザ 制 約 が 考 え ら れ る ．ま た ， ユ ー ザ が 複 数 い る 場 合 な ど の 制 約 や 競 合 の 問 題を 解 決 す る 必 要 が あ り ， 制 約 の 概 念 の 適 用 の た め に ルー ル の 記 述 と そ の 導 入 が 必 要 で あ る と 考 え る ．

8.3 時 間 的 連 続 性 の 考 慮本 研 究 で は ユ ー ザ の 移 動 に 着 目 し ， 移 動 に よ り サ ー

ビ ス が 実 行 さ れ る ア プ ロ ー チ を と っ た ． そ の 一 方 で ，家 庭 生 活 で は ユ ー ザ は 同 じ 部 屋 か ら 長 時 間 動 か ず ， 部屋 に ず っ と 滞 在 し て い る こ と が あ る ． そ の た め ， 滞 在中 で も 連 続 的 に サ ー ビ ス が 提 供 さ れ 続 け る よ う に 時 間的 な 連 続 性 を 考 慮 し て 改 善 す る 必 要 が あ る と 考 え る ．こ の 場 合 ， 環 境 プ ロ パ テ ィ に 関 し て 長 時 間 の 滞 在 で 目標 値 に 達 成 で き た 場 合 や ， 自 然 の 影 響 に よ り 部 屋 の 状態 が 変 化 す る 場 合 に つ い て 考 慮 し な け れ ば な ら な い ．

72

ま た ， 時 間 の 概 念 を 用 い る 必 要 性 と し て ， 部 屋 の 状態 を 作 り 出 す た め に 機 器 を 事 前 に 準 備 さ せ て お き た い場 合 が あ る ． 実 現 の た め に は ユ ー ザ の 移 動 を あ ら か じめ 察 知 し て サ ー ビ ス を 提 供 で き る 仕 組 み が 考 え ら れ る ．

そ し て ， 連 続 性 に お い て は ， 「 前 に そ こ に い た と きの 状 態 」 を 維 持 し た い ， と い う こ と も 考 え ら れ る ． 例え ば ， 数 秒 間 だ け 部 屋 を 出 て す ぐ に 戻 っ た と き に ， サー ビ ス と し て は 引 き 継 が れ て い て も 数 秒 前 と 同 じ 機 器の サ ー ビ ス が 実 行 さ れ る と は 限 ら な い ． ま た ， ユ ー ザの 毎 日 の 24 時 間 の 流 れ に 沿 っ た 環 境 プ ロ パ テ ィ の 変 動な ど の デ ー タ が あ れ ば ， よ り 柔 軟 な 連 続 性 を 持 っ て いる と 言 え る サ ー ビ ス の 提 供 も 考 え ら れ る ． こ の た め ，サ ー ビ ス の 履 歴 や ユ ー ザ の 嗜 好 や 生 活 習 慣 な ど を ま とめ た プ ロ フ ァ イ ル を 用 い る と ， 更 に 便 利 な サ ー ビ ス の引 き 継 ぎ に な っ て い く と 考 え る ．

73

9 まとめ

74

参考文献[1] 未 来 ね っ と 技 術 シ リ ー ズ ， ユ ビ キ タ ス サ ー ビ ス ネ ッ

ト ワ ー ク 技 術[2] ユ ビ キ タ ス ネ ッ ト ワ ー ク と 新 社 会 シ ス テ ム[3] NTT 西 日 本 ， ホ ー ム サ ー ビ ス ハ ー モ ニ ー ， http://www.ntt-

west.co.jp/broadband/rd/homeservice.html [4] 東 芝 ， FEMINITY， http://feminity.toshiba.co.jp/feminity/[5] ホ ラ ソ ネ ッ ト ワ ー ク[6] く ら し ネ ッ ト[7] ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク と 情 報 家 電[8] ホ ー ム ネ ッ ト ワ ー ク[9] Web サ ー ビ ス 分 析 ・ 設 計 ガ イ ド ” オ ブ ジ ェ ク ト 指 向 に

よ る モ デ リ ン グ の 手 引 き ”[10] Web サ ー ビ ス 　 XML ， SOAP， WSDL ， UDDI の 基 本 か ら 開

発 ま で マ ス タ リ ン グ ハ ン ド ブ ッ ク 本 　 俊 也[11] 紙 の web サ ー ビ ス っ て や つ ． ． ． 先 生 教 え て く だ

さ い い い[12] Algorithms in Ambient Intelligence[13] Descfibing and Verifying Integrated Services of Home Network Systems[14] コ ン テ キ ス ト に 基 づ い た 情 報 家 電 の 連 携 を 実 現 す

る た め の フ レ ー ム ワ ー ク お よ び ル ー ル ベ ー ス 言 語 の提 案

[15] コ ン テ キ ス ト ア ウ ェ ア サ ー ビ ス 実 現 に 関 す る 一 検討

[16] Feature Intefactions in Integrated Services of Networked Home Appliances[17] Intelligent Person-Centric Services for Smart Environments: ‘Where are you?’[18] Dynamic Generation of Context Rules[19] Exploiting Passive Advantages of Sentient Artefacts[20] IC タ グ の 仕 組 み と そ の イ ン パ ク ト[21] Bluetooth[22] 藤 山 先 輩 卒 論[23]

著 者 の フ ァ ミ リ ー ネ ー ムサ イ ト 名ま と め て ア ル フ ァ ベ ッ ト 順 ．

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付録

実 行 環 境今 回 ， 実 行 環 境 で 利 用 し た も の は 以 下 の 通 り で あ る ． JDK 1.5_09 Tomcat 5.5.20 Apache Axis 1.4 Apache Maven 2.04

＊ 注 意 ＊ イ ン ス ト ー ル す る 際 ， フ ォ ル ダ に ス ペ ー スが 入 ら な い よ う に す る こ と ．

JDK 1.5_09 ダ ウ ン ロ ー ド 先 　 http://java.sun.com/ ダ ウ ン ロ ー ド フ ァ イ ル 名 　 jdk-1_5_0_09-windows-i586-p.exe イ ン ス ト ー ル 手 順

1. jdk-1_5_0_09-windows-i586-p.exe を 実 行 し JDK を イ ン ス ト ール す る

2. jdk-1_5_0-doc-ja.zip を 解 凍 し JDK を イ ン ス ト ー ル し た フォ ル ダ 内 に コ ピ ー す る

3. JDK 内 の bin フ ォ ル ダ へ PATHを 通 し （ 環 境 変 数 PATHに 追 加 で 設 定 す る ） JDK を イ ン ス ト ー ル し た フォ ル ダ を JAVA_HOME環 境 変 数 に 設 定 を す る

4. コ マ ン ド プ ロ ン プ ト で ， java -version と 打 っ て java version "1.5.0_09"と 出 れ ば 完 了 ．

Tomcat 5.5.20 ダ ウ ン ロ ー ド 先 　 http://tomcat.apache.org/ ダ ウ ン ロ ー ド フ ァ イ ル 名 　 apache-tomcat-5.5.20.exe イ ン ス ト ー ル の 手 順

1. apache-tomcat-5.5.20.exe を 実 行 す る2. イ ン ス ト ー ル 内 容 は Full ， HTTP/1.1 ConnectorPort は

8080 ， Administrater Login の User Nameと Password は 各 自 値 を入 力 す る ．

3. JRE は JDKを イ ン ス ト ー ル の 時 の も の が 自 動 的 に 指定 さ れ て い る の で そ の ま ま ．

4. 環 境 変 数 CATALINA_HOMEに ， TOMCAT の ホ ー ム デ ィ レ クト リ を 指 定 す る ．

5. イ ン ス ト ー ル 終 了 後 ， Tomcatを 起 動 し ， ブ ラ ウ ザを 立 ち 上 げ て ア ド レ ス に http://localhost:8080/ と 打 ち 込み ， Tomcat画 面 が 正 常 に 見 え れ ば 完 了 ．

Apache Axis 1.4

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ダ ウ ン ロ ー ド 先 　 http://ws.apache.org/axix/ ダ ウ ン ロ ー ド フ ァ イ ル 名 　 axis-bin-1_4.zip イ ン ス ト ー ル の 手 順

1. axis-bin-1_4.zip を 解 凍 す る ．2. 解 凍 し て で き た webapps フ ォ ル ダ の 中 に axis フ ォ ルダ が あ る の で ， そ の axis フ ォ ル ダ ご と に Tomcat のイ ン ス ト ー ル デ ィ レ ク ト リ の 中 の /webapps 内 に コピ ー を す る ．

3. JDK を イ ン ス ト ー ル し た フ ォ ル ダ 内 の /lib/tools.jar をTomcat の イ ン ス ト ー ル デ ィ レ ク ト リ の /common/lib にコ ピ ー を す る ．

4. Tomcatを 再 起 動 し ， http://localhost:8080/axis/ を 開 き ， webサ ー ビ ス が 正 常 に 動 作 を し て い れ ば 完 了 ．

Apache Maven 2.04 ダ ウ ン ロ ー ド 先 　 http://maven.apache.org/download.html ダ ウ ン ロ ー ド フ ァ イ ル 名 　 maven-2.0.4-bin.zip イ ン ス ト ー ル の 手 順

1. maven-2.0.4-bin.zip を ダ ウ ン ロ ー ド す る ．2. 解 凍 ソ フ ト で 展 開 後 ， maven-2.0.4 デ ィ レ ク ト リ を任 意 (C;\maven-2.0.4) の 場 所 に 置 く ．

3. 環 境 変 数 を 作 成 す る ． 変 数 名 は Path ， 値 は C:\maven-2.0.4\bin;%PATH%と す る ．

4. コ マ ン ド プ ロ ン プ ト で mvn –version と 入 力 後 ， Maven Version:2.0.4 と 正 し く 出 力 さ れ れ ば イ ン ス ト ー ル 完了 ．

Web サ ー ビ ス 化 の 流 れ

前 準 備○Tomcat を ス タ ー ト さ せ る ．　 　 ・ http://localhost/8080 が ブ ラ ウ ザ で 見 え る か 確 認 す る ．　 　 ・ http://localhost/8080/axis が 見 え る か 確 認 す る ．　 見 れ た な ら ば ， 検 証 を 押 し ， axis の コ ア ラ イ ブ ラ リ はす べ て 存 在 し て い ま す ． と な っ て い れ ば 完 了 ． コ ア ライ ブ ラ リ が す べ て 存 在 し て い な い よ う な ら ば ， http://java.sun.com/products/javabeans/glasgow/jaf.html よ り Action.jar を 入 れ る ．

1、 C： の 直 下 に 新 規 デ ィ レ ク ト リ を 作 成 す る ． (C:\hns)２ 、 プ ロ ジ ェ ク ト を 新 規 に 作 成 す る ． コ マ ン ド プ ロ ン

プ ト の C:\hnsd でmvn archetype:create -DgroupId= パ ッ ケ ー ジ 名 -DartifactId=プ ロ ジェ ク ト 名（ パ ッ ケ ー ジ 名 =jp.nanzan.hns.appliance ， プ ロ ジ ェ ク ト 名

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=jp.nanzan.hns.applianceClass ）と 打 つ ． こ れ よ り C:\hns\applianceClass が で き る ． さ ら に ，C:\hns\applianceClass\src\main\java\jp\nanzan\hns\appliance の 中 に フ ァ イル が で き る の で 消 し て お く ．

３ 、 プ ロ グ ラ ム を コ ピ ー す る ．Phidget で 作 成 し た プ ロ グ ラ ム フ ァ イ ル を C:\hns\applianceClass\src\main\java\jp\nanzan\hns\appliance に コ ピ ー し て お く ．コ ピ ー し た フ ァ イ ル に は ， package を 付 加 し て お く ．Package 名 は ２ で 挙 げ た パ ッ ケ ー ジ 名 と 同 じ に す る ．

４ 、 サ ー ド パ ー テ ィ の jar を イ ン ス ト ー ル す る ．Maven リ ポ ジ ト リ で 提 供 さ れ て い な い サ ー ド パ ー テ ィの Jar を ロ ー カ ル リ ポ ジ ト リ に イ ン ス ト ー ル す る ． 以下 の よ う に コ マ ン ド を 実 行 す る ．mvn install:install-file -Dfile=jarま で の 絶 対 パ ス -DgroupId=<group-id> -DartifactId=<artifact-id> -Dversion=バ ー ジ ョ ン -Dpackaging=jar(-Dfile=C:\Phidget21\JavaJNI\Phidget21.jar,-DgroupId=phidget -DartifactLd=phidget -Dversion2.1 -Dpackaging=jar ） 成 功 し た ら 完 了 ．

5、 Pom フ ァ イ ル を 変 更 し ， 依 存 関 係 を 定 義 す る ．C:\hns\applianceClass の pom.xml を 開 き ， phidget の Commom.jarを 入れ 込 む ．以 下 に 例 を 示 す<dependency><groupId>phidget</groupId> <artifactId>phidget</artifactId> <version>2.1</version> </dependency></dependencies>

6、 Web ア プ リ ケ ー シ ョ ン (war) の プ ロ ジ ェ ク ト を 作 成 する ．mvn archetype:create -DgroupId= パ ッ ケ ー ジ 名 -DartifactId=プ ロ ジェ ク ト 名 -DarchetypeArtifactId=maven-archetype-webappC:\hns> で (-DgroupId=jp.nanzan.hns.appliance -DartifactId=applianceService -DarchetypeArtifactId=maven-archetype-webapp)

7、 applianceClass の pom.xml の 部 分 を 変 更 す る ．５ と 同 様 に 以 下 の も の を 付 け 加 え る ．<dependency><groupId>phidget</groupId> <artifactId>phidget</artifactId> <version>2.1</version> </dependency>

8、 C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF に あ る lib フ ォ ル ダ と web.xmlフ ァ イ ル を ， C:\hns\applianceService\src\main\webapp\WEB-INF に 上 書き す る ．C:\hns\applianceServiceで mvn war:warと コ マ ン ド を 打 つ ．

９ 、 コ ン パ イ ル を す る ．

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C:\hns\applianceClass で mvn compileコ マ ン ド を 打 つ ．10 、 C:\hns\applianceClass\target の Classes フ ォ ル ダ を C:\hns\

applianceService\target に コ ピ ー す る ．C:\hns\applianceServiceで mvn war:warと コ マ ン ド を 打 つ

11 、 Tomcat を Stop さ せ ， C:\hns\applianceService\target のapplianceService.war を C:\Tomcat5.5\webapps に コ ピ ー す る ． Tomcatを 再 起 動 さ せ る と C:\Tomcat5.5\webapps に applianceService フ ォル ダ が で き る ．

12 、 C:\hns\applianceServiceに applianceService.wsdd を 作 る ．以 下 に 習 っ て ， 追 加 し た フ ァ イ ル を 情 報 を 付 け 加 える ．<deployment>

<service name="MyroomWindowService" provider="java:RPC"> <parameter name="className" value="jp.nanzan.hns.appliance.MyroomWindow"/> <parameter name="allowedMethods" value="OPEN,CLOSE"/> 　 // 公 開 す る メソ ッ ド <parameter name="scope" value="Application"/> </service>

</deployment>１ ３ 、 ク ラ ス パ ス を 通 す ．

TOMCAT の webapps\axis\WEB-INF\lib 内 の 全 て の jarf フ ァ イ ル に クラ ス パ ス を 通 す ． 以 下 に 例 を 示 す ．java -classpath "C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\axis.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\axis-ant.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\commons-discovery-0.2.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\commons-logging-1.0.4.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\jaxrpc.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\log4j-1.2.8.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\saaj.jar;C:\Tomcat5.5\webapps\axis\WEB-INF\lib\wsdl4j-1.5.1.jar;" org.apache.axis.client.AdminClient -lhttp://localhost:8080/applianceService/services/AdminService applianceService.wsdd

１ ４ 、 ブ ラ ウ ザ で Web サ ー ビ ス が 公 開 さ れ た か 確 認 ．http://localhost:8080/applianceService/servlet/AxisServlet を 見 る ．こ こ で ， 追 加 し た フ ァ イ ル の サ ー ビ ス が 確 認 で き れば 完 了 ．

＊ 新 し く web サ ー ビ ス を 実 行 す る フ ァ イ ル を 追 加 し た 場合 は ９ 番 目 の 処 理 か ら 行 う ＊

☆Web サ ー ビ ス の 動 作 を 確 認 す る ．今 回 作 成 し た web サ ー ビ ス を 実 行 す る た め に perl を 用 いた ． Perl は http://pocketstudio.jp/win/activeperl/ の サ イ ト を 参 考 に ダ ウン ロ ー ド し た ．

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